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【ARUZE】HardClimberに関するメモ


1.概要

2004年頃にアルゼから発売された業務用シングルメダルゲーム。「脳に汗かくシリーズ」の一つとしてMillenarySlant筐体向けにリリースされた。
キャッチコピーは「Why do you climb a mountain ?(どうして山に登るんだい?)」

発売から40年以上が経ち、今もなお愛され続けるボードゲーム「Can’t Stop」とデザインが酷似していることから、本作はCan’t Stopをお手本にしたといわれている。

2.ゲームの流れ

メダルベット後4つのダイスを振り、その内2つの目の和を元にステップを進めていく。

任意の2個の出目の合計値(ラインナンバー)をつくる3個の組合せのうち、いずれかを選択し、最終的には2から12までの全てのラインナンバーを規定ステップ数出現させることがこのゲームの目的。

各ステップは最大3ラインまで同時に進めることができ、いずれか1ラインでも規定ステップ数出現させると配当が得られる。
ダイスを振ってどの枡目も塗りつぶすことができない状態を「BURST」と呼ぶ。所謂ゲーム終了。

ダブルゲームは大小(BIG or SMALL)で、3個のダイスの出目が10以下か、11以上かを選択する。全部が同じ出目とする賭けも可能。

インストラクションパネル

3.戦略

有効なラインナンバーはプレイヤーが指定するため、ここに戦略性が生まれる。

桃色で塗られている(未踏の場合は桃色の線で表示される)ラインナンバーは「ボーナスライン」と呼ばれ通常の2倍の速度で塗りつぶすことができる。
このボーナスラインを狙いながら手番を進めるのがこのゲームのセオリーとなっている。

また、ダイスの出目に応じてボーナスポイントを貯めることができて、10ポイント毎にボーナスラインが増加する。(最大3ラインが追加される)

当然ながらラインナンバーは均等には出現しない。2や12は出にくく(必要なステップ数は少ない)逆に7周りは出易い。
そこで、6,7,8と辺境の2,3,11,12とを巧く組み合わせて、生存確率を維持しながら山登りに挑戦することになる。

6,7,8の必要ステップ数は多いが、生存確率は高い

4.ボーナスとプログレッシブ

バーストする前に自主的に下山すれば、「コレクトボーナス」として配当を25%増やすことができる。

登山で得られる配当のほか、4個のダイスが全部1の目の場合は、上画面に表示されている「Progressive Jackpot」を獲得できる。

「1ステップ目でいきなり引いた」の図

ただし、Progressive Jackpotはベット時にプログレッシブ権を買わないと獲得できない。上画面には「NO RIGHTS(権利無し)」と表示される。

「上画面を見て愕然とした」の図

5.プレイした感想

実際に遊んでみると、上述のようなルールの複雑さは感じられない。
単純で奥の深いゲーム性と、当時のAruze独特のゲームデザイン、BGMやサウンドには惹きつけられるものがある。
特に2004年頃の導入当時を知らない世代には新鮮に感じるのではないだろうか。

出目への介入具合を感じる場面は多く、その手の場面を嫌うプレイヤーには勧めることができない。
また、ゲームのテンポは良くも悪くも非常にゆったりとしており、回転率は悪いと言わざるを得ない。

逆にこの手のゲームを好む人(筆者もこのクチ)が長時間プレイすることもしばしばで、裏を返せばプレイヤー側はまったりしながら落ち着いて遊ぶことができる。

6.おまけ

本ゲームには2種類のゲームデザインが用意されている。(らしい)

上画面
下画面


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