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【ヒスブロ "SECOND 百歩"】

みなさんこんばんは、ぞんびです。
ヒスブロ、してますか?
え、ヒスブロを知らない?
ヒスブロを、知らない!?
6/18(金)のFNMフォーマットに選ばれ、さらにそのあと一週間のイベントウィークが始まるウィザーズさんも認めた大人気(当社調べ)フォーマットで会えるヒストリックブロールを、知らない!?

はい、というわけで二回目になりました、今回もヒスブロ記事を書かせていただこうと思います。
前回は【ヒスブロ "THE FIRST 一歩"】という名前で『このフォーマットの肝はマリガンと、マリガンを視野に入れた構築である』ということを書かせていただきました。そのあとに続く記事のアイデアもいくつかあったのですが、衝撃的なことが二つ起きてしまい、今回はそれについての記事を書こうと思います。


1:二つの変化

前回の記事から1か月後、明日にFNMヒストリックブロールを迎えたいまですが、明日のヒストリックブロールは今までのそれとは決定的に違うということが発表されました。
第一の変化は以前から予告されていたことですが『デッキ枚数が100枚へと増加』することです。
元々ブロールの大元である統率者戦においてはデッキ枚数は100枚でした。
しかし、MTGAで最初にブロールが実装されたときはスタンダードしかフォーマットが存在しなかったためカードプールの少なさから100枚でデッキを組むのは困難であると判断されたために60枚と設定されました。
しかし、ヒストリックが実装されて以来通常のエキスパンションに加えて更にヒストリックアンソロジーシリーズやマスタリーシリーズといった形で使用可能カードは増え続けてきました。そのため、もう十分なカードプールがある可能性があると判断されて『ヒストリックブロールのみ実験的に100枚へと変更』という判断となりました。具体的な影響は別段落で解説しますが、破壊的ではないものの十分な影響力を伴った変更であると言えます。丁度前回書いた記事が無意味になるくらいですねw


第二の変化はヒストリックブロールにおいて禁止されていた2枚のカードの禁止解除です。

『不屈の巡礼者、ゴロス/Golos, Tireless Pilgrim』は5色の統率者の選択肢がまだ少ないころに生まれました。その最大の強みは『自身がマナを増やす能力を持っている』統率者であることです。そのため、もし毎ターン土地を引けると仮定した場合、毎ターン除去されたとしても統率者税を払いなおし何度でもプレイしなおすことができてしまいます。そして一度除去が尽き存命なままターンを迎えることができればその起動型能力に大きなアドバンテージを獲得していました。
シンプルにランプ戦術に組み込んだり、上記の流れの中に死者の原野のサーチを絡めることにより中盤以降のゲーム速度ではかなり存在感のある強さを誇っていました。カードプール自体も豊潤ではなくゲームプラン単位でゴロスを上回るカードや統率者が少ないこともあり高めの遭遇率と勝率を出していました。勝てないほど最強ということはなかったと思いますが、特に中速以下のデッキに対しての強さは高く、結果として禁止カードに指定されることになりました。

『軍団のまとめ役、ウィノータ』発売から一か月ほどで禁止となりました。その強みは前回の記事の基本的な内容に沿っています。つまり、『マリガンが簡単』かつ『再現性が高い』デッキであるということです。ウィノータにとって3マナ以下で人間でないカードはほぼすべて同じカードであると言えます。もちろん相性が特にいいカードなどはありますが、基本的には”ウィノータの前に戦場に出て能力を誘発させるコンボパーツ”、ということが重要です。そのためマリガンはほとんど『土地と3マナ以下の生物何でもいいから2枚以上』くらいの緩さであり簡単でした。このマリガンの簡単さは、相手に対するメタカードを探す余裕が生まれるなどといった点で重要な基準であることは前回述べた通りです。さらに、ウィノータ自身の能力も統率者戦と噛み合っています。初手とウィノータの分とドローを含めれば、4ターン目の残りデッキ枚数は49枚です(先手時)そこから6枚×2,あるいは×3見れば十分高い期待値で”当たり”を発見することが出来ました。色の関係上大当たりとみなせるカードの枚数自体は大きくなかったものの、そもそもウィノータを出して誘発させる動きの再現性が高すぎて『プレイ大剣の多様性を損なわせる』と判断されての禁止でした。
とはいえ、筆者としてはやや疑問を持った禁止でした。根拠となったブロールの対戦自体がお世辞にも盛り上がっているものとは当時言えず限られた情報でのみプレイしているプレイヤーが多いと感じたためです。『ウィノータが強い』という情報が先に火がついてしまい検証などもされないままウィノータを使うプレイヤーを増やしたりしていたようにも見えました。実際構造上強いのですが、当時他に悪名高かった統率者(キナンなど)を差し置くほどかにやや疑問がありました。


とはいえ、事情は当時と変わりました。公式の記事で上げられているのは『重みづけ』という単語です。詳しいことは明らかにされていませんが、以前よりブロール/ヒストリックブロールにおいては【勝率などの強さを元にして統率者がランク分けされ、同じようなランクの統率者と優先してマッチングする】ということがされていました。2枚のカードが禁止された後に実施された施策です。これの存在により、強すぎる/プレイ体験の多様性を損なう統率者であってもそれら同士が当たるのであればお互い様だし問題ないという判断が主な動機となり、今回の解禁に至りました。何が実際のところどれほど重みづけされているかは一切明らかになっておらず推測で語ることしかできませんが恐らくされているだろうと言われていた統率者たち(キナン、エムリー、バラル、オムナス等)は明確に強いデッキでありともすれば当時のゴロスやウィノータの状態を超えているようにもみえながら禁止に至っていないのはこれが理由と思われています。それにゴロスやウィノータも合流したということでしょう。筆者としては非常に納得がいくストーリーです。
また、ゴロスに関しては5色の統率者が増えつつあり群雄割拠し始めたこともあるかもしれません。
いずれにせよ、両者ともに強い統率者であること自体は疑いがなく、イベントで自身も【重みづけ】されたデッキを持ち込む際はより激しい戦いになるかもしれません。


2:百枚がもたらす未来

この項目ではデッキの枚数が100枚になったことにより起こりえる影響や、それをどう乗りこなすかについての推測を書いていこうと思います。
一部以上前回の記事を参照している部分もありますのでぜひセットでお読みください。


2-1:再現性の低下
当たり前ですが、まずこれが一番顕著でしょう。デッキの枚数が1.5倍以上となるため、前回の記事で述べた『統率者とコンボになる特定の1枚のカード』を探せる確率は明確に下がります。コンボカードはたいていの場合代えが効かない=デッキの中の枚数を増やすことができないため対応するのもやや難しいと言えます。
その一方で、再現性の低下を抑える方法ももちろんあります。前回述べたように『特定の機能を持つカード群』としてカードを捉えることができると、今の豊潤なヒストリックのカードプールではそれぞれ十分枚数確保することができるようになると思います。例えば『全体除去』や『3マナのマナ加速』『2マナの除去』のような分類ですね。
特に先述したウィノータのように『3マナ以下の非人間であれば何でもいい』ようなマリガン基準を設定できると相対的に大きく有利になると言えます。他にもエムリーでの『1マナ以下のアーティファクト』やビートダウンデッキ全般であればクリーチャーなら何でも同じという状況を作りやすいでしょう。これまで以上に、ある程度そのようなマリガン基準になるカード群を意識して入れると戦いやすそうです。

2-2:マリガン精度の低下
前述の再現性の低下とほぼ同じになりますが、『相手を見てのマリガン』もまた明確にしづらくなるでしょう。そういった場合にキープしたいカードはデッキの中に類似カードを多く入れることができないカードである場合が多く100枚の中から探すのが難しいためですね。例えば、3マナの統率者に間に合わせるために『2マナのカウンターが欲しい』のような限定的なカードを想定しています。そういったものをピンポイントで探すのはやや現実的じゃなくなるでしょう。
そしてそうなった場合に得しやすいのはアグロデッキ/攻める側のデッキであると言えます。
アグロデッキが使う統率者はたいていの場合『メタカードを探される側』であることに加えて、攻めて勝つプランを持っているデッキはメタカードを探さなくても『そもそも相手を倒す』プランが取れるからですね。
逆にそうじゃないような相手に長時間付き合って戦うつもりの遅いデッキの場合にはそのようなメタカードを多めにつんだりサーチカードを加えたりといった今までしていなかった工夫が必要かもしれません。


2-3:カードプールの穴
ヒストリックの現在のプールは豊潤であると言いましたが、二つほど穴があると言えます。『単色の選択肢の狭さ』と『多色の土地の狭さ』です。
前者については当たり前のことですが、シンプルに多色よりカードが少ないです。それに加えて最近は多色セットが続いていたり、そうでないセットにおいても『アンコモンやレアに多色のサイクルカードが存在する』場合が増えてきています。それらは明確なテーマ性を持ってデザインされておりそれが強さにもつながっていることが多いため、『実用的』なカードの選択肢は単純な想定よりもさらに1段階少ないと言えます。攻めるデッキでもうけるデッキでも、どちらでもカードプールの欠如は響く可能性があります。特にシナジー中心にしようとすると、シナジーに関係あるカードが足りないケースなどは多々あるでしょう(代表例:接死が全然足りないフィン)
後者も無視できません。2色であれ5色であれ、弱めの土地(タップインするだけの土地)などを使う必要性に駆られる可能性があります。この辺りはゲームレンジをやや遅くしてマナファクトを多めに積んだりなどでフォローできますね。逆にアグロ系の多色デッキを組む場合にはダブルシンボル系の序盤のカードの枚数には気を付ける必要がありそうです。


2-4:ゲームの低速化

これらの要素のうち2-2はゲームの高速化、というよりは『対応できなくて速やかに負けてしまう試合』の増加に影響しますが、残り二つの要素はパワーレベルが下がることによるゲームの低速化を招きやすくなると思っています。再現性が下がることも、使えるカードが少ないことも、土地に不安を抱えることも全部デッキが弱くなる要素だからですね。
ゲームが低速化するということは、今までブロールではその速度感から打ちづらいと言われていた大型のドロー呪文やサーチ呪文が復権することにつながりやすいと考えています。彫像の伝承や予知覚のような5マナ以上のドローは筆者としては好きだったんですがやはり打つ余裕がないこともありました。他にも大型のカードは軒並み使いやすくなっている可能性がありますね、プレインズウォーカーとか。そのあたりのカードの評価を一度再調査して、低速化したゲームで力負けしないようにすることは大事かもしれません。



いかがだったでしょうか。
禁止解除が発表されたのが何分急であったため、ちょっと急ぎ記事を書かせていただきました。
100枚になることも、禁止解除も両方とも影響が大きいと思いますが筆者としては好意的にとらえています。ネガティブではない変化が起きそうだからですね。
イベント期間も幸いなことに一週間とたっぷりあります。
この際の反応を見てヒストリックブロールの今後に影響させるとウィザーズさんも言っているので、是非これをお読みになった全国1000万人のヒスブロ戦士の皆さん、ヒスブロを遊んで声を上げましょう。ヒスブロの新たな歴史がここから始まります。


また、筆者は本当にヒスブロだいすきなので、いつでも交流や対戦、意見交換お待ちしてます!ツイッターとかで一声下さい。無限にやりたい。
記事内で引用させていただきました重寝累花さんも、精力的にヒスブロの記事や対戦会配信などをされています。是非応援しましょう。

また、今回の記事は無料公開としています。が、もし記事読まれたかたでご厚意でサポートしていただける方がいましたら是非今後のMTGAでの活動や主催しているMTGA大会企画『まじ☆すと』の運営資金とさせていただきます。

こちら以下公式アカウントになりますので良ければご覧ください。

https://twitter.com/mtgastreamer

では、よいヒスブロライフを!

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