もう戻れないあの頃の象徴ヨーグルトフルーツサラダ
散歩中の犬に噛まれて泣きながら登校
体育の授業でドッジボールで3キル
分数の割り算は複雑怪奇
お昼は 長方形の一人用のダイニングを給食の時間に使う
そんな生活をいつかしていた 前世の記憶のように別の世界の出来事だと感じる もうそんな歳になりつつある
カレーライスにフルーツヨーグルトサラダの給食のおかわり競争は戦争であった 早く食べ終わったこから並んでお代わりする それが掟である カレーは飲み物であるという説があるがフルーツヨーグルトサラダも同じく飲み物であるように思う すぐになくなる ボールの中にあるフルーツヨーグルトサラダが別のこのおかわりで少なくなっていく様を並びながら見て毎回不安になる
学校の米飯は家で食べるご飯とは違う味であったカレーもそうである 給食のカレーライスを食べたあとのヨーグルトフルーツサラダの味は給食のカレーライスを食べなければ味わえないのだ もし給食のヨーグルトフルーツサラダの味を完全に再現した商品がスーパーに並び家で食べれられるようになったとしても それはまがいものなのだ
同い年のこと小さな一人用ダイニングを並べて作ったこどもだけの大きな食卓でカレーライスとフルーツヨーグルトを急いで飲み込む 少し心配そうな顔の先生が教卓ダイニングからこちらを覗きこむ
市販のヨーグルトを食べながら遠い世界の記憶が蘇る瞬間を甘酸っぱい味わいだと感じる
ヨーグルトは今日も甘酸っぱい
ヨーグルトを飲み終えるとみんないなくなった世界が残る 散歩中の犬に噛まれないように仕事に行かなければならない
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