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講義用メモ(民法・会社法)24

「民法」 請負代金減額 (559 条・563 条) 新民法と旧民法 【論点】 ・契約不適合責任の内容と効果 ・請負契約の新旧減額対応の違い(売買を準用) ●請負契約 ➡ 仕事の完成を目的とし、人渡しと同時履行で報酬支払義務が生じる(原則) (但し、通常は建設工事約款等により「特約」による支払時期がある) ・契約不適合責任は「債務不履行責任」であるとする新法においては、どの時点で「完成」 といえるかという時間的な区切りの論点は消滅した。では、仕様と異なる完成は? → 法的評価が問題となる。この点、「仕事の目的物」が内容に適合するかが基準。 (状況により施工内容が変更されることも多い実情から、「品質」と「合意」が問題。 ・請負契約に契約不適合がある場合 → ①追完、②代金減額、③損害賠償、④解除権。 (代金減額請求は契約の一部解除の性質を有する ➡ 追完請求と相当期間経過後可) ・契約の不適合が「注文主」の責めに帰すべき事由の場合は減額請求できない。 ・請負人が追完を明確に拒絶している場合には、「直ちに」減額請求することができる。 ●減額方法 ➡ 補修に必要な費用を減じた額と必ずしも一致しない、「割合減額方法」 通説:【不適合を含む目的物の価格と真実の目的物の評価額との割合を報酬額に乗じた額】 ※材料の質的な相違が僅少であり、補修が報酬残額を超える場合の対応が問題。 ※仕事の完成は「外形的」に判断し、その他の不備は「不適合」で判定する。 「商法」 監査等委員会設置会社 会 156 条以下 自己株式取得 【論点】 ・自己株式の取得手続 ・違法な自己株式取得と効力と任務懈怠責任 ●自己株式の取得 ➡ 会社が特定の株主との合意による場合、「株主総会決議」が必要 (取締役会決議で足りる例外的な場合、①子会社から、②定款、③剰余金分配もある) ・取得する株式数、引換交付金銭等の総額、取得期間を定める ・決議の範囲内の分割取得の場合、その都度、数・対価・期日を取締役会で定める ●違法な自己株式取得 ➡ 正式な手続がない以上原則無効。但し、善意の相手方保護。 (無効の立証責任は、会社側が特定株主の悪意(重過失)を立証する必要がある) ・取締役の任務懈怠責任(423 条 1 項)を問う場合、何が取締役の任務か確定する必要 →①違法な自己株式取得を行うべきでなかった場合=何にもしない財産状態と比較 (損害額は、違法に自己株式が消却された部分を利益とするかにより結論が異なる) →②適正な手続の上で自己株式を取得すべきだった場合=利益との差額が損失 ※会計上は、「自己株式」は純資産部の控除項目で、キャッシュフローがないとも。 ※取得金額全額を損害とするなら「抑止効果」は高まるが、実質的利益部分は存在する。

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