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講義用メモ(憲法・行政法)29

「憲法」 司法権の限界(裁判所法 3 条) 内部規律と部分社会 【論点】 ・司法権の範囲と限界 ・部分社会論 ・国家賠償訴訟 ・内部規律 ●司法権の範囲 ➡ ①当事者の具体的な権利義務ないし法律関係の存否紛争 (内在的制約) ②法令の適用により終局的に解決可能 ・外在的制約 → 争訟要件を充たすが司法権の行使を控えるのが妥当な場合 (憲法の明文規定【議員資格・裁判官弾劾・国際法】・統治行為論・部分社会論) ●部分社会論 ➡ 自律的法秩序を有する団体の尊重(法秩序の多元化・団体主権) ・地方議員の「除名」は審査の対象。「出席停止」は対象外 ➡ 場合によっては対象へ (外在的制約の問題として、「法律上の【係争】」と表現することもある) ●国家賠償訴訟 ➡ 辞職勧告「決議」は内部規律の問題の前に「処分」ではない。 (但し、議員の身分喪失に関わる以上、司法審査の対象としうる) ●内部規律 ➡ 出席停止処分は除名処分とは異なり「内部規律の問題」としてきたが・・・。 (出席停止の懲罰は住民自治に重大な事態を惹起しうるため審査たりうる) 「行政法」 損失補償問題 保安林の再指定 【論点】 ・損失補償制度 ・損失補償の要否 ・具体的考慮要素 ・保安林の再指定 ●損失補償制度 ➡ 「適法」な国家作用の損害救済制度。「違法」なら国家賠償制度へ ・公益上制限が必要だという理由で直ちに損失補償が不要であるということはできない。 ・土地収用の場合は補償額が収容裁決処分により「決定」 ➡ 本題は「抗告訴訟」 (ただし、土地収用法が 133 条 3 項で当事者の一方を被告と定め、形式的当事者訴訟) (森林法 35 条の場合は「損失=補償が客観的に定まる」ため、実質的当事者訴訟となる) ●損失補償の要否 ➡ 公平負担の見地から様々な要素を総合的に考慮する。 (財産権の内在的制約範囲を超えて特別の犠牲が課せられた場合) ・①侵害行為の「対象」が一般的か(形式的基準)、②権利の本質を侵害する強度か (☝ 田中二郎説。②は今村の①に対応) ・①財産権をはく奪し本来の効用発揮を妨げる侵害、②受忍すべき理由がない場合 (☝ 今村 成和説。①は田中の②に対応) ●具体的考慮要素 ➡ 消極的目的規制(弊害を除去するために必要な規制。代替可能性低) 積極目的規制(実現するための手段の一つ。代替可能性あり) 制限の「内容」のみならず、制限の「期間」も問題。 ●保安林再指定 ➡ 消滅が権利自体に内在していたかどうか。予想されていないか (林業を犠牲にしても指定が必要か。住宅地の利用なら制約可能性大)。

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