再会

夢の中に三十年以上前につくったファンタジー・ロールプレイングゲームのキャラクター達がでてきて驚いた。

長剣を背負った戦士と小人族の弓使い。理由はわからないけれど、青空が広がる丘を自分と一緒に駆け下りていく。

僕たちはパーティを組んで旅をしているようだ。

小人の笑顔は、あの時から変わっていないけれど、戦士の髪は僕が知らないくらい長く伸びていた。あの悲しいできごと(僕が与えた試練だ!)の後も、二人は一緒に旅を続けていたようだ。

特にストーリーが進むわけでもなく、しばらく一緒に走っている途中で、僕は夢から醒めた。

最近は凄惨な戦争報道を見ることが多く、そのたびに「現実のほうが恐ろしいことが起きている。自分が考えていた戦争観は、甘かったんだなあ」と考えていた。ゲームの中で戦争は起きていたのだけれど、美化された争いだった。

いつの日か、あの物語を書き直す必要がありそうだ。その時彼らは、もっと辛い戦争体験をすることになるのだけれど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?