東京海洋大学 生物学 第2回 1000文字要約レポート参考

生物学 吉崎先生 第二回


なぜ生物は変態するのか。

それは、生息域の拡大や摂餌、生殖のためなど様々な仮説がある。マカジキの場合幼生時代には身体にとげがあり、水の抵抗を受け沈みにくく、拡散しやすいようにだと考えられている。ウナギは柳葉幼生のレプトセファルスを経て産卵場である海溝から日本や朝鮮、中国に帰ってくる。ヒラメでは浮遊生活から着底生活に移るに伴い両側から片側へ目が移動していく。
どのように変態するのか。オタマジャクシに羊の様々な器官を餌として与えると、ホルモンを作る甲状腺を与えたときにのみ変態が促進された。オタマジャクシから甲状腺を摘出すると変態することなく、オタマジャクシのまま成長を続けた。甲状腺ホルモンのトリヨードチロニン(T3)、チロキシン(T4)が変態に関与している。ヒラメは、針の長さで変態の進み具合がわかる。変態期のT4、T3の濃度が極端に上昇する。T3の効き目がT4より強い。T4を含む海水中でヒラメを飼育すると変態が促進された。T4合成阻害剤を混入した海水中で飼育すると着底せず背鰭が伸び続けた。T4合成阻害剤を混入させた海水に直接T4を投入するとヒラメは変態した。T4合成阻害剤はT4の合成のみを阻害している。
変態は外観だけではなく、内部にも影響する。T4を与えるとヒラメの胃腺は大幅に成熟する。赤血球は、成魚と同じ形になった。
T3,T4の合成は脳下垂体の甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって制御されている。ヒラメにTSHを投与すると変態した。完全に、変態するものばかりではない。メキシコサンショウウオは、幼形成熟をする。チロキシン、TSHを加えても外鰓は残ったまま幼形成熟した。甲状腺は正常で、脳下垂体に問題がある個体が拡大した例である。
カエルは変態時に、脳やTSH-RF、TSH、T3、T4が増加もしくは分泌される。変態には遺伝子の転写が必要不可欠であり、これを阻害すると何かしらの奇形を持ったまま変態する。
脳の視床下部が成長を制御し、甲状腺刺激ホルモン放出因子を増加させる。すると、脳下垂体が甲状腺刺激ホルモンを放出し、甲状腺がT3,T4を分泌し、遺伝子発現が起こり生物の変態が起こる。
すべてのカエルが変態するわけではなく、水が少なくエサ不足になる地域のカエルは大きな卵黄を持ち、皮膚呼吸に利用する尾をつけたままカエルの姿で産まれてくる。卵の大きなウニにも当てはまる。
地球上の生物は生き方を模索している途中だと考えられる。

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