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マニュアルオブエラーズ

 マニュアルオブエラーズと言うネーミングセンス、凄いいいと思う。エラーのマニュアル。やられた、と思った。意図して予想外のものを作るというポリシー、最高だ。私の発想とよく似てる。エラーは予想外のクリエイティブを産む。ビートルズで言えば「ハー・マジェスティ」だ。マニュアルオブエラー、エラーのマニュアルは存在しない。だが、意図してエラーを生み出したい。既成概念からの逸脱。ジャンルを生み出す。ゼロから1。そう言えば、細野さんの「ノン・スタンダード」もそんな感じだ。今までに無かったものを生み出したいという気持ち、それは正しい。

 ところが、そのセンスあるネーミングと孤高のポリシーのもとに集まったはずの集団も、結局は分裂、解体してしまった。マニアックでアンダーグランドの世界で煮詰まり、縮小してしまった。これはどういう事なんでしょうね。私は今、そういう集団に属するのが気持ち悪くてしょうがない。マニアックな輪の中で内輪ウケで盛り上がり、世の中に1ミリも影響を与えない集団。趣味ならいいけど、本当に無意味だと思う。

 「もうそんな時代じゃないから、その手法は通用しないんだよ。時代は変わったんだ」というシンプルな理屈をなかなか受け入れられない人が多い。「いや違う、自分は理解して受け入れている」と思っている人ですら、突き詰めれば受け入れられていなかったりする。CD産業は完全に過去の遺物だ。何故なら時代環境が変わったからだ、という事実を受け止められていないのは、食い扶持の否定になるからだが、否定しても食えない現実は変えられない。CDを主要商材とした音楽産業の存在価値は低下した。金儲けには向かないだろう。ゼロサムのパイを10社で分け合っている時代だったらよかったのだろうが、今はレコード会社が無くとも誰でもデビューできるので、10万人くらいで分け合っている。そりゃ切り分けるパイは極限まで薄くなるよね。向こうが透けて見えるくらい薄くなる。

 「とにかくサブスク時代なんだから再生回数を上げろ」が命題ならば、その命題を解決するには、工夫して再生回数を上げればいいじゃないか。いい曲いい歌詞いい歌、は十分条件であっても必要条件ではない。古いタイプの構成の音楽はもう飽きたよ。チャー研MAD動画の方が断然面白いよ。

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