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読書完走#37『死してなお踊れ 一遍上人伝』栗原康 2017

時宗=踊り念仏の開祖・一遍上人の生涯を踊るような独特の文体で描き切った栗原康さんの快著。はちゃめちゃにドライヴする唯一無二の文体は強いて言えば60年代前後にアメリカで一世を風靡したビートニクを彷彿とさせる。日本のジャック・ケルアックと勝手に命名しよう。

時衆(=時宗の信者)は踊るとき、輪になって反時計回りに回る。時間の流れを逆転させようとして。13世紀の日本に今のような時計は無かっただろ!というツッコミはさておき、これには一遍の師匠である空也の死者の供養が影響している。現世への執着を断ち切るため、平生を臨終と心得て念仏する、時宗の名前の由来のひとつか。

時宗の総本山である遊行寺が藤沢の坂の途中にあって、前から気になっていた一遍上人。この本を読んでますます知りたくなった。まずはいざ、遊行寺へ。