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星が生まれた日

8月31日。


この日は私にとって1年の中でいちばん大切な日で、笑われるかもしれないけれど、
8:31という時間だったり
レジの会計での831円だったり…

ただ831という数字の並びを見る度に私の口角が自然と上がってしまうほどだ。



8月31日。

今日は俳優チョンギョンホの誕生日だ。

チョンギョンホ。

誰かにとっては、
名前も顔も知らない人で、
また誰かにとっては、
あのドラマに出ていたあの人で、
違う誰かにとっては、
かっこよくて演技の上手い韓国の俳優で、

というだけだろう。



そんな彼は、
私にとっては一番星だ。

彼のことを一言で表すとしたら、
間違いなく「星」。


私のつまらない、なんてことない人生に
いつでも新鮮な彩りを与えてくれる、
輝かしい星で、
辛くて、苦しい日々に光をくれる、
私の、私だけの世界の一番星だ。



星は、私たちのいる地球から遠く離れたところで
今も燃えながら輝いているらしい。

いつか燃え尽きて、
知らぬ間にその星が消えてなくなってしまっても
私たちはそれに気づかない。
遠く遠く離れている距離の分、
光はいつも遅れて私たちに届くからだ。


私が見ることができるのは、
「今」の彼ではなく常に「過去」の彼の姿だけ。
私は遠く遠くその星がある場所まで行くことはできないし、常にその光を見つけてひたすら追いかけるしかなかった。




それでも私は1度だけ、
奇跡的にこの目で星を見たことがある。


韓国まで一人で行って、舞台挨拶に参加した。

私が日本から来たということを知ったチョンギョンホは最初目を丸くして、舞台上から席に座っている私に向かって手を振ってくれた。
首を少し傾げながら何度も微笑んでくれた。
「ハートください」というおこがましい願いをこっそり叶えてくれた。"🫰🏻❕"
彼の目の前で転んで、心配までさせて、
隣に並んで写真を撮った。
「写真!写真!写真ってどうやって撮るの?」
と聞かれた。
手紙を渡したら、
彼はその手紙をずっと手に持ってくれていて、
「わぁ!ありがとう」「本当にありがとうね」
と短い時間の中で2度も感謝の言葉を言ってくれた。
退場する時手を伸ばしたスタッフさんに手紙を預けず自分のズボンのポケットにしまってくれた。
私が伝えたいことを必死に、
きっと聞き取りずらい韓国語で伝えたら、
全部伝わったよありがとうなんて言いたげに
私の目の前に手を差し出して、
握手を求めてくれた。

握手をした。目が合った。一緒に笑った。

この話をしたら止まらなくなってしまうから
ここまでにしておくけど、


こんなに幸せばっかりな世界、
あるんだなあって思った。



チョンギョンホは、
劇場にいる自分のファンひとりひとりに
必ず1回は目を合わせて
「僕のファンがたくさんいる!」
と、そう言いたげに
心から嬉しそうに笑っていて、

普段貰ってばかりで、
彼の背中を追いかけるだけで、
彼に何もできない私にとって

一瞬でも

彼の笑顔の理由のひとつになれたこと。



それが、

その事実が
あの日、本当に嬉しくて幸せだった。





彼はありきたりでつまらない私の生活の
どこにもいなくて、どこにでもいた。


高3の冬に彼に出会ってから、
私の生活のどこにでもチョンギョンホがいた。

朝起きていちばんに開くスマホの画面。

ぼーっと眺めている中で目を引くtwitterの画像。

ドキドキして開く次期作決定の記事。

突然鳴り響く@jstar_allalljのインスタ更新通知。

イヤホンから流れる彼の優しくて静かな歌声と、
少しだけ必死で愛おしく鳴り響くギターの音。

テレビに映る、彼であって彼じゃない、色んな顔。


1988年にタイムスリップした刑事に冷たくて温かい医者、夢を捨てられない音楽家にトップアイドル、心臓病を抱えた企業の代表、恋するシングルファーザー、可哀想な潜入捜査官に、目に光のない細身のヤクザ、トラブルに巻き込まれ続ける整形外科医、そして教壇に立つ数学の一流講師。

私は彼によく似たたくさんの人たちに出会い、
その全員に何度も恋をした。


そう、

彼はどこにもいなくて、どこにでもいてくれた。





정경호  (チョンギョンホ)


私が最初に覚えたハングル3文字。
全部の文字にㅇが入っているのがかわいい。
「チョン」「ギョン」「ホ」のリズムが心地良い。



チョンギョンホ。

出会ってから何度も何度も呼んだ特別な名前。

本当に毎日何度も名前を呼んだ。


そして、あなたが生まれた
特別で平凡な、平凡で特別な今日もまた、
こうしていつものようにその名前を呼べることが
私は嬉しくて幸せでたまらない。




チョンギョンホ!


どうか、

あなたのその名前を呼ぶ声が全部優しく、
あたたかいものでありますように。

1人寂しい夜が早く過ぎ去って、
毎日幸せな朝だけが訪れますように。

健やかに生きて、楽しく生きて、一生ときめきと選択に満ち溢れた日々を送って欲しい。

日々移り変わっていく世界からも、心からも、
誰からも、解放され、自由であって欲しい。

美味しいものを食べて、お酒も程よく飲んで、
生きる喜びを謳歌して欲しい。

私が知っている中でいちばんの
「いい人」で「いい俳優」
であるあなたにはきっと、
今までよりももっと「いいもの」たちが待っていると思う。

「いい瞬間」がたくさんあなたに訪れて欲しい。

...うん、このすべての「欲しい(want)」は届くことのない、届く必要もない私の恥ずかしいエゴだ。

そして、

あなたがつくりだす、あなたによく似た、
あなたじゃない素敵な人たちに、
これからもたくさん出会って

その度、恋をしたい。



そんなことを思っている私の名前や存在なんて本当に一切何も知らなくていい。

ただ、遠くて近い、近くて遠い隣の国からあなたの存在に救われているひとりの人間がそっと想っていること。

それがもし少しでもあなたの癒やしになれたら、
これ以上の幸せはない。






「チョンギョンホ」


今日もひとり、特別なこの名前を呟いてみる。







最愛俳優 チョンギョンホ。
私の一番星。私のスーパースター。

チョンスター、


お誕生日おめでとう。

ずっとずっとだいすきです。








今日も、星は見えるだろうか。

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