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おたくが最愛俳優に会った話

これから、自分でも信じられない
嘘みたいなほんとの話をしたいと思う。

2022年10月12日。
私は最愛俳優チョンギョンホに会った。

舞台挨拶のレポだけが見たい方は
10月12日の舞台挨拶①まで飛んでね✈

10月7日

2人のオンニとやばいおたくの話

韓国ソウルのロッテシネマ永登浦で行われた映画대무가(大巫歌)の舞台挨拶。

そのとてつもないビッグイベントが公表されたのは5日前の10月7日金曜日。なんでこんなにギリギリに言うの?無理絶対行けない。

ただ、ふと私は思った。



あれ?別に無理じゃなくない?
もしかしたら行けるかも。
いや、行きます。



ちょうどその時最寄りのカフェの窓際でチョンギョンホみたいに勉強していた私は、そんなかなりやばい思考回路が働いてしまった。

本文には直接関係ないのですが、
カフェで台本勉強するギョンホさんかっこいいのでとりあえず見てください。




そして私はまずチケットを確保しなきゃと思った。韓国の映画館のシステムも舞台挨拶がどういうものかも値段も何もかも全く分からない私はとりあえず「困ったら聞け」精神でつい数週間前に相互になった本国のチョンギョンホファンの方に助けを求めた。(ここからオンニって呼びます^^)

すると、DMでサイトのリンクと買い方を丁寧に教えてくれた。



ただ、ここで問題が発生。
韓国の電話番号を持ってないとチケットが買えない。それを伝えるとオンニは

「ちょっと待っててください!」

「何時の回のどの席にします?」

と代わりに快くチケットを取ってくれて、

「クーポン使って安く買ったから今回はチケットプレゼントします!気をつけて来てください」

とまで言ってくれた。



チケットは17:25回のG列の通路側だった。



ここまで来た私はもうブレーキがきかなかった。

その日19:35からも同じシアターで続けて舞台挨拶が行われるのに気づいて、その回も見たいと思ってしまった。
そんな身勝手すぎるお願いをオンニは受け入れてくれてF列通路側のチケットも取ってくれた。



どちらも少しだけ席は遠いけどチョンギョンホに会えるなら、この目で姿を見れるなら席なんてどこでも構わないと本気で思っていた。




そしてしばらくしてオンニからDMが来た。

「7:35の回B列の席があるんですが、いかがですか?近くで見たいなら私ともう1人の友達と一緒に見たらどうかなと思って連絡しました。考えてみてください^^」

世界にこんな優しい人がいるんだ...と思った。
チョンギョンホのファンというつながりだけの、全く面識のない日本人に自分達が取った席のひとつを譲ってくれるなんて...と、ひとり涙が出た。

そして送られてきた席がこれ。

"遠慮なく好きな席を選んでください"

皆さん、ええええまってくれ実質1列目の席があるけどこれ何??????ってなりましたよね。私もなりました。

そして、私の席はそこになりました(滝涙)




そして、

オンニのお友達ともその後繋がって、その方が

「5:25の回C列のチケットがあるんですがどうでしょう?既存の席より前の方なのでおすすめです」

と、言ってくれた。

"ここです。どうですか?"

もう、私は涙が止まらなくなった。
でも、オンニが元々取ってくれた席があったので申し訳なくて私は

「もうほんとに...どうしたらいいでしょう💦」

と思わずオンニにDMしてしまった。



すると、

「私が予約したチケットは手数料なしでキャンセルできるのでしたいようにしてください!実際G列って遠いですし、17:25の舞台挨拶も近くでご覧になりたいならあのチケットにしてもいいですし、私のことは構わずお好きなようにしてください💓」

「近くで見た方がいいに決まってますよ!その気持ちわかるので申し訳ないなんて思わないでください」

手間も、手数料だって本当は絶対にかかってるはずなのに、もう「ありがとうございます 前の方の席で見たいです...」と言っていいんだと全力で背中をさすってくれる優しい文が返ってきて、私はチョンギョンホのおかげでこんなにも素敵な人たちに偶然出逢えた奇跡に感謝することしかできなかった。


2人のオンニたちのおかげで私は、

17:25 C列
19:35 B列

という、夢としか思えない席でチョンギョンホと会うことになった。



10月12日

映画館

この日、私は1人で韓国にいた。

7日に渡韓を決めてから急いで手配と準備をした5日間にも、渡韓する日の朝にも、韓国に着いてからも本当に色々なことがあったけどここに書いても意味がないしとんでもなく長くなりそうなのでさっさと本題に入ります(笑)


17時に映画館があるロッテ百貨店に着いた私は、他のものには目もくれずエレベーターで8階に上がった。
エレベーターが開くと目の前にたくさんの映画のポスターとフライヤーが並べてあった。
すると私は急に、これまで感じてこなかった緊張感に襲われた。

私今から最愛の人に会うのか......

渡韓を決めてから忙しすぎて余裕がなくて、映画館に足を踏み入れたこの時はじめて私は今からチョンギョンホに会うんだという実感を得た。

おかげで映画館の売店でコーラを買うのを忘れたし、待ち合わせしていたオンニの友達(ヒョンビンが好きらしい)に会ったときも声が出ず
「あ......あ......」
とただのカオナシと化していた。最悪すぎる。
そんな私を見てpapagoで日本語を見せながら挨拶してチケットをくれたオンニ、ほんとにありがとう。
(ここで言わないでください)


はじめの17:25の回は舞台挨拶の前に映画が上映されるのでオンニの後ろにくっついて係の人にチケットを見せて、

「私はこっちで観るから、なちゃんはこの席で見てください。終わったら会いましょう」

と案内してくれた席に座った。
ここで私は飲み物を買い忘れたことに絶望します。


推しの出演映画を公開日に見た話

映画は本当に面白くて泥臭かった。
いや、実は(賢医とか一回見たことある作品は字幕なしで見てたりもするけど)字幕なしで映画を見るのははじめてなので聞き取れるか心配だったんだけど少なくともチョンギョンホが言ってる台詞はすべて聞き取ることができて、ストーリーも何とかわかって我ながら感動した。

映画のネタバレをするわけにはいかないし、私は語彙力0のただのおたくなのでとりあえず"この地域のイカレ野郎"ソンイクスを演じたチョンギョンホについてだけ言わせて欲しい。

チョンギョンホ、登場シーンからやばすぎた。
正直怖すぎて最初チョンギョンホだって気づかなかったくらいだ。まず喋り方がこれまで演じた役全てと違っていた。少ししゃくれてて、時に捲し立てるような、時にゆっくりなだめるようにして喋るその情緒が狂ってる口調の中にギョンホしか出せない甘さ...いやここで言うなら「冷めきった情け」の方しっくり来るかな...そんな変な優しさが入り込んでいて余計に怖くて仕方なかった。


ソンイクスは常に首にスカーフを巻いているのだがその理由がわかるシーンがあって、その時の、スカーフを投げ捨ててシャツのボタンを開けてあることを叫びここは俺の土地だと赤旗を立てるあの演技だけは本当に全人類に見て欲しい。

予告で0.5秒だけ見れます
いや、早く日本でも公開して


そして、私には夢があった。
それは大スクリーンに映し出される映画のエンドロールで推しのチョンギョンホ"정경호"の文字見ることだった。

Son Ikusu  JUNG KYUNG-HO
   손익수              정경호          

この文字列が目の前の大きなスクリーンに映し出された瞬間、夢が叶った嬉しさと喜びと感謝と彼の名前のかっこよさと最高の演技を思い出して、喉がカラカラなのに、私の体内には水分なんて残ってないはずなのに、目から涙が溢れ出た。
同時に映画前にコーラを買い忘れたことを後悔した。

多分エンドロールでこっそり泣いてたのは私だけで、ひとりで完全にこれになってた。

あんなにかっこよく名前が出るとは思ってなくて、彼はこの映画が3年ぶりにやっと公開されてエンドロールに流れる自分の名前を見た時どう思ったんだろうかと思ったらまた泣けた。


舞台挨拶①

ひとりで泣いてるとまだエンドロール流れてるのに明かりがついてみんながざわざわし始めた。
いや急だな!???!え、まってもう来るの?始まっちゃう感じ?まって何も準備してない無理...

とりあえずカメラ構えてスマホも持って作ったボード首からかけたんですが、訳の分からないままなんの前触れもなく突如監督とパクソンウンさんが手繋ぎながら前から登場してきて情報過多でパニックになりました。

いや、なんで手繋いでるの????

可愛いアジョシたち


そして訳わからないままとりあえず震える手でスマホ持って撮影してたらついに現れたんですあの方が________

1人だけジョギングか?ってくらい全力で腕振りながら階段駆け上がってくるチョンギョンホさんほんとに何?無理

もう登場0.01秒から可愛すぎません?過呼吸。
そしてニット帽だよ。いや、実は私ニット帽で来そうだって予想してたんです。チョジョンソクさんのファンミーティングにニット帽で行ってそのまま登壇した人だったので今回ももしかしたらそうだろうなと思っていて...当たっちゃってひとりでフフッて笑ってる声が入ってるので動画は見せられません。ごめんなさい。

てかそんなことより普通にこの状況は何?目の前の階段からチョンギョンホ登場してきてるんですが?なんで私ニット帽に笑ってるの???大丈夫?この動画撮ってるのほんとに私???


ほんとに目の前に、大股10歩もないくらいの距離にチョンギョンホがいて意味がわからなくて、とりあえず手に持ってる友達に借りたカメラで写真撮っておこうと思って撮った写真がこれ。

???

手が信じられないくらい震えててピント合わせるのもズームするのもできなくてまぁニット帽だしかろうじてギョンホだろって認識できるレベル。友よ、ごめんなさい。
そしてありがとうニット帽。

ピントを合わせることを知らないおたくが撮った写真

あとカメラで撮った中でマシなのはこれくらいか~って眺めてたんだけどまってこれ私の方見てないか?と今更過呼吸になってる。
これ、プラカードの字見てくれてる気がする。
(という都合いい解釈。ご意見ください。)



まぁ私がドタバタやってる間にチョンギョンホの挨拶の番になり、

「ソンイクス役を演じたチョンギョンホです(最敬礼)」
客席からフゥ~~~~~の声。
照れるギョンホ。
ヴッッッッと声が漏れる私。

??????

あの、色々起こりすぎてるからチョンギョンホが一言発するごとに1分でいいから時止まってくれと思った。幸せの情報過多、過剰摂取で私おかしくなりそうだった。

そんなこんなで多分全員の挨拶が終わり、
監督が何か言って何かのクイズが始まって私の後ろの列の誰かが何かを叫んで何かに正解して何かを貰えることになった。
(最悪のレポですね??)

それをプレゼントしに階段をあがってきた人たちがいた。

すぐ手繋ぐ人たちだな

まってくれそれは聞いてない。いや、え????
なんかすごいこと起きてないか?????

そして、

パクソンウン×チョンギョンホは
웅갱ウンゲン と呼ばれています
これはいい웅갱

自分でも信じてないので信じてもらわなくて全然大丈夫なんですがチョンギョンホさんが通りすがりに私のプラカードを確実に見ました。
いや私のことはいいから前見て歩いて?転ぶよ?
(フラグ)

そしてブレブレで画質おわってて申し訳ないんですが後ろの方にプレゼントのポスター?をあげる時私の座席の背もたれ普通に触ってたしなんかもう意味わかんないくらい近いしこの時私はチョンギョンホの匂いを感じたってわけです。なんか字で書くときもちわるいけど許してくださいこの距離です。チョンギョンホさんの香り全部私に降り掛かってきました。ピクシーダスト?🧚‍♀️💫

こんな近いなら手出せば触れるしわんちゃん握手とかしてもらえたよ!って言われたけど、そうかもしれないけど、私には手を伸ばす勇気もなかったし私のためにここまで上がってきた訳でもないから申し訳ないしなんかもうそんな考えに至らなかったです。

ただ、その直後こんなことが起こりました。

いや、この瞬間も動画撮ってくれてたオンニ神様としか言いようがないし至近距離で撮影してる私より画質いいの笑う


いやさっき行きにプラカード見てくれてたけど、え?あの一瞬で理解してこれ渡したら帰りに手振ってあげようって思ったってこと?チョンギョンホの脳内でそういう思考回路が働いたってこと?無理。私無意識にオッパ...オッパ......って瀕死のポケモンみたいな声で言ってるしこれ聞かれてたの最悪すぎますね??


そしてこの後の記憶はありません。なぜかこの後自分で撮った写真も動画もカメラロールには存在していないので何をやってるの?って感じです。多分心を奪われた(物理)のでなにも出来なくなったんだと思います。本当に記憶も記録もないので誰かこの後何があったか教えてください。気づいたら目の前からチョンギョンホ達はいなくなっていました。



放心状態で座っていると、さっき会ったヒョンビンおたくのオンニと、遅れて来たギョンホおたくのオンニが席まで迎えに来てくれた。

「はじめまして!大丈夫でしたか??」

思わず大丈夫じゃないと答えてしまったよね。そこで私は日本から持ってきたお土産を渡して(絶対今やることじゃないですよね?)、そしたらオンニがセンイルカフェの特典を想像以上にたくさんくれて、私が行けなさそうだと嘆いていた韓国俳優200写真展のマステまで中に入ってて、カムサハムニダ言ってたらもうあと5分くらいで次の回始まるって言われて3人で急いで次の会場に向かいました。

うん。もう余韻とかない。





舞台挨拶②

さっきは1人で座ってたからドキドキだったけど今回はオンニたちと連番。いや、全然同じくらいドキドキしてたけど安心感がすごい。

「手紙を持ってきたんです...どうしても渡したくて」

そうオンニに伝えると、

「さっき退場する時に前に行って渡せたのに😂」
「え!!前に行っていいの?」
「本人に受けとってもらえなくても終わる直前に前に行って係の人に渡せば経由して渡してもらえるよ」
「今回頑張ります...あと、(プラカード両面見せる)」
「👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻ちゃんと見てくれた??」
「はい🥹」
「今回もアピールしないとだめだよ?」
「一緒にアピールしください!!!」
「わかった。もっと前に出しな」

ということになり、すでに過呼吸。
実質最前で、前には誰もいないのでプラカードを思いっきり出して待機した。


2度目の登場。さっきはできなかった拍手で全員を迎えてると、

なんと私というちっぽけな人間のことを覚えててくれてたというLove So Sweet的な?Aloha的な?展開になり、オンニと考えてた作戦全部忘れました。

I believe🕯


そしてひとりひとり挨拶をしていく中、これが最後のチャンスだ...と思った私はプラカード(ここまで説明してなかったけど表には「日本から来ました ギョンホオッパサランヘ」裏には「チョンスターハートください」と書いてあります。)をはじめて裏にすることにしました。

裏の「チョンスターハートください」にしてから10秒も経たないうちにチョンスターはこちらを見てくれたんです。

何??????????????????

これは隣の隣に座ってたオンニ視点

相変わらず指ハートが下手くそで砂糖ひとつまみみたいだし、ハートというかチェック✔️だし、もはやナイキだからこのままCM出れそうだし、もう愛おしくてたまらない。

このハートが私に向けられたものだなんてこれ以上の幸せはない。このハートだけで私はこの先99億年は生きていける気がする。

しかもこのハートをいつものように照れたりせずにさらっとやってしまうところがかなり恋だった。

それに、

「チョンスターハートください」

このプラカードを見てハートしてくれたということは彼は自分がチョン・スターである自覚があるということなのでときめきが止まらないし嬉しくてたまらない。




そして終盤に差し掛かって、私もそれまで緊張しかしてなかったこの舞台挨拶を純粋に楽しめるようになってきてひたすらチョンギョンホに手を振ってみるという逆ファンサをしてみた。
(本当に何をしてるんですか)

するとこんなことが起こってしまったのだが、ツイートにもある通りチョンギョンホが手を振り返してくれたという記憶が全くないので何もレポできません。私も動画見てびっくりしました。


チョンギョンホってSweetな人だとは話に聞いてたけどまさかファンにまでここまでSweet神対応とは思ってなかったし、

彼はとんでもないものを盗んでいきました。
あなたの心です。

って私の頭に住む銭形警部が言ってる。




そして監督からの最後の質問。
この質問に正解または該当した人は俳優全員と自撮りができるというものだった。

私にとって、まず質問の内容を理解して全力で手を挙げて声を出してアピールするなんて到底無理なので普通に諦めていた。

すると、質問する直前に監督と目が合ったのだ。
そして監督はこう質問をした。

今日この場、僕たちの舞台挨拶のために「私が1番遠くから来た!」という人は?

一瞬、それまで騒がしかった会場が静かになった。私も、質問の意味は理解できたけどこの質問が意味することの意味が理解できなかった。
人間、追い詰められると声が出なくなるというけど、あと一歩で幸運を手にできるというその瞬間にも声が出なくなるんだと思い知らされた。

チョンギョンホは私のことをまっすぐ見ていた。
チョンギョンホだけじゃない、ステージに立ってる人達全員私を見た。
そりゃそうだ。
最前で日本から来たなんてプラカードを持ってるんだからもちろん「遠くから来た」に該当する。

でも声が出ない。
私より先に声を出した人がいて、
それは隣のオンニたちだった。

「日本から来た方がいます!!ここ!!!」

もう震えが止まらない。みんなこっち見てる。
そして次の瞬間、中国!と後ろの方から声が聞こえてきた。

これはここだけの話ですがその瞬間のチョンギョンホの表情がこちら。

表情管理してㅋㅋㅋㅋㅋ

中国から来た方と日本から来たやばいおたく。
選択権がある監督の様子をめちゃめちゃ心配そうに伺ってて笑っちゃった。

なんやかんやあったが結局監督はとても優しい方だったので

「2人とも降りてきてください」

という結論を出した。
世界平和ってこういうことだよなと感じた。


__________________

ってちょっと待ってくれ。何この状況。
写真...推しと写真......私今からチョンギョンホと写真撮るの.........?

とりあえず立って、とりあえず階段を降りようとした瞬間、

転びました。
普通に階段を踏み外しました。
何をやってるんでしょうねほんとに。
私の足は立ってるだけでやっとな産まれたての子鹿の足と化していました。

その時チョンギョンホさんは足も手も身体も何もかも全部私の方に、1歩前に出ていて今この映像を思い出した。

こんな顔させてごめんね病院行ったら捻挫でした。

チョンギョンホは目の前にいる人が誰であっても何かあったら素直に心配して、無意識に 考えるより先に 反射的に身体の全部がその人の方に出てしまう人なんだと思う。恋。


そして、
私が震える手でスマホを持ちながらチョンギョンホの前に行くと、彼の方から

「おけい 僕が撮ってあげるよ」

と言って私の手からすっとスマホを取っていった。
覚えてないので動画頼りだけどこの時私はチョンギョンホに手紙を渡していた。
いやどんなタイミングで渡してるんですか私は。


するとチョンギョンホはなぜか囁き声で

「ありがと」

と言って写真を撮りやすいようにスマホを持ちかえてわたしの肩くらいの高さになるように下げてくれて私がカメラを内カメに変えた。

そのままチョンギョンホは写真を撮ろうとしたけど、明らかに『動画』を押していたし赤いボタンだった。

あとでオンニが

「日本語わかんないから動画押しちゃったんだよかわいい」

と言っていた。いや、だよね。可愛すぎる。
ごめん日本語にしてて。

その時撮れてしまった動画がこれ。

チョンギョンホが再生して停止したこの動画が私のカメラロールに存在してるのは奇跡以外の何物でもないです。

「写真(사진)。写真(사진)。写真はどれですか?」

その口調はいつものギョンホじゃなくて、できるだけ分かりやすくゆっくり喋ってくれていた。

手が触れてるのヤヴァイ

その後私が写真にして___
っていやまてまて距離感どない?


チョンギョンホは1度後ろをふりかえって全員に撮るよ?大丈夫?とちゃんとひとりひとりの目を見て確認し(こういう常に周り見れる人間に私もなりたい。私この時チョンギョンホのことしか見えてない。)

どんどん小さくなっていく2人。
にしてもプラカードの裏見えてるの恥ずかしすぎ。

ギョンホは私と並んで写るようにみんなが写るようにお得意のマナー足をしてどんどん小さくなっていくのでそれと一緒に私もどんどん膝を曲げて小さくなっていった。謎。
2人で何をしてるのㅋㅋㅋㅋㅋㅋㅋㅋ


そうやって撮った写真がこれってわけです。
白状します。写真撮る瞬間ギョンホに頭ちょっとだけもたれかかりました。
やっぱりバニラの匂いだった。
この匂いだけは絶対忘れない自信がある。


いやぁ2枚も撮ってくれてしかも自分は違う表情してるなんて優しすぎるよねほんとに。好き。

そして撮り終わると彼は真っ先に、私の目を見てさっき渡した手紙を両手で握って

「ありがとうね」

と言ってくれた。この笑顔で。

口でも何か言わなきゃ!ちゃんと伝えなきゃ!と思った私は震える声でしかも早口で

일본에서 응원하고있어! 오빠 사랑해요!!!
日本から応援してます!オッパ愛してます!

と伝えた。ちゃんと伝わっただろうか。
上手く喋れただろうか。

するとギョンホは言い終わる前に手を出してくれた。握手...握手...私からじゃなくチョンギョンホの方から...

なんでこんな目で私の事見てくれるの...

なので私はチョンギョンホに握手しながら、手を握りながらサランへと言いました。

私がまさかの彼の顔ではなく手を見ながら
「サランへ」
と言っている時、チョンギョンホは私のことをこんな風に愛おしそうに微笑んで見ていてくれました。恋。

そして
チョンギョンホはお返しに私の顔を覗き込んで

고마워어ㅓㅓ~~~~!!!
ありがとおお!!!

と言ってくれました。

頭を上げた瞬間この笑顔を浮かべるチョンギョンホが目の前にいて、その手は私の手を握ってくれていて、指はちょっと冷たくてでも手のひらはあったかかったです。




この1秒のような永遠を、永遠のような1秒を私は毎日思い出します。

今日も明日も来週も来月も来年も数十年後もずっと思い出すと思う。




舞台挨拶はこうして終わった。

2022年10月12日。
私は最愛俳優チョンギョンホに会った。


追記
そして私の手紙は彼のポケットの中に......







私には絶対に叶わないと思っていた夢がある。

それはチョンギョンホの心からの笑顔の先に自分がいること、いや言うなればチョンギョンホの笑顔の理由になることだ。

私は毎日チョンギョンホの写真や動画やドラマや映画を見て世界一幸せな笑顔を浮かべている自信がある。

でもチョンギョンホはどうだろうか。

私は彼に貰ってばかりで、彼の背中を追いかけるばかりで彼が喜ぶ何かをこの手で渡すことも前に立つこともできないし許されない。
それがファンというものだ。

だからこそチョンギョンホのことが気になって仕方がないのだ。
私があなたを見て笑っている時あなたは何をしてるんだろう。笑ってるかな。泣いてないかな。ひとりじゃないかな。
どうしようもないのに、何もできないのに、最近はずっとそんなことを考えていた。


だから今年の誕生日にチョンギョンホさんにプレゼントをあげたいと思った。そんな身勝手な理由で私はファンダムを作り、身勝手にチョンギョンホの喜ぶ顔を想像した。


そして私が抱えるチョンギョンホへの気持ちは全てエゴなんじゃないかとも思った。

幸せになってほしい。
笑っててほしい。
プレゼントを受け取っててほしい。
喜んでてほしい。
顔を見せてほしい。
いいドラマに出てほしい。
ちょっとは休んでほしい。
健康でいてほしい。
スターになってほしい。
いや、もうスターだから認めて欲しい。

私が彼に「~ほしい」と望むことは一見素敵な夢に見えるかもしれないが、中を覗くとあまりに重くて残酷なものなんじゃないか。


そんな、誰にも言えない気持ちが消えないまま私はチョンギョンホに会った。


私の目の前のチョンギョンホは笑っていた。
心から、世界一幸せそうに笑っていた。


チョンギョンホは本当に素直で心が綺麗で無邪気で優しくて愛おしくてあったかい人だった。
ファンという不特定多数で有象無象の存在を心から喜んで愛してくれる人だった。
一方的かつ唐突な私の拙い告白を聞いて、受け止めて、言い終わる前に握手させてと手を差し伸べてくれる人だった。
ありがとうと目を見て笑って言ってくれる人だった。

間違いなく私がチョンギョンホに会いに行ったはずなのに、チョンギョンホの方が会いに来てくれたんじゃないかと錯覚してしまうくらい近くの存在であろうとしてくれる、それでも遠く遠くにいる、近くて遠い、遠くて近い人だった。


うん、やっぱり星だと確信したよ。



だから、
最後に残った感情も言いたいこともひとつだけ。
私が抱えるチョンギョンホへの気持ちも結局はここから始まってる。





だいすき。






チョンギョンホさん、
私あなたのことがだいすき。

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