品が問われる介護職

離床したあとは、ベッドメイキングするようにしている。
掛ふとんと毛布はジャバラ状の三つ折りにし脚側に重ねる。その上に枕を置く。柵は壁に立て掛けたりすると危ないから、ベッドの隙間に差し込んだりして安定させる。
いろんなやり方を試したが、臥床するときに他の職員が手間がかからず、かつパッと見きれいに見えるようなちょうどいい位置を模索してここに落ち着いた。
ベッドメイキングをするのは利用者のためではない。【この介護職員は品があるな】と思われたいからだ。
お年寄りの日常生活を手伝う介護職の仕事においては、各所に【職員自身の生活】がにじみ出ることになる。モーニングケアが雑だったり、入浴介助が雑だったりすると、その職員自身が雑で不潔な人間だとダイレクトに連想されるからだ。
そう思われるのはいやだから、利用者を使って自分の品を保っている毎日だ。

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