グリーンブックを見てみた

2018年に日本で映画が公開されましたが、当時、映画館へ行くたびに、見ようかなと迷っていました。結局見なかったのですが、ふとアマゾンプライムを見てみるとおすすめに上がっていたので視聴を決意。
アカデミー賞脚本賞を取っただけあって、普通に面白かったです。
正直、黒人の人種差別をテーマにした作品なので、そこら辺を取り扱うと何かしらの忖度が働くのでは?とか考えていましたが、全然違いました。
題材は重いですが、時折笑えるようなシーンがあったりして、小気味よく話が進んでいきますし、何より見ると心があったかくなります。
落ち込んでいる時とかにすごくおすすめです。
ちなみに実話ベースらしいです。

あらすじ
黒人差別が今よりも激しい時代に、金持ち黒人演奏家(ドクター)と腕っ節が自慢の白人(トニー)が一緒に旅をします。
ドクターが演奏家として、トニーは運転手としてです。
この当時の黒人差別は激しく、ドクターは演奏家として呼ばれているのに、白人と同じトイレは使用できなかったり、レストランに入れなかったり、夜中に出歩いていただけで捕まったりしてしまいます。
こんな理不尽を受けながらも、トニーとドクターは演奏を続けるために次の目的地へと向かいます。

疑問
この映画を見て疑問に感じたのは、なぜドクターはこんな思いをしてまで演奏を続けたのか?ということです。

この旅行はアメリカの南部をわざわざ選んでおり、南部は北部より差別が激しく、北部で行うよりもらえるお金も少なかったようです。

最初は差別への抗議活動なのかと思いましたが、なんとなく違うような気がしました。

いろいろ考えてみましたが、私は、彼が自分の居場所を探すためにこの演奏旅行をしたのではないかと思います。

旅の途中で、トニーとドクターが言い合いになるシーンがあるのですが、トニーは自分の方が黒人の音楽等に精通しているし、お金もないから自分の住んでいる世界の方が黒人よりだという発言をします。
これを受けたドクターは、私は黒人であると言うこと以外は全て白人寄りであるため、どこのコミュニティーにも属すことができない、自分ははぐれ黒人であると言うふうに答えます。

この発言から、彼はいつも孤独でどこかに居場所を探しているのかなと言うふうに感じました。

また、自身の演奏活動についても、自虐的に、金持ちが私の演奏を聞くのは教養があると周りに思われたいから聞くのだという風に言っています。

しかし、これらは一方的な被害者意識であったのかなと思います。

確かにかなりひどい黒人差別を受けていたドクターですが、当初黒人嫌いであったトニーも一度聞いただけで演奏の腕を認めていました。
白人のお金持ちの中にも、認めている人はいたのではと思います。
品位が重要と何度かトニーに説いていたドクターでしたが、時にはその品位が、鼻につくような感じで邪魔になる時があったのだと思います。

トニーがドクターにお城の玉座に座っているなと言うシーンがあります。
おそらく、黒人であるドクターは確かに差別されているが、ドクター自身も他人とわかりあう姿勢がなかったため、誰とも打ち解けられない、ということを言いたかったんではないでしょうか。

この映画は着飾らないトニーと、品位を大事にするドクターがお互いにいいところを吸収し合うような作品だったと思います。
何事も塩梅が大事だということですね。

それを理解したドクターが、物語の最後に、ドキドキしながらもトニーの家のパーティーへ参加するシーンは思わず涙してしまいました。


個人的に面白かったシーン
ドクターが白人と一緒に裸の状態で警察に捕まっているシーンがあるんですが、このシーンはドクターが男もいける事を表しているらしいです。
トニーに君には知られたくなかったと言っていたり、白人の男を警察がおばさんと言っていたので、変だなとは思っていたのですが、、、
このシーンは見てる時は???だったんですが、意味を知ってちょっと驚きました笑

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