自動車産業の構造転換についてのメモ①

第四次産業革命で今後産業は大きく変化していく。なかでも製造業はダイナミックな転換を迫られるだろう、とさまざまな識者が提言している。しかし、どのような形なのかいまいち分かりにくい部分がある。今回はそれについてメモを書き記す。

製造業という表現ではそこに属する産業群が多すぎので、今回は自動車産業に限って議論を進めていく。

国内では、若者の車離れが叫ばれて久しい。その間にレンタカー市場やカーシェア等のサービス市場が順調に育ってきた。無論、それは都市部と車社会の地方とでは、市場形成のニュアンスが異なっている。さらに、その地域が観光地なのか、高齢化率がどのくらいなのか等さまざまな要因によってその市場の潜在的なポテンシャルは異なっているだろう。

今後、自動車メーカーはサービス業化すると言われている。これはトヨタ自動車のCMが印象的ではないだろうか。また、そのような状況になればライバル企業は完成車メーカーだけでなく、IT企業や運輸サービスを提供する会社等非常に厳しい戦いが待っている。

では、なぜビジネスの基本でもあるビジネスの上流ではなく、下流に自動車メーカーは進出するのだろうか。その最大の理由は、自動車メーカーの売上の大半が新車販売等の既存事業で占められているが、これが2035年には6割程度にまで減少すると言われている。(ボストンコンサルティンググループ「激動する自動車業界」2018年1月)

数十年先には、新車販売だけでは既存の企業を維持することが出来なくなり、身売りや最悪のケースを想定せざるを得ない状況になる。それを想定して、現在の段階から各社がさまざまな手を打っている。これが合従連衡を形成し、サービス業に進出している要因である。

また、自動車とスマートフォン、プラットホームが連結することで、新たなサービスが創出される可能性がある。

そのことに関しては次回以降で書ければと思います。

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