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怖い理系の研究室のお話(第2話 ブラック研究室の内情と特徴)

前回は,研究室の選び方について記事を書きました.まだ,その記事を見ていない方はこちらのサイトを見てください.

今回は,研究室の特徴について述べたいと思います.実は,ブラック研究室には2つのパターンが存在しており,「激務系研究室」「放置系研究室」が存在し,今回はこんな名前をつけて定義します.(理系だから,定義しないと議論できないからね〜)

こうして見ると,「激務系の研究室はブラックに見えるのはわかるんだけど,放置系はホワイトじゃないの?」「研究室に行かないでいいから楽じゃん」というような意見を頂きますが,実はそんなことないんですよね...逆に落とし穴にはまってしまうかもしれません.それでは,私が定義するそれぞれの研究室に見られる特徴を見ていきましょう.

・激務系研究室の特徴(❇︎があったら特にやばい)

1. コアタイムが存在

2. 全体ゼミ or 個別MTG or 共同研究先とのMTG (ゼミとMTGの名称は研究室によって異なる) が週に4回以上

3. ゼミなどの発表がきつめ(いつも学会発表クラスの資料を作ることも)

4. 研究テーマは引き継ぎが前提→新規案はほぼ却下,取り合ってももらえない

5. 共同研究をしている→❇︎お金が出る場合はいいが出ない場合もある

6. 発表件数は多い→一見,成果が出て自分のプラスになる...と言う場合もあるが,それが達成できるのは,研究室選びをキチンとやった人が目標を持ってやっているだけで,他の人たちは泣いているかもしれない(特に,指示待ちマンには無理)

7. ❇︎性格が明らかにやばい教員(教授,准教授,助教)がいる→その教員の管理区域は監獄,奴隷扱いされている可能性大

8. ❇︎性格がやばい学生がいる→性格面では完全に関わってはいけない人のこと

→なぜかこのタイプの研究室に多く存在しており,研究室でストレスと貯める原因となる場合がある.

9. 卒論・修論前になぜか,研究テーマが変わることがある

10. エナジードリンクをほぼ毎日飲んでいる人がいる

→たまに,Twitter上に自慢している人がおるので,参考にしてください

11. 研究テーマ決まっていないのに,学会発表が決まる.

12.血便が出てる人がいる→かつての私です

13. ❇︎雑用がとても多い

→研究室関連ならまだしも,教員の私的な業務もある(もちろん無給)

14. ❇︎定期的に所属学生が学内のハラスメントセンターに相談する話がでる

15.❇︎ 研究室のイベントが多く,強制参加,費用は強制徴収

16. 学費を払っている学生と給料をもらっている教員との間に明らかに見えない壁がある

17. ツイートが鬱な内容ばかりしている所属学生がいる

18. その研究室だけの特殊なローカルルールが存在する

→例えば,私の所属している大学では10時40分からが授業の開始時間であるが,10時30分からが研究室のゼミが始まる

→第1回でも記述したが,大学院の早期履修制度を使えない

19. 進捗報告,輪講,学部の授業を復習以外のゼミが存在する

→発表機会を増やすためらしいがなんのためにやっているんや?

20. ❇︎研究室内にあからさまイライラしている人が常にいる

・放置系研究室の特徴 (❇︎があったら特にやばい)

Ⅰ. コアアイムはない

Ⅱ. 研究テーマは基本的には自分でテーマを考える

→引き継ぎのテーマがそのまま降ってくることが少ない or ない

Ⅲ. 研究室いる人が基本的に少ない

Ⅳ. 研究室の公式の連絡体系はメールのみ 

→最近は,slackという便利なものがありますがなぜか使わない

出典:https://slack.com/intl/ja-jp/

→なぜか,放置系と激務系どちらもslackを使わない傾向にある(うちの大学だけ?)

Ⅴ. 激務系研究室とは異なり,ゼミは週に2回くらいあるが,そのうち自分が発表するのは1回だけ,院ゼミと卒研ゼミみたいな感じでやる

Ⅵ. ❇︎ゼミを勝手に休んでも何も言われない (マジでペナルティ無しです)

→ゼミ係が仕事をやらないので誰が何回休んでいるかわからん

Ⅶ. ゼミをやっても質問はだれもしない→ゼミ中はみんなパソコンカタカタ

Ⅷ. 先生が学生に興味を持っていない

→もっと放置度が上がると,学生が失踪しても先生が気づかない(実際に,同期が失踪しましたが先生は気づきませんでした)

Ⅸ. ❇︎コミュニケーションを取らなさすぎて,先生が学生の研究進捗を覚えていない

Ⅹ. 研究室内部の人間関係が希薄

→先輩,後輩,同期との関わりがない(❇︎ひどい場合は,名前もわからない)

Ⅺ. ❇︎研究室内部のイベント(飲み会等)が皆無

→激務系研究室とは対照的に,先生がおごってくれるとか,旅行に行く?そんなことはあり得ません.

Ⅻ 研究室のイベントをしても,先生がイベントに来ない

XIII. ❇︎先生がよく「自主性」という言葉を多用する

XIV. 先生がよく重要な連絡を忘れるか前日になってから言う

XV. 全体的に指示が曖昧

XVI. ❇︎卒論・修論のテンプレートがない

XVII. ❇︎放置されすぎて卒論に間に合わない人が1人は絶対にいる

XVIII. 研究室に秘書さんがいない

→いない理由としては,研究室にお金がないか教授がコミュニケーションをとれないかの2択です.

→秘書さんがいないのはかなりデメリットです.その理由としては,TAの書類,学会の出張書類,消耗備品の発注などいろいろ管理しないといけないことが多いのですが,教授 or 准教授しかいない場合この事務作業も先生方がやっていることになり,タスクが増えて学生に構っていられなくなる点があります.また,先生方は通常の講義に加えて教授会などの会議で研究室や個研にいないことが多く,重要書類に判子を押さなければならないことがしばしばありますが,いつも先生がいないので重要書類が出せないということになります.

→秘書さんがいない研究室は放置度が高い研究室に多いイメージです  (訳ありな研究室にもいない)

・あんまり関係ないこと

・夜遅くまで電気がついてる(情報系の場合はあんまり関係ないです)

・研究室の備品(ハードウェア系でなければ大丈夫)

・定義した内容から言えること

いろいろ,定義しましたが結論を言いますと,私がB4の時にいた研究室では激務系全てに該当していました.今の研究室では,放置系に7割該当していますね.私は今の研究室では,気軽に過ごしていますが,どちらの環境も消えてしまった人がいます.

出典:https://matome.naver.jp/odai/2157569264236793501

激務系に定義した内容を見ますと,最近「三菱」のパワハラが明るみになりましたが,その研究室で同じようなことがありました.特定の教員によるパワハラ,アカハラ,暴言などは日常茶飯事であり,所属学生のTwitterを見ると嘆くようなツイートをしている人が普通にいる状態です.

研究室を選ぶ時には,この内容をリスト化して研究室のメンバーに渡してみるのもいいかもしれもせんね.それぞれ,半数以上にチェックをつけたら怪しいと思っていいと思います.(❇︎が複数個ついたらNGです)

次に放置系に定義した内容を見ますと,この内容を見たらわかりますが,基本的に先生と関わる機会がとても少ないです.ゼミの報告機会は半期中に5回しかないです.そのため,結構放置系は楽だという意見が多くやる気ない,楽したいという人間が多く所属する傾向にありますが,「指示待ちマン」には全く向いていません.その理由として,どっちにしろ卒論,学内発表,修論というイベントがあるため研究を自分で進める必要があります.研究は割と勉強と違うところがあり,勉強ができるから研究もできるというわけではありません!  研究を進めるためには,ある程度の社交性がないと困ることになります.そのため,教員の力を借りないといけないですが,放置系の教授は何にも言わないので研究が進みません.(ただし,個人で聞きに言った時は返答してくれる)

ぶっちゃけ言って,放置系研究室は学部生で終わるならなかなかいい環境だと思います.(だだし,放置度が高いと卒論書けないが).放置系研究室にいる人は,アクティブタイプの人間でない人が多く,自分から動きにくいタイプが多いイメージです.

・放置系で失踪した学生のお話

ここでは放置系で失踪してしまった,同期のAくんのお話をしたいと思います.Aくんの特徴は

・中学高校大学で部活サークル経験なし

・もちろん,バイト経験なし

・全て,親にお金を出してもらっている

・友人はAくんと同じタイプであり,Aくんの友人も研究室で留年,休学をしている

Aくんは人と触れ合うことを極端に嫌い,ピザの出前注文も拒む

・体力面に少し課題があり,病弱気味

・学部生時代の成績は優秀であり,資格も複数個持っている

もちろん同期であるAくんには失踪してほしくなかったのですが,こうして考えてみると放置系で失踪しやすい特徴ばっかりだと思います.特に太枠の部分の特徴は要注意です.Aくんがいなくなるまで流れはこのようになっていたと思います.

1. 研究室に配属,Aくんは特に研究をしたいとは思っていない

2. ゼミが近づく,Aくんは研究したいと思っている内容の関連研究を発表する.

3. Aくんはゆるい研究室だと思い特になにも考えずに院進を決める

4. 教授は特になにも言って来ないので,Aくんはゼミで関連研究のみを発表する報告を続けた

5. 10月くらいになり,流石に教授や先輩が「彼はどういうことして,卒論の論文を書くのか」ということを指摘しだすようになる.

6. Aくんはこれまで人と会話してコミュニケーションを円滑に進めるということをやって来なかったので,これらの指摘を「自分が否定された」と感じてしまい,深く心に傷がつく.

7. この時点でやっと研究の難しさ,厳しさに気づいたのかもしれないが,自分ができるだけの能力を使って研究を行なった.(もちろん,研究はうまくいかない)

8. なんとか卒論を終え,発表会に臨んだ.多くの教授陣の前で発表を行なったのでダメージを受けた.(その時点で,かなり精神がダメージを受けていた)

9. 院生となり,上記の4をひたすら繰り返すこととなり,毎回のゼミのたびにストレスが溜まっていくが,Aくんは人を相談することができないのでストレスを発散することができない.また,恐らくだがゼミのたびにトイレにいっていたので,相当胃腸にもダメージが来ていたものと推測される.また,Aくんの意識的には,ゼミメンバーが怒っているように見えていたのではないかと思われる.(もちろん,全員そうは思っていないが)

10. ある日,何かのイベントがきっかけでストレスが爆発してしまい.研究室に来れなくなり失踪してしまう.

11. それからどうなったのかは誰も知らない.教授もどうなっているか確認が取れていないらしい.

こんな感じになりました.太枠に書いてあることを纏めても大体イメージついたのではないでしょうか.

個人的にはこのような放置系の研究室はまだ救いがあると思います.まだ,自分で頑張ることができるタイプにとっては上手くスケジュールを立ててやることが許されますので.

・内情

ここから,内情について記述したいと思います.前回も書きましたが,前の研究室では,院政を敷いている教授,研究室無給雑用イベント,研究室の権力争いなどを書きましたが.更に掘り下げていきたいと思います.

その教授の特徴ですが,とにかく自分が絶対正しいと思っているタイプです.学生が,言った内容を覚えていないので,自分がミスをしても学生の責任にして説教するということが日常茶飯事でした.現在は,定年退職しているため授業を請け負っていないのですが,研究室の共用フォルダの奥底に授業評価としてブラック教授の特徴が書かれていました.

自分は今まで失敗してこなかったので天狗の状態になってあの年齢になってしまっまいこうなってしまったのでしょう.言動には「雑用など学生にやらせればよい」,「学生は研究室の労働力である」,「学部卒には価値はない」などの問題外としか言えない発言が多くありました.また,ゼミにはたまにしか来ないので,前の内容を忘れておりその度にコロコロ意見が変わるので,常にめんどくさいことになっています.

そういえは,その教授の学会の準備を全て学生が手配したこともあったらしいです,「ホテル・交通手段の手配」,「当日使う動画の撮影」,「事務用紙の記入」などいろいろあったみたいです.

そのせいで常に雑用まみれとなっているので,情報系にも関わらず常に24:00くらいまで研究室の電気がついているという日が何日かある状態となっています.更に面倒臭いことに,そのような環境に順応したり,頭がおかしくなったのか,話が通じないほど狂った学生が何人か発生します.そんな学生が研究室の治安を更にわるくするので,ストレスが溜まります.

一部界隈では,教授の性格で判断しろと言われますが,このように見えないところで権力を握っている人もいるのが事実です.

・補足

例として研究室のチェックリストを友人の研究室に当てはめてみました.その結果,1人は激務系,放置系どちらも半分以下,あと3人は激務系ほぼゼロ,放置系半分くらいとなりました.

・追記 (1月24日)

同期のAくんが退学してしまいました.やばり,放置されている環境でいろいろあった (拒絶反応があった)のか,直々に教授から連絡がありこのようなこととなりました.