けつ毛よもやま話
「四方山話(よもやまばなし)」とは「世間話」を意味する言葉です。「四方山話に花が咲く」「四方山話に浸る」などの使い方をする「四方山話」
みなさんは自分のけつ毛を剃ったことはありますか?いつ剃りましたか?
私は剃ったことがあります。そしてそれは今日です。
なぜけつ毛を剃ったか?なぜそれをわざわざ報告したか?
その説明をするには少し時を遡る必要があります。
つい先日このようなツイートをしました。
結構軽い感じでツイートしていますが、まあまあ深刻なレベルで痛かったんですよね。
太腿を動かす歩き方ではケツがこすれて体に痛みが走るので、ケツがこすれないようにガニ股気味に膝から下だけを動かすような。
出来損ないの歩くBBのようなイメージが近いでしょうか。
それでやっと痛みを多少抑えられるか?といった具合でした。
とにかくこの時点ですでに日常生活に支障をきたすダメージがアナルに与えられていたことになります。
まあ以前からこのような現象は起きていたし、適当に軟膏でも塗っておけば直る程度の痛みだったので
「お、ツイートのネタが増えたぞしめしめ」
程度にしか考えていませんでした。
そこで今日昼頃にまたケツが痛み出したので、ただ痛いままにしておくにはもったいないからネタにしちゃうかwwwって思って家に帰ってからするツイートの内容について考えながら働いていました。
「再三に渡り忠告したにも関わらず、けつ毛がアナル周辺を破壊することを一切控えないため、この体の管理人として環境維持のためにけつ毛を剃毛処分とすることにしました。」
「身内にも厳しい処分を下せる管理人の鑑だあ…(恍惚)」
「俺だって本当はこんなことしたくなかったんだ。友好の道があったはずだって今でも思っている。でももう何もかもが手遅れなんだよね」
「けつ毛は世界中の人間に迷惑をかけている自覚が足りない」
こんなことを呟こうと思っていました。
はい、しかし自分はこういうツイートをしていませんね。
なぜか。
ギャグやシャレで済ませられる痛みをはるかに超えていたからです。
汗で蒸れてケツに張り付き、歩くごとにけつ毛は手あたり次第に体をひっかきまわしていきます。
帰ってから何をするか?そんな悠長な考えをあざ笑うがごとく、紙やすりでケツをすり下ろすがごとく痛みは深く鋭くなっていくようでした。
ついには直立でたつことすら叶わなくなり、常に若干前かがみにならざるを得なくなります。
よく勃起すると隠すために前傾姿勢をとるなんてネタがコミックスの世界ではよく取り上げられますが。
自分も実際に勃起を隠すために前傾姿勢をとったことありますが。
今回は勃起していません。
勃起してねえよアナルがくそ痛いんだよ殺すぞ
仕事が終わり帰路を辿りますが、道中の段差等の振動が全部アナルへ直撃します。
あらゆる事象がアナルへのダメージへと変換されるため、ここら辺からこの世のすべてが憎くなります。
ここまでくると頭をめぐるのは一つの考え。
ギャグや冗談じゃ済まさねえ。絶対けつ毛を殺す(剃る)
この世で一番けつ毛に対してヘイトを向けた男だったかもしれません。
とにかく家にたどり着き、真っ先に浴槽で入浴ついでに剃毛の準備に入りましたが、ここで問題がいくつか起きます。
まず自分はけつ毛を剃ったことがありません。
もっと言えば自分のけつ毛をまともに見たことがありません。
部屋に落ちてる縮れ毛、つまるところのけつ毛の死骸ではなく生きたけつ毛。
自分の体に生を宿した生のけつ毛。
幾度となく無修正のホモビデオを視聴し、他人のけつ毛には随分見知ったものでしたが、自分のは見たことがない。
これが灯台下暗しってやつですかね?灯台ではなくアナルですが
見たことがないもの。そしてアナルという弱点近くに生えている毛。
自分は今そこに手探りだけでカミソリをあてなければならないのです。
なんたる未知。なんたる恐怖。
けつ毛の剃毛とは未知への挑戦。
一歩間違えれば血まみれでは済まないほどのリスク。
職場にいたときは思いもよらなかった。
剃毛がこんなにも恐ろしのかと。そして自分は引き返せないところまで来てしまったのだと。
しかもさらに受難は続きます。
けつ毛がアナル周辺を破壊したおかげで、水ですら染み叫び声を抑えるのに苦労を覚えるほどの痛みが走ります。
しかしそれで終わりではない。
今から自分はここに泡をつけ、刃を突き立てなければならない。
けつ毛に挑んだことが誤りだったのか?いやしかしここで引くわけにはいかない…
そう、明日は5時間近い残業が確定している…
ここで引くということはアナルに爆弾を抱えたまま長時間働くということ。
最悪の事態を避けるために戦いを続行しなければならない。
覚悟を決め、泡を刃をあてるが…
(あまりの激痛に苦悶の表情を浮かべる自給自足)
痛みとは神が生物に与えし生きるための力
外敵や苦痛から身を守るための生存本能。
痛みに逆らうことは神に逆らうことに等しいのだ。
そう。そして神とはけつ毛だ。
けつ毛が僕にささやく
痛みに耐えきれぬと言うならアナルを私に明け渡せ
鋭い痛みは死のメッセージだ
脅威を取り除かねばお前は死ぬというDNAに刻まれた警句だ
僕はけつ毛を剃るために痛みを、自分を、死を乗り越える必要があった。
十分に泡をたて刃を引く。
刃に毛がくっついてる。このけつ毛はさきほどまで生を謳歌していたものだ。
僕が生きるために、奪われた命だ。
アナルに染みる泡と刃による痛みが、誰かを傷つけるということの痛みに思えた。
人を傷つけると言うことは自分を傷つけるということなのだろう。
僕は一生この痛みを抱えて生きていく。
それにしてもこのけつ毛、長いのである。
長い。
え?めっちゃ長い。
まっすぐ伸ばしたらアナルから足首やかかとまで一直線に届くのではないかというほどに長い(痛すぎて意味不明な嘘をついている)
そして量が多く、太い。
そりゃこんなの挟まってたらアナルも痛くなるわ。
僕は30分ほどかけてけつ毛を剃っていく。
刃を引くたびに毛が刃に絡まる。
毛が絡まった刃は極端に切れ味が落ちるので何度も洗い流す。
何度も剃る。何度も絡まる。
その様はけつ毛が自分の命を投げうってまで、同胞をカミソリの凶刃から守ろうとしているように思えた。
なるほど感動的な光景である。
しかしこれは戦争なのだ。
けつ毛が全部なくなるか、俺が死ぬか。
この戦いが始まった瞬間から運命はこの二つに一つと決まっているのだ。
俺にも守るべき明日がある。安からぬ代償も払ってきた。今更手を止めることなどできない。
剃毛して初めて気が付くことがいくつかった。
1つはけつ毛の生体である。
お前、こんなとこにも生えてたのか!
やっぱ長いんだな。
色艶…太さ…しなり具合…俺、けつ毛のこと全然知らなかったよ。
そう、今まで見たことがなかった、ここまで自分を苦しめてきた存在と始めての対面だった。
思えばこれがけつ毛との初めてのコミュニケーションかもしれない。
けつ毛は気が付いたらアナル近辺に生えていたし、いつも金玉の裏に隠れていたから言葉を交わしたことがなかった。
お互いに刃を向け合い、傷つけあった同士であったが、一糸まとわぬ姿、生まれたままの姿で向かい合い、初めてわかり合えた気がした。
ごめんな
いいんだよ
これが一番最初にけつ毛と交わした言葉だった。
ふいに中学時代の記憶が頭をよぎった。
そう、俺が初めて自分のけつ毛の存在を認識したとき一番最初にやったことは友達に対して自慢することだった。
「お前けつ毛生えてる?え?生えてないの!?俺生えたわ。俺の勝ちな」
けつ毛はけつ毛でありアクセサリーなんかではなく、ましてや人にマウントをとるための道具ではない。
今にして思えばけつ毛と向き合わず、けつ毛と俺の出会いを祝福せず利用することだけ考えていたあの日から、俺とけつ毛の断絶は始まっていたのかもしれない。
もっと出会いを素敵なものに出来ていたならば。お互いをリスペクト出来るような関係を築けていたら。今では自分の行動を悔いるばかりだ。
けつ毛との思い出を振り返る
色んな事があったよな。
アナルをずたずたにされて…アナルをズタズタにされて…
そういえばアナルをズタズタにされたこともあったな…
おいアナルがズタズタにされた記憶しかねーぞ
やっぱけつ毛って糞だわ。全剃り確定な。
先ほど痛みは死へのメッセージと述べたが例外が二つある。
1つは女性が子供を産むとき
新しい生命を育むとき、痛みは死のメッセージではなく生の奨励となる。
もう一つはけつ毛を剃って長時間労働へ備えるときである。
俺はやったぞ。赤飯を焚いてくれ。
とはいっても途中で体力が限界へ達したため、何割かは翌日に持ち越しとなったが。結果として互いに痛み分けとなってしまった。けつ毛の量が多すぎる。
それではもう眠いので今日はここいらでお開きにしよう。
散り行くけつ毛に祈りを。
生きるアナルに祝福を。
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