33歳で身体障がい者になった私の社会復帰までの全記録2

遠くから救急車のさいれんが、」ドップラー効果でちかづいてくる。
そして、うちのマンションのまえで止まった。
普段なら、ベランダに飛び出して、あたりを見回し
野次馬根性丸出しなのだが、
あれは」私が呼んだ救急車なのだ。
しばらくしてエントランスのオートロックが鳴った。
彼女Mが対応する。
またしばらくして、今度はへの玄関のインターホンがなる。
彼女Mがでた。
ガチャガチャガチャと金属音。
そしてべっとの横に巨大なストレッチャー(!)がやってきた。
隊員」。「のれますか?」
乗れるわけがない、こっちはたちあがることさえできないのだ。
すると、隊員はベッドのよこに古毛布を広げた。
隊員「ここに横になれますか?」なんとか転がって古毛布までころがる。
するともう一人の隊員がわたしをくるんで
「1,2,3!」と言って持ち上げてストレッチャーにのせられた。
あぁドラマのERか救命病棟24時でみたことあるやつや・・・
漠然とそんなことを思った。
ストレッチャーにのせられて、
廊下から玄関を出た。
その時は仰向けになったのだが、
(あぁうちのマンションの玄関までの天井ってこんなんnなんだとおもった。
普段、玄関までの天井は注意してみない、
それは、搬送された私だけの貴重な体験であった。
ガラガラとエレベーターホールまでころがされて、
エレベーターに乗るものと思ってたら
隊員「エレベーター乗れないので
階段でいきますね
「何!!」
普通エレベーターにはトランクがあって、
ストレッチャーや棺などがのれるようなっているのだが、どうやらうちのマンションは非対応らしい。
普通物件みる時に、エレベーターにストレッチャーと棺が乗るかは確認しない。
皆さん!物件を検討するときは、ストレッチャーと、棺が乗るかの確認をおわすれなく!
そして隊員は、非常階段に入った。
うちのマンションの非常階段を使うのは初めてかも知れない

まさか初めての非常階段がストレッチャーとは・・・
隊員はストレッチャーを」担いでわたしを1階まで下ろしてくれた。
屈強な隊員達に頭が下がる。
私は何度もストレッチャーからずり落ちそうになりながらも、
1階にとうちゃくした。
おもてにでた。
さいれんを聞きつけた、マンションの住人達がベランダからこちらをみている。
「私は大丈夫です!」と手でも上げようkかとおもったが、
それそれは、自重した。
救急車のそばには、電話を聞きかけつけた、両親が、
たっていて、赤いパトランプでてらされていた。
救急車のドアがひらく
「不肖息子行って参ります!」
両親に敬礼でもしよう思ったが、
それは流石に自重した。
車内では、助手席の隊員と
搬送先の連絡をしていた。
隊員「30代男性、左半身麻痺、脳卒中の疑い」
それを聞いて、
(あぁ俺脳卒中なんだ・・・)とおもった。
そして、運ばれるのは、隣駅の県立尼崎病院だなとおもった。あそこは、
あそこは、妹が、心臓手術をした病院だな
でもあそこの脳外科あったかな・・・
などと漠然とかんがえていた。
母曰く・・
当初は、近くのT という私立病院らしかっただが、
そこは、小さいし、脳外科ないしなによりもぼろっちいので
母が断固拒否したらしい・・。
T病院でよかった・・。
そうでなければ
助かってなかったかもしれない・・・。
でもなかなか搬送先が決まらない。
(これが世にいう‘’たらい回し“というやつか・・と漠然と思った。
しばらくして隊員とやりとりをして、
救急車はようやくはしりだした。
正確にいうと、同乗してくれた彼女M曰く、
私は、意識失ってしまったらしい・・。
なので正確なことはおぼえてないが、一つだけ
正確におぼえているのは、
MRI室に運ばれた時、
そこの技師がやたらMRIの空打をして
ガンガン言うのがやかましいということだけである。
じっさいには、手術が行われ、
血腫をとりのぞく処置がおこなわれていたのである・・・。続く。
手術中は当然ながら、麻酔されているので、意識は
全くない。
その間は、ただ闇、闇である。
出口のないトンネルを彷徨っていたようである。
唯一つおぼえてるのは、闇の向こうから聞こえてきたある曲である。
それは、元ちとせ‘’ワダツミの木“という曲である。
あの独特な声とメロディーがじょうきょうにマッチしているのをおぼえている。
でもこれには訳がある。
従兄弟のS(奈良在住現在奈良で音楽教師として活躍中)が、音大在学中、
音楽療法を専攻しており、
そのSが,いとこの一大事に一枚のCDを託した。
それは、沖縄の波のおと、沖縄縁のアーティストの曲の入ったCDであった。
ICUで昏睡中の私に母はこのCDをきかせつづけたという。そのCDに元ちとせ“ワダツミの木”が収録されていたのだ。
以来私は、この極を聞く度に意識がなくなりそうになる。
入眠時には効果的だが、運転中は厳禁である。
このCDが、昏睡中の私に多大な影響を及ぼすのだが、それはまた別の話・・・。
以来私は、この極を聞く度に意識がなくなりそうになる・・・。
入眠時には効果的だが、運転中は厳禁である。
運転中気を失ったらたまらないからである。続く

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