第五舞台 6/1(土)サバイバー・ハンター公演を見た感想(前編)


【まえおき】

数年ぶりに第五舞台の公演があると知ったのは、昨年の冬だったと思う。
コロナ禍が明けてようやく舞台が再始動したことが嬉しく、絶対見に行こう……!と喜び勇んでチケットの抽選に申し込んだ。

以前見に行ったEp1では、役者さんが演じる写真家と納棺師に釘付けになり、写真家のブロマイドを購入し、百均の金縁に入れて飾って拝むほど、舞台の魅力にどっぷり浸かっていた。
(この時、額縁を机に置いて床に這いずって見上げることで、疑似的に推しに見下されている感覚を味わうという無駄なライフハックを得たことは記憶に新しい)

抽選を申し込んだのは12月頃で、結果が来たのは1月だったと思う。
職場の休憩中、そういえば今日は当落の結果が来るな〜と、スマホを開いて確認をしたら、申し込んだチケットが全て当選していたので二度見した。
抽選に申し込んだのは4枚で、4枚とも当たっていた。
(正直、最悪1〜2枚当たればいいかなくらいの気持ちだったから本当に驚いた)

私は地方民のため、4回とも見に行くとなると出費はかさむ。
少し悩んだが、4枚全部当たるなんてことは今後ないだろうし、複数回見に行けるなんて貴重なことはないから、全部行ったるか……!と決めた。

チケット代がかなりかかるので(土日公演は平日公演よりも値段が高い)、移動手段は高速バスで、宿泊場所はカプセルホテルに決めた。
金曜日、仕事が終わって帰宅してから荷物の準備をして、睡眠もそこそこにバスに乗り込んで出発した。
また第五人格のキャラクターたちに会えるのかと思うと本当に嬉しくて、今回はどんな物語なんだろうとワクワクして新宿に到着した。

以上が第五舞台を見に行くまでの顛末である。
舞台の感想は、舞台で印象に残った場面などを前編とし、シナリオのネタバレやストーリーの考察を後編に分けたいと思う。

ネタバレを避けたい方は前編のみ読んでいただければ幸いです。


【サバイバー編・ハンター編で印象に残った場面】

ここすごい……!ここめっちゃ好き……!と思ったシーンが多すぎるので、キャラごとに分ける。まずはサバイバー編、ハンター編の主役キャラクターたちから。

・囚人(ルカ=バルサー)

サバイバー編の主役として相応しい演技だった。
頭が傷んでもがき苦しむシーンでは舞台の床の上で叫びながらのたうち回る様が本当に頭痛に苛まれているようで、荘園について冷静に語るシーンでは脳を損傷する前の囚人の聡明さがうかがえて、これは囚人というキャラが好きな方にはたまらないだろうなと思った。

囚人が頭痛で気絶し、白無常に支えられる場面では役者さんが白目を剥いて倒れ込みそうになっていたので、演技の生々しさに言葉を失いそうになった。本当に生きてる、舞台の囚人。

チェイス中に半狂乱で走り回ってる場面、いやこれゲーム中の私じゃん……?と思った。白黒無常のワープに「距離を詰められた!なんなんだこいつは!」と囚人が逃げ回ってるところ、とてもシンパシーを感じた。初手チェイス20秒しかもたない囚人くん、It's me……

囚人の衣装、腰に工具やら何に使うのか分からない紐やらがついていて、歩く度にカチャカチャ鳴るのがすごく本物……!という感じがしてよかった。
あと下半身がものすごくエロい。すごく色っぽくてセクシー。現実ってすごい。
お化粧も、片目のまぶたに紫のアイシャドウで青アザを表現していて、あ〜〜〜〜好き〜〜〜〜!と身悶えしていた。

・白黒無常(謝必安・范無咎)

二人一組、二人三脚の演技で白黒無常の悲しい過去、お互いを想うがゆえのすれ違いを舞台で表してくれた。演技を見ているだけで悲しくて、白黒無常を愛おしく思えて、すごくよかった。

生前の白黒無常、荘園のハンターとなった白黒無常を、4人の役者さんがそれぞれ演じていた。
個人的にすごくグッッッッときたのが、生前の白黒無常役のおふたりが、暗転してはけるタイミングで仲良く手をつなぎながら下がって行ったところで、目が釘付けだった。
暗くて危ないから手繋いではけていったのかな……いや白黒無常は生前から仲良かったから手繋いでの退出は演技の一部……????いや仲良すぎない……????ていうか暗転後も演技続けてくれるの神すぎない……????は……????推せるが……????(宇宙猫顔)

座席が通路側だったので、白無常・黒無常の衣装を間近で観察することができ、布に細かな模様が薄ら入っているのにとても興奮した。通路側の座席はかなり至近距離でキャラたちを拝むことができるので、小物や衣装、表情などを細かく見られてすごくよかった。
生前の白黒無常は衣装が綺麗なのに対して、荘園の白黒無常は服が汚れていたり、裾が破れていたりして、その違いがとても痛々しくて心臓が潰れそうになった。


・その他サバイバー/ハンター(印象に残っているキャラクターだけ)

探鉱者が泣き虫とのチェイス中に、磁石で板間に引きつけてから板スタンさせてた。ひょ〜!神プレイ!と思うのと同時に、やめたげてよお!とも思った。
逆にロビーくんはステイン隠ししてから距離を詰めていたりして、ゲームのギミックや実際のプレイを舞台に反映させていてとても面白かった。第五人格を遊んだことがあるなら、舞台は十分楽しめると思う。

サバイバーたちがゲームの作戦会議をしている中、探鉱者が机の上のワインを勝手にグラスに注いで飲んで、勝手にパンを取って好きに飲み食いしているのが最高にノートン。囚人が喋っているシーンなのに……!アドリブがめちゃくちゃ面白い……!目が足りない……!と思っていた。ちなみに隣にいた傭兵が探鉱のパンを勝手に取って食べていたので、横から睨まれていた。お互いにワイン注ぎあってムシャムシャ食べてるのすごくかわいかった。

墓守とポストマンのやりとりもすごくかわいくて、墓守がポストマンに付き添いをお願いして囚人に謝りに行く場面では、「いいいや、ぼくは別に言いたいことなんてなくて、び、ビクターが君に(モゴモゴ)」とアワアワしてるところで、ポストマンが遠慮なく墓守の背中をぶっ叩いていた。「もう!何か言いたいのはキミでしょ!」と言わんばかりに容赦がなかった。
アドリブで「ルカにカメムシがついてる!」と墓守が言って、周りが「どこいった」「あっちにいるぞ」「お前の肩についてる」「この部屋カメムシ臭い」などと言い合っていて面白かった。

画家は一匹狼感がすごくて、つんけんして周りと仲良くしません!という風に、足を組んで座っていたり、囚人のチェイスに文句を言っていたりする一方で、墓守に「僕のネクタイがちょっと曲がってる」「上手く結べないんだ」とか言って、アドリブで直してもらっているのがかわいかった。衣装の袖口に絵の具がついているのもすごく……リアルで……好…………

庭師役の方、内股の立ち姿が庭師そのもので、シルエットが素晴らしかった。歩き方、立ち振る舞い、全ての動作全てにキャラクターが詰まっていてちょっと感動した。
エマちゃんのダンスシーンは他のサバイバーたちもノリノリで踊っていて、特にポストマンの踊りのキレがとても素晴らしかった。流石、中の役者さんがヒュドラなだけあるな……と一人で納得していた。

写真家は相変わらず写真家だったし、五十嵐さん(役者さん)……!五十嵐ジョゼフ……!五十嵐ジョゼフだ……!!!!と、心中平伏しておいおい泣いていた。五十嵐ジョゼフの何が素晴らしいってその凛々しく冷たい双眸もさることながら爪の先が真白に塗られていて束ねられたふわふわの白髪にシルクのリボンに光沢のある群青の衣装が大変お似合いで座り方や歩き方サーベルを振る姿もなにもかもゲームのキャラクターの再現すぎて見蕩れるどころの話ではなく眼球が融解してもおかしくないほど大変素敵でございました好きです本当に愛してます(ノンブレス)
舞台上での写真世界の表現が、青いスポットライトが床に散りばめられて、逃げていたサバイバーが静止し、時空残像はカツカツと足の鳴る音と共に優雅に歩き、ストーカーチェイスで仕留めていたのがもうたまらなく好きでした。全人類第五舞台のジョゼフ見てくれ頼む。

泣き虫は美智子さんと仲良しで、飲み物受け取ってニコニコしたり、美智子さんとおてて繋いではしゃいでいてとてもかわいかった。美智子さんもロビー君の頭を撫でていて母性ありまくりやんこんなん惚れますやんと思っていた。

彫刻師の移動がすごくヌルヌル動いていて、これどうやって動かしてるんですか!?と不思議に思って、感動していた。役者さんが操作してる風もなかったので、多分裏方の人が操作しているのだろうけど、違和感なくてすごかった。
演技もちょっと狂気が入っている感じで、体を仰け反らせてサディスティックに笑っているのがとても素敵だった。
リッパーとも狂気的な一面が噛み合うのか、二人して加虐的な話をしている中に、占い師が「そんなことよくないですよ……」と割って入っているのがとてもよかった。ノミ突きつけられてアワアワしてるのもかわいかった。

リッパーが白無常と険悪になったシーンで、他のハンターたちが退場していく中、リッパーは最後にひと睨みして裏へ戻っていくところ、好きーーーー!!!!と叫びそうだった。
やっぱり帽子が大きいのか、毎回ちょっと屈んで下がっていくのがかわいいポイントだった。



【その他面白かったところ】

第五舞台では物語が始まる前に、オルフェウスから観客に向けた注意喚起が流れる。CVを務めている三木眞一郎さんの声が流れるので、すごく心臓に悪くて耳に良い。
あ〜めちゃくちゃかっこいい〜という気分に浸れれば最高なのだが、ゲームシナリオの薬瓶直嗅ぎオルフェウス君が脳裏に過ぎるので、若干半笑いで聞いてしまう。
いつか記者の声の方もアナウンスやってくれたりしないかなあ……!と楽しみにしている。



【あとがき】

第五舞台とは、第五人格の魅力、キャラクターを演じる役者さんたちの努力、舞台オリジナルのシナリオの物語の力が、ぎゅっと詰まっている。
Ep1を見てから数年、舞台の素晴らしさはよりリアルさを増してとても面白いものになっていると感じた。
来週末も見に行く予定があるのがとても嬉しく、また違ったアドリブや魂のこもった演技を見られるのかと思うと、またわくわくしてくる。

第五人格が好き!という方には是非舞台を見に行ってほしいと思う。
(音響効果やライトの舞台演出が苦手な方は無理をしないでほしいので、そこは個人の判断に委ねます)

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
後編も読みたい!という方は、ぜひそちらもよろしくお願いします。
(まだ書き終わっていないので、しばらくお待ちください)



2024/06/02    ひつじ

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