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スモーキン・ビリーへ

思えばどうしてあんな町で出会ったんだろう。

あの町にはとても似つかわしくない。

あの頃、

何か暗いモノが僕を動物にしていた。

境界線は思い出せないが、

いつからか、

あなたが僕を動物にしていた。

それは、恋に似た現象だったのだろう。

恋のような作用だったのだろう。

僕はきっと純粋だった。

僕は踊ることすらできなかった。

何も知らず、何も分からない。

ただあなたは作用していた。

僕の何かを刺激し、作用していた。

恋のように。

あなたが住んでいるところにいってみたいと思った。

あなたみたいになりたいと思った。

でも、僕にはあなたみたいにではなく、

あなたになろうとすることしかできなかった。

僕はみっともなくて、トゲトゲで、不細工な動物になった。

そういった意味では、

あまりいい出会いではなかったのだろう。

長い時間が過ぎ去るまでは。

これは一つのきっかけの話。

今も続く、きっかけの話。

これからも静かに続く、きっかけの話。

ところで、

あの頃はあなたのことを知っている人に出会えると嬉しかった。

なぜ、今になってあなたのことを知っている人が、こんなにいることを知るのだろう。

でも、今はあなたの名前が寂しい。

とても重い曇り空。

ツンと冷えた冬の空気。

これを機にタバコを吸ってみようかとふと思い、ベランダを見る。

でも、あなたのようにはとても吸えないだろう。

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