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クーデター、アウン・サン・スー・チー氏拘束【ミャンマー】

ミャンマーで国軍によるクーデターが起き、アウン・サン・スー・チー氏が拘束されたというニュースが入ってきました。

アウン・サン・スー・チー国家顧問を始め、与党NLD(国民民主連盟)の幹部が相次いで拘束され、国軍が非常事態宣言を出して政権を掌握した模様です。(事件の概要は、↓のの記事に分かりやすく記載されています。)

ミャンマーでは、1962年のクーデター以降、長きにわたり軍事独裁政権が続いていました。建国の父であるアウン・サン将軍の長女であり、民主化運動のリーダーだったスー・チー氏は、1991年以降自宅軟禁状態に置かれていました。

しかし、延べ15年にわたる自宅軟禁から解放されたスー・チー氏は、NLD(国民民主連盟)を率いて2015年の選挙で圧勝し、軍事独裁政権は終焉を迎えました。

一方で、ミャンマーにおいて国軍は大きな影響力を持つ存在であり、軍事独裁政権が終わったからといって、政治から国軍の影響力を排除することは難しいのが実情です。国軍の政治的影響力を減らそうとするスー・チー氏側とそれを是としない国軍側の対立が深まり、今回のクーデターに至ったのではないかというのが、一般的な見方ではないかと思います。(スー・チー氏と国軍の対立については、↓の記事が分かりやすいです。)

軍事独裁政権時代、英雄のような存在だったスー・チー氏ですが、いざ国政を担うようになると、国民や国際社会からも必ずしも肯定的な見方ばかりではなくなります。政治的手腕や少数民族政策が批判を受けることもありました。

とはいえ、軍事独裁政権時代に比べれば、国民の政治的自由は明らかに拡大し、各国が経済制裁を解除し、門戸が開放されたことで経済的にも急成長しています。
スー・チー氏万歳ではないけど、以前の軍事独裁政権に後戻りはしてほしくない。このように考える国民が大多数なのではないでしょうか。(もちろんいろんな考えの人がいるでしょう。)
いずれにせよ、今、ミャンマー国民の皆さんは、非常に心配な心持ちだと推察します。

私が小学生、中学生の頃、ミャンマーという国は非常に閉ざされていて、言ってしまえば北朝鮮のようなイメージの国でした。旅行行く人もあまりいなかったと思います。
しかし、その後のミャンマーの民主化の過程は、社会は変わるのだということを私に教えてくれた出来事の一つでもありました。今やミャンマー旅行も普通になりつつあります。(コロナのことを除けば)

とても心配ではありますが、ミャンマーの皆さんにとって良い方向に事が進むことを願います。事態の動向は今後もウォッチしていきたいと思います。




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