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映画『アド・アストラ』についての雑談

雑談、でどうやら固定ですね。

そもそもレビューなんて柄じゃなかった。
けど好きだから、映画についてはガンガン書いてみたいのです。

観るだけのファンだったのだけど、最近観る側としての視点が変わったこともあって、自分の考えをまとめるのによいし。
運良く「あ、私も観た! そーなんですねー、私はここではこう感じました」なんて話ができる人にいつか出会えたら、この上ない幸運だし。
ツラツラ書いていこうと思う。

という訳で、ブラッド・ピットの映画である。
この映画、まずそこが推しでしたよね。
彼の出演作は昔から興味深いものが多いし、同じタイプの作品にはほぼ出ないように思う。ともかく仕事ぶりに注目する役者さんとしては見てて面白い。

役を選ぶタイプの方なのかなぁ?
選べるほど役が舞い込む、というのもあるかもしれんけど。
シリーズものにあまり出てないのも不思議ですよね。いや、シリーズ化しにくい作品ばっかり出てるからか。

ただ本・作品を選ぶ役者さんなら、その作品は紛れもなく面白い筈。付いていけばいいだけ。
キャッキャ♪したファンではないけど、ある意味ファンなのかな?とも思う。

SFだった、ブラピだけど。

ちょっと驚いたよね。
過去作思い返しても、SFってあったっけ?って。

しかも、ブラピってSF顔ではない。

サイエンス・フィクション顔って何やねん?って言われそうだけど、そこスミマセン、ニュアンスで汲んでください。。

だって、ブラピと宇宙。
え…?ってならない?
やっぱり雑多な街だったり、ちょっと枯れた光彩の風景があの風貌を引き立てると思ってた。
20モンキーズとかファイトクラブとか、ああいう色合いがめちゃくちゃハマるじゃないですか。
宇宙空間みたいなパッキリした背景で佇むブラピ……ちょっと想像できないなー。と思って観に行きました。

宇宙という設定に組み込む要素

忘れないうちに言いたいのは、父役トミー・リー・ジョーンズが宇宙にハマりすぎだった事。
コーヒーのCMでも宇宙人役でおなじみですもんね。
あれほど宇宙にずっと居て違和感ない役者、きっと他にいないに違いない。

物語は父と子の話、太陽系の果てを目指す話、この2つが骨子なのですが、天文学好きの入り口にいる私としては画面全体から来るセットその他のリアリティが凄い!と妙に演出に関心してしまった。
SF映画でよく見るペッカペカの宇宙船とか、よくよく考えると違うよなぁ〜ってならない?
どんな建造物でも作った時は最新で綺麗。でも数年後、数十年後は…?

数年前に日本一だった天体望遠鏡も、今見ると「なかなか手入れが大変そうだなぁ」って思わせる匂いのようなものを纏う。

その経年劣化的質感。

つまり美術チームが凄かった。画だけでも観る価値あった。
私達の見たことない世界、今ある宇宙技術ではまだ辿り着けない場所。その先を描いているのにピッカピカのキッラキラでないのね。
故にブラピもハマってた、結局のところ。

あとデザイン的には、ちょっと『2001年宇宙の旅』へのオマージュを感じたのは気のせいだろうか…?

太陽系内で物語は終始するので、展開もザ・SF映画!な派手さはない。
だって現実的に、人類が太陽系外に行って帰ってこれるようになるのは何年先の話のなるのか。
その手前の、遠くて近い未来を描いているように感じました。
そういった所もこの映画はとても見応えがあるし、好感が持てる。
こういう表現をしてくれる演出家に出会えて、映画ファンとしては嬉しくなりました。

あまり、良かったもイマイチだったも評判を聞かない映画なのだけど、SFがメッチャ好きな人より、逆にSF映画のペカペカ感あまり…な人に観てもらいたい映画かもしれません。

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