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続編には魔物が棲んでいるの?《映画編 》

「なぜ、そこまでして続編を作る!?」
と驚愕させられることが続いた。ここ最近のことです。

早い時期に「3部作を3回やりまーす!」みたいに分かりやすく言ってくれたなら、途中何があってもファンはそのシリーズに四半世紀くらい余裕で付いていく。

超有名なファンタジーの金字塔である原作を映画化するなら、同じく3部作でキッカリ締めてくれるのが正解。間違いなかった。

もちろん、人気が出た・ヒットしたから、それからで続編を作ってくれたっていい。実は売れたら続編を作るつもりで第一作からコッソリ伏線張ってくれてたら尚更いい。
「うおおぁ!やっぱ続編出るのかーー!!」ってテンション上がることだよね。その作品が好きなら。

けど、どれだけ好きでも「え、ちょっと待ってどゆこと??」って事があった。あったのだ。

これは『違和感』。

この一言に尽きる。

作る側は一体何を考えているのか。逆に何を考えていないのか。
純粋に受け手として、不思議でならないのです。

まず映画で

いま一度。
映画の続編が作られるというのは、シンプルに考えるととても良いことですよね。
第一作に人気があったことの証。

難しいのは、その続編を、どこを向いて作るかだと思う。

今年映画館に通ってて劇場予告で一番驚いたのが、『ターミネーター』シリーズの続編がまた出る、ということ。
またですよ、また!

この初期作品はご存知のようにアーノルド・シュワルツェネッガー出演の超大ヒット作。
リアタイで観てなかった人だって、シリーズ第2作目の『T2』は今観ても絶対面白いです。保証する。機会があればぜひ観てみてください。
これが大ヒットしたおかげか、このあと実は結構な数の続編が作られています。

私は、実は3作目以降は「どうだっけ?観たっけ?」な状態。もしかして第3作は観たかもしれないけど、マジ覚えてない。
それ以降も、いつの間にかやってていつの間にか終わってた。
T2で無事、私の中では終わった作品になっていたのだ。

それがこの11月に新作が公開される。『ターミネーター ニュー・フェイト』。

正直「へええぇ〜〜〜」ってな印象だったんだけど、劇場予告で目にした1フレーズで顎が落ちるほど驚いた。

『T2』の正統な続編にして、新たなる伝説

え……正統って??

じゃ、これまでのは何だったの!?!?

過ち?
亜流??
それとも幻…?

映画館にまで行ってお金払って3作目以降を観たファンはどういう受け止め方をすればいいの?

朝オカンから「晩御飯はカレーだよ」って聞いて家を出たのに、帰宅したら豚汁だったみたいな感じでいけばいいの??

知ってるよ、3作目以降はあまり評判が芳しくなかったことを。
映画会社も「失敗したーー!!」って思ったんだろうよ。

だからってここに来て、新作を出したと思ったら「これが正統」って。
もう、ビックリしたよね。
あるんだ、こんな事!

いや。するんだ、こんな事!!って。

映画館でもらってきたチラシには、小っさく「ジェームズ・キャメロン 製作復帰」って書いてあって、めさめさ笑いました。
製作じゃない、製作復帰。

予告映像見たところ、リンダ・ハミルトンもカッコよく復帰してて嬉しいんだけど!
どうせ私はT2までしか覚えてないからいいんだけど!

でも、とてもとても納得できないでいる。

作品ではなく、その企画側と配給会社の姿勢に。

もちろん、観に行きます。作品は作品として好きだし、ジェームズ・キャメロン製作復帰だし(笑)。

しかし、3作以降を亜流扱いにした分だけ、面白いもの作ってんだろうな!!!って目線にはどうしてもなってしまう。

11月8日ロードショー。
色んな意味で楽しみな作品です。

どうしても続編を作りたい人達

あからさまに。
だってヒットしたから。

これが最もよく分かる作品が「スピード」。

第1作目はキアヌ・リーブス主演。
そりゃもう凄いヒットだった。
面白かったもん。新しかったし。
これも今観ても面白いと思う。

だから「2作目を作る」って聞いてファンは嬉しかったけど、すぐ後追いで「キアヌ・リーブスが降りた」ってニュースが出た。

あの頃はネットもなかったし、映画雑誌を隅から隅まで読むような映画ファンでもなかったから詳細は忘れたけど、確かに「主役が降りた」って聞いた。

降りる…って!
まず、その選択権持ってるキアヌすげー!ってなりました。

続編『スピード2』。
観た人は結局口を揃えて「イマイチだった」って言ってたなぁ…。
そして「キアヌ出てたらどうにかなったか?」「いや、ならんだろ」みたいな話を耳にしたものです。
私もそう思った。

それにしても、1作目のヒットの後にすぐ持ち上がったであろう続編制作を、主役が降りるっていうのが、もうね。

なお、元々ファンだったのだけど、この降板のあと役者キアヌ・リーブスへの信頼は増したかもしれない。
「自分が面白いと思った作品」にしか出ない役者さんなんだろうなって。
だったら観る側にだって、それは伝わるから。

続編を作る時に、観客の顔色を覗ってウケを狙ってはいけない。ましてや2匹目のドジョウを狙ってもいけない。
作品への愛より、作品が上げるかもしれない収益に目がいってしまっては、結局コケる。
例えそこそこ売り上げたとしても、作品としての評判はダダ下がりである。

自分がもし制作する側だったら、惑わされずに選べるだろうか?

正しい選択はいつだって難しい。

ただ映画ファンとして一つだけ言えるのは、お金のために作られた映画は悲しいなぁということです。

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