34本目 皿・ジェシカ・パーカー

デビステのてんぷら 34本目 (週刊PONTE vol.35 , 2019.7.15)

皿回し界の革命児から、
「皿回しの上に何を乗せて回したら面白いのか教えてください」
という非常に記事にしやすいカタチの質問を頂いた。
前回は辞書的定義に立ち返り、「食物を盛る平たく浅い器」としての皿に乗せるものを考えていった。世界で2番目に役に立たない記事だった。

今回はそんな前回の続き。つまり世界で1番役に立たない記事だ。
質問を受けてスゴいと思ったのが、皿の代わりに何を回すか、ではなく、皿ありきでその上に何か乗せようという、皿に軸足を置いて微動だにしない意思の強靭さである。そこで、皿に食物を盛る、という常識から離れてみるのも面白いのではないだろうか。これは、まあ、つまり、なんだ、その、ひとつの、脱サラという考え方である。
例えば皿の回転を活かして、上でろくろを回すのもいいかもしれない。皿の上で皿を作るという、循環参照的な不思議さが味わえるはずだ。

回る繋がりでコマもよいだろう。個人的にはコマというか、ベイブレードを皿の上で戦わせたい。小学校の頃、ベイブレードのバトルスタジアムとかミニ四駆のサーキットを持っていた奴は人気者だったし、皿回しの人気も青天井なのである。

回る回るよと言えば、時代も回る。出会いと別れをくり返しそうだし、昨日は倒れた皿回師たちも、生まれ変わって歩き出しそうで良い。大道芸としてやったら加納真実っぽくなりそうだが、曲調よりだいぶ速く回りそうで想像すると面白い。
というか「時代」のレコードを皿に乗せて回して、針を落とせば曲が流れるのではないだろうか。ターンテーブルの役目を皿に負わせるのは酷だろうか。頑張れば音、なりそうでは?しかし、よしんば音が出たとして、かなり早いテンポでかかりそうなので、想像するとやっぱり面白い。

スケールをもっと大きくして、地面に棒を突き立てて、地球回し。より厳密にやるなら南極か北極に行くのもいいが、地球平面説では中心は北極なので、北に行くのがベスト。こう考えると、北極点に突き刺した旗は、今日も静かに地球回しをしているのだ。

と、ひとしきり皿の上に乗せたいものを列挙したがイマイチしっくりこない。
平家物語にもある通り、皿双樹の花の色は盛者必衰の理をあらはしているのである。盛者必衰、つまり皿に何かを盛る者は必ず衰えるのだ。
やはり皿回しは上に何も乗せず、真っ皿な状態で回すのが良いのかもしれない。

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きんまめ:ジャグリングサークルジャグてっく元部長。くらいしか経歴がない。デビルスティックをやっていました。SATCよりもデス妻派です。好きなジャグラーはまさやんさん(ちなみに面識はない)。
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