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コンプレックス

俺は全然音楽に詳しくない。ヘンテコなバンドを始める奴には珍しく俺はマジのパンピーなのである。正直に言えば網羅してるのは英米の1960〜1980年までの王道バンドとアルバム、それとモテ期に使われていたような2010年前後のいわゆるサブ・カルチャー音楽くらいだ。理論的考証やコンセプトに興味はなく、単にノれる曲が好きでそれがたまたま古いロックだったってだけ。つまり当時のパンピーと何ら変わらない。

殊に、20世紀の邦楽ロックンロールに至ってはまるで何も知らない。ネットで曲を上げてもライブハウスにいって演奏しても「ミッシェルとかRC好きでしょ??」と聞かれるが実はほぼ全く通っていない。皆にオススメを聴いて代表的なところをざっと聴いてみたけどぶっちゃけあんまだった。(曲はむしろ洋楽より好みのものもあったけど日本語というものが不自然に感じられた。直訳っぽくすると語感が酷いし、どうにか小節の尺に収めても抽象的すぎる気がした。椎名林檎凄いネ。)俺は曲を作る時、声はCCRを参考に、曲はブルースロックとサーフとパンクを混ぜる事を意識している。だから歌詞と多少の構成を除いて実は全く邦楽的な影響を受けていない。この間ネットで流行った秋田県で洋楽を作るおじさんが居たが気持ちはまるでアレなのである。洋楽がやりたい。多分、詳しそうに見えるのは当時の日本人ミュージシャンと同じものに影響を受けて、その上に日本人の感性が作用しているからだろう。 

まあとにかく俺は音楽を知らない。特に邦楽ロックンロールを知らない。本音を言えば邦楽ロックンロールはやりたく無い。でも英語は喋れないし見た目も東アジアなので仕方なく邦楽ロックンロールをやっているのだ。だから意味のある言葉で韻を踏んで日本語感を消そうとしている。(その結果歌詞ツメツメになってマイクから離れられなくなるんだけど。)あー!めんどくさい。白人になりたい。俺はアジア人なのが嫌なのだ。白人になって長い足とブーツでフロアを蹴り付けてやりたいのだ。高い鼻と身長で毎日絵になってみたいのだ。休みの日には船長帽をかぶってビール瓶と一緒にボートに乗り込み、髭の生えた仲間と好きな銃を撃ちたいのだ。嗚呼、俺は白人になりたい。できれば中産階級のイギリス人に、ショーンコネリーみたいに理知的で、背も高くて、あとギターが上手くて禿げなければもっと良い。

ps.アラブ、南米人も良い

ps.結局ミッシェルにハマった

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