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(1021字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算) 朝一。 会社の事務室に入り着席をするやいなや、総務部の方がささっと寄ってきて何かを私の肘元に置いていった。 手に取ると、リング綴じされたページがパラパラと音を立てたーー2023年の卓上カレンダーだ。 早速広げてデスクに飾る。 赤を基調とした配色。 でかでかと金色に箔押しされた文字から、このカレンダーは「〇〇保険会社」により贈呈されたものだと一目瞭然に読み取れた。
(1100字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算) 実のところ、これが果たしてただの風邪なのか、或いは某ウイルスに感染したのかは実態が分からないままである。 喉に何かつっかえているような違和感があると思ったら、続いて咳・鼻水が出、しまいには肩・腰・膝……節々に痛みを感じるようになってしまった。 思うように身体が動かない。 ひたすら布団の中で休むことにし、会社に病欠の連絡を入れた。 早朝、体温を測ってみる。37.3℃と出
(701字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算) 「君、もち米は食べられるかい?」 勤務中、チャットに届いたメッセージに「食べられます」と返事するやいなや、隣席の同僚がビニール袋に入った何かを渡してくれた。 もち米団子、と彼女は主張するが、覗いてみるとどう見てもちまきである。 拳サイズのずっしりとしたご飯の塊。それを丁寧に包んでいる葉っぱからも、とても良い香りがしていた。 「お食べよ」と言われ、ちょっと緊張してしまい上司の
(989字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算) 時は12月。 そして竹子がいる地域の最高気温は、21℃。 お天気は快晴で、軽く身体を動かすと汗でさえ出るほど暖かく、体温が高いであろう方々は半袖姿で颯爽と街中を歩いている。 「冬はもうこれ以上寒くならないよ」と、同僚は言う。 「15℃前後の日もあるけど、せいぜい数日だね……あ、そうそう。びっくりするかもしれないけど、此処には春が無いんだ」 はぁ。 当時日本で
(1228字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算) 竹子は今、中国に住んでいる。 中国の広東省の、とある大都市とも言われる地域だ。 先が見えない程の高層ビルがそびえ立ち、地下鉄が隅々まで張り巡らされていてビュンビュン走っている。 熱帯特有の木々が道路の両端に植え付けられていて、街中を歩いているだけでも植物園に来たような、なんだか不思議と優雅な気分になる。 金融機関が密集している。 かと思いきや、ちょっと郊外に行けば、今度は工業団