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第三十話

1
00:02:08,840 --> 00:02:10,080
この茶はわりといい

2
00:02:15,120 --> 00:02:15,890
千巧

3
00:02:16,920 --> 00:02:18,120
皆を引き揚げさせろ

4
00:02:19,010 --> 00:02:20,120
莫懐陽が更に愚かでも

5
00:02:20,840 --> 00:02:22,920
琉璃甲をここには隠すまい

6
00:02:24,370 --> 00:02:24,970
彼らはここで

7
00:02:25,090 --> 00:02:26,730
何に必死に尽くすふりをしていたのだ
(*尽心竭力=最善を尽くす《呂氏春秋・不侵》呂不韋)

8
00:02:27,680 --> 00:02:28,480
はい

9
00:02:30,560 --> 00:02:31,480
撤収だよ

10
00:02:39,280 --> 00:02:40,090
大王

11
00:02:41,120 --> 00:02:43,560
あたしたちいつまでにらみ合いを続けるんです?

12
00:02:46,170 --> 00:02:47,090
でなければ

13
00:02:48,480 --> 00:02:49,480
あたしに火を点けさせて

14
00:02:49,610 --> 00:02:51,840
あの子兎どもを追い出して来ましょう

15
00:02:51,970 --> 00:02:52,840
何を焦る

16
00:02:54,730 --> 00:02:57,170
莫懐陽は"坊主逃げども寺逃げず"
(*跑得了和尚跑不了庙=逃げても解決にならない)

17
00:02:59,200 --> 00:03:01,890
奴の弟子孫弟子全員ここにいる以上

18
00:03:03,090 --> 00:03:05,120
我らは"株を守りて兎を待つ"まで
(*守株待兔=努力せずにうまい汁を吸おうとする)

19
00:03:05,280 --> 00:03:07,530
でも"夜長ければ夢多し"ですよ 大王
(*夜长梦多=時間が長引けば良くないことが起きる)

20
00:03:08,040 --> 00:03:10,640
あたしたち今回
こんなに沢山の薬人軍を出動させた

21
00:03:11,040 --> 00:03:12,970
万一あの能無しの鬼が

22
00:03:13,280 --> 00:03:15,250
籠絡しきれずに逃げ出して行ったら

23
00:03:15,840 --> 00:03:18,090
その結果は想像に堪えないね

24
00:03:18,920 --> 00:03:19,890
もしも

25
00:03:21,250 --> 00:03:23,890
莫懐陽が援軍を送って来たら?

26
00:03:32,730 --> 00:03:37,010
ならば"神が阻むなら神を殺し

27
00:03:39,400 --> 00:03:40,760
仏が阻むなら仏を殺す"
(*神挡杀神 佛挡杀佛=誰であろうと止められない)

28
00:04:07,480 --> 00:04:08,370
食べて

29
00:04:14,200 --> 00:04:15,090
バカ

30
00:04:16,840 --> 00:04:18,740
あたしに何か聞くことがあるんじゃないの?

31
00:04:21,930 --> 00:04:22,520

32
00:04:24,400 --> 00:04:24,930

33
00:04:25,770 --> 00:04:26,770
僕はもちろん聞かなきゃ

34
00:04:30,650 --> 00:04:34,280
顧湘 君は結局何者なんだ

35
00:04:42,560 --> 00:04:43,520
この話は

36
00:04:44,400 --> 00:04:49,170
どうして師叔 師兄の前で聞けないんだ?

37
00:04:51,960 --> 00:04:53,400
僕が彼らの前で聞いたら

38
00:04:53,520 --> 00:04:54,240
じゃあ

39
00:04:55,050 --> 00:04:56,080
じゃあ君はどうするの?

40
00:04:58,050 --> 00:04:59,400
そんなにあたしを気に掛けてるの?

41
00:05:00,050 --> 00:05:00,890
当たり前だよ

42
00:05:01,330 --> 00:05:02,840
僕は温兄と誓ったんだ

43
00:05:06,520 --> 00:05:07,560
この温客行

44
00:05:08,330 --> 00:05:10,360
この温客行はどうして鬼谷の谷主なんだ

45
00:05:11,610 --> 00:05:12,520
彼は明らかに

46
00:05:13,490 --> 00:05:14,840
彼は明らかに周兄と

47
00:05:15,050 --> 00:05:16,330
それと成嶺とあんなに仲が良かった

48
00:05:19,560 --> 00:05:20,280
そうだ

49
00:05:20,520 --> 00:05:22,210
彼は甄如玉大侠の跡継ぎじゃなかった?

50
00:05:24,120 --> 00:05:24,890
阿湘

51
00:05:25,680 --> 00:05:28,840
これって何か誤解があるんじゃないかな

52
00:05:30,170 --> 00:05:34,490
温兄は誰かに陥れられて故意に

53
00:05:34,930 --> 00:05:36,170
そうしたんじゃ?

54
00:05:36,680 --> 00:05:37,730
そうだよね?

55
00:05:39,080 --> 00:05:40,280
だったらどうするんだ

56
00:05:43,280 --> 00:05:44,650
じゃなかったらどうするんだ

57
00:05:45,650 --> 00:05:47,080
もし誤解なら

58
00:05:47,240 --> 00:05:48,240
僕は命を懸けて

59
00:05:48,840 --> 00:05:51,520
君と温兄のために冤罪を晴らすよ

60
00:05:58,610 --> 00:06:00,010
もし真実だったら?

61
00:06:01,930 --> 00:06:04,680
もしもあたしが青崖山の独りぼっちの鬼で

62
00:06:05,560 --> 00:06:07,520
偶然が重なって人の世に出てきて
(*误打误撞=事前の検討なしに、やみくもに、故意でなく《双赴夢》関漢卿)

63
00:06:08,450 --> 00:06:09,840
あんたと知り合って

64
00:06:12,400 --> 00:06:13,730
騙したんだとしたら

65
00:06:16,680 --> 00:06:21,680
曹大哥 あたしを殺す?

66
00:06:24,770 --> 00:06:25,680
あたしが育ったとこでは

67
00:06:25,890 --> 00:06:27,890
あたしが人を殺さなかったら人があたしを殺すんだ

68
00:06:28,730 --> 00:06:30,680
百分の一の確率だとしても

69
00:06:30,840 --> 00:06:33,050
間違って殺した方がましだ 絶対見逃さない

70
00:06:35,050 --> 00:06:38,170
そうじゃなかったらあたしは今日まで生きてない

71
00:06:44,210 --> 00:06:45,010
もし

72
00:06:46,560 --> 00:06:48,730
もし君が本当に鬼谷の間者で

73
00:06:49,650 --> 00:06:50,930
わざと僕を騙して

74
00:06:51,280 --> 00:06:52,360
清風剣派に潜り込んで

75
00:06:54,050 --> 00:06:55,120
仲間を引き入れ

76
00:06:55,840 --> 00:06:56,960
同門を殺し

77
00:06:57,730 --> 00:06:58,840
霊山を破壊したなら

78
00:07:01,360 --> 00:07:02,840
僕は必ず君を殺すよ

79
00:07:11,680 --> 00:07:12,520
いいよ

80
00:07:23,930 --> 00:07:24,930
でも阿湘

81
00:07:26,080 --> 00:07:27,210
君は知ってる?

82
00:07:28,010 --> 00:07:29,050
僕は誓ったんだ

83
00:07:30,170 --> 00:07:33,010
この曹蔚寧のこの一生 生まれてから死に至るまで

84
00:07:34,330 --> 00:07:36,730
片時だって君を裏切るようなことはしない

85
00:07:38,840 --> 00:07:39,930
だけどこの件は

86
00:07:41,960 --> 00:07:44,560
裏切りなのかどうか分からない

87
00:07:47,450 --> 00:07:48,680
でも阿湘 安心して

88
00:07:49,960 --> 00:07:52,120
僕は君を殺した後 決して一人で生きたりしない

89
00:07:52,680 --> 00:07:54,360
僕も必ず自害して付き添うよ

90
00:07:55,650 --> 00:07:58,560
黄泉路は僕と君一緒に行こう

91
00:07:58,770 --> 00:08:01,680
僕たち手を取り合って一緒に生まれ変わるんだ

92
00:08:03,330 --> 00:08:05,770
阿湘 僕を信じて

93
00:08:06,680 --> 00:08:09,840
来世は必ず君と一緒に大きくなるよ

94
00:08:10,770 --> 00:08:11,930
君に悪いことを学ばせない

95
00:08:12,560 --> 00:08:13,890
君に少しの苦労もさせない

96
00:08:17,240 --> 00:08:17,960
でも

97
00:08:19,520 --> 00:08:20,960
でも阿湘 君は違うと思う

98
00:08:22,490 --> 00:08:24,360
君が最高の姑娘だと知ってる

99
00:08:26,050 --> 00:08:27,520
だから阿湘 教えて

100
00:08:27,960 --> 00:08:29,490
これがどういう事なのか

101
00:08:37,890 --> 00:08:38,920
言ったら

102
00:08:42,160 --> 00:08:43,520
あたしを信じる?

103
00:08:48,400 --> 00:08:49,280
僕は信じる

104
00:09:00,050 --> 00:09:00,930
阿湘

105
00:09:01,640 --> 00:09:02,490
阿湘

106
00:09:03,570 --> 00:09:04,640
阿湘 泣かないで

107
00:09:05,400 --> 00:09:07,450
僕は君を信じる 言ったんだから信じるよ

108
00:09:07,570 --> 00:09:08,400
ただ教えてくれればいいんだ

109
00:09:08,690 --> 00:09:11,010
阿湘 泣かないでよ

110
00:09:12,370 --> 00:09:14,890
言う あたし全部言うよ

111
00:09:16,200 --> 00:09:17,160
こっち来て

112
00:09:17,960 --> 00:09:19,370
座って あのね

113
00:09:20,720 --> 00:09:22,050
あたしの主人温客行は

114
00:09:22,160 --> 00:09:23,520
確かに鬼谷の谷主だよ

115
00:09:23,640 --> 00:09:25,690
だけど彼は良い人になるつもりだったんだ

116
00:09:25,840 --> 00:09:26,690
いや そうじゃない

117
00:09:26,810 --> 00:09:28,200
彼はもともと良い人なんだ

118
00:09:28,370 --> 00:09:29,690
彼は復讐するためだけ

119
00:09:29,760 --> 00:09:31,720
それと彼は 琉璃甲はいらない

120
00:09:31,810 --> 00:09:33,720
あんたたち清風剣派の敵にもならない

121
00:09:33,840 --> 00:09:36,400
阿湘 ゆっくり話して ちゃんと聞けなかった

122
00:09:36,690 --> 00:09:38,080
そうか じゃあ

123
00:09:38,520 --> 00:09:40,330
じゃあ最初から話すよ

124
00:09:40,450 --> 00:09:42,930
あたしが小さいころ鬼谷で育った話からね

125
00:09:43,640 --> 00:09:44,520
あたしは

126
00:09:47,330 --> 00:09:51,010
あたしが物心ついたころから鬼谷にいた

127
00:09:51,450 --> 00:09:52,400
そのころ

128
00:09:52,570 --> 00:09:54,890
主人自身もまだ半分大人の少年で

129
00:09:55,010 --> 00:09:56,520
老谷主の側で仕えてた

130
00:09:57,720 --> 00:10:01,050
彼があたしは川から釣り上げて来た
赤ん坊だって言ってた

131
00:10:01,160 --> 00:10:02,640
だから名前を湘にしたんだ

132
00:10:02,930 --> 00:10:04,370
あたしは長い間信じてたけど

133
00:10:04,720 --> 00:10:06,330
大きくなってやっと知った

134
00:10:06,400 --> 00:10:08,400
老谷主が魔功の練習のために攫ってきた

135
00:10:08,520 --> 00:10:09,720
子供の一人だったって

136
00:10:09,960 --> 00:10:11,330
他の人はみんな死んだ

137
00:10:11,450 --> 00:10:14,330
あたしだけ 主人が命乞いしたから

138
00:10:14,400 --> 00:10:16,330
褒美の玩具として与えられたんだ

139
00:10:16,400 --> 00:10:18,080
命だけは取り留めた

140
00:10:19,600 --> 00:10:21,640
鬼谷で育つ子供にとって

141
00:10:21,890 --> 00:10:23,450
歩くことは人を殺すことで

142
00:10:23,760 --> 00:10:25,400
世の中の規則はみんな

143
00:10:25,520 --> 00:10:28,250
もともと弱肉強食 食うか食われるかだと思った

144
00:10:28,600 --> 00:10:31,280
だけど主人は違うって言った

145
00:10:31,370 --> 00:10:33,200
外に人の世というところがあって

146
00:10:33,330 --> 00:10:33,840
あたしは

147
00:10:33,960 --> 00:10:36,130
一人で間違って迷い込んだ冥府の小鬼にすぎず

148
00:10:36,250 --> 00:10:37,570
遅かれ早かれいつか

149
00:10:37,690 --> 00:10:38,890
あたしを送り返すって言ったんだ

150
00:10:39,200 --> 00:10:41,010
あたしは大きくなって初めて知ったよ

151
00:10:41,130 --> 00:10:43,280
主人があたしのためにこんなに沢山
風雨を凌いでくれたって

152
00:10:44,450 --> 00:10:45,640
ついにある日

153
00:10:46,160 --> 00:10:48,720
主人は血で血を洗う鬼谷の暴動を起こした

154
00:10:49,200 --> 00:10:51,200
老谷主を殺してその座に取って代わった

155
00:10:51,960 --> 00:10:53,130
次の数年は

156
00:10:53,370 --> 00:10:56,080
主人はもとの十大悪鬼を残らず殺して

157
00:10:56,250 --> 00:10:57,450
新人に入れ替えた

158
00:10:58,050 --> 00:11:00,130
彼は温狂人の称号も得たよ

159
00:11:00,810 --> 00:11:02,640
その時はあたしもなんでもないって思ったけど

160
00:11:02,960 --> 00:11:04,080
主人の地位が上がると

161
00:11:04,250 --> 00:11:05,570
あたしは鬼谷で横暴に振る舞えた

162
00:11:05,690 --> 00:11:06,640
とても楽しかった

163
00:11:06,930 --> 00:11:08,330
ある日になって

164
00:11:08,600 --> 00:11:11,370
主人は計画がついに完成したと言って

165
00:11:11,600 --> 00:11:13,130
あたしを人の世に連れて来た

166
00:11:20,720 --> 00:11:22,600
青崖山 三千の鬼衆に伝える

167
00:11:22,720 --> 00:11:25,520
今より お前たちは巣を傾け繰り出し

168
00:11:25,840 --> 00:11:28,080
裏切り者を切り裂け

169
00:11:28,250 --> 00:11:29,520
どんな魑魅魍魎であろうと

170
00:11:29,640 --> 00:11:31,450
本座のために琉璃甲を取り戻した者は

171
00:11:34,840 --> 00:11:38,330
十大悪鬼の頭にしてやろう

172
00:11:39,330 --> 00:11:40,600
もともと君たちが谷を出たのは

173
00:11:40,890 --> 00:11:43,130
吊死鬼を捕まえて 琉璃甲を取り戻すためでしょ

174
00:11:43,840 --> 00:11:45,930
バカ 長いこと話したぞ

175
00:11:46,050 --> 00:11:48,250
それはただの口実 主人は復讐のためだった

176
00:11:49,720 --> 00:11:51,640
あの甄家夫婦が亡くなった後

177
00:11:51,960 --> 00:11:54,330
温兄は鬼谷に攫われたんだ

178
00:11:55,400 --> 00:11:57,810
温兄が沈慎大侠に会って
あんなに悲しそうだったのも

179
00:11:57,930 --> 00:11:58,810
無理ないよ

180
00:12:04,080 --> 00:12:05,810
本当に可哀想な僕らの阿湘

181
00:12:08,890 --> 00:12:10,010
それならおかしくない?

182
00:12:10,330 --> 00:12:13,570
鬼谷の人がご両親を殺して

183
00:12:13,930 --> 00:12:15,370
温兄は側で育ったって言ったけど

184
00:12:15,720 --> 00:12:18,640
彼らは温兄が大きくなって
復讐されるのを恐れなかったの?

185
00:12:19,810 --> 00:12:20,810
谷に入った人は

186
00:12:21,080 --> 00:12:23,640
みんな孟婆湯という薬を飲むんだ

187
00:12:23,960 --> 00:12:24,690
飲んだら

188
00:12:24,840 --> 00:12:27,250
今生で一番執着している事を忘れてしまう

189
00:12:27,450 --> 00:12:28,450
当時の老悪鬼たちは

190
00:12:28,570 --> 00:12:30,640
主人は両親の惨死を忘れたと思った

191
00:12:30,810 --> 00:12:32,930
実際は 主人の心知は揺るぎなかった

192
00:12:33,080 --> 00:12:33,960
常人とは違って

193
00:12:34,370 --> 00:12:36,640
仇恨をしっかり心の底に隠していた

194
00:12:47,930 --> 00:12:48,640
師叔

195
00:12:49,840 --> 00:12:51,760
師叔 師叔

196
00:12:52,050 --> 00:12:52,810
目覚めましたね

197
00:12:53,760 --> 00:12:54,720
この幾日か昏睡していて

198
00:12:55,130 --> 00:12:56,080
私は死ぬほど怖かったです

199
00:12:58,160 --> 00:12:58,810
そうです

200
00:12:58,960 --> 00:13:00,810
師叔 こちらは

201
00:13:01,130 --> 00:13:04,570
温公子 私めは景北淵(ジン・ベイユエン)
第七子です
(*七番目の旦那なので七爺と呼ぶ、原作では七回目の転生のため景七と自称し七爺と呼ばれた)

202
00:13:05,130 --> 00:13:07,330
こちらは南疆の大巫

203
00:13:08,490 --> 00:13:10,600
友人お二方には我が兄弟のため千里の奔走

204
00:13:10,810 --> 00:13:11,720
ご苦労をお掛けしました

205
00:13:12,130 --> 00:13:13,280
温某の一拝をお受けください

206
00:13:13,570 --> 00:13:14,400
温公子

207
00:13:14,600 --> 00:13:15,720
礼など一切不要です

208
00:13:16,160 --> 00:13:19,250
私はもともと子舒に命の借りがある

209
00:13:19,400 --> 00:13:21,890
北淵 昔話は今後ゆっくりまた語ればよい

210
00:13:22,720 --> 00:13:24,280
温公子はもう長く昏睡していたので

211
00:13:24,400 --> 00:13:25,400
すでに機先を逃した

212
00:13:25,690 --> 00:13:28,960
恐らく周荘主は連行されもう晋州に着いている

213
00:13:29,370 --> 00:13:31,840
まずは救出することが急務だ

214
00:13:32,450 --> 00:13:34,080
しかし天窗は警戒が厳重で

215
00:13:34,490 --> 00:13:37,280
我ら数人では恐らく難しい

216
00:13:38,370 --> 00:13:40,720
今回の南疆からの旅には

217
00:13:40,930 --> 00:13:42,760
従者の武士を数名のみを帯同した

218
00:13:43,280 --> 00:13:44,520
遠水は近火を救わぬ

219
00:13:45,050 --> 00:13:46,160
阿絮はどうしました

220
00:14:32,570 --> 00:14:34,130
周公子 どうぞ

221
00:14:43,400 --> 00:14:44,930
もう軟筋散を服用している
(*软筋散=体を弱らせ内力を出せなくする毒薬)

222
00:14:45,250 --> 00:14:46,490
何を余計なことを
(*多此一举=余計なことをする《南省策》)

223
00:14:46,930 --> 00:14:47,890
お許しを

224
00:14:56,400 --> 00:14:57,160
行け

225
00:15:47,010 --> 00:15:47,810
王爺

226
00:15:48,890 --> 00:15:49,720
分かっておる

227
00:15:51,160 --> 00:15:53,370
鵬挙 お前にも苦労をかけた

228
00:15:53,810 --> 00:15:54,890
下がって休め

229
00:15:55,280 --> 00:15:56,010
王爺

230
00:15:56,370 --> 00:15:57,200
下がれ

231
00:15:59,570 --> 00:16:00,370
はい

232
00:16:08,400 --> 00:16:09,200
行くぞ

233
00:16:20,720 --> 00:16:25,050
子舒 中に入って孤王を見てみぬか?

234
00:16:34,840 --> 00:16:36,280
まったくこの取り澄ました奴め

235
00:16:36,760 --> 00:16:39,330
本王自ら出迎えねばならぬとは

236
00:16:45,640 --> 00:16:46,490
王爺

237
00:16:47,370 --> 00:16:48,640
故里は既に破壊されました

238
00:16:49,840 --> 00:16:52,490
故い人 故い剣も

239
00:16:53,450 --> 00:16:54,490
残さなくていい

240
00:17:04,450 --> 00:17:05,400
良い剣だ

241
00:17:07,050 --> 00:17:09,000
主人の元に戻るべきだ

242
00:17:12,640 --> 00:17:13,560
来るのだ

243
00:17:14,090 --> 00:17:15,690
美味い酒を用意してやった

244
00:17:46,850 --> 00:17:49,450
これが青鸞別院のあの瓶酒だ

245
00:18:06,930 --> 00:18:08,880
年月を経て 濃縮された
(*年深日久=長い年月を経る《灰闌記》李行道)

246
00:18:09,360 --> 00:18:11,240
もう二壺には足りぬ

247
00:18:17,480 --> 00:18:19,690
あの時約束したではないか

248
00:18:19,810 --> 00:18:20,970
十年を期して

249
00:18:21,360 --> 00:18:24,210
十年の後 変わらず我ら元の顔ぶれが
(*原班人马=もともとのメンバー)

250
00:18:24,330 --> 00:18:25,280
またあの中庭に揃えば

251
00:18:25,640 --> 00:18:28,160
この瓶酒を出して 飲み干す

252
00:18:31,240 --> 00:18:32,240
元の顔ぶれ

253
00:18:33,930 --> 00:18:35,520
元の顔ぶれなんてどこにあります

254
00:18:38,000 --> 00:18:39,520
允行は遠く辺境へ赴き

255
00:18:40,400 --> 00:18:42,050
青鸞は首をくくって亡くなった

256
00:18:42,880 --> 00:18:44,450
七爺はあなたの毒酒に殺され
(*鸩=伝説上の毒鳥、その羽を浸して毒酒にする、毒酒)

257
00:18:45,450 --> 00:18:47,240
九霄は潞城で戦死

258
00:18:49,450 --> 00:18:50,480
その庭には

259
00:18:51,970 --> 00:18:53,480
あなたと私だけが残りました

260
00:18:59,640 --> 00:19:01,000
孤王は真夜中に夢を見る

261
00:19:01,970 --> 00:19:03,280
幾度となく

262
00:19:03,450 --> 00:19:06,520
あの花が咲き乱れ散り敷かれる中庭に戻る

263
00:19:08,160 --> 00:19:09,160
北淵は琴を撫で

264
00:19:09,690 --> 00:19:10,730
九霄は簫を吹き

265
00:19:11,690 --> 00:19:12,880
允行は剣で舞い

266
00:19:13,050 --> 00:19:14,280
青鸞は歌う

267
00:19:17,000 --> 00:19:18,000
振り返ると

268
00:19:20,240 --> 00:19:22,760
お前が孤王の側に立っている

269
00:19:26,240 --> 00:19:27,160
お前の言う通りだ

270
00:19:27,880 --> 00:19:28,730
子舒

271
00:19:31,400 --> 00:19:32,570
旧交はみな零落し

272
00:19:33,610 --> 00:19:35,000
残ったのはお前と私の二人だけだ

273
00:19:36,330 --> 00:19:37,480
我らのような者は

274
00:19:38,730 --> 00:19:41,640
恩讐を計算しようにもはっきりとはせぬ

275
00:19:42,000 --> 00:19:44,610
孤王もこれ以上言い争いたくはない

276
00:19:46,330 --> 00:19:47,480
帰って来て手を貸せ

277
00:19:48,850 --> 00:19:50,160
過去一年ほどの事

278
00:19:50,570 --> 00:19:51,730
一切帳消しだ

279
00:19:52,760 --> 00:19:53,730
どうだ?

280
00:20:24,160 --> 00:20:25,000
良い酒だ

281
00:20:38,850 --> 00:20:40,000
酒は醸熟を重んずる

282
00:20:40,610 --> 00:20:41,760
人は旧交を重んずる

283
00:20:43,160 --> 00:20:44,280
孤王はお前の死もよかろうと

284
00:20:45,210 --> 00:20:46,210
かつては思った

285
00:20:48,760 --> 00:20:50,280
いわゆる暴君を気取った
(*称孤道寡=君主を気取る、お山の大将《関大王独赴単刀会》)

286
00:20:50,570 --> 00:20:52,930
王者の道は孤独を免れ難い

287
00:20:55,050 --> 00:20:56,640
だがお前がまた

288
00:20:56,760 --> 00:20:58,610
岳陽城の外れに現れ

289
00:20:59,280 --> 00:21:01,810
武功を損なわず しっかり生きていたと知ってより

290
00:21:02,210 --> 00:21:06,360
我が心は明確にこの上なく喜んでいた

291
00:21:07,610 --> 00:21:08,280
さあ

292
00:21:08,690 --> 00:21:09,480
申してみよ

293
00:21:09,880 --> 00:21:11,810
お前がどうやって七竅三秋釘に

294
00:21:11,930 --> 00:21:12,760
小細工を施し

295
00:21:13,400 --> 00:21:15,520
鵬挙の目さえも欺いてきたのか

296
00:21:16,760 --> 00:21:20,330
七竅三秋釘に小細工はできません

297
00:21:21,090 --> 00:21:22,610
ただ方法を変えただけです

298
00:21:23,610 --> 00:21:24,850
七本の釘を

299
00:21:25,880 --> 00:21:28,160
三ヶ月ごとに一本打ち入れ

300
00:21:29,120 --> 00:21:31,050
肉体の中で徐々に

301
00:21:31,520 --> 00:21:33,570
血脈と融合させる

302
00:21:34,240 --> 00:21:37,930
こうすることで筋脈を塞ぎ断つ苦しみに
次第に適応できるようになり

303
00:21:38,810 --> 00:21:40,280
刑を終わらせてもすぐに

304
00:21:42,210 --> 00:21:45,120
話せず動けない腐った肉にはなりません

305
00:21:45,760 --> 00:21:48,570
武功もまだ何割かは残っています

306
00:21:51,360 --> 00:21:52,810
十八ヶ月

307
00:21:55,970 --> 00:21:58,970
お前は十八ヶ月も自らをこのような

308
00:21:59,090 --> 00:22:00,520
命の苦しみに遭わせた

309
00:22:02,000 --> 00:22:03,000
なぜだ

310
00:22:03,930 --> 00:22:05,610
お前が本王から離反したいなら

311
00:22:05,760 --> 00:22:07,360
直接音もなく静かに

312
00:22:07,450 --> 00:22:09,400
本王の視界から消えればよい

313
00:22:09,690 --> 00:22:10,480
なぜだ

314
00:22:11,520 --> 00:22:13,450
なぜお前が苦しみに苛まれる必要がある

315
00:22:14,570 --> 00:22:18,210
七竅三秋釘の刑は私が定めた規則

316
00:22:18,970 --> 00:22:20,610
私に従い死線を共に彷徨った兄弟も

317
00:22:20,730 --> 00:22:21,690
このようにした

318
00:22:22,480 --> 00:22:24,090
もし私一人が例外になれば

319
00:22:24,570 --> 00:22:27,450
九泉の下で誰に申し開きができる

320
00:22:29,360 --> 00:22:31,760
九霄の死は不慮の事故だ

321
00:22:33,210 --> 00:22:34,640
私が心を傷めておらぬと思うのか?

322
00:22:36,400 --> 00:22:39,000
お前がこのように自ら苦しむことに
またどんな意義があるのだ

323
00:22:39,120 --> 00:22:40,400
九霄が天の霊となっているなら

324
00:22:40,520 --> 00:22:42,210
私より更に苦しんでいるに違いない

325
00:22:43,810 --> 00:22:45,520
九霄の死が不慮の事故

326
00:22:46,480 --> 00:22:49,090
ならば我が四季山荘七十九人の兄弟たちも

327
00:22:49,240 --> 00:22:50,400
事故なのか

328
00:22:52,160 --> 00:22:54,050
瓦のほとぎは井の上で破(わ)れるを免れ難く

329
00:22:54,810 --> 00:22:57,120
将軍は陣の前で終究(つい)には亡くなる
(*瓦罐不离井上破 将军难免阵前亡《漢書・遊侠伝》陳遵)

330
00:23:01,450 --> 00:23:05,120
刀剣に眼はなく 生死に命(さだめ)あり

331
00:23:08,280 --> 00:23:10,210
きれいに責任放棄しますね
(*倒推=責任転嫁)

332
00:23:16,050 --> 00:23:17,050
周子舒

333
00:23:18,970 --> 00:23:19,970
忘れるでない

334
00:23:21,240 --> 00:23:23,690
天窗という名はお前が付けたのだ

335
00:23:24,360 --> 00:23:27,640
この暗愚の世に一筋の天光を引き入れ
(*暗世=愚かで混乱した世情《財用上》宋秦観)

336
00:23:28,730 --> 00:23:29,880
蒼生のために幸福を祈り

337
00:23:30,730 --> 00:23:32,400
万世に太平を開きたかったのであろう

338
00:23:34,450 --> 00:23:37,240
この者たちの犠牲の意義がお前には分からぬのか?

339
00:23:39,090 --> 00:23:40,000
そして今

340
00:23:40,850 --> 00:23:43,280
孤王はもうすぐこの腐朽の乱世を

341
00:23:43,400 --> 00:23:44,480
焼き払い灰にする

342
00:23:44,930 --> 00:23:46,360
お前はどうして欠席できる

343
00:23:47,450 --> 00:23:48,520
では韓英は?

344
00:23:49,480 --> 00:23:50,280
韓英?

345
00:23:51,120 --> 00:23:53,330
私はお前と天下蒼生を語り

346
00:23:53,400 --> 00:23:54,690
人の正義を語っているのに

347
00:23:54,810 --> 00:23:55,930
お前は韓英の話を?

348
00:23:56,930 --> 00:23:58,520
奴が何だと?

349
00:23:59,090 --> 00:24:02,570
一人の下賤な陛下の孤児の奴隷だ

350
00:24:03,120 --> 00:24:06,240
本王の前で粋がりおって

351
00:24:07,730 --> 00:24:08,610
そう言えば

352
00:24:08,930 --> 00:24:12,240
この愚か者が投げた網に自ら入って来ねば
(*自投罗网=自ら捕まりに出向く)

353
00:24:12,810 --> 00:24:15,160
本王もこれだけ早くお前を見つけられなかった

354
00:24:15,450 --> 00:24:17,400
お前がこの者のために私を詰るとは

355
00:24:18,760 --> 00:24:19,520
笑わせる

356
00:24:20,690 --> 00:24:21,970
彼は民ではないのですか?

357
00:24:23,050 --> 00:24:24,640
彼はまだ二十二歳だった

358
00:24:26,850 --> 00:24:27,730
子舒

359
00:24:27,880 --> 00:24:28,810
笑わせるな

360
00:24:29,210 --> 00:24:31,280
全く笑止の極みだ

361
00:24:31,450 --> 00:24:32,160
この十年で

362
00:24:33,210 --> 00:24:36,120
あなたの世の正義のために
どれだけの人が死んだ

363
00:24:36,570 --> 00:24:37,280
死ぬべき者

364
00:24:37,880 --> 00:24:38,880
死ぬべきでない者

365
00:24:40,640 --> 00:24:41,480
王爺

366
00:24:42,690 --> 00:24:45,520
子舒はもう十六歳の少年ではありません

367
00:24:46,690 --> 00:24:48,280
あなたのおっしゃる太平の盛世も

368
00:24:49,210 --> 00:24:50,450
私には見えません

369
00:24:51,330 --> 00:24:52,970
一人一人の生きている人が私のせいで

370
00:24:53,090 --> 00:24:54,120
死ぬのを見ただけです

371
00:24:55,330 --> 00:24:56,090
罪のない彼らの魂が

372
00:24:56,210 --> 00:24:58,610
昼も夜も私の背中にのしかかっている

373
00:24:59,930 --> 00:25:03,090
血の洗礼を浴びることなく太平の盛世は来ぬ

374
00:25:03,210 --> 00:25:05,360
彼らは大義のために犠牲になったのだ

375
00:25:05,640 --> 00:25:07,330
彼らは大義のために死んだのか

376
00:25:07,450 --> 00:25:09,360
それともあなたの野心のために死んだのか

377
00:25:21,400 --> 00:25:22,970
こんな上物の古酒

378
00:25:26,600 --> 00:25:28,150
粗末にしおった

379
00:25:34,360 --> 00:25:35,390
子舒よ

380
00:25:37,240 --> 00:25:38,390
激昂するな

381
00:25:38,960 --> 00:25:42,120
お前には幾日も軟筋散を用いた

382
00:25:42,400 --> 00:25:43,520
むやみに力を使うと

383
00:25:44,240 --> 00:25:45,360
容易に急死するぞ

384
00:25:48,640 --> 00:25:50,510
あなたは四季山荘を破壊した

385
00:25:52,320 --> 00:25:53,920
私が四季山荘を壊したのは

386
00:25:54,520 --> 00:25:56,560
本来はお前に機会を与えたかったのだ

387
00:25:57,320 --> 00:25:59,490
お前の故郷はもとより晋州だ

388
00:26:01,280 --> 00:26:02,680
選択を躊躇うから

389
00:26:03,130 --> 00:26:05,160
本王が代わりに選択してやった

390
00:26:06,320 --> 00:26:07,520
以前は思っていた

391
00:26:09,280 --> 00:26:12,520
お前が悔悟して孤王の側に戻って来てもよいと
(*迷途知返=道を踏み違えたがまともな道に戻る)

392
00:26:13,730 --> 00:26:15,440
私もまた過去を咎めずにおれると

393
00:26:19,200 --> 00:26:20,010
滑稽だ

394
00:26:23,160 --> 00:26:24,730
孤王はずっと思っていたのだ

395
00:26:25,970 --> 00:26:27,520
お前は私の知己だと

396
00:26:32,090 --> 00:26:33,090
結局は

397
00:26:33,920 --> 00:26:35,800
お前もだたの凡庸なる者にすぎなかった

398
00:26:36,490 --> 00:26:37,610
私の知己だと?

399
00:26:38,280 --> 00:26:39,280
その資格が?

400
00:26:41,160 --> 00:26:42,130
何を申す

401
00:26:47,920 --> 00:26:48,800
護衛

402
00:26:48,970 --> 00:26:49,770
護衛

403
00:26:56,800 --> 00:26:57,610
王爺

404
00:26:57,770 --> 00:26:58,610
周子舒 貴様

405
00:27:06,850 --> 00:27:07,850
乱臣賊子め
(*乱臣贼子=逆臣と親不幸者、悪事を働く者、反乱分子《孟子・藤文公》)

406
00:27:08,370 --> 00:27:10,520
今日お前が孤王の髪一本でも触れたら

407
00:27:10,770 --> 00:27:12,610
生きて晋州を離れられると思うなよ

408
00:27:13,370 --> 00:27:14,370
皆動くな

409
00:27:17,920 --> 00:27:18,890
王爺

410
00:27:19,970 --> 00:27:21,130
来ることを決めた以上

411
00:27:21,970 --> 00:27:23,490
生きて離れる気はありません

412
00:27:29,850 --> 00:27:31,850
軟筋散の上で立ち振る舞えるとは

413
00:27:33,520 --> 00:27:37,560
いいぞ お前には天窗にまだ暗杭がいる

414
00:27:39,250 --> 00:27:40,090
王爺

415
00:27:41,680 --> 00:27:42,610
間違っています

416
00:27:44,800 --> 00:27:45,680
命令である

417
00:27:46,970 --> 00:27:49,770
今日ここで私が命を落したならば

418
00:27:50,770 --> 00:27:54,920
天窗の全ての者を私に殉葬せよ

419
00:27:55,160 --> 00:27:56,040
御意

420
00:27:57,850 --> 00:27:58,680
王爺

421
00:27:59,680 --> 00:28:00,680
何年経っても

422
00:28:01,610 --> 00:28:03,440
あなたはやはり一つもお変わりない

423
00:28:04,250 --> 00:28:06,560
私が段鵬挙に全権を委ねたのは
(*一手遮天=権力を笠に着て思うままに振る舞う、一人天下)

424
00:28:06,800 --> 00:28:09,320
彼がこの一切を支障なく
引き継ぐことを願っていたからです

425
00:28:10,090 --> 00:28:11,920
もし天窗にまだ私の旧部があるなら

426
00:28:13,800 --> 00:28:15,800
私が手放して如何に安心できましょう

427
00:28:17,090 --> 00:28:18,400
申し上げませんでしたか?

428
00:28:19,520 --> 00:28:20,650
私はただ方法を変えて

429
00:28:20,770 --> 00:28:22,250
七竅三秋釘を打ち入れただけです

430
00:28:22,850 --> 00:28:24,320
その進行を遅らせることはできても

431
00:28:24,730 --> 00:28:26,320
結果を変えることはできません

432
00:28:27,250 --> 00:28:30,040
私は今すでに味覚と嗅覚を失っています

433
00:28:30,250 --> 00:28:33,610
どんな迷香でも私には役に立たない

434
00:28:36,370 --> 00:28:37,400
バカな

435
00:28:38,610 --> 00:28:41,250
お前は私が殺せないと踏んでいたな

436
00:28:43,040 --> 00:28:44,040
できます

437
00:28:45,280 --> 00:28:46,850
ですがあなたはまず私と会うでしょう

438
00:28:48,090 --> 00:28:49,440
私に会おうと思い

439
00:28:50,370 --> 00:28:51,890
あなたと私が同室にいる限り

440
00:28:52,680 --> 00:28:55,320
あなたを殺す千通りの方法がある

441
00:29:03,800 --> 00:29:04,800
きっと

442
00:29:07,010 --> 00:29:08,320
老師のおっしゃっていたことを

443
00:29:09,250 --> 00:29:10,730
王爺はもう忘れたでしょう

444
00:29:11,280 --> 00:29:15,160
天子の怒りは 流血に漕ぎ漂い

445
00:29:15,770 --> 00:29:18,490
布衣の怒りは 五歩のうちに血をそそぎ
(*庶民の怒りは相打ちでも一人を殺し皆が喪に服すだけ《史記・廉頗藺相如列伝》司馬遷)

446
00:29:18,680 --> 00:29:20,370
却りて天下に縞素の令を出す
(*缟素=白絹無地の衣、喪に服す)

447
00:29:22,370 --> 00:29:23,280
孤王は

448
00:29:24,850 --> 00:29:27,200
孤王はお前が逆臣の跡継ぎでも気に留めず

449
00:29:27,320 --> 00:29:30,010
心から信頼し 命を預けた

450
00:29:30,320 --> 00:29:32,890
九霄の死後 お前はひたすら意気消沈し

451
00:29:33,040 --> 00:29:34,490
最後は私から離れて行った

452
00:29:34,890 --> 00:29:36,400
それももう水に流そう

453
00:29:37,250 --> 00:29:38,160
更には

454
00:29:39,160 --> 00:29:41,440
お前が君主を欺き背いていることを発見しても

455
00:29:41,610 --> 00:29:43,770
お前の命を傷つけるのは忍びなかった

456
00:29:44,490 --> 00:29:45,610
お前の良心は

457
00:29:46,090 --> 00:29:47,440
犬に食わせたのか?

458
00:29:48,560 --> 00:29:49,610
王爺

459
00:29:50,130 --> 00:29:52,040
あなたと私の間の恩讐は

460
00:29:52,280 --> 00:29:53,800
清算しきれるものでもない

461
00:29:54,730 --> 00:29:57,850
あなたは私を騙して利用し 窮状に陥れた
(*赶尽杀绝=容赦なく皆殺しにする、窮地に追い込む《封神演義》)

462
00:29:58,610 --> 00:29:59,800
私も気にしない

463
00:30:01,400 --> 00:30:03,920
ただ私はもう四季山荘の罪人になった

464
00:30:04,610 --> 00:30:06,730
これ以上天下の罪人にはなれません

465
00:30:11,090 --> 00:30:11,970
笑止

466
00:30:13,680 --> 00:30:15,970
お前と私が出会ったのは無駄だった

467
00:30:16,440 --> 00:30:17,400
周子舒

468
00:30:17,890 --> 00:30:20,370
お前はいつ菩薩になったのだ

469
00:30:20,730 --> 00:30:21,730
お前は今まで

470
00:30:21,970 --> 00:30:22,920
もういい

471
00:30:27,090 --> 00:30:28,010
私を殺せ

472
00:30:28,610 --> 00:30:29,680
私を殺しても

473
00:30:30,520 --> 00:30:33,280
孤王の遺志を継承する者はまだいる

474
00:30:52,520 --> 00:30:53,610
王爺 王爺

475
00:31:08,440 --> 00:31:09,200
王爺

476
00:31:10,090 --> 00:31:10,920
ならん

477
00:31:17,280 --> 00:31:18,090
王爺

478
00:31:18,490 --> 00:31:19,400
ならん

479
00:31:20,770 --> 00:31:21,610
ならん

480
00:31:22,320 --> 00:31:24,850
殺してはならん

481
00:31:24,970 --> 00:31:25,970
王爺 王爺

482
00:31:42,610 --> 00:31:43,280
何の音だ?

483
00:31:43,400 --> 00:31:44,040
急げ

484
00:31:55,650 --> 00:31:56,520
曹大哥

485
00:31:58,010 --> 00:32:00,560
阿湘 怖くない?

486
00:32:03,320 --> 00:32:04,370
なんで怖いの?

487
00:32:05,440 --> 00:32:06,440
怒らないでね

488
00:32:06,920 --> 00:32:08,680
実はあたしたちが山の上で逃げる時

489
00:32:08,970 --> 00:32:10,200
結構嬉しかったんだ

490
00:32:11,040 --> 00:32:14,090
万一ここで一緒に死ぬことになったら

491
00:32:14,680 --> 00:32:16,130
あんたは永久に知らないままだと思ったんだ

492
00:32:24,130 --> 00:32:25,560
気のせいかな?

493
00:32:26,370 --> 00:32:28,320
どうして肉を焼く匂いがするんだ?

494
00:32:31,400 --> 00:32:32,520
僕も匂うよ

495
00:32:44,770 --> 00:32:46,650
風向きが違うね

496
00:32:47,800 --> 00:32:52,130
お前たち 大葵扇(おおうちわ)をいくつか持ってきて

497
00:32:52,280 --> 00:32:53,650
扇いで香りを立たせな

498
00:32:53,650 --> 00:32:54,190
はい

499
00:32:55,920 --> 00:32:57,130
子兎たちは

500
00:32:58,250 --> 00:33:00,010
飢えた腸綿に火がついて
(*肠中饥火《旱熱》白居易)

501
00:33:00,560 --> 00:33:02,850
今頃は盛んに燃えてるね

502
00:33:06,250 --> 00:33:08,370
蝎王 まずい

503
00:33:08,970 --> 00:33:10,650
莫懐陽が戻ってきた

504
00:33:11,520 --> 00:33:13,370
もう一人連れて

505
00:33:13,680 --> 00:33:15,770
莫懐陽は玉皇大帝を連れて来たのか
(*玉皇大帝=道教の最高神)

506
00:33:15,890 --> 00:33:17,090
それともあんたの親父か

507
00:33:17,370 --> 00:33:19,160
それでこんなザマなのかい

508
00:33:19,770 --> 00:33:20,610
役立たず

509
00:33:31,520 --> 00:33:33,160
我が門下の弟子をどうした?

510
00:33:43,090 --> 00:33:43,920
義父さん

511
00:33:44,130 --> 00:33:44,890
出来損ない

512
00:33:51,370 --> 00:33:52,130
親不孝者

513
00:33:53,040 --> 00:33:54,160
莫掌門に答えなさい

514
00:33:56,970 --> 00:33:58,130
皆聞こえぬのか

515
00:34:00,250 --> 00:34:01,520
莫掌門にお答えしろ

516
00:34:05,890 --> 00:34:08,560
開門せよ 師が戻った

517
00:34:23,720 --> 00:34:24,520
趙兄

518
00:34:26,280 --> 00:34:27,240
見てみろ

519
00:34:29,090 --> 00:34:30,240
見てみろ

520
00:34:32,999 --> 00:34:33,799
彼は

521
00:34:35,450 --> 00:34:37,240
あなたの義子はよくやってくれた

522
00:34:37,560 --> 00:34:39,160
彼一人の力だけで

523
00:34:40,130 --> 00:34:42,170
我が清風剣派は危うく

524
00:34:42,370 --> 00:34:44,240
江湖から消滅するところであった

525
00:34:45,479 --> 00:34:46,559
莫兄ご安心を

526
00:34:47,960 --> 00:34:51,720
必ず満足のいく説明を致します

527
00:35:00,720 --> 00:35:02,000
君 我に負かざれば

528
00:35:03,320 --> 00:35:04,610
我 君に負かず

529
00:35:06,040 --> 00:35:10,720
今日やっと分かった

530
00:35:12,720 --> 00:35:13,560
主上

531
00:35:15,450 --> 00:35:16,560
ご容赦を

532
00:35:22,370 --> 00:35:23,800
山門は清浄の地

533
00:35:24,240 --> 00:35:27,000
父子の家の事は帰ってから再開すればよい

534
00:35:28,450 --> 00:35:29,560
ご令息に

535
00:35:29,760 --> 00:35:31,800
即刻 門外の者を撤退させよ

536
00:35:32,000 --> 00:35:33,610
莫掌門の話が聞こえたか

537
00:35:34,890 --> 00:35:38,800
あの吐き気がする怪物どもを即刻消しなさい

538
00:35:39,760 --> 00:35:41,520
そうしてからお前の処分を考えます

539
00:35:43,850 --> 00:35:45,280
不孝の南蛮よ

540
00:35:46,280 --> 00:35:47,320
消えよ

541
00:36:00,650 --> 00:36:03,480
曹大哥 曹大哥

542
00:36:05,800 --> 00:36:06,720
こっち来て

543
00:36:10,650 --> 00:36:11,650
莫兄お静まりを

544
00:36:14,760 --> 00:36:16,720
趙敬は天に誓って

545
00:36:17,170 --> 00:36:19,090
この件については一つとして知らぬところでした
(*一无所知=何一つ知らない《警世通言》)

546
00:36:19,210 --> 00:36:20,520
更に我が愚息には貴派に対し

547
00:36:20,690 --> 00:36:22,280
敬遠するようはっきり命じました
(*敬而远之=敬意を表するが遠ざける、煙たがる《論語・雍也》)

548
00:36:22,890 --> 00:36:24,170
ただ彼に私とあなたがすでに同盟を結んだことを

549
00:36:24,320 --> 00:36:25,760
言わなかったせいです

550
00:36:26,040 --> 00:36:28,240
それも余計ないざこざを
起こしたくないがゆえでした

551
00:36:28,960 --> 00:36:29,960
しかしご安心を

552
00:36:30,650 --> 00:36:31,720
事を成した後

553
00:36:31,960 --> 00:36:34,800
愚息には荊を負い詫びさせます
(*负荆请罪=非を認め深く詫びること《史記・廉頗藺相如列伝》司馬遷)

554
00:36:34,960 --> 00:36:35,850
その必要はない

555
00:36:39,560 --> 00:36:43,800
我が清風派二十数名の弟子の命が

556
00:36:44,280 --> 00:36:46,480
数本の藤のつるほどの価値しかないとすれば
(*藤のつるは鞭打ちの拷問に用いられる)

557
00:36:47,210 --> 00:36:49,610
あまりに人を失望させるというもの

558
00:36:50,610 --> 00:36:51,720
莫兄のおっしゃる通り

559
00:36:52,690 --> 00:36:53,960
私の教え方が悪かったのです
(*教子无方=取り扱い方法を間違うこと)

560
00:36:54,930 --> 00:36:56,930
まことに我が身の置き場がありません
(*无地自容=穴があったら入りたいほど恥ずかしい《三国志・魏志・管寧伝》)

561
00:37:14,320 --> 00:37:16,930
この三つの琉璃甲を持ち出すことを了承し

562
00:37:17,800 --> 00:37:20,450
地位も名誉も失う危険を冒した

563
00:37:22,610 --> 00:37:24,450
明るき人は暗きを言わぬ
(*明人不说暗话=公明正大な人は遠回しには言わない、単刀直入に言う《胡雪岩全伝・紅頂商人》高陽)

564
00:37:25,720 --> 00:37:28,650
おぬしがもし
まことに我々の契約を重視するならば

565
00:37:30,280 --> 00:37:32,090
どうすべきか分かるはず

566
00:37:35,760 --> 00:37:36,960
あなたのおっしゃる意味は分かります

567
00:37:38,280 --> 00:37:39,170
ですが莫兄

568
00:37:39,930 --> 00:37:42,170
この義子は私にとって非常に重要です

569
00:37:42,410 --> 00:37:44,690
あまりに多くの部分を彼に頼っています

570
00:37:46,090 --> 00:37:47,090
これでよいのでしょうか?

571
00:37:48,000 --> 00:37:50,280
趙某はこれまで約束を守ってきました
(*信守承诺=約束を守る)

572
00:37:50,960 --> 00:37:52,560
私は必ず倍にしてお返しします

573
00:37:52,850 --> 00:37:55,130
必ずあなたに満足のいく説明を致します

574
00:37:55,960 --> 00:37:58,130
今日の事はご子息のお陰で

575
00:37:58,520 --> 00:38:00,450
莫某は派の全員の面前に

576
00:38:00,610 --> 00:38:01,890
閣下と 蝎王

577
00:38:02,000 --> 00:38:04,090
鬼谷の者と同じ船の上に立っていると示した

578
00:38:04,320 --> 00:38:07,040
莫某は今後どのように弟子を指導するのだ

579
00:38:22,930 --> 00:38:23,930
分かりました

580
00:38:26,690 --> 00:38:28,040
事を成した後

581
00:38:33,000 --> 00:38:37,930
私自ら我が子の首を献上致します

582
00:39:00,930 --> 00:39:03,560
逆賊め 王爺に何をした

583
00:39:06,480 --> 00:39:07,520
周子舒

584
00:39:10,320 --> 00:39:12,480
王爺はお前をこんなに重用していた

585
00:39:13,410 --> 00:39:15,760
今に至ってもお前の命を傷つけるのを躊躇われる

586
00:39:16,800 --> 00:39:18,610
お前は怨みを以て徳に報いるのか
(*以怨报德=恩を仇で返す)

587
00:39:19,800 --> 00:39:21,130
王爺の内傷は

588
00:39:22,560 --> 00:39:24,560
本門独自の絶学

589
00:39:25,130 --> 00:39:27,090
凌寒暗香勁だ

590
00:39:27,650 --> 00:39:30,650
受ければ心脈はひどく損傷し

591
00:39:31,560 --> 00:39:34,520
余生はただ病床に臥せるのみ
(*缠绵病榻=長患いする)

592
00:39:35,040 --> 00:39:37,210
本門の武功だけが解くことができる

593
00:39:38,040 --> 00:39:39,170
だがこの武功は

594
00:39:39,890 --> 00:39:42,040
世に一人の伝承者しか残っていない

595
00:39:43,650 --> 00:39:45,170
誰だか当ててみろ

596
00:39:45,370 --> 00:39:46,170
ふざけるな

597
00:39:47,090 --> 00:39:49,320
王爺の怪我を治す条件は何だ

598
00:39:50,280 --> 00:39:51,130
言え

599
00:39:56,890 --> 00:39:57,800
鵬挙

600
00:39:58,850 --> 00:40:00,000
お前は思わないか

601
00:40:00,930 --> 00:40:02,170
私が彼に与えた一掌は

602
00:40:03,040 --> 00:40:05,760
刹那の情に絆されたせいか?

603
00:40:08,450 --> 00:40:09,690
こんな何年も私といて

604
00:40:11,410 --> 00:40:13,410
一つも知るところがないとは

605
00:40:15,280 --> 00:40:17,450
本当に心が傷ついた

606
00:40:26,170 --> 00:40:27,170
周子舒

607
00:40:28,210 --> 00:40:31,210
こうすれば王爺がお前を殺せぬと思うなよ

608
00:40:31,720 --> 00:40:32,760
お前が治療せずとも

609
00:40:33,040 --> 00:40:35,210
天下に腕の立つ名医はいる

610
00:40:38,690 --> 00:40:40,760
私は死諌(しかん)してでも
(*死谏=君主の意向に反することをするため死んで怒りを諌める)

611
00:40:41,370 --> 00:40:45,370
今回は王爺にお前を凌遅刑にさせて

612
00:40:45,560 --> 00:40:46,890
五馬分屍だ

613
00:40:48,370 --> 00:40:49,280
鵬挙

614
00:40:49,690 --> 00:40:51,760
本当に驚かせる

615
00:40:52,090 --> 00:40:52,930
私を殺せ

616
00:40:53,800 --> 00:40:54,890
私を殺せば

617
00:40:55,650 --> 00:40:57,800
王爺を殺してしまうことに等しい

618
00:40:58,560 --> 00:41:01,960
せいぜい子舒が一足先に逝って

619
00:41:02,650 --> 00:41:04,930
九泉のもとで彼を待つだけだ

620
00:41:05,040 --> 00:41:05,650
貴様

621
00:41:06,850 --> 00:41:07,800
恥知らずめ

622
00:41:11,280 --> 00:41:12,240
よもやお前は

623
00:41:13,370 --> 00:41:14,610
私が創設した天窗が

624
00:41:15,480 --> 00:41:17,760
人徳でねじ伏せるものだと思ってはいまいな?
(*以德服人=人を従わせるために徳を行使する《孟子・公孫丑》)

625
00:41:22,960 --> 00:41:23,760
そうか

626
00:41:25,240 --> 00:41:26,130
いいだろう

627
00:41:27,760 --> 00:41:30,130
周荘主 ならば我々は時を費やし

628
00:41:30,800 --> 00:41:32,720
どちらが先に音を上げるか見るまで

629
00:41:34,960 --> 00:41:37,560
費やすなら費やせ

630
00:41:38,930 --> 00:41:42,520
周某の命はどの道もう長くない

631
00:41:42,930 --> 00:41:45,760
どうであっても損はない






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