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第三十六話

1
00:02:01,520 --> 00:02:02,170
師父

2
00:02:02,690 --> 00:02:03,690
晋王はこんなに悪いのに

3
00:02:04,050 --> 00:02:05,130
どうして彼を殺さなかったんですか

4
00:02:07,170 --> 00:02:07,840
成嶺

5
00:02:09,560 --> 00:02:10,730
私と王爺の仲は

6
00:02:11,450 --> 00:02:13,840
私情を問うなら 恩讐は断ち難く

7
00:02:14,530 --> 00:02:15,530
大義のためには

8
00:02:16,120 --> 00:02:17,840
決して彼を殺すことができない

9
00:02:19,450 --> 00:02:21,730
晋王は西北の覇権を握っている

10
00:02:22,480 --> 00:02:25,530
だが近辺の者も同じく虎視眈々と狙っている
(*虎视眈眈=隙に付け入ろうと狙うこと《易経・頷》)

11
00:02:25,680 --> 00:02:26,610
もし彼を殺せば

12
00:02:27,200 --> 00:02:29,400
周囲の者は必ず蜂起する

13
00:02:31,090 --> 00:02:32,400
私はただ彼に怪我を負わせ

14
00:02:32,810 --> 00:02:34,450
病床に就かせるしかなかった

15
00:02:35,680 --> 00:02:37,450
別の者を上に立たせないことこそ

16
00:02:38,040 --> 00:02:40,530
竜攘虎搏(りゅうじょうこはく)の
均衡を保つことになる
(*龙虎相争=龙虎相搏 力の伯仲した強豪二者が勝負すること)

17
00:02:40,640 --> 00:02:41,530
理解できません

18
00:02:42,250 --> 00:02:43,040
成嶺

19
00:02:43,450 --> 00:02:45,530
晋州軍の造反はすでに必然の勢いとなっている

20
00:02:45,810 --> 00:02:47,530
もし君の師父が晋王を殺せば

21
00:02:47,640 --> 00:02:49,610
また他の者が王爺の座を継ぐことになり

22
00:02:49,810 --> 00:02:52,370
戦火は神州の大地に隈なく広がって
(*神州=中国のこと)

23
00:02:52,530 --> 00:02:53,640
均衡の構造は崩れる

24
00:02:54,330 --> 00:02:55,560
晋王をその他の者との

25
00:02:55,680 --> 00:02:56,890
内争の中で消耗させてこそ

26
00:02:57,680 --> 00:03:00,280
天下に幾年かの太平を保つことができる

27
00:03:00,480 --> 00:03:02,610
七爺 私に説明しないでください

28
00:03:02,680 --> 00:03:04,010
私は愚鈍です 理解できません

29
00:03:04,250 --> 00:03:05,120
理解したくもない

30
00:03:06,970 --> 00:03:08,010
私は師父を救いたいだけです

31
00:03:08,400 --> 00:03:09,200
甘えたことを

32
00:03:10,120 --> 00:03:12,680
成嶺 理解するんだ

33
00:03:14,610 --> 00:03:16,120
大いなる節義の前では

34
00:03:16,890 --> 00:03:20,040
師一人の命など如何ほどのものか
(*何足道哉=話す価値のない手段《解厄鑑》)

35
00:03:20,680 --> 00:03:24,250
晋州軍という猛虎は私自らの手で育て上げたのだ

36
00:03:25,200 --> 00:03:27,400
兵事が起これば人民は塗炭の苦しみだ
(*生灵涂炭=極度の困難に直面する《書経・仲虺之誥》)

37
00:03:28,840 --> 00:03:31,610
その時私が背負うのは

38
00:03:31,840 --> 00:03:33,920
四季山荘の遺恨だけでなく

39
00:03:34,280 --> 00:03:37,730
更には戦争で命を落とす全ての死者の魂だ

40
00:03:38,920 --> 00:03:39,480
ご…

41
00:03:40,120 --> 00:03:42,480
ごめんなさい 師父

42
00:03:43,760 --> 00:03:45,640
晋王が琉璃甲を手に入れた以上

43
00:03:46,370 --> 00:03:48,120
必ず陰陽冊を求める

44
00:03:48,450 --> 00:03:50,530
たとえ陰陽冊が彼を治せないとしても

45
00:03:50,680 --> 00:03:52,400
またこの危険を如何に冒すことができよう

46
00:03:53,010 --> 00:03:54,560
万一彼が快復すれば

47
00:03:55,040 --> 00:03:58,370
これまでの師の努力は水泡に帰さないか
(*付之东流=これまでの成果が水に流れるように無駄になる《封丘作》高適)

48
00:03:59,010 --> 00:03:59,760
成嶺

49
00:04:01,330 --> 00:04:04,370
師がこの心残りを携え瞑目せず死ぬことを

50
00:04:04,760 --> 00:04:05,920
お前は望まないだろ
(*死不瞑目=死んでも死にきれない《三国志・呉書》)

51
00:04:10,530 --> 00:04:11,370
成嶺

52
00:04:12,640 --> 00:04:16,280
私とお前の師と徒の縁はとても浅い

53
00:04:18,210 --> 00:04:20,210
しっかり教え導く時間はなかった

54
00:04:20,800 --> 00:04:22,680
だがお前は一つだけ覚えておけば

55
00:04:23,560 --> 00:04:25,210
師の立派な弟子だ

56
00:04:25,840 --> 00:04:28,280
太師父が常々私に教えてくれた言葉でもある

57
00:04:29,080 --> 00:04:30,450
大いなる侠者
(*《神鵰俠侶》金庸)

58
00:04:31,840 --> 00:04:33,210
国と民のために為せ
(*《群音類選・草廬記》胡文煥)

59
00:04:46,610 --> 00:04:49,960
無用の身をもって有用の事を成せるのは

60
00:04:50,840 --> 00:04:51,840
どれほどの幸福か

61
00:04:56,770 --> 00:04:57,840
幸福ならば

62
00:05:00,080 --> 00:05:01,080
悲しむことはない

63
00:05:06,770 --> 00:05:09,400
烏渓 七爺

64
00:05:10,330 --> 00:05:12,400
成嶺と老温は俺の身内だ
(*至亲=ごく親しい親戚または他人《礼記・三年問》)

65
00:05:13,490 --> 00:05:14,840
俺の代わりに彼らの世話を頼む

66
00:05:16,450 --> 00:05:18,450
子舒 分かったぞ

67
00:05:23,650 --> 00:05:26,280
王爺が望んでいるのは陰陽冊ではない

68
00:05:26,800 --> 00:05:28,680
王爺と私は根源を遡ると

69
00:05:28,840 --> 00:05:30,080
元は沙陀の末裔
(*沙陀=新疆東部のトルコ系民族)

70
00:05:30,610 --> 00:05:32,330
祖先は乱を平定した功績によって

71
00:05:32,650 --> 00:05:34,010
ようやく国姓を賜り

72
00:05:34,170 --> 00:05:36,280
節度使の官を拝し 子孫繁栄

73
00:05:37,010 --> 00:05:38,610
やっと今の境遇であり

74
00:05:39,050 --> 00:05:41,650
これらは子舒の知っての通りだ

75
00:05:42,610 --> 00:05:44,170
しかし更に以前の話をすると

76
00:05:45,450 --> 00:05:48,800
我らの支族は実は拓掲の王族に隷属していた

77
00:05:49,730 --> 00:05:52,450
一族にはずっと古くから伝わる伝説がある

78
00:05:53,050 --> 00:05:55,240
曰く 祖先は中原の果てを跳ね馬で駆け回り
(*跃马=跳ね馬、比喩的に野心や名声や富への意欲や手に入れること)

79
00:05:55,450 --> 00:05:57,280
一つの宝物庫を残した

80
00:05:57,730 --> 00:06:01,330
宝物庫の中には江山永固の秘密が隠されており
(*江山永固=国家国土が永く安定すること)

81
00:06:02,240 --> 00:06:04,010
ひとたびこの秘密を見つけ出せば

82
00:06:04,210 --> 00:06:06,610
我が一族は衣食に困らぬ生活ができ
(*丰衣足食=衣食共に満ち足りる《唐摭言》王定保)

83
00:06:06,890 --> 00:06:08,330
もう外を流浪する必要もなくなる

84
00:06:08,680 --> 00:06:11,450
宝物庫には六つの鍵があり

85
00:06:12,170 --> 00:06:14,770
六大姓氏の族長の手で別々に管理していた

86
00:06:17,120 --> 00:06:19,170
六大姓の族長が保管

87
00:06:22,240 --> 00:06:23,050
そうだ

88
00:06:24,400 --> 00:06:26,280
聞いた感じはまるで琉璃甲と

89
00:06:26,680 --> 00:06:27,770
鍵ではないか?

90
00:06:31,770 --> 00:06:32,930
その実 我が祖先には

91
00:06:33,400 --> 00:06:35,210
似たような伝説が数多くあるが

92
00:06:35,730 --> 00:06:37,680
実際は全て甘美な絵空事

93
00:06:38,400 --> 00:06:40,960
多く聞けばもう本気にしない

94
00:06:42,280 --> 00:06:43,650
だが 周おじ上は老王爺から

95
00:06:44,450 --> 00:06:46,770
密かに賜死を受けたと君が話していたと思うが

96
00:06:48,560 --> 00:06:50,800
これは幼い頃のことを思い出さずにおれない

97
00:06:51,610 --> 00:06:53,770
老王爺はかつて我ら子供たちに話してくれた

98
00:06:54,120 --> 00:06:55,400
この江山永固の秘密は

99
00:06:55,520 --> 00:06:56,840
間もなく見つけらると

100
00:06:58,400 --> 00:07:01,330
しかしその後はもう進展がなかった

101
00:07:03,450 --> 00:07:04,930
まさにちょうどその頃

102
00:07:05,680 --> 00:07:07,890
老王爺は非常に意気消沈して

103
00:07:08,210 --> 00:07:10,280
酔うとたびたび嘆くようになっていた

104
00:07:11,240 --> 00:07:14,360
長年探し求めたが結局水の泡になった

105
00:07:14,930 --> 00:07:16,450
謀反の徒が惑わせた云々

106
00:07:19,800 --> 00:07:21,360
同じくちょうどその時に

107
00:07:22,490 --> 00:07:24,400
周おじ上が亡くなったことを知った

108
00:07:29,560 --> 00:07:30,960
琉璃甲と鍵は

109
00:07:32,490 --> 00:07:34,930
もとは師父が若い頃に遊歴して手に入れた

110
00:07:36,730 --> 00:07:38,280
まさか師父の友人とは

111
00:07:40,280 --> 00:07:41,360
父上のことか

112
00:07:46,680 --> 00:07:48,450
琉璃の錠前と鍵は

113
00:07:49,010 --> 00:07:52,010
お前の師父が往年遊歴した折に手に入れたものだ

114
00:07:52,520 --> 00:07:54,650
実に巧妙にできてる

115
00:07:56,010 --> 00:07:59,360
言い伝えでは何やら松漠とか
(*松漠=中国北東部、内モンゴル)

116
00:08:00,120 --> 00:08:03,890
拓掲貴族の宝物の要なんだとか

117
00:08:05,330 --> 00:08:08,770
王爺の図画の五つの琉璃甲は

118
00:08:09,240 --> 00:08:10,560
それぞれ違っていました

119
00:08:10,930 --> 00:08:16,210
当時ご尊父周老太爺が突然辞世なさったのは

120
00:08:16,400 --> 00:08:19,400
先代晋王に謀反の罪で

121
00:08:19,650 --> 00:08:21,240
密かに殺害されたからです

122
00:08:25,080 --> 00:08:26,170
冥冥の裡(うち)に
(*冥冥之中=はっきり自覚できない状態、知らず知らずのうちに《初刻拍案驚奇》凌濛初)

123
00:08:27,840 --> 00:08:29,330
天意を読んでいたのか

124
00:08:43,210 --> 00:08:44,090
千里君を送るとも

125
00:08:45,010 --> 00:08:46,010
終ぞ須らく一別すべし
(*友との別れ《馬陵道》)

126
00:08:46,720 --> 00:08:47,650
ここで見送ってくれ

127
00:08:48,850 --> 00:08:49,650
子舒

128
00:08:51,040 --> 00:08:52,330
君も私も心は決まっているが

129
00:08:52,650 --> 00:08:54,240
その江山永固の秘密は

130
00:08:54,450 --> 00:08:56,450
もともと空虚で掴みどころのない伝説だ
(*虚无缥缈=はっきりせず雲を掴むようなこと《長恨歌》)

131
00:08:56,680 --> 00:08:58,120
天下のどこにそんなものがあるのか

132
00:08:58,210 --> 00:08:59,120
君もまたなぜそんな必要が?

133
00:08:59,410 --> 00:09:01,600
北淵 説得は不要だ

134
00:09:02,560 --> 00:09:03,770
この伝説が真実なら

135
00:09:04,330 --> 00:09:05,920
私は行かねばならない

136
00:09:06,290 --> 00:09:07,680
たとえありもしない作り話だとしても
(*子虚乌有=実在しない子虚と烏有という人物から架空の人や物のこと、でたらめ《子虚賦》)

137
00:09:08,360 --> 00:09:09,800
それでも行かねばならない

138
00:09:11,090 --> 00:09:12,120
考えてみてくれ

139
00:09:13,160 --> 00:09:15,480
一方は天下の蒼生

140
00:09:15,890 --> 00:09:16,680
一方は

141
00:09:16,850 --> 00:09:19,240
あと何日生きるか分からぬ命

142
00:09:20,090 --> 00:09:22,360
成せば死して悔いなし

143
00:09:22,600 --> 00:09:24,890
敗れれば身を以て殉道す

144
00:09:25,410 --> 00:09:26,680
どちらにしても損はない

145
00:09:27,040 --> 00:09:28,040
何を恐れる

146
00:09:29,160 --> 00:09:29,850
分かった

147
00:09:30,240 --> 00:09:31,920
君のこの昼夜兼行
(*昼夜兼程=昼夜を徹して行動すること、2日の道のりを1日で進む《三国志・呉志・呂蒙伝》)

148
00:09:32,040 --> 00:09:34,720
途中でもし何か必要になれば

149
00:09:34,920 --> 00:09:36,850
平安商号に言い付ければよい

150
00:09:37,160 --> 00:09:40,650
子舒 こちらの一切は案ずるな

151
00:09:41,040 --> 00:09:41,920
あなたに任せたら

152
00:09:42,680 --> 00:09:43,530
心強い

153
00:09:51,160 --> 00:09:51,920
成嶺

154
00:09:52,770 --> 00:09:54,650
師として一番心配なことが何か分かるか?

155
00:09:54,970 --> 00:09:56,160
申し渡したことを

156
00:09:56,770 --> 00:09:57,680
もういっぺん言ってみろ

157
00:09:58,010 --> 00:09:58,920
師父は深刻な傷を負い

158
00:09:59,650 --> 00:10:00,680
七爺と大巫は

159
00:10:00,920 --> 00:10:02,680
あなたを連れ海外の仙山に医療を求めに行きました

160
00:10:03,720 --> 00:10:06,720
私と師叔は四季山荘に戻って再建し
あなたが回復して帰ってくるのを待つよう

161
00:10:07,160 --> 00:10:08,450
言い付けられました

162
00:10:09,010 --> 00:10:10,010
小僧め

163
00:10:10,850 --> 00:10:11,920
お前がつらい顔をして

164
00:10:12,040 --> 00:10:13,290
師叔にどうやって信じさせるんだ

165
00:10:14,360 --> 00:10:15,330
分かるだろ

166
00:10:15,450 --> 00:10:16,650
お前が見切られれば
(*穿帮=露見する、編集上隠せなかった細工やミスなどがバレるテレビ業界の用語)

167
00:10:16,850 --> 00:10:18,090
師叔の性格を以てして

168
00:10:18,210 --> 00:10:19,530
どんなことをしでかすか

169
00:10:21,920 --> 00:10:23,040
師父が九泉の下で

170
00:10:23,360 --> 00:10:25,770
痛恨するのが気にならないなら…
(*痛心疾首=ひどく恨むこと、自分が犯した過ちを後悔すること《春秋左氏伝》)

171
00:10:29,600 --> 00:10:30,770
私はどうにもできないんだぞ

172
00:10:31,450 --> 00:10:32,920
練習します

173
00:10:48,720 --> 00:10:49,600
青山改めず

174
00:10:50,290 --> 00:10:51,330
緑水長流す

175
00:10:52,560 --> 00:10:53,600
天涯の路遠く

176
00:10:54,530 --> 00:10:55,970
終(つ)いには重逢の際あり
(*重逢=再会)

177
00:12:21,040 --> 00:12:22,770
江山永固の秘密か

178
00:12:23,970 --> 00:12:24,890
伝説が

179
00:12:26,330 --> 00:12:27,890
まことだったとはな

180
00:12:32,330 --> 00:12:34,330
その手で武器庫を開くという栄誉を

181
00:12:34,890 --> 00:12:36,160
私めが掠め取るなどできません

182
00:12:36,680 --> 00:12:37,560
段大人

183
00:12:39,090 --> 00:12:40,010
どうぞ

184
00:12:40,800 --> 00:12:42,680
段某 蝎王に感謝を

185
00:12:51,360 --> 00:12:52,120
誰か

186
00:12:52,450 --> 00:12:53,120
はい

187
00:12:53,480 --> 00:12:54,770
氷を叩き割れ

188
00:13:01,770 --> 00:13:02,680
義父さん

189
00:13:04,360 --> 00:13:05,450
故地の再訪は

190
00:13:06,850 --> 00:13:07,850
楽しくない?

191
00:14:39,920 --> 00:14:40,640
開かない

192
00:14:42,040 --> 00:14:42,880
偽物か?

193
00:14:45,680 --> 00:14:47,830
おかしい 鍵が合わない

194
00:14:49,680 --> 00:14:50,480
あり得ない

195
00:14:56,200 --> 00:14:57,080
これは…

196
00:14:59,520 --> 00:15:00,520
偽物だ

197
00:15:35,680 --> 00:15:36,920
周子舒

198
00:15:39,600 --> 00:15:40,720
次は誰だ

199
00:15:42,840 --> 00:15:43,890
あなたたちを見逃してやったのに

200
00:15:45,280 --> 00:15:46,810
鬼主はどうして私を裏切った

201
00:15:48,160 --> 00:15:50,930
この鍵は偽物だ

202
00:15:54,840 --> 00:15:56,130
これはなんと奇怪な

203
00:15:56,810 --> 00:15:58,200
琉璃甲には偽物があったのに

204
00:15:58,960 --> 00:16:00,490
鍵に偽物がないとでも?

205
00:16:02,370 --> 00:16:03,490
鬼主はどこだ

206
00:16:05,930 --> 00:16:08,450
晋王は来てないのか?

207
00:16:08,760 --> 00:16:09,570
周子舒

208
00:16:11,450 --> 00:16:13,130
あなたに通天の腕があっても

209
00:16:14,370 --> 00:16:15,160
今日は

210
00:16:15,720 --> 00:16:16,690
あなたも生きて帰れると思わぬ

211
00:16:16,760 --> 00:16:18,010
来ていないようだ

212
00:16:20,280 --> 00:16:21,330
それでもいい

213
00:16:30,570 --> 00:16:31,400
雪崩だ

214
00:16:37,010 --> 00:16:38,080
早く 撤退

215
00:16:38,250 --> 00:16:38,810
早く退け

216
00:16:38,960 --> 00:16:40,200
撤退 撤退

217
00:16:49,890 --> 00:16:51,080
退け

218
00:17:36,730 --> 00:17:37,480
行くぞ

219
00:17:43,730 --> 00:17:47,050
走れ 逃げろ

220
00:18:02,610 --> 00:18:03,450
なぜ来た

221
00:18:03,970 --> 00:18:04,730
お前の怪我は

222
00:18:05,450 --> 00:18:06,280
バカ

223
00:18:06,400 --> 00:18:07,520
まだ私を気遣うことを知ってるの

224
00:18:08,240 --> 00:18:09,690
生死を共にするって約束は?

225
00:18:14,280 --> 00:18:15,280
どうやってここを見つけたんだ

226
00:18:15,400 --> 00:18:16,050
くだらない

227
00:18:16,760 --> 00:18:18,520
彼らに着いて行かなくて
あなたを見つけられるとでも?

228
00:18:19,090 --> 00:18:20,570
私は武庫がどこにあるか知らなかったのに

229
00:18:32,690 --> 00:18:33,610
あの簪は…

230
00:18:37,240 --> 00:18:38,160
あなたは豚なの?
(*猪=豚、愚かな様子、ネットスラングで親しみをこめてバカ)

231
00:18:38,690 --> 00:18:40,810
自分が假死の策に赴くのが分かってて

232
00:18:41,050 --> 00:18:43,120
まさか簪を身に着けたまま危険を冒すとでも?

233
00:18:43,760 --> 00:18:45,570
あなたに渡さないで誰に渡すんです

234
00:18:46,280 --> 00:18:47,610
武庫の鍵は今までずっと

235
00:18:48,810 --> 00:18:50,240
俺の頭の上にあったのか

236
00:18:51,210 --> 00:18:52,000
そう

237
00:18:52,330 --> 00:18:54,690
私の父と母は早くにその利害に気付き

238
00:18:54,880 --> 00:18:56,160
この偽装をした

239
00:18:56,880 --> 00:18:58,480
笑えるのは鬼谷の者たちが

240
00:18:58,610 --> 00:19:00,480
うちの小院の隅々までひっくり返しても

241
00:19:00,760 --> 00:19:01,730
見つけられなかったこと

242
00:19:02,450 --> 00:19:05,050
それが私の頭上にあると知らずにね

243
00:19:05,970 --> 00:19:07,570
俺がこの簪を着けて来なかったら

244
00:19:08,690 --> 00:19:10,360
二人して呆然とするしかなかったな

245
00:19:10,520 --> 00:19:11,640
あなたが死地に赴くなら

246
00:19:12,160 --> 00:19:13,730
必ずそれを着けるでしょ

247
00:19:15,520 --> 00:19:17,730
周子舒 この大バカ
(*乌龟王八蛋《新五代史・前蜀世家》)

248
00:19:18,240 --> 00:19:19,690
もし老怪物に仗義がなければ

249
00:19:25,210 --> 00:19:26,360
阿呆どもが

250
00:19:26,570 --> 00:19:28,090
何をやってるんだ

251
00:19:28,210 --> 00:19:29,160
愚にもつかぬ

252
00:19:37,360 --> 00:19:38,450
葉先生 なりません

253
00:19:38,570 --> 00:19:39,210
子舒がくれぐれも起こさぬようにと

254
00:19:39,210 --> 00:19:40,000
お前に何が分かる

255
00:19:40,640 --> 00:19:41,730
それは彼を傷つけることになります

256
00:19:42,640 --> 00:19:44,240
彼ら二人は一蓮托生

257
00:19:44,360 --> 00:19:46,520
ひとたび周荘主が助からないと知れば温公子は

258
00:19:46,730 --> 00:19:47,230
それこそ

259
00:19:47,240 --> 00:19:48,160
お前の喧しい口を閉じろ

260
00:19:48,570 --> 00:19:49,570
誰が助からないんだ

261
00:19:50,160 --> 00:19:51,280
俺がまだ死んでないのに

262
00:19:51,610 --> 00:19:53,160
誰であろうと俺より先に死ぬことは許さん

263
00:20:04,050 --> 00:20:05,120
私が結果を知った後

264
00:20:05,280 --> 00:20:06,090
どうなると思ったの?

265
00:20:06,520 --> 00:20:08,730
どうなの あなたが死を恐れないのに
私が恐れるとでも?

266
00:21:01,640 --> 00:21:02,450
火をつけるな

267
00:21:03,240 --> 00:21:04,330
ここは空気が限られてる

268
00:21:04,560 --> 00:21:05,280
何が怖いの

269
00:21:06,800 --> 00:21:09,440
容炫らがここで閉関して練武していたなら

270
00:21:09,730 --> 00:21:11,890
地下宮殿の中は当然 専用の通気路があるでしょ

271
00:21:16,320 --> 00:21:17,160
周聖人

272
00:21:17,520 --> 00:21:19,320
あなたは死を視ること帰するが如しじゃないの?
(*视死如归=死をまったく恐れない《大戴礼》戴徳)

273
00:21:19,490 --> 00:21:22,160
どうしたの? 今はまた死にたくなくなった?

274
00:21:22,520 --> 00:21:23,680
しっかり生きられるなら

275
00:21:24,400 --> 00:21:25,490
誰が死にたいと思うんだ

276
00:21:26,800 --> 00:21:27,610
更に言うなら

277
00:21:29,010 --> 00:21:30,520
前はお前に出会ってなかったじゃないか?

278
00:21:34,400 --> 00:21:36,010
まさかこの六合神功が

279
00:21:36,250 --> 00:21:37,560
陰陽冊より難解で

280
00:21:38,130 --> 00:21:40,770
本当に天人の境地を見抜いていたとは

281
00:21:42,400 --> 00:21:45,890
人は生きている限り 必ず希望がある

282
00:21:46,320 --> 00:21:49,090
耐えられなければ 何もかもなくなる

283
00:21:55,200 --> 00:21:57,250
本当にだらしない男どものいた場所なんだね

284
00:21:57,680 --> 00:21:59,090
私の母さまと大師姑もどうやって
(*大师姑=師父の一番上の師姐)

285
00:21:59,200 --> 00:22:00,370
我慢したのか分からないね

286
00:22:02,370 --> 00:22:04,490
ここは武術剣術の手合わせの場所だ

287
00:22:05,250 --> 00:22:07,610
書庫は奥にあるはずだ

288
00:22:40,090 --> 00:22:41,280
陰陽冊か

289
00:22:45,130 --> 00:22:47,160
本当にお宝を見つけたよ

290
00:22:49,610 --> 00:22:50,400
阿絮

291
00:22:50,650 --> 00:22:52,320
これは神医谷の絶学だ

292
00:22:53,010 --> 00:22:54,560
ほら 私の代わりに受け取って

293
00:22:54,850 --> 00:22:56,890
万一外に出られたら役に立つでしょ

294
00:22:56,970 --> 00:22:58,440
この六合神功が

295
00:22:58,560 --> 00:22:59,970
俺の怪我を治せるかどうかはさておき

296
00:23:00,560 --> 00:23:01,890
大雪が入り口を塞いでいて

297
00:23:02,320 --> 00:23:04,970
真夏の雪解けを待たないと出られない

298
00:23:06,040 --> 00:23:07,680
俺たち水も食糧もないんだ

299
00:23:07,800 --> 00:23:09,400
あなたが平安銀号に大量の

300
00:23:09,560 --> 00:23:11,200
火薬の購入を言い付けたのを知った時

301
00:23:11,490 --> 00:23:12,850
何をしようとしていたか予想できたよ

302
00:23:15,040 --> 00:23:15,890
見てないで

303
00:23:16,010 --> 00:23:16,800
行こう行こう

304
00:23:17,200 --> 00:23:18,250
私はあの江山永固の秘密が

305
00:23:18,370 --> 00:23:20,250
何なのかとっとと知りたんだ

306
00:23:20,320 --> 00:23:21,520
もしかしたら古の魔神を

307
00:23:21,680 --> 00:23:23,490
喚び出せる神器か何かがあって

308
00:23:23,800 --> 00:23:25,250
私たち助かるんじゃない?

309
00:23:25,680 --> 00:23:26,490
行くよ

310
00:24:03,560 --> 00:24:06,010
百変千幻 雲霧十三式

311
00:24:07,010 --> 00:24:08,280
衡山派の絶学だ
(*《笑做江湖》金庸)

312
00:24:37,040 --> 00:24:38,440
斉民要術

313
00:24:40,520 --> 00:24:41,280
何?

314
00:24:44,770 --> 00:24:47,250
これは農耕栽培についての書だ
(*齐民要术 =現存する中国最古の華北の農業技術書 賈思勰)

315
00:24:48,040 --> 00:24:49,320
容前輩が武林の秘籍を

316
00:24:49,650 --> 00:24:52,400
盗んだ時に勘違いしたのか?

317
00:24:52,800 --> 00:24:54,280
順手牽羊でこれを?
(*顺手牵羊=隙を突いて有益かどうか分からずとも敵の物を持ち去ること、手が勝手に引っ張ってきた羊 兵法三十六計の第十二計)

318
00:24:57,160 --> 00:24:58,160
奇妙だね

319
00:24:58,680 --> 00:25:00,370
どうしてこの石室には

320
00:25:00,490 --> 00:25:03,010
農耕栽培の書ばかり置いているんだ

321
00:26:09,440 --> 00:26:10,370
見つけた

322
00:26:10,850 --> 00:26:11,770
六合心法

323
00:26:12,800 --> 00:26:13,650
これだよ

324
00:26:20,560 --> 00:26:21,680
全部穀物だ

325
00:26:23,560 --> 00:26:24,400
老温

326
00:26:24,890 --> 00:26:26,200
俺たち全部の密室を

327
00:26:26,560 --> 00:26:27,800
確かに調べたよな?

328
00:26:28,370 --> 00:26:29,680
どうしてどの密室も

329
00:26:30,490 --> 00:26:32,280
農器や書物ばかりで

330
00:26:32,650 --> 00:26:34,200
一枚の銅貨すらないんだ

331
00:26:44,610 --> 00:26:45,800
全部穀物って

332
00:26:46,560 --> 00:26:48,160
これは容炫たちが準備したのでは?

333
00:26:51,200 --> 00:26:52,490
あの封条を見ろ

334
00:26:53,130 --> 00:26:54,400
全部拓掲文字だ

335
00:27:04,280 --> 00:27:07,200
この穀物に頼れば飢えを満たせると思っていたが

336
00:27:08,200 --> 00:27:10,560
今はもうダメになってるようだ

337
00:27:19,250 --> 00:27:20,970
この穀物はどれだけ長くここに置かれていたのか

338
00:27:21,610 --> 00:27:24,280
二十年ではこんなに朽ちたりしないよね

339
00:27:26,680 --> 00:27:27,770
分かった

340
00:27:29,010 --> 00:27:30,010
全部分かった

341
00:27:31,610 --> 00:27:34,040
これこそが江山を永続させる秘密だ

342
00:27:35,400 --> 00:27:38,160
伝説ではこの秘密を見つけさえすれば

343
00:27:38,320 --> 00:27:39,730
沙陀族の者にとって

344
00:27:39,850 --> 00:27:41,400
何不自由ない暮らしができるという

345
00:27:42,200 --> 00:27:43,520
この密室の中を見ろ

346
00:27:43,680 --> 00:27:45,680
全て農器と食料だ

347
00:27:46,280 --> 00:27:48,680
拓掲語に翻訳した農桑の学まである

348
00:27:49,440 --> 00:27:51,250
これこそ拓掲の祖先が

349
00:27:51,440 --> 00:27:53,130
後人に残した秘密なんだ

350
00:27:56,320 --> 00:27:57,250
そういうことか

351
00:27:58,010 --> 00:28:00,440
遊牧民族はひとたび土地の開墾を覚えたら

352
00:28:01,250 --> 00:28:04,520
中原の農具を使用して自給自足できる

353
00:28:04,610 --> 00:28:05,800
江山は安泰じゃないか

354
00:28:08,250 --> 00:28:10,560
あなたのあの小晋王は一部屋の穀物と農具のために

355
00:28:10,650 --> 00:28:13,090
こんなに多くの労力を費やした

356
00:28:13,320 --> 00:28:16,250
彼の祖先から言い伝えられた江山永固の秘密は

357
00:28:16,520 --> 00:28:18,040
しっかり畑仕事をすることだったんだね

358
00:28:21,200 --> 00:28:22,850
笑いすぎてお腹が痛い

359
00:28:23,200 --> 00:28:24,730
だから龍おじ上はああ言ったのか

360
00:28:25,440 --> 00:28:28,090
俺の師父が苦心して琉璃甲を集めて
(*费尽心思=考えつくすべての手段を使う、知恵を絞ること《孽海花》曾樸)

361
00:28:28,400 --> 00:28:29,850
倉庫を開けたら

362
00:28:30,040 --> 00:28:31,400
何もないことに気づいたって

363
00:28:33,280 --> 00:28:35,160
彼はきっと父に代わって探し求め

364
00:28:35,400 --> 00:28:38,970
父もきっと老晋王に依頼され

365
00:28:39,130 --> 00:28:40,250
この秘密を捜し当てた

366
00:28:40,650 --> 00:28:42,890
結果はむしろ一部屋の穀物を見つけただけで

367
00:28:43,770 --> 00:28:46,040
老晋王は知らせを聞いて怒りが収まらず
(*恼羞成怒=恨めしさと恥ずかしさが極まって怒りに変わる《官場現形記》李宝嘉)

368
00:28:46,440 --> 00:28:47,730
父は賜死を請うた

369
00:28:48,650 --> 00:28:51,040
いや 違うな

370
00:28:51,890 --> 00:28:54,320
父は老晋王の性格を理解していて

371
00:28:54,680 --> 00:28:56,560
正確に報告しても

372
00:28:56,890 --> 00:28:58,610
晋王も絶対信じないと分かっていた

373
00:28:59,770 --> 00:29:01,520
自分が罪を免れないだけでなく

374
00:29:01,850 --> 00:29:03,650
師父に累が及ぶことになる

375
00:29:07,490 --> 00:29:09,800
あなたの父君は師父に
この宝物庫が何を意味するのかを

376
00:29:10,280 --> 00:29:11,610
全く伝えなかった可能性もある

377
00:29:12,610 --> 00:29:13,650
だからその後

378
00:29:14,320 --> 00:29:16,970
師父はここを容炫に明け渡して武庫に変えた

379
00:29:18,090 --> 00:29:20,200
なぜならここはもともと空っぽの物置だったからだ

380
00:29:22,650 --> 00:29:25,130
今無性にあなたの小晋王が

381
00:29:25,250 --> 00:29:27,650
事の真相を知った後の表情を知りたくなったよ

382
00:29:27,800 --> 00:29:29,250
とびきり精彩に違いない

383
00:29:30,520 --> 00:29:31,610
笑うなよ

384
00:29:32,890 --> 00:29:34,370
今は大雪で山は閉ざされてる

385
00:29:34,970 --> 00:29:36,520
お前と俺で出口を見つけて

386
00:29:36,770 --> 00:29:39,490
外に出られたとして

387
00:29:40,890 --> 00:29:41,800
お前は

388
00:29:42,320 --> 00:29:45,490
人が氷雪を食してどれだけ生きられると思うんだ?

389
00:29:45,890 --> 00:29:50,200
なら葉白衣が氷雪を食して
どれぐらい生きてると思う?

390
00:29:52,730 --> 00:29:53,800
気にならない?

391
00:29:55,010 --> 00:29:57,440
あの老怪物は何ゆえ餓鬼が生まれ変わったみたいに

392
00:29:57,560 --> 00:29:58,770
死に物狂いで食べるのか

393
00:29:59,650 --> 00:30:00,800
それはね

394
00:30:00,970 --> 00:30:02,440
彼はもう百年以上

395
00:30:02,610 --> 00:30:04,130
俗世の煮炊きしたものを食べていなかったから

396
00:30:05,400 --> 00:30:08,560
逆天改命は代償を払う必要がある

397
00:30:10,520 --> 00:30:14,280
神功は自然に全身の経脈を再構築し

398
00:30:14,440 --> 00:30:16,490
その容姿を永遠に保ち

399
00:30:16,680 --> 00:30:18,130
神仙のように生きていく

400
00:30:18,400 --> 00:30:20,520
ただしその弊害もある

401
00:30:21,320 --> 00:30:23,280
葉白衣が長明山にいて

402
00:30:23,400 --> 00:30:25,010
こんなに長く下りて来なかったのは

403
00:30:25,890 --> 00:30:29,320
それはひとたび天人の境地に足を踏み入れたら

404
00:30:29,650 --> 00:30:31,650
極寒の地に永住せねばならず

405
00:30:32,090 --> 00:30:35,160
その後は風餐露宿 食氷飲雪

406
00:30:35,800 --> 00:30:37,400
もし俗世のものを食べれば

407
00:30:37,850 --> 00:30:40,850
天人五衰が始まるからだ

408
00:30:42,730 --> 00:30:43,680
だから

409
00:30:44,440 --> 00:30:46,730
俺たちが葉白衣と知り合って以来

410
00:30:47,090 --> 00:30:49,800
彼の頭髪が白くなりつつあるのか

411
00:30:55,800 --> 00:30:59,400
だから老怪物は生きた死人にはうんざりしていて

412
00:30:59,770 --> 00:31:02,490
だからこそ必死に食べられるだけ食べる

413
00:31:03,160 --> 00:31:04,970
彼は不老長寿を捨ててでも
(*长生不老=老いても憧れる不老長寿《太上純陽真経・了三得一経》)

414
00:31:05,890 --> 00:31:07,770
思う存分に食べて元を取るつもりなんだ

415
00:31:14,040 --> 00:31:15,200
つまるところ
(*唇語=也不知道 分からないけど)

416
00:31:16,130 --> 00:31:18,160
たとえ生きてここを出ても
(*唇語=你我若是活着离开此处 もしあなたと私が生きてここを出られたら)

417
00:31:18,730 --> 00:31:20,970
今後も極寒の地で末永く隠遁し
(*唇語=你愿不愿意跟我从此隐居极寒之地 これからは極寒の地で私と隠居して)

418
00:31:21,370 --> 00:31:23,160
雪氷を食んで


419
00:31:23,560 --> 00:31:25,160
終わりなく生きていくってことだよ
(*唇語=終わりなく生きてくれる?)

420
00:31:28,490 --> 00:31:30,130
そのように生きるか

421
00:31:31,440 --> 00:31:33,160
このまま死ぬのか

422
00:31:35,440 --> 00:31:36,770
じっくり考えてみないとな

423
00:31:39,850 --> 00:31:40,970
六合神功は

424
00:31:41,160 --> 00:31:42,040
破りて後に立つ
(*破而后立=古いものを打破したあとにこそ新しいものを設立できる)

425
00:31:42,650 --> 00:31:45,090
まず最初に地獄のような苦しみを経ることで

426
00:31:45,200 --> 00:31:46,890
全身の経脈を再構築し

427
00:31:47,040 --> 00:31:48,010
生まれ変われる

428
00:31:49,280 --> 00:31:51,010
だけど人によって体質は異なるので

429
00:31:51,200 --> 00:31:53,200
この期間も過程も苦しみも全部異なる

430
00:31:54,160 --> 00:31:56,010
だから二人同時にこの功を修める必要がある

431
00:31:56,610 --> 00:31:57,680
互いのために助け合い

432
00:31:58,010 --> 00:31:59,890
相手の崩潰が差し迫った際には

433
00:32:00,200 --> 00:32:03,200
真気で助けお互い難関を乗り越える

434
00:32:04,840 --> 00:32:06,440
なら俺が大幅に有利じゃないか

435
00:32:08,010 --> 00:32:09,040
実を言うと

436
00:32:09,680 --> 00:32:12,370
俺の味覚 嗅覚 触覚は

437
00:32:13,040 --> 00:32:14,130
徐々に消えていて

438
00:32:14,850 --> 00:32:16,040
もう痛みも感じない

439
00:32:17,250 --> 00:32:18,160
知ってたよ

440
00:32:18,770 --> 00:32:21,730
だから葉前輩と大巫は余計に念を押したんだ

441
00:32:22,610 --> 00:32:23,650
入定後は
(*入定=無我の境地に入ること)

442
00:32:24,010 --> 00:32:26,160
あなたの視覚 聴覚さえも

443
00:32:26,250 --> 00:32:27,200
全部消失する可能性が高い

444
00:32:27,370 --> 00:32:28,370
でももしそうなっても

445
00:32:28,520 --> 00:32:29,650
くれぐれも慌てないで

446
00:32:30,250 --> 00:32:32,920
ただ心を静め体内の周天を
巡らせることに集中して

447
00:32:33,160 --> 00:32:34,850
各層ごとの重要な関門を堪えれば

448
00:32:35,010 --> 00:32:36,440
五感は自然に回復する

449
00:32:36,800 --> 00:32:38,440
ただし次の一層に入ると

450
00:32:38,610 --> 00:32:39,770
また繰り返す

451
00:32:42,010 --> 00:32:42,850
分かった

452
00:32:43,200 --> 00:32:44,010
やろう

453
00:33:54,440 --> 00:33:55,200
阿絮

454
00:33:58,370 --> 00:33:59,130
阿絮

455
00:34:04,560 --> 00:34:05,440
今白状すれば

456
00:34:06,650 --> 00:34:07,850
あなたを騙したことにはならないよね?

457
00:34:10,800 --> 00:34:12,720
あなたは堂々たる天窗の首領でしょ

458
00:34:13,610 --> 00:34:15,410
もともと疑い深いはずなのに
(*心机深沉=人より物事を深く考える)

459
00:34:16,210 --> 00:34:17,690
どうして私の話は何でも信じるの

460
00:34:52,450 --> 00:34:53,170
阿絮

461
00:34:59,760 --> 00:35:00,690
奴は死にかけだ

462
00:35:06,210 --> 00:35:07,280
彼はどうなった?

463
00:35:08,280 --> 00:35:09,890
奴を救う方法が一つある

464
00:35:10,370 --> 00:35:11,210
だが

465
00:35:11,410 --> 00:35:12,930
お前の命と引き換えだ

466
00:35:13,370 --> 00:35:14,170
やるか?

467
00:35:14,760 --> 00:35:15,760
願ってもない

468
00:35:18,650 --> 00:35:19,610
いい返事だ

469
00:35:20,480 --> 00:35:22,930
温客行 俺はお前に

470
00:35:23,210 --> 00:35:24,520
周子舒を救けに戻ると約束した

471
00:35:25,850 --> 00:35:27,610
葉某は生きている限り人を裏切らぬ

472
00:35:28,240 --> 00:35:30,370
この六合神功をお前に伝授する

473
00:35:34,850 --> 00:35:35,890
申し訳ないけど

474
00:35:37,560 --> 00:35:39,560
あなたも私を騙そうとしたでしょ

475
00:35:41,560 --> 00:35:42,720
今回私が騙しても

476
00:35:43,800 --> 00:35:45,000
大した過失じゃない

477
00:35:48,370 --> 00:35:49,410
残された者こそ

478
00:35:52,650 --> 00:35:53,930
一番つらいんだ

479
00:35:56,720 --> 00:35:57,760
あなたは私の師兄なので

480
00:36:00,410 --> 00:36:01,650
今回は私に譲ってくれ

481
00:36:03,560 --> 00:36:04,520
ちょっと待って

482
00:36:04,720 --> 00:36:05,450
どうしました?

483
00:36:06,320 --> 00:36:08,170
今まで狂人を装っているのだと思っていたが

484
00:36:08,610 --> 00:36:11,040
まさか本当に狂っていたとは

485
00:36:13,450 --> 00:36:15,760
温客行 楽しいか?

486
00:36:16,280 --> 00:36:17,720
気は晴れたか?

487
00:36:18,000 --> 00:36:19,650
これがあんたの欲しかった結果か?

488
00:36:20,210 --> 00:36:21,280
何様のつもりだ

489
00:36:21,890 --> 00:36:24,320
悪人は刀を捨てればたちまち成仏する

490
00:36:24,480 --> 00:36:25,560
善人が悪事を働いたら

491
00:36:25,960 --> 00:36:28,090
まさか永遠に生まれ変われないのか?

492
00:36:28,480 --> 00:36:29,560
そんな道理はない

493
00:36:29,850 --> 00:36:30,890
俺は賭けたい

494
00:36:31,370 --> 00:36:34,000
お前は俺が知っている通りのお前だ

495
00:36:35,240 --> 00:36:36,130
老温

496
00:36:36,850 --> 00:36:37,690
阿絮

497
00:36:38,410 --> 00:36:39,320
酒を飲めよ

498
00:36:42,450 --> 00:36:43,960
洗わない奴は食えない

499
00:36:45,090 --> 00:36:47,890
医薬を求めてその時間を浪費するより

500
00:36:48,560 --> 00:36:50,280
体がまだ健康なうちに

501
00:36:50,650 --> 00:36:53,320
私とこちらの知己とで天涯をさすらい

502
00:36:53,450 --> 00:36:54,560
詩や酒で江湖を

503
00:36:55,120 --> 00:36:56,830
瀟洒にいっぺん歩く方がいい

504
00:36:57,320 --> 00:36:59,170
それでようやくこの人生も無駄ではなくなる

505
00:37:11,730 --> 00:37:14,250
酷烈に荒れ狂う六合の真気は

506
00:37:14,520 --> 00:37:16,600
血肉の身体には受け止め切れぬ

507
00:37:17,690 --> 00:37:20,320
誰かが甘んじて犠牲となり炉鼎として
(*炉鼎=炉と鼎、道教の煉丹のための体内の概念、房中術では煉丹で陰の気を吸い取るための女のこと)

508
00:37:21,130 --> 00:37:22,730
真気を精錬し

509
00:37:23,000 --> 00:37:24,840
練功者に明け渡してやってこそ

510
00:37:25,130 --> 00:37:26,930
破りて後に立つ

511
00:37:27,250 --> 00:37:29,250
生死の関門を突破できる

512
00:37:29,970 --> 00:37:32,130
だがこの者は反対に経脈が破壊され尽くし

513
00:37:33,250 --> 00:37:34,930
一夜にして白髪になる

514
00:37:36,130 --> 00:37:38,080
かつてある者がこの犠牲となった

515
00:37:38,840 --> 00:37:40,040
そのため俺はこの天人合一の

516
00:37:40,130 --> 00:37:41,650
呪詛を持ってこんな何年も

517
00:37:42,410 --> 00:37:43,650
生きざるを得なくなったのだ

518
00:37:44,930 --> 00:37:48,410
全てが今日のためだったのだな

519
00:37:50,560 --> 00:37:56,490
求め難し少年の時 来る少年常に有り

520
00:39:04,520 --> 00:39:06,250
あの雪崩の後

521
00:39:06,360 --> 00:39:09,650
趙敬と蝎王は雪山に埋もれ永遠に葬られました

522
00:39:10,250 --> 00:39:12,360
それから毒蝎の死傷者は深刻で

523
00:39:12,490 --> 00:39:14,000
江湖から消え失せました

524
00:39:14,650 --> 00:39:15,690
じゃあ 師父

525
00:39:15,730 --> 00:39:17,490
武器庫に閉じ込められたその一組の師兄弟は

526
00:39:17,520 --> 00:39:18,210
どうなったのですか?

527
00:39:19,600 --> 00:39:21,840
この奇功を錬成するには

528
00:39:22,450 --> 00:39:24,650
一人が自分の肉体を炉鼎として
(*唇語=必须两人同心相守相互 二人は心を一つにしてお互いを守らなければならない)

529
00:39:24,930 --> 00:39:27,170
苦労して鍛えた真気を練功者に明け渡すことを
(*唇語=还要全心全意地视对方为知己 また誠心誠意相手を知己と見なさなければならない)

530
00:39:27,800 --> 00:39:31,130
受け入れ心から願わなくてはならない
(*甘心情愿=自分の利にならないことを自ら進んで願うこと《摭青雑説》*唇語=且一直保持相爱才能在处境危急之时 そして常に愛し合っていてこそ危機に瀕した時)

531
00:39:31,450 --> 00:39:33,760
武功がいかに深く優れていても
(*唇語=传递真气渡过难关 真気を間断なく伝え難関を乗り越えられる)

532
00:39:34,280 --> 00:39:36,560
しばらくはまだ体が爆ぜて亡くなったりはしないが
(*爆体而亡=武侠用語、体内で気が暴発し七竅から出血し死ぬ *唇語山人予想=如此反复循环两人才能同时 このような循環を繰り返して二人は同時に)

533
00:39:36,970 --> 00:39:39,280
最終的には全身の経脈が断ち尽くされます
(*唇語=成为被守护的不死之人 守られ不死の人になるのです)

534
00:39:40,520 --> 00:39:42,600
それで 彼らは会得したのですか?
(*唇語=他们活了 彼らは生きてるんですね?)

535
00:39:42,800 --> 00:39:43,490
父さま

536
00:39:50,490 --> 00:39:51,410
念湘(ニェンシェン)お利口さんだね

537
00:39:52,970 --> 00:39:54,280
あなたたちまた何を話していたの

538
00:39:54,410 --> 00:39:55,040
高師姑

539
00:39:55,170 --> 00:39:57,130
師父は私たちに六合神功の物語を
話してくださいました

540
00:39:57,800 --> 00:39:58,450
そう

541
00:39:58,450 --> 00:39:59,520
師父のでまかせを聞いてダメよ

542
00:40:00,650 --> 00:40:01,560
成嶺

543
00:40:02,210 --> 00:40:03,930
あなたは毎日あることないこと話して聞かせて

544
00:40:04,490 --> 00:40:06,450
子供は一度に沢山聞いたら

545
00:40:06,690 --> 00:40:08,170
しっかり練功する気持ちになりません

546
00:40:08,600 --> 00:40:10,210
もういいよ ご飯にしよう

547
00:40:10,410 --> 00:40:11,520
はい 行こう

548
00:40:11,800 --> 00:40:13,840
行こう ご飯にしましょう
ご飯にしましょう




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