映画を作る。
どうしても捨てられない8ミリフィルムがあって、捨てられないなら取ってっておけばイイという簡単な問題ではなかった。
そのフィルムにはある女優さんが写っているのは判っていた。
20年前、僕はあるビデオ作品を作っていて、部分的に8ミリのイメージシーンを入れるつもりでいた、しかし、編集段階で8ミリフィルムの映像は使わない事にした。
そして現像したままの8ミリフィルムだけが僕の手元に残っていたのだ。
20年たち、その捨てられない8ミリフィルムで、映画を作れないかと思い立つ、大げさな映画ではない、10分とか15分程度の自主映画だ。
とりあえず、8ミリフィルムをテレシネに出した、テレシネとはフィルムをビデオに変換する作業。
懐かしい映像が出てくる、僕と女優さんに深い関係は無かったが、フェイクドキュメンタリーとして、20年前に付き合っていたというストーリーを作る。
映画は、20年ぶりに連絡をとった彼女からの手紙をベースにして映像をつなごうと決める。
さて、手紙の声をどうしよう・・・もちろん、俳優さんの事務所も知っているし、女優の友人もいない訳ではない、ただ、予算が無かった。
俳優をキャスティングすれば、録音スタジオもそれなりの所を押さえなければならない(これは問題外だ)。
そうだnoteがあるじゃないか、声優です、役者です、ナレーターです、という人を何人かフォローさせていただいている。
noteにサンプルの声を上げているなら、ある程度の録音機材はあると想定しよう、とりあえず、片っ端から声を聞いた、声優、俳優にとらわれず、音(ラジオ)を上げている人の声を聞き、片っ端からnoteを読んだ、どんな人であるかも重要だ。
結果ossoさんに(勝手に)決めた、まず声がイメージに合う事が一番だけど、演出が届かない状態で、すべてお任せで、やっていただける方、実年齢は知らないけど、noteから漏れ出てくる、かすかな生活感も重要だった。
ギャラというほどのものも用意出来なかったけれど、クリエイターへのお問い合わせからメールを入れて、幸運にも引き受けていただく事ができた。
結果はよかったとしか言えない。勿論、二人でスタジオに入っていたら、まったく違ったものになっていたかもしれない、だけど、女性が手紙を読んでいるという、現実が演出を超えた部分でちゃんと伝わっていたと思う。
この、わずか16分の映画は昨日、都内某所で一度だけ上映された。
ossoさんに感謝。
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