アメリカで承認した2021年戦略的競争法とはなにかを中国側の視点で説明
新華社北京4月22日のニュースによると、同日、米議会上院外務委員会が「2021年戦略的競争法(the Strategic Competition Act of 2021)」を審議通過したことを受け、中国全人代外事委員会の尤文澤報道官は、
この法案は冷戦思考とイデオロギー偏見に満ちており、中国の発展戦略と内外政策を恣意的に曲解し、中傷して泥を塗り、中国の内政に乱暴に干渉し、心が険悪で、人を傷つけ自分を害するものであり、われわれはこれに対して強い不満と断固反対を表明している
と述べた。
2021年戦略的競争法(the Strategic Competition Act of 2021)
2021年4月8日に米上院で提出された、バイデン政権に対し、米国の「重要な利益と価値観」を保護・促進するため、中国との「戦略的競争」政策をとるよう求める280ページに渡る法案である。同法案は、中国とグローバルサプライチェーンや科学技術で全面的な競争を展開することに重点を置いている。
2021年4月15日、商務部が行った定例発表会で、米上院外交委員会が「2021戦略競争法」を討議、採決したことについて、商務部の高峰報道官は、グローバル産業チェーンのサプライチェーンは公共製品の属性を持っており、グローバル産業チェーンのサプライチェーンの安全を守ることは中国側の利益に合致し、米国側の利益に合致し、全世界の利益に合致すると表明した。
報道官は次のように指摘した。
百年の変局と世紀の疫病が重なり、世界が激動変革期に入り、不安定性・不確実性が著しく上昇する大きな背景の下で、この法案は故意にイデオロギー的対抗を作り出し、ゼロサムゲームを行うことは、時代の流れに合致しないだけでなく、世界の平和、安定と発展を促進するのにも不利であり、活路がない運命にある。
中国は真の多国間主義を堅持し、国連を核心とする国際システムを断固として守り、国際法を基礎とする国際秩序を断固として守り、世界貿易機関を核心とする多国間貿易体制を断固として守り、世界各国が平等に接し、相互に尊び、相互に信頼し、同舟共済し、困難な時局を共に克服することを主張している。
2021年戦略的競争法の時系列
2021年4月8日、米上院はバイデン政権に対し、米国の「重要な利益と価値観」を保護・促進するため、中国との「戦略的競争」政策をとるよう求める法案を提出した。
米上院外交関係委員会委員長は声明を発表し、これは「かつてない」両党の協力を代表しており、米国のすべての戦略、経済、外交ツールを動員して、中国の日増しに台頭する世界の力に対抗すると表明。
2021年4月14日、米国上院外交委員会は「2021戦略競争法」を検討、採決。
2021年戦略的競争法の主な4つの内容
1.政府に対し、対中外交戦略を提出し、同盟国とパートナー国に対する米国のコミットメントを再確認するとともに、国際機関とその他の多国間フォーラムにおける米国の指導的地位を再確認し、それによって西半球、欧州、アジア、アフリカ、中東、北極、オセアニアにおける中国の挑戦に対応するよう呼びかけ。
2.政府に普遍的価値への投資を呼びかけ、香港、新疆などの地域の事務への介入を含む一連の「人権と公民社会」措置を授権するとともに、台湾当局との「パートナーシップ」を強化の呼びかけ。
3.中国の「略奪的な国際経済行為」に対抗する。
これには、「知的財産権侵害者」及び米国市場における中国企業の存在等の追跡が含まれる。
また、米国に対し、海外の腐敗と闘う国への技術支援と、コロナの影響を受けた最貧国への債務救済を要請。
4.中国の軍事現代化と「軍事拡張」に直面して、同盟国との軍備管理面での協調と協力を強化し、弾道ミサイル、高超音速滑空ミサイル、巡航ミサイル、通常力、核、空間、サイバー空間などの戦略分野における中国の情報を共有を主張。
報道官は、台湾問題は中国の国家主権と領土保全にかかわり、中国の核心的利益にかかわると指摘した。
法案の台湾関連条項は一つの中国の原則と中米の三つの共同コミュニケの規定に重大に違反し、「台湾独立」勢力に重大な誤ったシグナルを送っている。
一つの中国の原則は中国のレッドラインであり、われわれはいかなる形式の米台公式往来にも断固反対する。
新疆、香港にかかわる問題は純粋に中国の内政に属し、いかなる外国の干渉も許さない。
報道官は次のように強調した。
中米は一部の分野で競争が存在しても、公平公正で、規則を遵守する良性で秩序ある競争であるべきだ。
中国は一貫して衝突・対抗せず、相互尊重、協力・ウィンウィンの中米関係の構築を主張すると同時に、国の主権、安全、発展の利益を断固として守っている。
われわれは米国議会が中国の発展を客観的かつ理性的に見て、中国の主権と領土保全を確実に尊重し、中国の内政に手を出すのをやめ、同法案の審議・推進をやめるよう強く促す。
下記2つの記事をもとに中国側の視点で日本語訳しています。
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