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戦略的構造化

「Kearney流仕事術」が連載した“戦略的構造化”について、紹介していきたいと思う。

「戦略的構造化」とは?

「戦略的構造化」とは、ある事象や課題を「意味のある軸」で分けて、課題の因果関係を探り、カギとなるドライバー(要因)やパラメータ(根本要素)をあぶりだして、優先順位をつけることである。
ここで注意すべきことは、単にフレームワークをあてはめたり、MECEに分けたりすることではないということだ。実際にインパクトを起こすための「戦略的」な構造化が重要となる。
・フレームワーク・・・・パターン化された分類のこと
・MECE・・・・漏れなく、ダブりなく、分類すること

「戦略的構造化」の重要性

課題はいくつかの要素が重なり合って起きているケースが多いが、この「戦略的構造化」によって、アプローチすべき重要なドライバーやパラーメーターを特定することで、最も効果的な打ち手を検討するとこができる。これは、解決時間の大幅短縮にも繋がる。
また、チームで課題解決に取り組む場合は、打ち手の説明責任が問われることになる。課題を構造化した上で、聞き手に説明すると、どこか根本の問題か明白で、アプローチの説得力も増す。

構造化の基本軸: 

課題を構造化する際の軸として、数式、規模、種類などが考えられるが、これらは大きく「性質の軸」と「つながりの軸」の二つに分類できる。

基本軸を用いた構造化の例(性質の軸 - 数式の切り口の場合)

数式での構造化とは、課題をいくつかの要素に因数分解して、数式でつなげることである。この際に各要素がダブっていたり、四則計算が間違っていたりすると、合計値が課題の全体像にならないので、注意が必要だ。 課題を数式に分解することができれば、解くことができる問題とできない問題に分類でき、かつどの要素を解決すれば、合計値に最も影響を与えるのか、特定することができ、アプローチの優先順位をつけることができる。では、簡単に実際の問題で考えてみよう。

通勤ラッシュの解決策を数式で考える

Situation

  • Aさんが通勤ラッシュを解決する策についてプレゼンしたい

Solution:

  • Aさんがよく利用している7時~8時までの時間帯の電車乗客数を構造化すると以下のように分解できる

  • 1両あたり輸送客数×1本当たり車両数×(7~8時)1時間当たり本数(頻度)×路線数

  • このように数式に分解することができれば、モレなく、ダブりなく、構造化されているか、瞬時に判別できる

  • また、分解した各要素について、短期・中期・長期で通勤ラッシュを減らすための解決策はさらに下記のようにまとめられ、プラス面・マイナス面を考慮して実現の可能性、実現時のインパクトを仮説的に評価できれば、優先順位をつけることができる

終わりに

直面する課題を解決するためには、やみくもにアプローチするのではなく、課題を戦略的に構造化することが重要である。その上で優先順位をつけ、仮説や施策案に沿ってアプローチすることで、効率的に解決に向かうことができる。

このアプローチに沿って、ワークプラン(何を・いつまでに・誰が・どうやって実行するか)を作り、この工程を管理することで、ビジネスでも、プライベートでも、物事は効果的に前に動き出す。この「戦略的構造化」スキルを利用して、ぜひ目の前の課題解決に取り組んでもらいたい。

出典:A.T. カーニー公式ページ

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