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ポルトガル語のコウモリ

Harry Potter e a Pedra Filosofal  の第17章。賢者の石を狙っていたのはスネイプではないかとハリーがクィリルに尋ねるところ。

— Mas eu pensei, o Snape…
— Severus? — Quirrell riu-se. Não era o seu riso habitual, mas sim um riso frio e cortante. — Sim, o Severus tem todo o aspecto, não tem? É muito útil tê-lo por perto como um morcego enorme. 

「でも僕はてっきりスネイプが」
「セルブスが?」クィレルは笑った。いつもの笑い方ではなく、冷酷で身を切るような笑いだった。
「たしかに。セルブスはいかにもそういうところがあるな。大型のコウモリとしてやつが近くにいたので大いに利用させてもらったよ

morcego は「コウモリ」だが、ここの意味するところが分からなかった。日本語で「コウモリ」というと「日和見主義者」を指すことがあるが、ポルトガル語でもそうなのだろうか。コウモリは鳥か獣か区別しにくいことから、「敵か味方か分からない人」を指すということはないか。実際、スネイプが味方なのか敵なのかは結果的に分かりづらい状況になっているので、「本当は敵じゃないけど敵のように振る舞っている人」というニュアンスで、morcegoが使われているっぽい。そうなると「手近な目眩ましとして大いに利用させてもらったよ」みたいに意訳できるか。




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