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ICE image (心腔内エコーでみる心臓)

多くの EP labo で不整脈治療のために心腔内エコー(ICE)が使われています。ICE は不整脈の治療に必要とされる心臓の解剖学的情報を得るための非常に有益なツールです。ICE では心臓とその周囲の血管を見ることができます。右心房(RA)・右心室(RV)・左心房(LA)・左心室(LV)・冠静脈洞(CS)・肺動脈(PA)・肺静脈(PV)・大動脈(Aorta)・上大静脈(SVC)・下大静脈(IVC)を観察することができます。ICE で心臓を見てみましょう。

1. Home View (基準のイメージ)

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ICE で心臓を見るとき基準となる view です。RA(右心房)、TV(三尖弁)、RV(右心室)、RVOT(右室流出路)、Aorta(大動脈)が見えます。右心系サイズは個人差があります。別の症例を提示します。

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前の症例と比較してRA と TV が小さく見えます。

2. 心房を観察する

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右心房を見ています。RA(右房)と RAA(右心耳)を描出しています。

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左心房を見ています。RA(右房)、Atrial septum(心房中隔)、LA(左房)、LAA(左心耳)が見えます。左心房の観察を続けます。

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3例の左肺静脈(lt.PV)を提示します。2例では LSPV(左上肺静脈)、LIPV(左下肺静脈)と Carina が確認できます。

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RSPV(右上肺静脈)と RIPV(右下肺静脈)です。

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LAA(左心耳)が観察できます。

3. 心室を観察する

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LV(左心室)の観察です。LVOT(左室流出路)、MV(僧帽弁)と腱索の構造も観察できます。

4. 大動脈弁・肺動脈弁を観察する

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AV(大動脈弁)の長軸像と短軸像です。

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Aorta(上行大動脈)を描出しています。次はPA(肺動脈)の描出です。

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ICE は、PA(肺動脈)の詳しい観察ができます。

5. 冠静脈洞・上大静脈・肝静脈と下行大動脈を観察する

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CS(冠静脈洞)入口部が観察できます。

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SVC(上大静脈)の観察です。

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hepatic vein(肝静脈)は ICE カテーテルを心臓に向けて進めると見えてきます。

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Aorta(下行大動脈)も ICE カテーテルを心臓に向けて進めているときに観察できます。

今回の ICE image は SoundStar を使用して取得したものです。

ICE は不整脈の治療に必要な心臓の解剖学的情報のほぼ全てを取得することができます。今回、心臓と血管の ICE image を見ていただきました。静止画ではわかりにくいところがあるので、今後、動画を提示していく予定です。併せてこれらの画像を描出するためのカテーテル操作の解説も準備していきます。

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