「“王たちの化身”は何者なのか」と、それに関するダークソウル無印の世界観について【ダクソ考察】

ということで記念すべき考察記事ひとつめ。

…の前に、こちらをご覧になっていない方は先にご一読ください。


さて、それでは改めまして。

今回はTwitterでぽろっと話した「“王たちの化身”は何者なのか」と、それに付随する「ダークソウル無印の世界観について」の考察です。

文章の流れがかなり雑ですが、まだ不慣れなので大目に見てくださると助かります。


さて、ダークソウル3のラスボスである“王たちの化身”。

あいつ、ご存知の通り木目ロリしやがるんですけど、そのモーションや名前、聴き馴染みのあるBGMなどからこう思っている方が多いと思います。

“王たちの化身”はかつて火継ぎをしたグウィンや無印主人公がひとつになってボスとして生まれた者ではないのか」と。

私も概ね同じように考えているのですが、そこで思考を止めてしまうとどうしても違和感がある部分が出てきてしまうんですよね。

というのも、火継ぎをした者はグウィンや無印主人公だけではありません。

薪の王たち(ルドレス、ファランの不死隊、エルドリッチ、ヨーム、ロスリック)も火継ぎを行っているはずなのに、“王たちの化身”には彼らの要素がほぼ全くないと言っても差し支えありません。


ではなぜグウィンと無印主人公の要素だけが残っているのかと言いますと、おそらく“火継ぎの手順”が関係するのではないかと思うのです。

ルドレスさんとの会話でウィンドウから“話す”を選択した時、以下のようなお話をしてくれます(行間の句読点を補完しています)。

なあ君、使命の意味を知っているかね。5つの玉座に5人の王を。それは火継ぎの準備なのだよ。いよいよ陰り、今にも消えんとする火を継ぎ、再び世界を繋ぐため、最古の火継ぎを再現するために…私は、そのために薪の王となったのだよ。この小人が、王の栄誉に浴したのさ

この“最古の火継ぎ”こそが無印の主人公がやったことそのもので、いわゆる“4人の王のソウル所持者を倒したのち、グウィンを倒して火を継ぐ”というもの。これと同じことをロスリック王子に再現させるために、4人の薪の王と火継ぎをするロスリック王子を準備していたんですよね。

結局ロスリック王子本人が計画をすっぽかして頓挫してしまったかに思われたのですが、奇跡的に灰の人が全く同じ過程を辿ったことで結果的に火継ぎはできるようになりました、ちゃんちゃん。といった感じのストーリーですが、お話ししたいのはそこではありません。

何が言いたいのかというと、この“最古の火継ぎ”と同じ過程を行った者しか“王たちの化身になる者”として認められないのではないか、ということです。

グウィンがどういう過程を辿ったのかは分かりませんが、神と不死では比べようもありませんし、そもそもグウィンが行ったことが“火継ぎ”と呼べるものかすら不明です。薪システムの先駆者ですし、もしかしたら火継ぎとは“同じ量の莫大なソウルを得て薪の席にいるグウィンとすり替わること”なのかもしれませんが、少なくともグウィンが薪となった後の最初の火の持続時間を考えると彼は“王たちの化身たりえる”者だったことは間違いないかと思います。

それから、無印の主人公。彼/彼女が辿った旅程は皆様ご存知のとおりかと思います。

かくして、“王たちの化身”は生まれたのでした。


というところでは終われないのです

どう見ても“王たちの化身”の元となった人物がグウィンと無印主人公の2人だけとは思えません。

これは言いがかりと言えばそうですが、無印主人公“1人”であそこまで多岐に渡る技範囲をカバーできるわけがありません。筋力モードになったかと思えば技量モードになるし、挙げ句の果てには魔術も呪術も奇跡も使ってくるし、レベルカンストでもしなければあんなことはできません。

無印をプレイした方で「火継ぎをした時にはもうレベルカンストだったよ〜」って方、そんなに多くはないはずです。どこかのステータスに多めに振る特化型か、バランスよく振る上質型か…みたいな、おおよそ“伸ばすステータスを決めてからその方針に沿ってキャラを育成してクリアした”方がほとんどだと思うのです。もちろんカンストまで育成した方もいるかとは思いますが。


以上の点から導き出されるのは、“無印主人公は1人ではない”のではないかという説です。

「いやそりゃお前、プレイヤーは世界中にいるんだから当たり前だろ」と言いたくなる気持ちもあるかと思いますが、それはあくまで“ゲームの外側の話”であって、“ゲームの内側の話”ではありません。


ということで、ゲームの内側に目を向けてみましょう。皆様考えるまでもないかと思いますが、ゲーム内で他のプレイヤーと交流する際に使いますよね…“サインろう石”。

ダークソウル無印でサインろう石を入手する際、白いサインろう石だけなんとソラールさんの解説付きで入手することができるのです。

そのソラールさんの解説が以下の通りです(行間の句読点を補完しています)。

ここは、まったくおかしな場所だ。時の流れが淀んで、100年以上前の伝説がいると思えば、ひどく不安定で、色んなものがすぐにずれやがる。貴公と俺の世界も、いつまで重なっているか、分からない。だが、こいつを使えば…世界のずれを超えて、協力ができる。霊として召喚することで、「ずれ」を渡るのさ。

ソラールさんが言うには、ダークソウルにおいて世界は“ずれて”いるのです。おそらくパラレルワールドのように、世界の“ずれた”位置に無数の“ロードラン”があり、そこを冒険している“主人公”が存在しているのでしょう。そして、それらの無数の世界は時には重なり、また時には離れたりを繰り返しており、その世界のずれを渡るための道具が“サインろう石”や“オーブ”なのです。

そもそもの話、NPCの“協力要請”であればジークマイヤーさんの共闘部分のように会話だけでも充分なはず。にも関わらず、オンラインと同じ“霊体システム”をオフラインでも協力できるNPCにも組み込んだということは、彼らは“霊体”で召喚できるということに意味があるということだと思うのです。


例えば、召喚霊体でしか登場しないビアトリスやタルカス、侵入霊でしか登場しないカークあたりについて考えてみます。

彼らの実体はゲーム上では一度もお目にかかれません。であれば、もしかすると彼らの本体は我々がプレイしている世界とは“ずれた”場所にいるのではないでしょうか。すなわち彼らはオフラインでも視認できるようにフロムに設計された“別世界の主人公”ではないのでしょうか。…と、私はそう考えています。

また、重なった世界が離れてしまった分かりやすい例はロートレクでしょうか。彼はアナスタシアを殺害した後に姿をくらませますが、黒い瞳のオーブを使うと分かるように、彼がいたのもまた“別世界”でした。…プレイヤーに助けてもらったときに世界が重なってなかったらどうするつもりだったんでしょうかね、彼。


以上の例から、王たちの化身となり得る“無印主人公”は1人ではなく、無数に存在しているという考えに行き着きました。王たちの化身の“無印主人公部分”は、私でもあり貴方でもあり…また、最初の火の炉に辿り着き火継ぎを行ったかもしれないソラールさんでもあるかもしれません。


…それから、ここでもうひとつ、「無印NPCの彼らが別世界の主人公だとしたら、遺体が出現するのはおかしいのではないか」と考える人もいらっしゃるかと思うので少しだけ補足説明を。

ダークソウル無印の世界においては、あろうことか“アイテム”までもが世界を渡ることができます。あまり馴染みがない方もいるでしょうが、“ベイグラント”がまさしくそれです。誰かの世界で捨てられたアイテムが拾われることなく別世界に流れ続けると蟹のような生き物として出現するそうなのですが、それと同じようにしてNPCの遺体や装備もプレイヤーの世界に“流れ着いて”くるのだと思います。


ということで少し脱線してしまいましたが、「ダークソウル無印では世界の“ずれた”場所に無数の“主人公”が存在している」というお話と、「王たちの化身は“グウィンや無数に存在した無印主人公たちがまとまって生まれた化身”である」というお話でした。

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