見出し画像

バネホックボタンの使い方

使えると作品の幅が大幅に広がる固定金具。
今回は金具の中でも頻繁に使うバネホックボタンについて解説します。

バネホックボタンとは

バネホックボタンはあえて保持力を弱めにしてあるボタンで、薄い革で作る小物や小銭入れのかぶせなどパチっと留めたいところ、比較的開閉の頻度が高いところ、ジャンパーボタンのようなあまり強い力で固定されては都合が悪い場所等に使用するボタンです。1mm厚以下の薄い革などでジャンパーボタンを使ってしまうと、開閉に必要な力で革が伸び変形することがあります。そのような時はバネホックボタンがオススメです。

逆に保持力はあまり強くないので、トートバッグの口留めのような、中身次第では大きな力がかかるような場所では保持しきれずに外れてしまう可能性もあります。作るものによってジャンパーボタンと使い分けましょう。

バネホックボタンは金具の組み合わせが限定されています。頭はバネと、ゲンコは足との組み合わせでしか打てず、ジャンパーボタンのように頭や足を自由な組み合わせで使うことができません

ただし、頭の代わりにハンシャというパーツを使えば両面を平面にすることができます。金具の厚みを抑えることができるので、パーツの内側に仕込む場合などに便利です。

画像1


使用工具

画像2

バネホックボタン
バネホックボタン打棒セット(使用するボタンにあったサイズ)
打台またはメタルプレート
ハトメ抜き
木槌、ゴム板 、目打ち等

一般的なボタンのサイズはプリム(極小)、No.2(小)、No.5(大)、#8050(特大)です。他にもNo.1などもあります(メーカーによって呼称が異なります)。バネホックボタン打棒は使用するボタンのサイズに対応したものを使います。他のサイズで兼用はできません
ハトメ抜きのサイズは以下の通りです。

プリム 8号+12号
No.2 8号+15号
No.5 10号+18号
#8050  15号+25号

頭側の穴のほうに大きなサイズのハトメ抜きを使用します。例えばNo.2であれば15号が頭側です。ハンシャを使う際もハトメ抜きのサイズは同じです。

打ち方

バネホックボタンを打ちたい場所に目打ちで印をつけ、頭を付ける方には大きいサイズの方のハトメ抜きを、ゲンコを付ける方には小さいサイズのハトメ抜きを使用して穴を開けます。
メタルプレートの適切なサイズの溝に頭を置き、革、バネの順に重ねます。
打ち具の凸の方を使用し、バネ側から打ち込みます。この時凸側にある形状に注意します。円柱ではなくやや長方形に近い形になっていますが、バネは2本の細い針金が並行についていますので、打ち棒の直線になっている部分をバネの間にはめる形で打ち込みましょう。あまり強い力で打ち込むと変形してしまうので、数回に分けて打ちます。打ち込んだら指でつまんで回してみて、軽い力で回転してしまわないか確認します。くるくる回る場合は打ち足りないのでもう少し打ちます。逆にバネ側が平べったくなってしまっている場合は強すぎです。

画像3

ゲンコ側は打ち棒の凹の方を利用して打ちます。こちらもある程度打ち込んだら指でつまんで回転しないかチェックします。打ち過ぎると頭が変形してしまい、打ち棒が抜けなくなるので注意します。使用する革の厚みにも注意しましょう。適切な厚みは足側についている凹みが革に埋もれない程度の厚さです。これが埋もれている場合はしっかり固定されずに外れてしまう可能性があります。

どちらも取り付けが完了したら何度かパチパチと付け外ししてみて、固定が十分であるか確認しましょう。革の厚みが適切でなかったり、打ち込みが甘かったりすると着脱時外れてしまうことがあります。
逆に打ち込みすぎて変形してしまい、ボタンがつかない場合はくい切り等を使用して外し、付けなおします。

まとめ

・保持力があまり要求されない場所に
・小銭入れなど、頻繁に開閉する小物などに
・使用工具はそれぞれのサイズによって異なり専用のものが必要
・打ち棒の向きに注意!

バネホックボタンは財布などの小物に使われていることが多く、長く使用して緩くなってしまったボタンの修理にもよく使います。打ち方を覚えてお気に入りのアイテムを長く使いましょう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?