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#リプライされたチョロQ曲をメドレーにする 2023 制作後記

今年もなんとか無事にこの個人的一大イベントをこなすことができました。今年は去年とは違いプレッシャーを感じる中での制作でした。去年の品質が高かったせいで期待値が上がってハードルも上がっていたのがかなり辛かった(多分ここ数年で一気にクオリティは底上げされたと自分でも感じているので、もともとハードルは高い気がする。怖いね)。今年もせっかくなので制作後記として、今年のチョロQメドレーについて振り返ってみたいと思います。3.5万字を超えているので、暇なときに読むことをおすすめします。

今回の製作方針

昨年(2022年)にメドレーを作るときの意気込みとしては「去年(2021年)は妥協しまくりの酷い出来だったから、今年は頑張るぞ〜」っていうやる気満々な状態だったんです。お陰で起承転結も緩急もしっかりついた、ある意味で完璧なメドレーになったなという自負があります。それがあっての今年は意気込みとしては「去年のは超えられねぇよ流石に無理だわ…」というかなりマイナスな感情でのスタートでした。いや、2022年のメドレーのクオリティがあまりにも高い。クオリティが高いのは良いことなんですが、それゆえに次回作はどうしても期待されてしまうもの。「前回が良かったから今回のも期待しています!」みたいなハードルは今まで超えられた試しがないので、この状況下に対する成功体験が皆無(何なら記憶の限りだと全部失敗している)という意味でもかなりネガティブな面持ちでした。でも楽しみにしていただけてるなら期待には答えられるように努力はしなきゃねぇ。。
そんな完璧とも言える2022年のアレンジでしたが、強いて言うならまだアレンジ自体はある程度手を抜いていたんです。これは意図的で、大量の曲をつなげるに当たり、作業の負荷を下げるためでした。実際、ピアノはほとんどがジャーンと白玉(全音符)で弾いてたり、ある程度音数は普段の曲作りよりは減らしていたり、メロディはベタ打ちだったりしてました。じゃあ今年は去年を超えるにはアレンジに気合いを入れるのが脳筋で力技だけど手っ取り早い方法だなと。
というわけで今年の制作方針は「アレンジに力を入れる」の一点張りでした。正確には編曲の品質と言いましょうか。ピアノとかずっと動いてます。リードギターもあまり棒打ちじゃないです。ベースは音圧を上げるために3本くらい重ねてます(スロットカーレースのイントロとかがわかりやすいと思います)。あんまりこういうこと言うのもなんですが、多分私の曲をリプライメドレーでしか聞かないという人もいると思うので、その人に対して私の本気を叩きつけるという意味でもちょうどいいでしょう。作業効率はガタ落ち、作曲用ソフト(Cubase)も幾度となくフリーズする地獄の牛歩アレンジでしたが、まぁ今回はしょうがない。ここ数年でなぜか自己肯定感が下がってきたというのもあり、かなり自分に鞭打つやり方でしたが、結果としては過去最高のクオリティになったんじゃないかなぁと。なってたらいいなぁ。。自分で聴く分には、今回はメドレーのどこを切り取られても十分高い品質の、そのままアレンジ作品として世に出せるようなクオリティになっているんじゃないかなと思います。カッティングギターとかはオートプレイのもの、ドラムはかなりのところでコピペしているので、まだ追い込めはするんですが、流石にこのくらいが作業負担的には限界といったところです(正直少し限界は超えてましたがまあいいでしょう)。さすがにこんなに頑張るのは今年だけでいいかな。
あと、今回は前回以上に1曲1曲を大事にしようと思い、あんまり曲内でのカットはしていません。以前はAメロなどを半分サイズにギュッとしちゃってました。しかし、やっぱり通して聴いていると違和感が強くて嫌だなとどうしても思ってしまうことが自分でも多々あり、ここは完成までの効率より1曲1曲の品質を曲調でも担保する方向にしました。なんていうか、特に知っている曲だと聴いていて脳内でメロディが流れちゃって、それが「あぁ、カットしちゃったのね」って思うことって結構残念な気持ちになってる気がした。完成させることはもちろん一番大事ですが、その上で完成度や満足度をあげることも結局大事。Aメロが8小節のものを4小節にカットするのは過去作ではよくやっていましたが今回はほぼなしです。Aメロからサビにワープは今回も良くしていると思うんですが、サビを使うならサビ内でカットせずにフル尺で、という感じです。さすがにさり気なく半分サイズにしちゃったところもありますが、今までと比べて違和感はかなり減らせたかなと。ドリームパークはカットの嵐なので原曲をよく知ってる人からするとまだまだ違和感は感じるかもしれません。とりあえずカットを減らしたので、1曲あたり今まで30秒~45秒位を意識してましたが、今回は45秒~1分くらいで回すことを意識してます。キリが良かったら30秒で切り替えちゃったのもあったはず。
とまぁ、今回はかなりこだわり抜いたアレンジや構成でお届けしているので、平日だと1日あたり0.5曲、休日だとどれだけ頑張っても1日あたり3曲ほどずつしか進捗を生み出せず、今回リプライメドレーとしては初めて締め切りを落とす羽目になってしまいました。楽しみにしてくださった方々にはおまたせしてしまい申し訳なかったです。いちおう毎回募集の際に「間に合わなかったらごめんなさい」って言っているので、ある程度は自分ファーストに毎回動いてはいたんですが。間に合わなかった分、今回は静止画ではなく全編動画を採用して、何となく眺めるのにもいい感じのものにはできました。結構静止画から動画に変わるだけでも印象が違いますね。ちょっと回数を重ねるごとに作業負荷が上がってきているので、来年以降は対策を練っていくつもりですが、それについては最後に書いておきます。

曲順選定

今回のお守りこと曲順指示書。
相変わらず怪文書ではあるが、これがあるのとないのとでは作業効率が実はかなり変わってくる

さて、いつもメドレーを作るときは、ある程度リクエストが集まり始めた段階で数曲の塊で曲順を作って、その塊をつなげるという方針で割と早い段階から考え始めてます。今回は作ってる最中でも曲順を大幅に変えることがあり、なかなか悩みました。今回はBHE開発作品と田辺さん作曲の楽曲にかなり偏っていたので、曲順はなおさら適当には決められません。迂闊に曲順を決めてしまうとダレの原因になり得るので可能な限りを尽くしたいところです。
話を進めていく上での前提ですが、リプライメドレーはリプライをくださった方およびチョロQというコンテンツが好きな人をメインターゲットにしています。つまり、チョロQというゲームのシリーズについてある程度詳しい人を引き込むことを第一に考えて作っているわけです。
その考えの中では曲順は非常に重要な要素であります。私の中で、曲順を決める際の大きな軸として、聴いている人の心がどれだけ「おっ」と動かさせることができるか、というところがあります(昨年の制作後記で言うところのライブセトリパターンにあたります)。この感情って楽曲のアレンジの仕方もある程度は影響しますが、ほぼ「いかに原曲が好まれているか」、「認知されているか」、といったところに左右されると考えています。例えば、別のゲームで恐縮ですが、グランツーリスモの新作をプレイしたときに、オープニングはどんな素晴らしい楽曲よりもギターが鳴り響くMoon Over The Castleが来たほうが本能的にぶち上がっちゃうのは想像しやすいかと思います。そして聴きはじめの期待感、聴き終わりの心地よさを考えると、この感情はメドレーの最初と最後では確実に生じさせたい。
「いかに原曲が好まれているか」、「認知されているか」の2点を満たすのって、チョロQの中だとわかりやすく「タムソフトシリーズ」の楽曲なんですよね。なので今までのメドレーでも序盤と終盤にタムソフトシリーズのチョロQのBGMは固めていました。特に昨年(2022年)はタムソフトシリーズからのリクエストは10曲もあったので、盛り上げたいときにうまく差し込めば、メドレー全体としての流れの起伏はある程度容易に作ることが可能でした。しかし今回は「タムソフトシリーズ」のリクエストはなんと5曲。数だけ見たらシンプルに半減。このあたりはリクエストによって左右されてしまうのがリプライメドレーの面白くも難しいところ。なのでどこでタムソフトの楽曲を切るのかは慎重に決めて、ここぞというときに盛り上げに行く切り札として使用せざるをえない状況で、なかなか難しかったです。更にいうと繋げやすさも関わってくるので「ここにタムソフトの曲仕込みたいけど繋げられない」なんてこともしばしばあります。
最初セットリストを決めたときは冬山は最初の方に配置して序盤を派手に盛り上げに行き、ファイナルエリアとかエンディング系とかを後ろに持ってきて「やっぱりこういうのは終盤だよね」感を出そうとしてました。楽曲は本当に素晴らしいものなんですが、いかんせん私がアレンジを頑張っても後半が「いい曲だなあ」で終わらせられかねないかなぁと判断して、一気に順番の組み換えを行ってました。最初定番曲で盛り上がっても、後ろが「いい曲だけど…まぁ…知らんなぁ…」だったら最悪「もうええか」と途中で聴くのをやめられかねない。序盤で生じさせた期待を回収に繋げるためには、あえてこの手の隠れた名曲は真ん中に持ってきて、期待バフのかかっているうちに「え!?この曲知らないけどめっちゃいいじゃん!」と思わせるようにして期待を持続させて、最後は「ああああああ秋の山サイコー!!」みたいな流れで満足感を与えて期待の回収を行う感じにしています。少なくとも今回のメドレーの曲順は大枠としてはそういう意図です。ある程度はアレンジによって盛り上げることは可能だと思うんですが、好きな曲や人気な曲はどうしても本能的に目立ってしまうところなので、特に今回は順番にはかなり気を使わざるを得ないですね。。
あと若干今回こだわった点としては、「なるべく同じタイトルを連続させない」というのがあって、結果として【デストラクション】→【ザンブニール攻防戦】(新コンバットチョロQ)と【ドリームパーク】→【ウェスタンキャニオンロング】(チョロQHG)の2箇所だけが同じタイトルの連続になりましたが、ほかはいちおう別のタイトルでつながっているはず。これはメドレーとしての刺激を与えるための作戦で、チョロQってタムソフト系統以外は基本的に1タイトルにつき作曲が1人なんです(Qボートやワークスは若干複数人ですが一旦割愛)。同じ人が作る曲は手癖の影響もあり、どうしてもどこかしらでその人の息吹を感じ取ることができ、安易に繋ぎやすいというところがあります。DJならその方法でどんどんつなぐのがいいと思うんですが、あくまで私はDJ Mixではなくアレンジメドレーを作っているので、DJではできない繋ぎ方をなるべくしたいという思いが最近はありまして。ある程度同じタイトルを繋げない制約を課することで、安易な道に逃げないようにするという方法を取っています。単純にそっちのほうが作品として小さな起伏が連続するので、聴いていて飽きが来ないというのもあります。今回おなじタイトルでつなげちゃった2つについて言い訳をすると、【デストラクション】→【ザンブニール攻防戦】はザンブニール攻防戦がどうしても他の繋ぎ方でうまくいきそうになく諦め、【ドリームパーク】→【ウェスタンキャニオンロング】は早々にこの繋ぎ方が思いついちゃって面白そうだったのでそのままにしました。
あと、今言った理由だと「タイトルが違っても同じ作曲者ならアウトでは?」というところがあって、その場合は【グッドウェイ】→【デストラクション】(どちらも山田靖子さん作曲)はどうなんだ?と指摘されるかもしれません。これはまぁ、許してやってください。難しかったんです。今回山田さんの曲がかなり多いからある程度はしょうがない。【ファイナルエリア】→【スロットカーレース】(どちらも葛岡善哉さん作曲)はそもそも曲調がかけ離れているというのと、そこまで同じ息吹は感じられない曲感だったので繋いでも良いかなと。【ビーチケイブ】→【クレセントレイク】(どちらも山田靖子さん作曲)は水コースの流れを作りたかったので意図的にこの繋ぎにして、【秋の山】→【メニュー1】(どちらも梅垣ルナさん作曲)はまぁ終盤の盛り上げなので文句言われないかな。定番曲オンパレード地帯なので、その曲の存在が刺激的&最後の曲への期待感を煽るつもりだったのでこの並びとして採用しています。
とは言いつつ、メドレーの終わらせ方も今回悩みました。ほぼ曲順を最終決定したとき、最後に冬山を持っていくか、チョロQ3のメニュー1を持っていくか、というのはその曲に取り掛かるギリギリまで悩んでいました。というのも、メニュー1を最後に持ってきたら、例えばセーブする音を挟んでゲーム画面を彷彿とさせながら終わらせられたり、シグナルでメドレーを終わらせてメドレー全体としてはシグナルで始まってシグナルで終わるきれいな流れが作れたりと終わらせ方の幅が広くなります。ただ、レースゲーム好きとして「セーブ音で終わらせたら急に終わることになって消化不良になる可能性がある」「シグナルが鳴ったら曲は始まらないとやっぱ締まらん」というところもあり、今回はあのような流れになりました。冬山のサビでピアノソロも作りたかったからこっちで良かったかも。

没になった初期曲順案、後半の盛り上がりが足りないと判断して考え直した結果、今回の曲順に。

さて、今回も一曲一曲、繋げ方とかアレンジについで紹介しつつ書き上げてみます。

セットリスト

00 Opening S.E.

今回から各曲の背景を動画にしました。動画にするだけで見栄えが段違いですね。

メドレーの冒頭30秒は説明時間のために、毎回0曲目として1曲目を盛り上げるためのブリッジを作っています。ある意味ここが最もオリジナリティを求められる、作曲の作業になります。自分でも毎回どんなの作ろうか楽しみにしているところでもあります。前回はライブが始まるオープニングSEをイメージしたChocolate Sundae風オープニングでした。
今回は初手にミステリーハウスを置くのだけは早々に決まっていたので、それをより印象深くさせるようなオープニングにしたいなぁと思ってました。ミステリーハウスってうまくチョロQの世界に落とし込まれた不気味な館という印象があったので、そこへつなぐことを意識してちょっぴりホラーチックな不穏な感じのオープニングにすることにしました。オルゴールとストリングス(オーケストラ)の2つだけでちょっと不穏な感じに攻めてみました。さらにこれを作ってて、「ホラーだったら謎の店(Q3)かトラッカータとフンガ(HG4)のどっちかはほしいよなぁ…」と思い、途中でいっきに謎の店にもっていって(Q3繋がりということで謎の店を採用)、1曲目が始まっていないのに早々からインパクトを与えに行ってます。今回の私は本気だぞ。
さらにさらに、ゲームをやったことある人ならミステリーハウスといえば?と言われたら、それはもう超印象的なスタートシグナルでしょう。これは入れない訳にはいかない。Spliceでそれっぽい笑い声と叫び声、足音を探して、ドアを開ける音はフリー素材から引っ張ってきてそれっぽくなりました。ちょっと笑い声の間隔は気合いで手動調整はしたはず。
オープニングから「おぉ、ちょっと不穏な感じだなぁ → あれ?これ謎の店じゃない??? → うわぁぁミステリーハウスがくるううう」の流れを誘導できたのは、我ながらかなりうまく行ったなと大満足のオープニングです。

01 Guilty (ミステリーハウス)

初期装備にハンドルだけ強めにした装備で録画したんですが、実は普通に清掃車に負けた。
プロは完全初期装備で勝てるらしい。

しっかりお膳立てしたので、もちろん期待通りにミステリーハウスで開幕です。今回はとにかくアレンジに気合いを入れるつもりだったので、1曲目からアクセル全開の全力アレンジです。1曲目から高クオリティにしてしまうことで、後ろもそのクオリティを目指さないといけなくなり、後々に私を苦しめることになるのですが。そういう方針にしてしまったので覚悟のアレンジ作業でした。
構成はシンプルにイントロ→Aメロ→Bメロと原曲通りに。原曲と比べて伴奏はいろんな音を重ねていますが、概ね原曲と同じ構成にしています。で、手癖でアレンジしたらノリノリな感じになって「いいなこれ」となったので、ノリ感を強調するために、リズムパートとして4つ打ちのサンプルビートを2種類重ねてかなりノリノリなアレンジになりました。低音がズッシリと聴こえるとノリノリに聴こえやすいです。ピアノのフレーズとかよくある形ですけど、気持ちよく決まって満足してます。ピアノで左手と右手を左右にバタバタさせる動き大好き。
その後、原曲ではギターソロに入るところで次の曲のメロディをギターで奏でて一気に繋いでいきます(でも実は薄っすらと裏のシンセで原曲のギターソロも流してたりします)。

02 Moonshine Coral (コーラルリーフ)

Qボートのレース特有のなぜか3Dモデリングされた「READY?」が飛んでくる演出が
クセになって好き

Qボートの中でもカッコイイ楽曲のコーラルリーフはAメロから。メロディをギターソロに見立てて、ミステリーハウスのギターソロパートに重ねています。ここはキー(調)を合わせるため、ギターのフレーズは全音下げて揃えています。Aメロが半分終わったら強引に転調して原曲のキーに戻して、完全にコーラルリーフのパートに移してAメロ後半に突入。その後、Aメロが終わったらそのままサビに行こうと思ったんですが、このままだと2020年のときのメドレーで入れたコーラルリーフと同じ尺になってちょっとつまらないかなと思い、急遽ちょっとだけBメロを入れました。サビは次の曲につなぐために半音下げすることは確定していたので、半音下げ転調のための布石と言う意味でもちょっとだけBメロを使って無理くり実現しています。実はほぼオリジナルフレーズですが。。
サビは原曲を踏襲してテナーサックスを鳴らしつつ、ギターもユニゾンさせて気持ちいい感じに。ギターをユニゾンさせるのは大好きなので、何回でもやってしまいます。そして今回のメドレーからは管楽器の音が一段とリアルな音になったのも特徴ですね。サックスの音めっちゃいいでしょ!?SWAMシリーズの音源がとても私の肌に合う操作感と音だったので、今回のメドレーは生々しい管楽器の音をふんだんに用いています。
サビが終わったらそのまま曲が終わる…かと思いきやで次の曲にガラッと変わります。

03 タイトル/スカイハイウェイ 他

知り合いに言われて知ったんですけど、
HG4のリプレイのカメラの動きや演出はとんでもなく高クオリティで
プレイヤーを盛り上げてくれます。

HG4のタイトル画面でも使われている名曲です。今回は作曲者である葛岡善哉さんがHPで公開されているバージョンでお送りいたしました。もし葛岡さんの楽曲が好きで、葛岡さんのHPをまだ見たことがない人は絶対に行ってください。行きなさい。サンプル音源のところでHG4の楽曲が一部生ギターが入っていたり音が変わっていたりと、ゲームの音に変わる前の最高のバージョンを聴くことができます。
さて、繋ぎの部分は前の曲を終わらせたあと、こちらの楽曲のサビ前ブレイク(キメのこと、伴奏全体で一体となって盛り上げている部分)をいきなりぶっ込んで、一気にぶち上げる大盛りあがりな展開にしました。ここはBHEさんこだわりのカメラワークのリプレイ映像も相まってかなり盛り上がるポイントになったかなと。自分で見ててもちょっとぶち上がっちゃう。コーラルリーフのサビを半音下げたのは最後のロングトーンの音階を、こっちの楽曲のサビの調にうまく合わせるためでした。
アレンジは基本的に原曲を踏襲しつつ、自分なりの手癖も入れてかなり好きにやっています。裏メロのストリングスは勝手に入れた。爽やかでポップな楽曲は私の得意分野だ任せろ。大好きな楽曲なのでサビもフル尺、その後イントロに戻るところまで贅沢にアレンジしました。よく聴くとサビがほんのちょっぴり切なくて本当に最高の楽曲。大好き。ちょっとイントロのフレーズが音小さかったかな。最近、チョロQHG4の楽曲の素晴らしさに気づいてよく聴いているんですけど、聴けば聴くほど魅力的な楽曲ばっかりです。
イントロ後半の裏ノリになるところで次の曲をオーバーラップして繋いでいきます。

04 上級サーキット

実は去年の上級サーキット用にキャプチャした静止画は動画で元を保存してたので
そのまま使いまわしました。

最近はよくリプライメドレーでリクエストされる上級サーキットは毎回つなぎ方に悩む曲です。なにせテンポが速いのが特徴なのでなるべくそこを殺さないようにしたいところですが、前後の曲について何も考えずにつなぐと、唐突に速くなった印象を与えかねないです。今回は前に配置したスカイハイウェイのテンポも速いので、今のうちにコイツを差し込んで消化しておこうとぶっ込みました。早めにタムソフトを切っておくことで序盤の段階でだらけずに盛り上がる効果もあるので、早々にタムソフト2枚目のカードを切ります。
しかしながら、ただ速いテンポというフィールドを準備してもつなぐのが難しいところ。というのも、この楽曲はわかりやすく長調(イントロ、Aメロ)と短調(Bメロ、サビ)が入り混じっていて、適当につなぐと長短がいきなり変わって違和感を起こしかねないんです(長調は明るい、短調は暗い雰囲気とよく言われますね)。さらに、この楽曲はよくリクエストされるのでいつもとは違う感じのつなぎにもしたかった。最初はギターソロを使って繋ごうかと思ったんですが、ここのギターソロは短調で、スカイハイウェイは長調なのでうまく合わないから取りやめ。最悪ギターソロを長調に変換するという方法はありますが、最終手段ですね(かなり前ですが、2018年のリプライメドレーのラストでコスモスピードから未使用2のシンセソロに繋いだときに、シンセソロを長調→短調に変換する力技をやっていたりするので、実績はある)。「じゃあどうしようかなぁ」とスカイハイウェイと上級サーキットの原曲を切り貼りしながらごちゃごちゃと草案作っていたら、唐突に今回のつなぎ方を思いついて、そのとおりに繋いでみました。唐突にぶっこまれるけど「お?上級サーキット来る??」という期待感を煽るいいつなぎになったんじゃないかなと。DJがこういうつなぎ方したらクラブは盛り上がりそう。
アレンジはロックに、ギターに主役を任せてガンガン突き進むAメロにしました。いつもはショートサイズでA-B-サビと展開しますが、今回はフルサイズでA-サビと展開させてます。サビもギターにしようかなと思いましたが、次の曲にきれいにつなぐために、いつぞやのディープケイブのアレンジでも大活躍したあのSWAMのトランペットにリードを取らせました。これはこれでアツいアレンジになったんじゃないかなと。前後のつながりを考えて音色を選定するのも大事だなと最近思うようになりました。本当はアレンジ全体で統一感を出すために使う音色をもっと絞りたいんですが、原曲のイメージもある程度は損ねない程度の音色を使いたいとも思ってしまい、なかなか良い落とし所があんまり見つかってないです。このあたりはメドレーをつくる人によって結構意見が変わってくるところのような気もします。
サビのラストでいきなりガラッと次の曲に切り替わります。

05 はじめのサーキット 他

はじめのサーキットは前作の穏やかな郊外の雰囲気を受け継いだ名曲です。

上級サーキットは先述した通りサビは短調(Aマイナー)なんですが、サビの終わりの方ではイントロに戻るためにうまく長調に転調してます(Aメジャー、#3つ)。専門家的にはモーダルインターチェンジとかああいうのなんですかね。このサビの終わりで長調になった瞬間を狙って、同じく長調で調号も近いはじめのサーキット(Eメジャー、#4つ)のループ前フレーズにガッツリ切り替えました。これは唐突なつなぎでしたが、かなり鮮やかな繋ぎになったのではないでしょうか。ゆくゆくの目標としては殆どをこういうさりげないきれいな繋ぎ方にしたいものです。
原曲の時点で元気いっぱいなハイテンポな楽曲なので、それを潰さないようなアレンジにしています。具体的には基本的な楽器構成は一緒にしつつ色々音を増やしている感じですね。特徴的なイントロから一気にBメロに持っていってサビと、トランペットがずっとセンターを貼る流れで曲内は構成しています。前回のメドレーではバイオリンがメインでしたが今回は管楽器がメイン。原曲ではかなりいろんな音が暴れているので拾いきるのは難しいものの、ストリングスとかピアノあたりはある程度は拾ったつもり。なかなか大変でした。ストリングスはある程度はこっちで勝手にフレーズも作ってたかも。実は影に隠れがちですがチョロQ64系のBGMはかなり良質なので、アレンジすると大体の楽曲は化ける可能性があります。
再びループ前フレーズまできたら、このフレーズをうまい具合にもじって次の曲に移ります。

06 ラピッドリバー 他

アドバンスの人気曲というイメージ。
ラピッドリバー自体はご覧の通りなかなかすごいコースの形をしてます。

チョロQアドバンスの名曲といえばラピッドリバー。ラピッドリバーもループ前フレーズがわかりやすく繋ぎやすい楽曲のため、はじめのサーキットのループ前フレーズとうまくがっちゃんこさせて「あれ?なんかラピッドリバーになってた」という感じになるようにつなぎました。「フレーズもじり」はまさにアレンジメドレーならではの技なので、使えるときは積極的に使うようにしてます。わかりやすいフレーズをうまく差し込んでそのまま流れで切り替える作戦です。
今回はフュージョンっぽくギターにリードを取らせるアレンジにしてみました。次の曲との兼ね合いもありますが、やっぱりギターがメロディをやるとかっこいいですね。ほぼまるっと一周そのままアレンジして流しました。コード含めた伴奏もかなり好き勝手にやったり、「癖(ヘキ)」を入れたりして自分で勝手に気持ちよくなってます。さり気なく音を外していけ。昨年の後記でも書きましたが、こういうシンプルなチップチューンは耳コピでもしない限りはアレンジの正解が完全に存在しないので、好き放題アレンジできて本当に楽しい。爽やかな楽曲なので私との相性も抜群だったんじゃないかなと。
ループ直前まで来たら一気に次の曲に移ります。

07 ビッグドーム

チョロQ2の旧コースの初級サーキットとビッグドームが異様に難しい…
(さいこう装備で勝つために1時間くらい回しっぱなしで録画した)

左右からギターをギュイーンとさせて、ドラムをツクテーンとさせて一気にビッグドームにつないでます。チョロQの中でも爽やかながらゴリゴリにロックな楽曲。この手のロックは、聴いてる側をぶん殴るつもりで一気に切り替えると衝撃とかっこよさから印象に残しやすいかなと。いきなりイントロの痺れるギターソロで殴りかかりましたがどうだ!?
実はリプライメドレーでは初めてリクエストされた楽曲なので気合い入れてアレンジしています。ロック感を全面に出すためにツインギターによるバッキングです。イントロ→Aメロ→Bメロ→ブレイク→サビ→ギターソロと原曲を切り貼りしたかのようにあちらこちらへ展開させてみました。フレーズの短縮の違和感よりは肯定的な感情になれるかなと思います。「おぉ、こっちいくのか、あ、戻った」的な心理を生じさせて聴いてる人の興味をもたせる作戦です。基本的にリプライメドレーはチョロQが好きな人をターゲットにしているので、どの曲もそういう人に対して心理誘導を試みているつもりです。
Aメロのメロディについて、原曲ではメインメロディのあとに左右にエコーのブラスが鳴っています。ここはアレンジや演奏などでオミットされることが多々あるんですが、ここは私の強いこだわりで(ソフトがクラッシュするのもままならない状態ですけど)トラックふやして無理やりエコー部分も作ってます。ワタシ的にはあのエコー部分も含めてメロディだと思ってる。他の人がオミットして採譜することの否定は全くなくて、あくまで私だったらそこもメロディとして採譜するという話です。あとはサビでちょっと頭が後ろにズレてるリズムにしたのは私のヘキです。ちょっとためて開放するのが気持ちいい。
ギターソロまで入ったら、チョロQマイスターの皆さんなら「あれ??このフレーズは????」となったことでしょう。まさかのギターソロをトリガーにして次の曲に移ります。

08 Crystal Moon (アイスプレート)

氷山の麓の深海コース?チョロQの雪系コースは全長の長いコースが多い気がします。

Qボートの中でも起承転結がハッキリしてて気持ちのいいロックな楽曲はまさかのギターソロから。前回のメドレーではギターソロがほぼなかったので、今回は積極的にギターソロを入れてます。アイスプレートのギターソロってビッグドームの調と一致していて「こいつはちょうどいい、ビッグドームの伴奏にこいつのギターソロを載せてやろう」と順番を直してるときに思いついてシメシメとなっていました。しかしこれがなかなか難しかった。皆さんもビッグドームとアイスプレートの原曲のそれぞれで手拍子してみるとわかっていただけると思うんですが、この子たちテンポが全然違うんですよね。これは参った。アイスプレートをビッグドームのテンポに合わせると超高速プレイ状態で、ただの早送りになってめちゃくちゃダサい。今回は苦肉の策で、初の試みとしてアイスプレートのテンポを1.5倍で解釈してオーバーラップさせてみました。フレーズ自体は三連符の嵐になってるし頭もずれるしでなかなか香ばしいですが、ギターソロならぎりぎり許されるレベルでしょう。なんとか違和感なく重ねられたと思います。
その後はそれっぽくドラムのフィルを挟んで、テンポも戻してアイスプレートのサビへ逆行します。ギターソロ含めたら結構な秒数もう使っちゃったかなと思い、ここはあっさりと。余裕あったらメロディにしゃくりとか諸々の細かいテコ入れしようと思ってたんですが完全に忘れて棒打ちのメロディに。アレンジ頑張るとか言っておきながらこんな初歩的なミスをしてお恥ずかしい。次からは気をつけます。
サビのラストフレーズのかけ上がりを使って、次の曲のイントロフレーズに持っていって一気に落として移行します。

09 スノーパレスマウンテン

スノーパレスマウンテンのMコースはHG3らしいアスレチックさが程よく点在する
走っていて楽しいコースです。先頭を走っていれば雪玉にはまず当たらない。

HG3の雪コースの名曲スノーパレスマウンテンは一筋縄ではいかない細かいフレーズのオンパレードで大変でした。最初はうまくイントロの一番最初に持っていって「テッテーーーーーーーーーーーー(rit.)」で引き伸ばしまくって「何??え、何??」と思わせてから一気に落とそうと思ったんですが、あんまりかっこよく決まらなかったので今回は無難なつなぎ方に。どちらにせよ唐突に変わるのでびっくりさせたかもしれないです。
ここから数曲は再びノリを重視したアレンジにしたかったため、再度ドラムのサンプルも上から重ねがけしながらだいぶリズムが前に出てきているアレンジにしました。ディスコキングケイブへの流れを可能な限り自然にしたかったので布石として。。とはいえ、ドラムとベースのリズムがカッチリと決まってかっこいいアレンジにできたのでかなり満足。この手のベースの動きはスラップ奏法が映えるって相場が決まっているんです。クラビの音とか動きすぎて音取るの地獄だったけど、それっぽくなったしよしとしましょう(WIPで上げたやつだと頑張って音を取ったのがわかりやすいと思います)。スノーパレスマウンテンをアレンジなんて考えたこともなかったんですが、結構化けましたね。すごい。
次の曲へのつなぎは予想しやすかったかもしれませんが、ループ前の静かになったところを使ってすかさず切り替えてます。

10 ANY-ROBO (グッドウェイ)

カモメがなぜか標的の居場所を教えてくれる。そこに論理はない。

Qボートの楽曲でもちょっと変わった雰囲気を持つ楽曲。戦隊モノの雰囲気なども感じ取れる面白い楽曲です。音を取っていて初めて気づいたんですが、ベースがチューバみたいな譜割り(メロディのリズム)で驚きました。
スノーパレスマウンテンの一旦静かになって「デッデッ!!」と鳴らす部分まで来たら、それっぽく一音挟んでグッドウェイのイントロ中盤に持ってきました。イントロ序盤のフレーズ(デデデデッ!!)が印象的ですが、あらゆるところで鳴らされているのでイントロのここをカットしても特に問題はないかなと判断。直後で鳴らすので。
イントロのあとはBメロへ。ここまで、テナーサックス、トランペットとリードを取っていきましたが、ここからはソプラノサックスのターンです。高音の情報量が豊かな楽器なので、そこをうまく活用した音域で哀愁漂う感じにしてみました。管楽器全般に言えますが、ビブラートをうまくフレーズに挟むことがとても重要。でもBメロのメロディの音をもうちょっと圧力増させたかったな。
Bメロで情緒たっぷりに演奏したあとはサビで感情の昇華と言わんばかりにギターとユニゾンさせてアツい感じにしてみました。この曲、原曲の段階でかなりシンプルなものになっているので、色んなアレンジができそうで面白いかもしれない。人によっては演歌アレンジとかすぐにできちゃうんじゃないですかね。
サビが終わったらアウトロに行き、アウトロのオケヒがなるところで、このオケヒをトリガーに次の曲に移ります。

11 デストラクション

新コンバットは特にBGMが小さく効果音にかき消されがちなんですが、
よくきいてみるとかっこいい曲が流れていたりします。

新コンバットのめちゃくちゃかっこいい曲。グッドウェイで高まったアツさをそのまま保温させるように、スルッとイントロに繋ぎました。映像も一旦暗いままにして「曲変わったけど何だこれ?」と思わせてから、印象的なストリングスのフレーズとともにゲーム画面のカウントダウンするところを出して「うおおデストラクションだ」とさせてメロディに突入させる、新コンバットを知ってる人ならちょっと前のめりになってくれたらいいなと期待した繋ぎと演出にしてみました。2021年のメドレーでリクエストされて知った曲ですが、本当にかっこいい名曲ですね。
新コンバット系はエッセンスとしてシネマティックな(映画音楽みたいな?)雰囲気を出したかったので、それっぽくパーカッションのサンプルも重ねています。DTMに詳しい諸君ならDAMAGEを使ったと言ったら伝わるでしょう。気軽に映画音楽っぽい雰囲気を出したいときに重宝してます。本当はもっとこいつの音を強くしてハリウッド音楽感出したかったのですが、バランス調整がなかなか難しかったんです。。
ソプラノサックスを主軸に、トランペットと掛け合うようにアレンジしてて、その後ギターも入ってきて盛り上がるような構成にしてみました。原曲と比べてノリを増しつつも、なかなかクールなアレンジになったんじゃないでしょうか。かなりお気に入りのアレンジです。

12 ザンブニール攻防戦

なにやらアツいやりとり、お陰で楽曲の雰囲気もあっていい感じに盛り上がってます。

デストラクションのサビでオケヒ連弾(デンデン!)がかかったら、そこをトリガーにいっきにザンブニール攻防戦に持っていきました。つなぎとしては無難なシンプルなものですね。他のつなぎ方が全然思いつかなかった…。新コンバットは幼少期に触ってこなかった身なので、楽曲やゲームに対する理解度がまだまだ低い。
アレンジはデストラクションの雰囲気を継承しています。映像がなかったら曲が変わったのが気づかれないかも。原曲と比べるとこちらはガッツリ変わったので(テンポも速いし、がっつりビートを刻むバンドアレンジなので…)、特にゲーム中ではBGMが全然聴こえないこともあり、ゲームをやった人でも「こんな曲あったっけ…」となってしまっていたかも。しかも今回は曲の流れが原曲とは違いますからね。つなぐにはこんな感じにするしかなかった。色々と今回悩んだ曲です。
採用区間は、まずサビに行き一通りソプラノサックスとトランペットで情緒的に演奏し、そのあとイントロ直後のフレーズにワープしてソプラノサックスがソロでさらに感情的にメロディを奏でます。最後にイントロにワープしてギターも入れてちょっと情熱?的なアチアチな感じに。イントロのフレーズはゲームやってたらもしかしたらピンときたかもしれない。コンバット系に多いこういうオーケストラやブラスバンドな楽曲は私の土壌にはないため、普段からアレンジするときでもガッツリ改変アレンジになってしまうことが多いですね。まぁこれはこれで面白いんじゃないかなと。
あと、デストラクションからビートの音圧を受け継ぎつつ、さらに電子音的なサンプルの音もイントロで増やして、なんとかしてディスコキングケイブへの唐突な切り替えに対して衝撃を和らげようとはしています。そしてイントロ終盤から一気に加速してお待ちかねのディスコタイムになります。

13 ディスコキングケイブ

Lコースは子どもの頃苦戦した思い出のコース。
ホバークラフトのおかげで当時は勝ち抜くことができた。

ザンブニール攻防戦のオケヒ連弾から一気にディスコキングケイブに殴り込みました。さすがに曲調もガラッと変わるから聴いてる人をぶん殴るつもりで一気に変えるしかなかった。テンポもちょっと上がるので、切り替わる際に引き寄せて、周りの音も相まって加速して切り替える感じにしました。以前(2020年のメドレー)、Newスタジアムとかサイバーを入れたときは、電子音楽への切り替えはうまく行ったんですが、今回はちょっと強引すぎて35点ですかねぇ。ただ、加速して切り替える点は、下手するととんでもなくダサい切り替えになりがちなんですが(2021年の秋の山から夜の海への切り替え方なんてそのパターンですが、今聞いたら酷くて聞いてられない…)、今回はまぁいい感じになったかなと。ダサくはないはず、うん。
さて、アレンジはEDMを意識したものとなっております。テンポはだいぶ速いからダンスなんてできないし、ドラムは電子ドラムではなく変わらずアコースティックな音なので(電子ドラムのサンプルは重ねてますが)「珍しくEDM作りました!!(ドヤドヤ)」とはできない中途半端なものでお恥ずかしい。ただ、随所にエッセンスは取り込んでいて、例えばベースの音はこの曲だけサイドチェインをかけてキックが聴こえやすい作りにしています。他にも電子音多めにしたり、ちゃんとドロップしてビルドアップしてドロップする流れも無理やりですが作ってみました。次の曲の冒頭がいい感じにドロップするのにうってつけだったのでこんな感じに狙ってみました。HG3のレース曲はクセが強く、アレンジは基本的に困難かと思ったんですが、今回はどちらともいい感じにカッコよくアレンジできましたね。聴き応え抜群ではないでしょうか。

14 エンディング(チョロQ!)

ゲームキューブ版チョロQはマニアックな作品ですが、
BGMはやたらとかっこいいものが多いです。ゲームとしては操作感はかなり独特で慣れが必要。

知る人ぞ知る名曲、ゲームキューブ版チョロQのエンディング。聴いて驚かれた方も多いかと思いますが、実はこれでもかというくらいバチバチなフュージョンなんです。実は大好きな曲なので気合い入れてアレンジしております。作曲する人で、特にJ-Fusionに興味がある人はこういう曲を摂取したり音取りしてみるのがいいのではないでしょうか。
一番最初に分厚いシンセパッドで入る楽曲なんですが、これはディスコキングケイブでビルドアップしきったあとのドロップとして活用しました。そこで落ちて気持ちよくなっていただいたあとは、ギターが入ってスーパーカッコイイフュージョンタイムです。
原曲に忠実なアレンジにしています。なので原曲を知っている人は最初のシンセパッドの時点で何が来るか把握できたかも。ここはいい感じにそれっぽいシンセパッド2種を重ねて和音鳴らしただけです。あとギターについて、原曲は多分生ギターの演奏を録音していると思うんですが、それを打ち込みギターに落とし込む作業はなかなか大変でした。生演奏は人間の手が加わる分の情報量が多いですが、打ち込みになるとそういう「ポジティブなノイズ情報」はオミットされてしまうので、どうしても聞き劣りしてしまうんです(このオミットこそが打ち込み最大の特徴であり、味でもあるので必ずしも悪い訳では無い)。元がある中での作業なので、私なりに「この音は瞬間的にミュート奏法で〜」な感じで作業時の手癖もいれつつな感じで細かくメロディを打ち込んでいます。
イントロはギターとシンセがユニゾンして、Aメロはギターが存分に前へ出てロックな感じに。このあたりは個人的に聞き馴染んでるT-SQUAREでもよくあることなので、アレンジとしてはやりやすかったです。どちらかというとイントロのブラスが一番聞き取るの大変だったかな…。この手のフュージョンにありがちな複雑なもの(専門家的には分数コードとかノンダイアトニックコードってやつですかこれは)が多くて難しかったです。
Bメロでシンセがリードを取り、複雑な和音で構成されている伴奏も相まってかなりフュージョンチックになります。伴奏ではフュージョンに ありがちなSUPER SAWの音色による伴奏も重ねてます。しかしこの楽曲、原曲では(ゲームに元々収録されている音声ファイルの時点で)Bメロでフェードアウトの楽曲です。特に原曲を知ってる人だと「さぁここからどう繋いでいくんだ!?」となるわけですが、ものすごくさり気なく、するっと次の楽曲のBメロに移って今回のメドレーの最大の山場を迎えることになります。

15 グランプリ最終戦

HGはグランプリの最後のコースは専用曲になるので
ウェスタンキャニオンロングの曲と間違われがち。

フュージョン繋がりで、HGのロックフュージョンな名曲に繋ぎました。今回ばかりはもうここの繋ぎが自他ともに最高なポイントでしょう。何回聴いても最高すぎる。
実はあまり聴き込んでこなかった楽曲なので、今回向き合うに当たりちゃんと聴いてみたんですけど、本当に気持ちのいい楽曲ですね。曲順を修正するときに聴き込んで、この曲のBメロがゲームキューブ版チョロQのエンディングのBメロと雰囲気近いなと感じたので、これはさり気なくこっちに移せるのでは!?と思い実行に移しました。カラクリが分かってから聞くと「おお、すんなりと変えよったなコイツ」となっていただけるかも。初見の人に対して、特にゲームキューブ版のエンディングを聴いたことがなくてチョロQHGはやったことある人に対して、映像を見ながら「バッチバチのフュージョンだなぁ。あれ?画面がフェードしていったから曲変わってるの?ん?このフレーズ聞き覚えあるぞ?アッ!!!!!HGのあれくるじゃん!!!!!」で卒倒してもらえたらいいなと狙っています。すんなりとさり気なくBメロが終わったら、もちろんこの楽曲の最大の聴きどころのサビにそのまま突入します。この曲のサビの入りが、一旦すべての楽器が止まってギターだけでフレーズ入りしてからあとの楽器が一気に入ってくるのがもう本当に気持ちいいんです。この気持ちよさを最大限に引き出せる最高のつなぎになったのではないでしょうか。何回聴いても完璧なつなぎだ。
アレンジは当然ながらエンディングからのつなぎを意識しつつ、原曲と同様にギターに全面任せてアッチアチにしました。かっこいいね。一応ベルの音とかも前からのつなぎでオリジナルフレーズで入れてみたりはしています。まあちょうどいい味付けかな。伴奏とかはある程度手癖で済ませたのでコピーとまでは行かないんですが、まぁ素直に原曲をさらったような感じですね。
さて、サビが終わってフレーズが引き伸ばされたら次の楽曲へギターに引っ張ってもらいます。

16 ファイナルエリア

数少ないぜんまい(エンジンのスタミナ)の概念が存在するゲーム。
チョロQギークかどうかの判断にも使えるマニアックな、でも楽しい作品です。

これも知る人ぞ知る名曲ですね。チョロQパークは実はチョロQHG4でお馴染み葛岡善哉さんが作曲しています。この楽曲はHG4でいうとキャッスル・イン・ザ・ダークのような、ファンク感を全面に出してる最高にかっこいい楽曲です。もうチョロQパークといえばこの楽曲でしょう。チョロQマニアなら伝わる一つの識別子でもあります。
初っ端から一気にギターソロに繋いで気持ちよくなってもらってます。かっこいいフレーズの嵐は音取るの大変でした。実はこれ、ゲームで流れるBGMにはギターソロなんて存在しません。先述した葛岡さんのHPのサンプルに、なんとゲームでオミットされてしまった部分含めたフルバージョンが公開されていて、そっちだとギターソロがあるんです!なのでせっかくなので、そちらで公開されているギターソロをまるまるコピーしてみました。葛岡さんの生演奏ギターは痺れるぜ。今回はギターソロが前のめりで入ってくるので(アウフタクト)、前の曲のキリのいいところで一気に持ち込むやり方のつなぎになってます。つなぎとしてはよくある手法ですね。アウフタクトのフレーズ自体はオリジナルです、それっぽく駆け上がらせて次に繋がせました。
その後はメインメロディに戻ってピアノソロへといく原曲前半の流れにしてます。メロディ部分は原曲同様にグローに歪ませたサックスを主導にかっこいい感じに、その後のピアノソロは原曲再現を狙って気合い入れて音を取ってます。ただし尺の都合でピアノソロは若干短くしたはず。かなり昔のリプライメドレーでも実はリクエストされていて、今回2回目のリクエストだったんですが、あの頃の拙すぎるアレンジからリベンジを果たせた素晴らしい出来になったと思います。
そして後半ではまだまだ盛り上げるためにギミックを仕掛けまして。このピアノソロ、最後は伴奏がブレイクをかまして(デーンデーン デデデデ デン!って感じの部分)うまく絡み合うかっこいい終わり方をしていたので、ここを繰り返して各楽器に1小節ずつソロを取らせてみました。これはフュージョンバンドCASIOPEAがFIGHT MANという楽曲をライブでやる際に、各楽器のソロ回しの小節数がどんどん短くなってカオスなソロ回しになるのを真似たものです。しかし、本当に各楽器が好き勝手なフレーズでソロを取り出したら、音楽に興味のある人は楽しいかもしれないけど音楽よりチョロQに興味のある人はぶっちゃけつまらないですよね。ギターソロが飛ばされてしまうこんなご時世なんですから。というわけで、各楽器にはチョロQの他の楽曲のフレーズを使ってソロを取ってもらいました。これなら聴いていて「え?なになに???」的な驚きを与えつつ楽しんでもらえるかなと。他の楽曲として起用したのはすべて本山さんの楽曲にしました。というのも、今回リクエストを締め切った時点で、なんと本山さんの楽曲がゼロでして。こんなことはあってはならんだろうと言う個人的な思いから、エクストラステージとして本山ゾーンを炸裂させてみました。ソロの最初はブラス音源で夏の山のイントロをやらせてたんですが、せっかくならベースソロをということでロングサーキットに変えたりしてます。まぁ、最後の「エリーゼのために」は実際にFIGHT MANでも奏でられた実績があったので、オマージュとしてぶっ込みました。
各楽器のソロ回しで大いに盛り上がったあとは、一気に抜けて次の曲に移ります。

17 スロットカーレース 他

激アツな楽曲なのに絵面が地味すぎる

チョロQHG4の名曲スロットカーレースは、まずはイントロのドラムとベースパートから。この2つの楽器だけにしていっきに静かにさせて「お?つぎはなんやなんや?」感を誘導してます。ある程度の緩急をつけようとした感じですね。聴き込んでる人はベースのフレーズからすぐにスロットカーレースくるね、とわかったんじゃないでしょうか。
その後、イントロに入りAメロと続きます。原曲と打って変わってAメロはギターに任せてロック風味のかっこいい感じにしました。特に理由はないです。今回は全体的にシンセがメロを取るのは少なかったような。そんな気分だったんだと思います。
その後は一気にサビにワープ。Aメロ終わりのブレイクとサビ手前のブレイクをうまく絡ませてそれっぽく移行させてみました。ためにためまくる感じになったのでサビで一気に弾けた感が気持ちいいですね。サビが大盛りあがりの楽曲なので、アレンジでもギターとサックスのユニゾンで盛り上げてみました。随所でハモらせたりして楽しげに。この曲本当に好きなのでアレンジしてて楽しかったな。
サビの終わりフレーズまで来たら、若干フレーズをもじって、若干次の曲のイントロフレーズも重ねて、次の曲に遷移します。

18 大当たり(POP)

歌詞自体はシンデレラが元ネタっぽい…?
パチンコの台としてはCRチョロQはかなり良台だったそうです。
ちなみにヒロイン(???)の女の子の名前はセリカらしい。

今回最もマニアックな楽曲、まさかのパチンコのチョロQからのリクエストです。まぁ、、私がリクエストしたんですけど。。 今まで自分のリクエストはかさ増し目的の効果音ばっかりだったんですがついに楽曲をリクエストしてしまった。ちなみにパチンコ本編でもこの大当たりの楽曲のアレンジが流れているようです。
つなぎとしては、うまくイントロのブラスパートにつなげようと、スロットカーレースのサビラストフレーズを若干改変してこっちに引き寄せました。いきなり殴りかかってきたパチンコの画面には皆さん驚かれたことでしょう。しかし驚くのはまだ早い。なんとこの楽曲はボーカル入りなのだ。
今までBlue SkyとかHGオープニングとかレインボージェットウィングスとか、チョロQシリーズでも珍しいボーカル曲は何回かリクエストされたんですが、すべてインストアレンジで返してました。メドレー史上初のボーカル入りアレンジをまさかのパチンコの曲で達成してしまった。
ボーカルはSynthesizer V夏色花梨に歌っていただきました。歌っていただいたというか私が打ち込んで調整したんですけども。大雑把に言うとSynthesizer Vは生歌寄りのボーカロイドみたいなもの?で、周りの人たちがよく使ってるから私も使ってみました。わざわざ声色データも買いまして。2日くらいかけてサビだけ調整追い込んだんですが、なかなか伴奏と一緒になると生声っぽくてよろしいのではないでしょうか。いいね。もうちょっと追い込みたかったり、全然打ち込みなれてなくて試行錯誤しまくってる感は否めませんが、あどけなすぎないかわいらしい声色が合うと思ったので曲にもあっていていい感じですね。「が」と発音させたくて「ga」と打ったのに、どう聴いても「だ」にしか聞こえなくて頭抱えたりしてました。結局「gye」と発音させてg成分を強めにさせることでとりあえず妥協しましたが、これはなかなか難しい世界に足を踏み入れてしまったのかもしれない。ちょっと前からいよいよ私もボーカルを取り込んだ曲を作るようになってきて、こういう曲は刺激を受けて楽しいですね。ちなみに聴いての通り、歌詞は本当にチョロQとは関係がない。
そんな極めて珍しいボーカルソングですが、アレンジ自体はお得意の爽やかにポップに攻めさせていただきました。原曲もPOP版とある通り、すごくポップなアニソン感もある可愛らしい楽曲(ちなみに他にROCK版がある、こっちもチョロQ全く関係ない歌詞)なので、その成分を潰さないようにしつつノリノリな感じを全面に出す感じ。なかなかいい感じにブラッシュアップできたのではないでしょうか。サビのラストはノリノリなブレイクになるので、シンセの合いの手を入れて次の曲へ一気に移ります。

19 Dancin' in the Sea (ビーチケイブ)

ノリノリな楽曲とはうってかわって
画面ではバチバチに砲撃しまくっているなかなかシュールな状態に。

Qボートのノリノリな楽曲ビーチケイブは、イントロからブラスとギターの掛け合いがあり、ここをトリガーにして切り替えました。CRチョロQのラストでデンデンデン!と来るので、ビーチケイブのギターフレーズをシンセに任せてジャッジャジャーンと鳴らして、切り替わる感じを出してその後ちゃんと切り替えた感じです。メロディのギターの入りが、突っかかった感じで入ってから小節頭で開放される感じになったのは小気味よくてお気に入りポイントです。
この曲については、サンバとまでは行かずともノリノリな南国風味にしたかったので、ボンゴも重ねて愉快な南国アレンジです。この手の曲ならサックスも乗っかかってくるのと、上ハモりでシンセが乗っかかると気持ちの良いサウンドになるんですよ。狙い通りのアレンジができて満足しています。なかなかリゾートな感じのアレンジになったのではないでしょうか。
実はかなりシンプルな楽曲なので音取りもアレンジもやりやすく、作業しててかなり楽しかった曲ですね。楽器初心者でチョロQが好きな人はこの楽曲を練習すると楽しく練習できておすすめです。

20 クレセントレイク 他

後半でこのBGMが流れるコースは結構難しかった記憶がある。

チョロQアドバンスの中でもノリノリで明るい楽曲ですね。水コースでよく流れる曲なので、ビーチケイブから水の流れで繋いでいます。つなぎとしてはかなりシンプルに強引に一気にこっちに切り替えました。うまくさり気ないつなぎ方が思いつかなかったので、ここは順当に。
アレンジはビーチケイブの流れを受け継いでノリノリな南国風味です。本当は全編ピアノ主体にしてもっと涼し気な感じで行こうと思ったんですがさすがにあまりに変わりすぎて前後の繋がり的にイマイチだったので、Aメロ後半のみピアノ主体にして、あとはサックスとギターです。ピアノメインだと楽しげな感じがより強調されて結構いい感じではないでしょうか。
実はこの曲はビート(全体的なリズムパターン)がシャッフルになり(ドッタン ドッタンではなく、ドッドダッタ ドッドダッタ)、普通につなぐとノリが変わりすぎて違和感を生じさせかねないんですが、都合よくイントロがブレイク気味な、ビートが止まる形のものだったので難を逃れています。つまり、うまくシャッフルビートの流れに持ち込めたので、今のうちにシャッフルの曲を繋いで消化していくことになります。

21 クールストラッディン

もとはバーで流れるおしゃれな楽曲。
アレンジで爽やかにしてしまったせいで画面に対してBGMがうるさくなってしまった。

HG4のしっとりジャズナンバーであるクールストラッディン、ゲーム中ではゲドルナのバーで流れる楽曲ですね。ここまでしっとりとされていると、今までの流れとはかなり違う毛色のものになるので、アレンジの技で強引に毛色を揃えてます。今回このアレンジはうまく決まったと個人的に思っていて、アレンジ単体ではここがかなりのお気に入りです。原曲崩壊というと言葉が悪いですが、原曲とは全然違う味わいになるアレンジは、元となる曲やゲームを良く知っているほど面白いものです。
つなぎはクレセントレイクのループ直前がブレイク気味に一旦止まるので、止まったあとはさっとこっちに移る作戦でつなぎました。よくあるやり方ですね。いきなり変えて「おっ」と思わせるやり方です。悪く言うと無難な繋ぎ方なんですが、下手に攻めて砕け散るなら無難に逃げることの方がいいと思い、なんやかんやでメドレーの殆どの繋ぎは無難だったりします。
アレンジは前からの流れを受け継いで、先述の通りとにかく爽やかにキメました。結果として、原曲のしっとり感とは打って変わってドライブナンバーにぴったりなアレンジになってなかなか良いのではないでしょうか?メロディを一旦ギターで取って、伴奏もコード自体は大きく変えずに、刻み方やテンションノートを変えたりしてうまくそれっぽくしています。その後せっかくならということでサックスソロもそのまま取ってアレンジしたので、結局まるまる一周アレンジして乗せました。全編に渡って鳴っている裏メロのベルはオリジナルフレーズです。こう動いたら気持ちいいと言う直感のとおりに動かしてます。最近のメドレーだと、どこかで原曲と大きく乖離したアレンジが入りがちですが、ここが一つの聞き所にもなって自分でもよく気に入っちゃいますね。アレンジの楽しいところです。前回はゴロゴロバレーがガッツリアレンジ入って雰囲気変わってアクセントになってましたが、今回だとアレンジとしてはクールストラッディンが一番ガッツリ雰囲気が変わって、でもそこがうまく決まったと思っていて非常に気に入ってます。

22 タイトル(チョロQ64 2)

これも前作のチョロQ64のタイトルから雰囲気を受け継いでる楽曲。
でもよりメロディアスになっていてとても心地よい楽曲です。
ゲーム本編はあんなにバチバチなのに。

これも知る人ぞ知る名曲。爽やかだけどちょっぴり切ない雰囲気。つなぎとしては、この曲はループ前にピアノだけになるところがあるので、これを利用したものにしてみました。クールストラッディンの最後のロングトーンで、伴奏をこちらのループ前のピアノフレーズにして、ドラムやベースは一旦抜けていただいてチョロQ64 2のタイトルが来ると思わせて、期待通りにデン!となって完全に切り替わります。昨年のメドレーのDIVEへのつなぎもそうでしたが、こういう特徴的なフレーズをトリガーにして切り替えるのは常套手段ですね。リズム隊も抜けるのでシャッフルビートからもさり気なく脱出できています。いや、あなたがリズムの鬼ならちゃぶ台ひっくり返してるかもしれませんけど。。
アレンジはここまでの流れを引き継いで、原曲の通り爽やかアレンジにしました。メロディはいい感じにトランペットを主軸に要所要所でギターも入れて盛り上げています。Bメロなんかはちょっぴり哀愁漂うフレーズなのでトランペットソロにしてビブラート気持ち強めにしてこぶしを入れた歌い方を意識してます。サビなんかはちょっと伴奏で遊んだりしましたが、全体としては聴き応えのあるものにできたんじゃないかなと。この曲もはじめのサーキット同様、結構いろんな音がなっていて賑やかなので要所要所で音をさらいつつ、それっぽくアレンジしています。
贅沢に1ループそのままやって、再びデン!となったら一気に次の曲に移ります。

23 タイトル(チョロQワークス)

タイトルでこうされると、HG3みたいにパーツつけて街とか走れるって思っちゃうだろ!!
とはいえ、思い出補正もあるせいでどうしても嫌いになれない、なんなら大好きなゲームです。

さり気なく印象に残る両曲の多いチョロQワークスはまさかのタイトル画面からのリクエスト。これ原曲を聞いていただけると分かるんですが、イントロが終わったらあとは8小節のループで非常に短い楽曲です。基本、ルールを守っていただけたら何をリクエストしてもいいんですが、これはどちらかというと「この曲をリクエストしたらどう料理されるのだろう?」という興味からのリクエストでもあったのかも。いいだろう、受けて立ってやろう。ということで、結構好き放題やらせていただきました(別にこれをリクエストした人はこういうふうに思ったかは定かではないので、私がそう勝手に解釈しているだけです)。「おっ、何リクエストしても挑戦的になってくれるんか」と受け取られて、大半を挑戦的リクエストにされると普通につらいから、普通に好きな曲とか入れてほしい曲をリクエストしてね。叫びホーンとかリクエストされても却下することしかできないので…。
つなぎとしては、64 2のタイトルのデン!からそのまま繋いでます。これは諦めのバツ切りではなく意図があって、本来64 2のタイトルのイントロに戻ることが無意識的に期待されていて、だとしたら高速下降アルペジオフレーズが来ると期待されるんです。それをこちらのタイトルに移して高速上昇アルペジオになることで、程よい違和感や衝撃を与えつつ「おぉ、かわった」と印象を与えられるかなという作戦です。どちらも高速アルペジオがイントロにあるからそれを使った切り替えですね。タイトルつながりでもあるのでなんとなく聞いているだけでもある程度の説得力があります。
アレンジはまぁ可もなく不可もなくのシンプルなものですね。原曲と比べたら音が増えてだいぶ豪華かも。しかし今回のコイツの聴き所は2ループ目からです。なんせさっき言った通り8小節しかない曲ですから、そのまま2ループやっても味気ないので、ダメ押しでもう一発本山さんの曲をぶっ込んでみました。今度は調号が同じチョロQ3のショートサーキットのサビをギターソロでお送りしました。この曲個人的にすごく好きなんですよ。こういうサプライズはメドレーを聞く人にとってはウェルカムだと思うので今回は多めに入れました。いつぞやのときも、秋は夕暮れとかアップダウン峠とか勝手に入れましたが、その時以上の自由っぷり。
ギターソロことショートサーキットのサビが終わったらもう一度タイトルを1ループしてから次の曲へ行きます。

24 エンディング(コンバットチョロQ アドバンス大作戦)

経験者はみんな口を揃えてNPCの思考時間が長すぎると言う。
そのせいでそもそもNPCに思考をさせない戦術が定石らしい。

メドレーでは初採用のコンバットアドバンス大作戦よりエンディングです。勇ましさを感じる戦車ゲーにふさわしいエンディングBGMですね。ゲームはやったことがなく、初めて聴く楽曲だったんですがとても明るく前向きになれる素晴らしい楽曲ですね。タイトルから一気にエンディングに行く忙しない曲順です。
つなぎ方はかなり迷いました。というのもこの楽曲はテンポ感が結構大事で、速くしすぎるとみっともなくなっちゃうんです。ただ、前の曲までの流れ上、今のメドレーのフィールドとしてはテンポは若干速めです。さぁ困った。結果として、つなぎ直前で一旦静かにさせつつテンポをこちらに寄せる方法、楽譜的に言うとリタルダンドを使ってかなり強引に切り替えました。今回は曲調のお陰でむしろリタルダンドがプラスに働いたかなと思います。
アレンジは原曲の勇ましさをリスペクトして、トランペットとシンセを主体に引っ張っていってもらいました。Cメロでちょっと哀愁漂うフレーズはソプラノサックスで情緒たっぷりに。でも伴奏は裏打ちなのでちょっと楽しげな感じなのもお気に入り。なかなかいいアレンジになったのではないでしょうか。
Dメロのラストのロングトーンで一気に次の曲へ切り替わります。

25 Rush for the Heaven(グーデロリン国境 他)

コンバットチョロQの作曲は実はチョロQHGと同じ佐藤天平さん。
よく聴くとテンペイサウンドが繰り広げられている名曲が多し。

コンバット続きで無印のコンバットチョロQよりグーデロリン国境などのBGMへ。コンバットチョロQもお恥ずかしながらやったことがないため詳細は知らずなんですが、序盤の作戦で流れるBGMでしょうか。学生時代にニコニコ動画でチョロQ系のBGMは聴きまくっていたので曲は知っていたんですが、とても明るい前向きな曲ですごく好きです。
で、この曲はラスサビ前に4小節たっぷりと溜めのフレーズが入ってまして、これをつかわない手はないだろうと。サビを予感させる素晴らしい焦らしフレーズがお気に入りだったので、ここを軸に少し無理やり混ぜ込んでラスサビへもっていってます。楽曲を知ってる人だと映像も相まって「お!?」となってくれたのではないでしょうか。割とお気に入りのつなぎ方です。
原曲はオーケストラなのでがっつりアレンジを加える必要があり、今回はロック方面のアレンジにしてみました。ギターを主において、トランペットがうっすらユニゾンしていかにもな雰囲気を補いつつ、原曲の勇ましく前へ進む感じ(?)を損なわないようにしてみました。でも視点をちょっと変えたアレンジというか。楽器構成が大きく変わっただけで、実はコード進行とかは大きくは変えてない(と記憶してる)んですが、伴奏の刻み方の違いとかドラムが入ったことによる影響が大きいですね。もしもチョロQバンドとか組んだら、割とこういうアレンジでこういう楽曲をやりたいかもしれない。
サビが終わったら、サクッと次に移ります。少々強引。

26 グランジガーデン

グランジガーデン用に録画した際にミーンから逃げようとしたのに、
すぐに特攻してきて結局話を全部聞かされた。

HG3で最初の町のBGMですね。のんびりとした雰囲気が魅力的な楽曲です。今回はイントロではなく後半部分での採用となりました。というのも、この楽曲へのつなぎにかなり迷って、今回のつなぎが無難かなと。
後半セクションに入る際に、1小節だけドラムソロ(というかフィル)が入るので「とにかく前の曲がうまい具合に終止したら、このドラムソロを挟めば とりあえずグランジガーデンにはいけるな、よし最悪そうしよう」と考えてたんですが、他のつなぎが全然思いつかずそのまま採用となりました。むずかしい。実際聞いていると唐突に切り替わった印象は拭えないです、もうちょっといいつなぎあったかなぁ。
アレンジは、ここまで全力疾走だったメドレーの中で唯一と言っていいほどの癒やし地帯として、アコースティックに優しい感じにしました。聴いてる人のための休憩ゾーン。原曲はハーモニカが主導を握って、掛け合いもハーモニカに任せていましたが、今回はアコギをメインにEWIを想定したシンセの音を掛け合いにしてみました。これはこれで優しい感じ。ただ、掛け合いのフレーズは原曲にないフレーズまで勝手に作って入れちゃいました。なんだか作ってて気分が上がったので。なかなか印象的ないい感じのアレンジになったのではないでしょうか。正直アコギがちょっともたついてるのは直したかったんですが、公開する頃には直さないといけない事自体忘れていたという。。実はそもそもアコギではなくクリーントーンのエレキギターにメロディを任せようと思っていたんですが、プロジェクトファイルが重すぎてこれ以上エレキギターは立ち上げられないと判断してアコギにしました。特に書いてないですが、作業中何度も作曲ソフトが落ちたり応答無しになったりしてかなり不便な状態に陥っています。合計で200回くらいは落ちてると思う。プロジェクト開いただけで応答なしになったり、再生ボタン押した瞬間応答なしになったりもしてたので…。
途中の一小節ドラムソロをトリガーにして次の曲へ移ります。ここから最後までアクセル全開、フルスロットルです。

27 ドリームパーク

プロは大ジャンプ地帯で一旦ポーズをかけてグライダーを閉じるらしい。

チョロQHGの楽曲の中でひときわ個性を放っている楽曲。節々に「天国と地獄」のフレーズもじりが現れる楽しげな楽曲ですね。
さぁここのつなぎは困った。ドリームパークはテンポ感としては少々速めの楽曲だけどグランジガーデンはのんびりテンポ。曲調も全然違うからガッツリ変えてすり替える技は効果的ではない。結局、グランジガーデン側で切り替えにちょうど使えそうなのがドラムソロのところくらいだったので、かなり強引に除々はやテンポで変えました。これ仮案のときはもっと強引で、これでもマシになった部類なんですよね。。ここのつなぎは満足行ってなくて、もうちょっと頑張りたかった所存。いっそグランジガーデンから民家突入するピンポーンを流して一気に切り替えても良かったかもしれない?
その分アレンジはかなりはっちゃけアレンジにしてます。原曲はオーケストラチックですが、こちらは明るいジャズとでもいいましょうか、サックスにピアノにギターにとあらゆる楽器に主をはらせてワイワイとしたアレンジにしてみました。特に楽しげな感じをより強く演出しているのはピアノメロディのところでしょう。原曲とは譜割りをガッツリ変えてます。意図的です。こう言っておかないと「リズム感ないからリズム取り間違えたんじゃねぇのか」とか思われそうなので強く言っておきます。とはいえ「アレンジ」じゃなくて「間違ってる」と思わせてる時点で私の実力不足なのは否めない(もしくは聞き手がアラ探ししてるやんちゃなパターン)。いや、良いアレンジなのでそんなことはないな。で、この譜割り、いわゆる三連符を駆使したシャッフルの譜割りでスウィングさせてみました。跳ねたリズムと呼ばれるやつです。メロディに対してこれを行うと、特にピアノの音だとルンルン気分な感じになって楽しげになりやすいです。シャッフルの醍醐味ですね。いつぞやのディープケイブのアレンジの後半もそれを狙ったアレンジでした。
その後のギターの弾け具合も楽しさに関与していていいのではないでしょうか。もともとの曲調がコースのアクション具合も含めて子どもが楽しく遊園地で楽しんでいる雰囲気を旨く落とし込んでいると感じていて、その側面を違う角度から映し出せたかなと思ってます。結構良いアレンジになったなと個人的に思っていて、かなり気に入ってます。
急ぎ足でほぼ楽曲1周流して、アウトロでデンデンデンデン!!と連打しているところで次の曲に移します。

28 ウェスタンキャニオンロング

ゲーム中では実はあまり聴く機会の少ない楽曲。グランプリ最終戦のBGMに吸収されがち。

チョロQHGのアツい名曲。メドレーではよくリクエストされる人気曲ですね(体感的には夜の海が1位でこの楽曲が2位、そのうち統計取ってみるかも)。チョロQHGの楽曲はどれも短いので、今までのメドレーでもうほぼ全区間流しているのではないでしょうか。
繋ぎは結構わかりやすく印象的なものになりました。ある意味私らしい直感的なものかなと。ドリームパークのアウトロでデンデンデンデンしているところがあったので、そこでこっちのイントロのデン・デン・デンデンデンデンと重ね合わせてガッツリこっちに引き寄せて移しました。強いて言うならドリームパークは長調ですがウェスタンキャニオンロングは短調で、デンデンしているときにうまく移りかわれるように音階はうまい具合にいじってます。この繋ぎ自体は曲順決めの初期段階から思いついていて面白そうだったのでそのまま採用しました。
アレンジも今までと変わらずと言った感じで、原曲をリッチにしたものにしてみました。サビは今回はトランペットに任せてビブラートマシマシ哀愁感マシマシな感じで。
アレンジどうこうより、採用区間をどうするかのほうが悩みました。過去に3回くらいリクエストされていてほぼ出し尽くしたのでどうしたものかと。結局イントロ~サビ~アウトロの構成でほぼカットなしという流れにしたので一応今までとは違う流れにはしました。イントロからサビへの流れを作ることも、そもそもアウトロを採用するのも多分今回が初めて?(と思ったら2回目のメドレーがほぼ同じ構成だった…)個人的に殆どの楽曲ではサビを入れておきたい性分なので、どうしてもここが毎回ダブってしまうのはもうしょうがないですね。次またこの楽曲がリクエストされたときはどうしようかな。。いつぞやのアレンジみたくガッツリ雰囲気を変える方向にシフトするかもしれないです。
アウトロに来た段階で次の曲を重ね合わせて、次の曲にシフトさせます。

29 秋の山

昔プレイしたときは何故か行き止まりのところによく突入してしまっていた思い出のコース。

チョロQ2の爽やかなサンバチックな梅垣さんのナンバー。でもサビはどこか切なさやポップさも兼ね備えていてたまらないですね。私も大好きな楽曲です。メドレーも終盤に差し掛かって、ここからはタムソフトシリーズの楽曲を畳み掛けて一気に盛り上げていきます。
ここのつなぎは結構気に入ってます。ウェスタンキャニオンロングのアウトロに入ったら、秋の山のイントロを重ねてしまう大胆な方法にしました。その後アウトロが終わるタイミングでブラスのブレイクにそのまま行ってAメロへ。最初は秋の山のイントロは重ねないで、無理やりAメロに持っていくやり方にしていたんですが、3/22に間に合わないと判断して延長時間をもらったあとに、もっとしっくりくるつなぎがあるはずだと試行錯誤してこのつなぎになりました。「秋の山来るじゃん!!!!」と期待させられるいいつなぎになったんじゃないでしょうか。意外と重ねてもうまい感じになるのに気づけてよかった。AメロBメロへ行ったあとは、今回は鬼のスチールドラム連打地帯であるCメロは飛ばして一気にサビに行く流れにしました。
アレンジは、コードは原曲のままですがピアノなどの刻み方含めて諸々の伴奏による表現は私の手癖のオンパレードです。Aメロでソプラノサックス、Bメロはフルートに任せることで若干アコースティック側に寄せて、サビで一気に弾けるギャップを作ったつもりです。実は南国感のある楽曲なので、サビではベースラインもそれっぽくして、サンバキックでドコドコしちゃったりして楽しんでます。まだまだ未熟な範囲のジャンルなのでもうちょっと磨きをかけていきたい所存。色んなジャンルのエッセンスを取り入れられるようにしたいですね。南国風味ということでビーチケイブあたりの次に繋いでも良かったんですが、盛り上げ担当ということで終盤の配置にしました。
間奏のブラスパートまで駆け抜けたら、一気に次の曲のイントロを重ねて移っていきます。

30 メニュー1(チョロQ3)

うまくアレンジの尺と合うように全体的に長めに録画して、
カット編集を使ってBGMと動きを合わせました

チョロQ3で最も耳にするであろうメニュー1。メニュー系のBGMはたまにリクエストされますね。
これは私個人が今現在抱いている考えですが、特にこのメニュー系BGMと言うのはゲーム体験とセットになって印象付けられるものだと思っています。なぜなら、あくまでメニューの楽曲というのは音楽的に主張しすぎるものではないべきで、そういうふうに作られているものが多いから(だってメニューは選択画面であり、その場でプレイヤーが特に感情が動くことなく思考する画面なので、BGMが主張してたら思考を阻害するため)。あくまでゲーム画面が主で音楽は補佐であるべきなんです。でもメニューというのはゲームでめちゃくちゃ表示される画面なので、ゲームをやっていればいるほどBGMもサブリミナル的に印象付けられていきます。これってゲーム音楽ならではの印象の付き方で、とても興味深いものです。チョロQ2のメニューのBGMとか、チョロQ2をやりまくった人は余裕で口ずさめるでしょう?でもあのメロディを口ずさめるの冷静にすごいことですよ?この一連に考えについては、FLAT OUT 3を作った際にメニュー曲を募集して作っていただいて、それらが見事に主張しすぎないのに素晴らしいBGMが揃っていて、自分なりに分析した結果でもあります。主張しすぎない程度に印象的なBGMだと特に良し。ゲーム画面とセットで記憶に残りやすい。
で、こんな いかにもゲーム音楽のための存在であるメニューBGMなんですから、今回はその特性を生かしたアレンジと繋ぎを試みてみました。ここはこのメドレーのもう一つの山場になったことでしょう。
メニュー1への繋ぎは無難に、秋の山の間奏のブレイクをメニュー1のイントロの「ドドンドンドン」に合わせました。テンポもメニュー1は遅めなのでこの間にリタルダンドをかけて遅くしています。でも原曲よりはかなり速めのままです、勢いを落としたくなかった。これ今気づきましたけど、一緒に鳴ってるオケヒだけたぶん半拍ずれてる。。秋の山のつなぎあたりを直したときに小節がずれたのを直し忘れてるっぽいね。初歩的なミスすぎる。
アレンジは原曲の雰囲気+ブラスで華やかに。メロディ自体はシンプルな矩形波の音色なので、ファミコン用再現音源でそれっぽくこしらえました。メロディの動きが高速+和音で鳴っているので音を取るのはかなり大変でした。もしかしたら細かいところで間違えてるかも。ブラスは秋の山の流れからそのまま原曲にはないですがそれっぽくフレーズ作ってみました。結構いい感じですね。
しかしこのアレンジの肝は後半の展開でしょう。画面はなぜかアイス&スノーを選んでいて「どうした?」と思った方もいたかもしれませんが、唐突に決定音が鳴り響いてローディング画面へ。先述したゲーム体験を思い起こさせるような、ゲーム画面とセットにしたギミックを仕掛けてみました。ちなみに決定音は耳コピしてます。完璧に音を取ることは出来ませんでしたが、聴き流す分にはそれっぽくなったかなと。ここで「え?!」と思わせて見ている人の脳がショートしている間に、画面も次の楽曲シーンへ切り替わって、シグナル音とともに「わああああああ」と思わせながら最後の楽曲へ移ります。まさに疑似ゲーム体験をさせることで印象深いシーンに出来たのではないでしょうか。アイス&スノーを選んだのは一応次の曲つながりで雪コースにしただけで深い意味はありません…。

31 冬山ショート/ロング

手元に残っていたチョロQがワールドグランプリもクリアしてなかったので、
録画のためにわざわざクリアした。楽しかった。

最後はPSチョロQの名曲中の名曲である冬山ショートロング、私個人としてはとんでもなく好きな曲です。サビがあまりにも良すぎる。田辺さんの楽曲は歌心を感じられるくらいメロディアスで本当に好きです。メドレーのラストということもありかなり好き放題にアレンジしてみました。アレンジ重視です。というのも、メドレーの楽しみ方って2つあると思っていて、1つは繋ぎ方の気持ちよさを楽しむ楽しみ方、もう1つはそもそものアレンジや展開を楽しむという方法。しかし最後の楽曲は次に繋ぐことは当然ながらありません。繋ぎの楽しみはないせいで楽しみ方は半減してしまうので、その分アレンジや展開をもりもりにして飽きさせないようにする意図もあります。しかしそれをしすぎると最後だけ異様に長くなる場合もあるので、うまく抑えつつです。昨年の場合は最後の最後にかなりインパクトのある仕掛けを施したので、最後のギミックに対する楽しみも生まれてダレることはありませんでしたが、今回は特に仕掛けを用意していないのでなおさらアレンジ勝負です。
そして、この曲へのつなぎですが、メニューからの流れでまさかのシグナルカウントによる繋ぎにしました。もちろんシグナル音は耳コピして自作しています。大昔にチョロQ3のシグナル音を耳コピしたことがあるので、画面はチョロQ ver1.02ですが流した効果音はチョロQ3のものにしました。久々に耳コピした時のプロジェクトファイルを開いて、今の自分なりに修正を加えました。カウントダウンのピコピコ音はもうちょっとピッチ下にすべきだったな。GO!のときの音はSample Tank 3のBs Fluteの音にCubase付属のアンシュミをかけて再現しています。伝説の「フルートにディストーション」手法を超久々にやりました。まさにゲーム体験の彷彿の究極系でしょう、タムソフトのチョロQが好きだった人ほどこの最後の盛り上がりは刺さってくれたんじゃないかなぁと思います。

そしてアレンジも盛り上がるように色々原曲から進化させています。レースが開始したらイントロのあと、一気に楽曲の最後にあるギターソロまで飛びます。ここは原曲の段階から伴奏はサビのままだったので、うっすらサビのメロディも重ねつつ、とりあえず原曲のギターソロフレーズをそのまま。原曲だとフェードアウトしちゃうので最後の方は私の方でそれっぽくオリジナルフレーズにして組み上げてみました。その後は原曲にはないパートでピアノソロをぶち込んでいます。ここはライブでの盛り上がり方を意識していて、サビのフレーズをピアノでガッツリやってもらいつつ、思いっきり手拍子も鳴らして盛り上がりを表現することを意識しています。サビのフレーズからちょっと逸脱した遊びの動きが出るところなども盛り上がりの表現の一種です。奏者がハイになりすぎて遊んじゃう的な。そしてその後は一瞬静かになったあと転調してサビパートに突入します。属性てんこ盛りか?でも最後の最後に半音とか全音上げの転調で盛り上げるのはよくある手法だし、本能的に盛り上がっちゃうからここぞというときによく使います(原曲の秋は夕暮れとか未使用2もそのパターンですね)。全音上げでギターとシンセがユニゾンしてサビを演奏する気持ち良い感じにしていますが、最後なのでギター奏者にも気持ちよくなっていただきまして、こいつもハイになってフレーズを逸脱した遊びを入れてます。一種のアドリブ的な要素もあってこう言う逸脱はその人の個性が出る部分なので個人的には好きです。全体としてはちょっとフュージョンチックな感じのアレンジになったかなと思います。私のヘキがマシマシです。
そして終わり方も肝心。ここまで好き放題やってしまったので、どう落とし前をつけようか迷ったんですが、シンプルにサビ終わりの間奏に繋いで、そのあとフュージョンっぽい和音のブレイクを挟んでロングトーンで終わらせました。実は冬山をトリに持ってきたのは2回目で、一番最初のリプライメドレーのときも冬山を最後に持ってきてました。このときはサビ終わりの間奏に繋いでそのまま投げやりにジャーンと終わらせるショッボイあっさりめな終わり方だったので、今回はちょっとこだわってオリジナルフレーズを挟んでかっこいい終わり方にしてみました。あと一応、録画時に最終ラップできれいにファステストラップを更新してたので、後付けで最後の最後にファステストラップの音もぶっこんでおきました。こんなことしても去年のラストのコインキャッチほどの印象は与えられないってわかってはいるんですが、まぁ入れられるだけの遊び心は入れておこうということでここは一つ。一応チョロQ3版の効果音で入れてます。ここくらいはチョロQ1の方の効果音にしておけばよかったな。なんでか普通にチョロQ3の音でいいかと思ってそのまま入れちゃってました。
盛り上げに盛り上げた分、最後に冬山でその盛り上がりを爆発させてそのまま終わらせました。通して聴くと過去最長にも関わらず意外と「え?もうおわり?」って感じが個人的にはしてたんですが、結構同じ意見を聞くので、中身は濃いけど聴きやすくのめり込めるものになったのかなぁと思います。

最後に

個人的にざっくり振り返ると、最終的に今回のメドレーはずっと全力疾走なので聴いてて疲れるかも。自分に鞭打ちすぎて気合いを入れすぎた。だからこそ、今年のメドレーも良い!なんていってもらえると、私としてはとてつもなく嬉しいのでどんどん褒めてやってください。褒められ慣れてないので実際に言われると変な反応しちゃうかもしれないけど。アレンジ品質より採用楽曲を重視してる人にとっては去年のほうが好きだと思うし、締め方は去年のコインキャッチのインパクトが強すぎて「締めが去年より弱い」とレッテル貼られたらさすがにハードル超えは無理だなぁ。このハードルはどう頑張っても超えられない。唐突な思いつきでなんというでかいハードルを作ってくれたんだ去年の私は。今回は全体的に知る人ぞ知る隠れた名曲のオンパレードなので、有名所しか知らない人や特定の作品に思い入れが偏っている方には刺さらないかもしれないし、逆に刺激的で好意的に思ってもらえるかもしれない。でも今年のメドレーもなかなかいいものになったと思うんです自己評価では(正直自分の作品でも他者の作品でも、私自身の評価はあまりアテにならないと思っているので真相はわからない)。
去年は去年ですごく考えてメドレーを作ったんですが、今年はそれを超えてずいぶん頭を使ってメドレーに取り掛かったような気がします。去年はここまで聴いている人に対する心理誘導とか考えてなかった気がする。更に動画を今回起用したことによる演出による心理誘導とかもあったので(これはメドレーを作ってるときにはあまり考えてなくて、動画制作時にどうせならこうしちゃおうと試みたものばかりです、メニュー以外)、見ごたえは間違いなく過去イチになって、作品としての品質にも個人的には満足しています。
ただ、今年は締め切りを落としてしまったのが個人的に結構ショックではあって、年を追うごとにこだわりも大きくなってきてしまい、メドレー制作の負担が甚大になっているというのも正直なところではあります。ちょっとこれは無視できないストレスなので、来年以降は試行錯誤しながら対策を練ろうかなと思います。本当は一旦今年で終わりにしようかなとも思ったんですが、それはそれでもったいないかなとも思うので。一応今の案では、来年は極端にリクエスト募集期間を短くしてみる予定です。今までは募集期間は2/22から1週間にしてましたが、それが1~3日くらいになるかも。1回あたり20曲前後くらいになると理想的ではありますが、あまりリクエスト数の上限を設けるというのは、当初私がこの企画を始めた際の意義に反してしまうのでしないつもりです。あんまりこう言うことは書かないべきで、さり気なく期間を短くするとかにすれば良いんでしょうけどね。一応予告としてね。「負担になってるならリクエストは遠慮しておこう」なんて思わせちゃうのも本望ではないし、その遠慮こそが意義に反しちゃうので、そこは容赦なくどんどんリクエストしちゃってください。来年はリクエストしたいなぁという人は、また2月頃になったら私のTwitterをたまにチェックしてみるといいと思います。

いや、みんなもやってみるといいですよこれ、本当にめっちゃくちゃ大変ですからね。そもそも毎年逃亡せずちゃんとやりきって作品として無料公開している私を褒めてほしい。普通逃亡しますよこれ。

最後に、動画を作るに当たりプレイ動画提供をしてくださったAlkioneさん、けばびんさん、Lactyさん、メムーロトノさんにこの場で感謝を申し上げます。助かりました。今回のこれを機に、一通り自分の方でもチョロQのプレイ動画をストックしておこうかしらね。

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