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#リプライされたチョロQ曲をメドレーにする 2022 制作備忘録

来年以降もやるつもり満々なので、また次やるときの自分用のメモ代わりに #リプライされたチョロQ曲をメドレーにする 2022 (通称:チョロQリプライメドレー)の作業メモを残しておきます。音楽理論とかの堅苦しい話はまったくないです。かなり長文なのでお時間のあるときに興味のある方はぜひ。今年のメドレーは頑張った。
企画の詳細などは動画の冒頭にかんたんに記しているのでそちらを参照。

製作期間について

一昨年(2020年,21曲)はリクエストを3/1には締め切って、3週間ほどゆとりを持って制作できて、ある程度は満足の行くクオリティのものができてました(曲数もいつもよりは少なかったのでなおさら時間に余裕があった)。しかし、去年(2021年,31曲)は色々と忙しく(リクエスト期間設定のミスもあり) 9/1にリクエストを締め切って9/9には完成動画を出すという過密スケジュールであんまりメドレーとしてのクオリティには満足してませんでした。というわけで今年(2022年,33曲)は一昨年同様しっかり時間をいただき3/1にはリクエストを締め切って製作開始していました。
この企画を始めた当初は当日にリクエストを募って当日に完成させて動画を出すという狂ったことをしていたんですが、若気の至りですね。  
今後も3週間以上の期間を頂く形で企画を行っていくんじゃないかなと思います。毎回企画開始時はリクエスト曲全然来ないんじゃないかと不安になりますが、いつもたくさんのリクエストをありがとうございます。

今回の製作方針

去年(2021年)は時間がなさすぎてあんまり方針とか決めてなかったんですけど、例えば一昨年(2020年)は原曲で鳴ってなくても積極的にギターの音を入れてロック感出したい、みたいな簡単な方針は決めてました。今年の方針は「曲間の繋ぎを頑張る」、「各曲の質を上げたい」を目標にしてました。
今までのメドレーの各曲のつなぎ方がクロスフェードだったりぶつ切りだったりテンポぜんぜん違うのに無理やり繋げてたりと繋ぎの部分が気になっていたので、その辺りをなるべく違和感の無いようにしたいなと。実際今回のメドレーではテンポが違う曲に移るときはドラムを抜かしたりキメのところで移ったりとリズムが崩れるところを狙って切り替えたり、思い切ってぜんぜん違うテンポでアレンジして全体的になるべくテンポチェンジしないようにしたり、みたいに工夫したものもいくつかあります(全体的には結局いつもどおりな感じでしたが…)。
もうひとつのメドレー内の各曲のクオリティについて。一昨年(2020年)辺りから個人的には許容範囲内のクオリティを保てるようになってきたなとは思ってるんですが、この調子で落とさず上げていけるように、抜くところは抜きつつ新しい音源を使ったりしていろいろ試しています(ピアノとかはほぼ白玉で手抜きですがベースとドラムはModo BassとSSDでガッツリとリズム隊を固めたりしてます)。短い作業時間の中でのクオリティの担保はなかなか難しい。あとは1曲1曲を大事にしたかったので、いつもより原曲から端折るのを減らしたりしています。Aメロを半分の長さに改変するとか、今回もほどほどにやっていますが、今までよりは少なくしてます。

曲順選定

もはや怪文書

曲順はいつもリクエストが5件ほど溜まってから少しずつ考えています。順番の決め方の基準として、曲間の繋ぎやすさから決めるDJ的なパターンと、曲順全体で見て「ここでこの曲が来たら盛り上がるだろう」というライブのセトリ的なパターンの2つを軸に毎回考えてます。特に最初の数曲と最後の数曲はセトリパターン、ほかはDJパターンのことが多いです。なのでほとんどの場合は1曲目にタムソフトのチョロQ1~3の楽曲を採用して1発目は盛り上げに行くようにしたりしてます。
リクエストがあった曲をテキストエディタで列挙して実際に聴いたり、脳内で繋げ方を考えたりして「この曲からここでこの曲へ移る」をひとかたまりとしてメモして、最終的にかたまり同士でどう繋げるかを考えて全体の曲順を決める流れです(この際に自分で繋げ方やアレンジの仕方をメモしたりはしますが、なぐり書きすぎて何が言いたいのかよくわからないことがほとんどなのでお守り程度のメモにしかなっていません)。

リクエストを締め切る頃には一応曲順はほぼ確定するので、今回はちょっとフライングして製作開始していました。基本この時点の曲順から変えることはありません。次項より1曲ずつ簡単に作っていったときのメモなり感想なり書きなぐっていこうかと。

セットリスト

0. Opening S.E. (Chocolate Sundae)

毎回冒頭は説明時間、1曲目に向けての盛り上げの時間でもあります

リプライメドレーを実際に動画として公開する際は、毎回最初30秒は企画の説明時間として設けて、その後に1曲目を始めるという方式をとっています。企画を始めた当初は実力不足もあり、1曲目に流す楽曲のドラムパターンをそのまま持ってきて、ドラムソロを30秒流しながら説明を行って1曲目に繋げる簡素なものでした(技術も実力もなかったのにこんな無謀な企画をどうして…)。最近は0曲目として1曲目に繋げる30秒のオープニングソングを色々工夫して作っています。ここはほぼ作曲の作業です。
よくある、ライブが始まった際にオープニングS.E.を流して、演者が登壇して、1曲目の演奏へ、という流れをイメージしています。1曲目はなにかな~?感。
去年(2021年)の場合はSand Storm(チョロ砂漠, チョロQ3)のアウトロのギターソロから始めて、初見で聴いてる側に段々と「これってもしかしてチョロ砂漠?」と思わせてチョロ砂漠に持っていく感じで初っ端の期待感を煽ってました(超マニアックですが、2021年のT-SQUAREのライブの際にアンコール一発目がギターソロだったのを見て感動してこのやり方を行ったのを覚えています)。
じゃあ今年はどうしよう。1曲目はチョロQシリーズでも名曲中の名曲のチョロQタウンを持ってきたので、やっぱり対になる「Chocolate Sundae(*1)」をモチーフにしたOpening S.E.しかないでしょう。ということで、今回はよく聴くとChocolate Sundaeのイントロのメロディが若干聞こえるようなオープニングにしました。あくまで1曲目の期待感を煽るのがオープニングの役目であり、初っ端から分かりやすくChocolate Sundaeのアレンジやフレーズを流して「あ、てことは1曲目はチョロQタウンね」と初見で分かられてはつまらないので、よく聞くと「あれ?もしかして?」と思わせる程度の塩梅になるようにしっとりとしています。個人的に今回のオープニングはまさにライブのオープニング感が出せていい感じになったんじゃないかなと。

*1: Chocolate Sundae…チョロQタウンの作曲者である梅垣ルナさんが、自身のバンド「Lu7」用にチョロQタウンをリアレンジした楽曲。3rdアルバム「Bonito」に収録されているので知らない人は是非聞いてみてください。

1. チョロQタウン (チョロQ2)

チョロQ2をやった人の殆どが通る道

Opening S.E.で盛り上げてドラムでカウントを刻んでイントロに持っていく、まさにライブのようなパターンで繋ぎました。夢に出てきたくらいには気に入っているみたいです。
またオープニングでちょっとChocolate Sundaeのフレーズを使ったので、チョロQタウンのイントロにもChocolate Sundaeのイントロを重ねてみました。裏で鳴ってるブラスはしっかりチョロQタウンです。もうかれこれ6年近くこのリプライメドレーの企画をやっていますが、実はチョロQタウンのリクエストは初めてでした。僕も大好きな楽曲なので気合い入れてアレンジしました。
メドレーではどの楽曲も一部分をかいつまんでダイジェストで流していくので、イントロのあとはサビに直行して間奏まで採用してアレンジしてます。アレンジとはいっても大きく原曲から雰囲気を変えずに、でもベースラインはガッツリ変えて採譜・編曲していい感じに。
本当は1曲目はEmort(チョロQシティ昼, チョロQ3)を予定していたのですが、チョロQタウンのリクエストが来た際にオープニングと合わせて盛り上げやすいなということで、こちらに変更しました。かわりにEmortはトリに持っていって大いに盛り上げてもらいました。

2. トンネル ショート/ロング (チョロQ)

いい感じのキャプチャがとれて気に入ったのでサムネもこの画像にしました

王道のチョロQタウンで盛り上げた次は、まだ王道のタムソフト系で盛り上げようということでトンネル ショート/ロングを採用。実は初回のメドレー企画のとき以来の久々のリクエストでした。
チョロQタウンのサビ終わりの間奏でポルタメントかかった音色が上下しているところを利用して、こちらの曲のイントロにフレーズを繋げてから原曲と同様に一旦静かになってからギターソロに繋げました。「無音も音楽だ」なんてキザなことは言いたくないんですが、やはり静と動でメリハリをつけるとぐっとくる展開になりますね。実はチョロQタウンは結構ゆっくりテンポで、トンネルはちょっと早めのテンポで普通につなぐと「唐突に速くなったな」と違和感を与えかねないので、ギターソロ前まではチョロQタウンのテンポ、一旦静まり返った瞬間からテンポを一気に上げてなるべく違和感のないように繋げてます。
こちらも原曲を重視したアレンジでギターソロも打ち込みのレベルで再現していますが、実は裏でひっそりと通常のメロディもベルで鳴らしていたりします。今思えば今回のメドレーでギターソロを取っているのはここだけですね。ギターにメロディ任せたのはいくつがあるんですが。

3. Low D (地下水路, チョロQ3)

画像はチョロQ Wikiより、闘神伝の剣が映ってるのが良いですね

次にチョロQ3のヘヴィな楽曲「Low D(地下水路)」を持ってきてまだまだ盛り上げます。間奏でストリングス(オーケストラ)が上の方で一定のリズムを鳴らしている箇所に繋げました。トンネルの曲のキーと合わせるため、繋ぎの箇所では原曲と比べて半音上にして地下水路を流しています。本当はここでトンネルのイントロのプワ~ンとしているメロディを流してマッシュアップしたかったのですが、地下水路のロックな感じと全然合わなかったのでやめました。
その後、キーを戻してBメロ、サビと駆け抜けて次の曲に繋いでます。全体的にシンセのメロディが暴れているのでちょっと大変でしたが、これも原曲ライクな感じでいいアレンジできたんじゃないかなと。Low Dという曲名の通りベースなどはドロップDで演奏されているようですが、今回は普通のチューニングを想定したフレーズにしました。
この曲も初回のメドレー企画以来のリクエストだったので久々に音取りました。ずっしりしたリズムがすごく気持ちいい楽曲で個人的にも好きな曲です。

4. Polisline(火災・通報イベント, チョロQ3)

この画像を撮ったあと実際に捕まえようとしたらグダって5分くらい捕まえられなかった

ロックの流れを受け継いでそのままチョロQ3の通報イベントの曲へ。もともとこの曲も地下水路とマッシュアップしながら移る予定だったんですが、この曲のテンポがかなり速く「うまくマッシュアップできないぞこれ」と気づいたため、地下水路のサビ終わりのブレイクを使って原曲のハーフテンポになる部分に繋ぎました(この曲を遅くアレンジすると今回の場合は味が失われるなと思ったので)。曲順を決めるときはいちいち曲のテンポを測ったりせず「なんとなくいけそう」という雑な感じで決めてるのでよくこういう誤算が起こってしまいます。ロクにテンポ感も感じられてないけど音楽趣味人やってます。
でもこの曲はやっぱりイントロがかっこいいのでそこも使いたいという思いがあったので、ハーフテンポ地帯が終わったら一気にイントロに戻してAメロ、再度ハーフテンポ地帯を駆け抜けています。繋ぎを頑張りたいとか言いつつイントロへの戻し方がぶつ切りだったのは反省点。一旦静かにさせてイントロに戻すとかやればよかったな。
本山明燮さんらしい一筋縄では行かないブラスの重ね方やリズムの食い方でちょっと大変でしたね。オルガンを雰囲気出すように音色調整を結構したんですが途中で挫折しました。

5. Meister (マイスター戦, チョロQHG3)

画像はチョロQ Wiki より、普通にコースが難しいしマイスターのライン取り上手いしで勝つのには苦労した

タムソフトの流れからe-gameのチョロQHG3のマイスター戦に繋げました。ここではゲーム終盤で流れるいわば最終戦にあたるBGMをメドレーの序盤に持ってきて「ここでもうこれ流す?」という意外性を狙いました。
繋ぎ方は特に去年は時間がなさすぎて大量に使った「前の曲の終盤からどんどん次の曲にテンポを線形に変化させて無理やり繋ぐ」という方法に。ちょっといい繋ぎ方が思いつかなかった。ただ、Polislineのブレイクの音をトリガーにしてマイスター戦のAメロにつなぐのはやり方としてずっと思っていたのであのような繋ぎ方に。35点。
アレンジについては最近よく使うようになった「ピアノソロをメインにバッキング隊が伴奏を補強するスタイル」でいきました。ここ数年でピアノの打ち込みのこだわり方が分かってきてよく使う技の一つになってます。左手が肝心。原曲もハープシコード?をメインにドラムとベースが補強するスタイルなので、ピアノに変えてより豪華にしたようなアレンジです。
ループ直前でピアノはメロディだけに、ドラムもハーフテンポにしてグッと来るような変化をつけて、最後に音符が連続する地帯でしれっと次の曲につなげてます。曲の途中でハーフテンポになったり静かになったりするの好きで、たまにこういうことしちゃいますね。

6. なんごくスクール (チョロQ Wii)

チョロQ Wii発表時のテストショット

チョロQパークやチョロQHG4の楽曲担当でおなじみ葛岡善哉さんの楽曲。ゲーム内容はいろいろ言われちゃっているチョロQ Wiiですが楽曲は葛岡さんによる名曲が多いです。この曲は去年のメドレーでリクエストされた際に知ったんですが、個人的にすごく好きな曲です。HG4のような爽やかだけれども葛岡さん感ガッツリのドラムだったりと聴いていて気持ちいいです。
繋ぎは最初のピアノの駆け上がりを利用してマイスター戦の音符連続地帯からしれっとこっちに移してそのままイントロに行く流れにしています。これも分かれば無理やりですが結構綺麗にまとまったかなと。
アレンジも曲構成もほぼ去年のときと同じにしようと思ったんですが、特に曲構成がまんま同じだと去年のデータをそのまま貼り付けただけの手抜きに思われそうだったので、急遽ちょっとだけAメロを追加しています(ちなみに今回は過去のデータを貼り付けたりと言ったことはせず、どれも1から音を取ったり、他のデータを参考に1から自分で打ち込んでます)。
特にサビのドラムが印象的な楽曲ですね。普通に「ズッタン  ズッタン」としておらず随分とややこしい位置でスネアを叩いてゴーストノートもマシマシにしています。HG4の楽曲でもこういうの多いですね。無視してそのままズッタンズッタンさせても良かったんですが、せっかくなので(?)原曲っぽくスネアも叩きつつも、1小節打ち込んだらコピペしちゃいました。

7. オープニング (チョロQワークス)

レシフタウンの猫は癒やし

BHE作品が続きます、なんごくスクールのあとはチョロQワークスのオープニングに繋げました。今回音取りで一番苦労したのは多分この曲。メロディが高速で動いているしポルタメントもかかっていてなかなか苦戦しました。伴奏もよく聞くと面白い動きをしていて一筋縄ではいきませんでした。黒鍵使わないと思ったら普通に使ってた。夢に出てくるくらいには苦労したみたいです。
繋ぎ方はなんごくスクールのアウトロがシンプルにしっとりしていたので、ここを使ってオケヒの音をトリガーにしてこっちに持っていきました。それだけだとまだ物足りなかったので、手元に持っていたサンプルを使ってちょっとビルドアップな音を追加してワークスのOP冒頭っぽくしつつ段々とこちら側に寄せています。
アレンジについては先述の通り音取りがなかなか大変だったので、特段変なことはせず原曲っぽくしています。ただ後半パートのシンセがピャーピャーしているところは全く聞き取れず。残りの曲数もありここに時間を割くのは微妙だったのでスルーしました。
オープニングらしい期待感溢れる楽曲で楽しい気持ちになりますね。OP映像も音楽に合わせて切り替わったりしていて面白いです。今回のメドレーではオケヒ4連発で雰囲気が変わる部分のオケヒのところまで持っていって一旦静かにして次の曲につなげてます。

8. New York (チョロQシティ夜,チョロQ3)

こどものころは怖かったけど改めて見るとそんな怖くない幽霊

一旦静まったあとはシンバルをフェードインさせながら夜のチョロQシティに繋げました。ギターソロ前のシンセメロディにつないでます。
ここからは鍵盤をエレピに変更して夜感を出しつつ、エレピ+シンセメロディだけのシンプルな構成にしています(ちょっとドラム遊んでますが)。そしてそのままギターソロに行くかと思わせてサビに戻ってドラムとベースがはいってくる流れにしました。ギターソロ行っても良かったんですが、次の曲に繋げる都合上、間奏のビブラフォンの部分に行きたかったのでちょっと無理矢理サビに連行しました。
ここからはちょっとだけジャズを意識した流れで数曲続けるつもりだったので、サビはシャッフルビート+ウォーキングベースのアレンジにして、テンポも原曲より速めにしてみました。なぜかはわかりませんが僕の中でジャズってシャッフルビートでライドシンバルを鳴らしてるイメージがあるみたいです。エセジャズすぎる。
この曲は過去何回かリクエストを頂いているのですが、毎回同じところを使っていた気がするので、出だしはいつもとは違うところ、いつも使うサビもアレンジを変えてお送りしてみました。いつかイントロの暴れてるピアノソロをメドレーに入れる日が来るかもしれない。

9. SHINING SEA (アクロポリス, マリンQボート)

そのへんに止まってる民泊船を撃ち落としがち

Qボートの中でも異質な雰囲気を放っているアクロポリスはイントロから。夜のチョロQシティの間奏とマッシュアップして繋げました。
夜のチョロQシティのビブラフォンのところに差し掛かったらエレピ・ベースをアクロポリスに移して、キーを適宜合わせながら続けています。ビブラフォンゾーンを抜けたらストリングスが入って完全にアクロポリスの演奏に移ります。
原曲はフルートやウッドベースを用いた爽やかな(多分)ジャズナンバーなんですが、今回のメドレーでは前後の構成の都合でアルトサックスを使って粘っこい音でメロディを担当してもらってます。使っている音色が違うぐらいで原曲とはフレーズも特に変えずにアレンジしています。ちょっとサックスの音がデカかったかなぁと言うのが反省点。シャレオツなピアノのフレーズを聴き取るのが若干大変でした。
この曲、Qボートの中ではかなり静かな曲ですが、オシャレでいいですね。山田靖子さんではなく土谷忠寛(Moriggan)さんの作曲とのことで、アイスバーン(SECRET ICE ROAD)も同氏の作曲だそうです。どっちもオシャレで印象的な楽曲ですね。

10. 僕はパイロット・ドライブしよう (ぼくのチョロQ)

やたらとほかのチョロQシリーズの一枚絵が見れる作品

アクロポリスのジャズの流れに乗じて、ぼくのチョロQのドライブなどで使われるBGMにそのまま繋ぎました。「ぼくのチョロQリクエストされてて草」と言う人に向けてメドレーは作っていません。
原曲はジャズとまでは行かないですがちょっと渋い雰囲気の曲だったので、アクロポリスのときに使った楽器編成のままでアレンジを行っています。イントロ→メロディとずっと同じ伴奏が使われているので、まずは原曲にないサックスソロを最初に持ってきて、その後にギターとサックスでメロディを取るスタイルを取りました。こちらはYouTubeに上がっていた耳コピ動画も大いに参考にしながらアレンジさせていただきました。とはいえ結構手癖も取り入れた個人的にはやりやすい部類の楽曲でした。曲もかなり短いのでサクサクと作業できました。
ギターがはいってきたところでちょっとT-SQUAREっぽくなったので結構いい感じになったなと満足しています。強いて言うならエレピの刻み方が前後の曲とでぜんぜん違うので、前半をアクロポリス風に、後半をブラックひよこ団風にしたほうがよかったなぁと。
ところで今回でぼくのチョロQがリクエストで来たので、今までのメドレーを含めてまだリクエストが来ていないチョロQ作品がかなりマニアックなところのみになりましたね。iモードだったりGBAのコンバットチョロQだったりコンバットデジQだったりCR チョロQだったり。この辺りは僕も曲はあまり知らない&YouTubeに参考音源もないのでリクエストされるとかなり参っちゃうというのもあるんですが。

11. ブラックひよこ団 愛のテーマ (チョロQHG4)

チョロQHG4は意図的なのか普通に間違えたのかわからない誤植が多々ある

まだジャズの流れが続きます、チョロQHG4でもかなりジャズ寄りのナンバーであるブラックひよこ団のテーマに繋ぎました。原曲はスローテンポなんですが、前の曲からテンポは変えずに、原曲と比べると速めのテンポになっています。メドレーで聴くとあんまり速さに違和感はないですね。
本当はハーモニカから始まるイントロから始めようと思ったんですが、アルトサックスが前の曲からメロディを取り続けていた&この曲後半にサックスソロあるじゃん!と気づいたので原曲のサックスソロに繋げました。原曲をちゃんと覚えてないと「この曲こんなところあったっけ?」ってなっちゃう・原曲知ってると「いやそこ流すんかい」と思われちゃいそうでピックした箇所はちょっと微妙だったかもしれません。
ほぼ原曲と同じようにピアノも刻んでサックスも打ち込んだので、ピアノがエレピになってスピードアップしたくらいのアレンジになっています。また原曲ではサックスソロのあとはオルガンソロになるのですが、オルガンソロの冒頭部分もサックスでやってからそのままの雰囲気でまさかの次の曲へ移行しています。

12. ゴロゴロバレー/アッチッチケイブ (チョロQHG2)

画像はチョロQ Wikiより、チームメイトがアクマ装備だと毎回クラッシュしてリタイアしている

ジャズの流れのままHG2のゴロゴロバレーに繋ぎました。同ゲームのラジオ内では「Funk」とも紹介されていた楽曲ですが、今回一番原曲と乖離したアレンジをしました。個人的にこのアレンジが上手くハマってかなり気に入ってます
まずはブラックひよこ団の伴奏のまま、サックスのメロディはゴロゴロバレーの後半のメロディへ。キーを合わせるため原曲と比べて半音上に上げてます。ブラックひよこ団はシャッフルビートの楽曲でメロディもジャズっぽくリズムが揺らいでいる曲なので、こちらのメロディもかなり三連符を意識して揺らいだリズムに大改編しています。そのままイントロ直前のループ地点まで行くんですが、このままヒヨコ団とのマッシュアップで終わらせるのも面白みにかけるので、さらにイントロでは展開を作って雰囲気をガラッと変えてみました。だんだん上がっていくサンプル(Sweep Up的な?)を使って上げていき、ループ直前のメロディでドロップ(メロディ以外の楽器を一旦止める)、イントロに移ってノリノリなエレクトリスウィング風アレンジで大改編しました。ノリを強く出すためにドラムは打ち込みドラムとサンプルの4つ打ちドラムビートを重ねています。イントロのメロディはスウィング感を出すため三連符を使ったアレンジにして原曲とはだいぶ違う雰囲気にしました。さらにエンジンを回す音を使って遊んだりしてます。全体としてあんまり長くはないですが、原曲を知っている人にはかなりインパクトのあるアレンジができたかなと。
イントロが終わったら再びドロップして次の曲へテンポアップして繋げてます。

13. Hot Sand Ruin (チョロQHG3)

画像はチョロQ Wikiより、ジャンピングヘリを使ったアスレチック地帯で失敗すると真顔になる

ジャズの流れは終わり、原曲にかなり寄せてチョロQHG3よりホットサンドルーインに繋ぎました。ゴロゴロバレーをドロップして一旦止めたのでそのままイントロにつないでいます。
メロディの音色が原曲ではビブラフォンなんですが、今回はPLUCK系のシンセの音色にして一応前のゴロゴロバレーの音色と合わせてはいます。どちらかと言うとこの曲は次の曲のマッシュアップの素材という役回りを担わせているので、大きく原曲からは外れたことはしていないです。本当はこの曲もジャズの流れに乗せて派手にアレンジしようと思っていたのですが、ちょっとうまく行かなかった&前の曲がきれいに決まったためにかえって蛇足感が出そうだったので普通に原曲寄りのアレンジにしました。
ところで当時リアルタイムでチョロQHG3をやってたときにコース含めてホットサンドルートインはかなりお気に入りでした。アクションゲームも好きだったので、ただでさえアクション要素のあるゲーム内容の中でもとりわけアクション要素の強いコースだったからかも。

14. CHORO Q-3 ENDING THEME (チョロQ3)

チョロQ3のCMでも最後の方でこの曲使われていた気がする

ホットサンドルートインの伴奏のままメロディをチョロQ3のエンディングに切り替えて繋ぎました。実はどちらともシャッフルの曲で調号も近いのでうまい具合にハマってくれました。
原曲では歓声の声がイントロでだいぶ入っていたので、こちらでもたっぷり入れて華やかにしてみました。Aメロを行ったあとは歓声を大きくしてドラムフィルを挟んでイントロの一番印象的なフレーズを鳴らして次の曲に行っています。
このイントロのフレーズがテンポ一定ではなくだんだんゆっくりになるため(リタルダンド)、テンポ決め打ちして同期再生で音を取っている身としてはリズム周りでちょっと苦戦しました。無理やりテンポ一定で解釈して、打ち込むノート側をだんだん間隔を開けてそれっぽく再現するゴリ押しで強行してます。イントロのフレーズのあとは本来はドラムのフィルが入ってAメロに行くんですが、ドラムのフィルの代わりに次の曲へ。

15. シルバーヴィレッジ (チョロQ!)

ショートカットが激烈に行きにくいコース

チョロQの雪系のコースの楽曲は冬山ショート/ロングや冬の山のように華やかな楽曲のパターンと、チョロQ3のアルペンレースやスノーパレスマウンテンのような過酷な感じをイメージした楽曲の2パターンがありますが、こちらは後者パターンのハードな楽曲。イントロがドラムソロだったので前の曲のイントロからこっちのドラムソロにつないで無理なく移行しています。
ギターはメドレー通して同じ歪みのアンプシミュレーターを使っているので、原曲よりもかなり歪んでいる音を使ってハードな感じになっていたかもしれません。それ以外は基本的に原曲準拠のアレンジにしています。
イントロ→Aメロ→Bメロ→アウトロのかなり急ぎ足な構成でサラッと一周してすぐに次の曲につないじゃっています。コード進行が云々というよりもリフメインで構成されている楽曲だったので音取りはしやすかった部類ですね。この曲のハードな雰囲気は好きだったので今回アレンジできて良かった。
次の曲へつなぐために最後の方でブラスのトップノートを半音ずつ上がるように和音の動きを作って若干スムーズに繋がるようにはしているんですが、あんまり効果はないような気もする。

16. 冬の山 (チョロQ2)

画像はチョロQ Wikiより、凍った湖から脱出する際の壁当たり判定が鬼畜

切り替えの1小節前にピアノのグリッサンドを入れて「お?」って思わせて冬の山のイントロに繋ぎました。リズムのノリがシルバーヴィレッジとは異なりシンプルなビートになるし、調も短調から長調になるので、グリッサンドで殴ってその間に切り替える戦法です。
イントロのあとは後半のBメロ、サビに行ったあと間奏につなぐ構成にしました。Bメロは原曲ではアッツアツなギターメロディなんですが、実際に演奏されているギターのフレット数が通常よりも多いものを使用されているのかかなり高い音域まで出ていて、持っている音源では対応しきれなかったので泣く泣く最後の方はオクターブを下げています。またこのBメロはさり気なくピアノが原曲では結構暴れていて、それがいい味を出しているのでなるべくそこも聴き取られる範囲で再現してみました。本山さんの楽曲は特にこの頃はピアノが一筋縄では行かないですね、夏の山とか。
チョロQの楽曲で初めてアレンジした曲でもあり思い入れもひとしおです。メドレー企画としては数年ぶりにリクエストが来たので、音も完全に取り直しています。

17. 海岸リゾート (チョロQHG)

画像はチョロQ Wikiより、フロート持ってないと仲間外れ感が出る

冬曲から一転して夏を感じる海岸リゾートに繋ぎました。冬の山の間奏がテクノっぽくシンセをポポポポ…(?)と細かく鳴らしているので、そこをオマージュして海岸リゾートのイントロのフレーズを細かくしてこっちに一気にシフトしました。曲を知ってる人だと「そうきたか」と感じてもらえたのかなと。個人的にはちょっと安直な繋ぎ方だったなぁとも思っていたんですが、意外とこの繋ぎの評判が良くて驚いてます。
アレンジは特に変なこともせずに、メロディはギターとシンセを分かりやすくユニゾンさせているくらいです。尺的にも転調するところの手前まで大きくカットすることなく演奏を続けています。佐藤天平さんの楽曲はいろんな音が鳴っているのでその全部を落とし込もうとするととんでもなく労力がいるんですが、今回はざっくりとメロディとバッキングを音とって、ほかはこちらの手癖でいい感じにアレンジしています。とかいいながらAメロ直前の駆け上がりフレーズを音取ろうとして微妙な感じになってますが…。全体的に原曲の爽やかさをそのままにできたので満足しています。爽やかな曲大好き。

18. DIVE(マインフィールド, マリンQボート)

画像は用意できず。最後の一個の機雷が見つからずに全然クリアできなかったミッション。

2小節だけ海岸リゾートに食い込ませた形でマインフィールドに繋ぎました、サビ前の印象的なピアノのフレーズを差し込んでこちらにぐいっと引き寄せる形の繋ぎ方です。この手のサビ前にわかりやすいフレーズがあると、それを軸に繋ぎやすいですね。
そのままサビを1ループだけやって原曲と同じ終わり方で一旦ジャーンと曲を終わらせちゃってます。この曲だけ採用した箇所がかなり短くなっちゃったので原曲と同じようにサビを2ループさせても良かったなぁと今になって思いますね。原曲は音数も少なくシンプルな楽器構成だったので、メドレーではギターを追加してメロディも目立たせるようにしてちょっと派手にしてます。シンセのメロディじゃなくてサックスでも良かったかも。全体的にはメドレーとして無難にまとめられたかなと思います。
大学時代にサークルの部室にマリンQボートが置いてあったので度々やっていたのですが、何度やってもマインフィールドで機雷が全部見つけられなくて諦めた苦い思い出の曲でもあります。

19. ミュージックでQ (チョロQHG2)

つい先日、風車の数をドヤ顔で答えて普通に間違えました

マインフィールドで一旦曲を終わらせて、ここからメドレーは第二部に突入します。ふつうに原曲を耳コピして流しているんですが、分かる人には分かる仕掛けを施しました。この曲、睡蓮(*2)がライブする際のオープニングS.E.としても使われているので、実際に睡蓮がライブする際の雰囲気を再現しています。残響(リバーブ)も多めにして、曲が始まったら拍手とともにイントロ、Aメロに差し掛かったら演者が登壇して再び拍手、Aメロの終わりあたりから次第に音量を上げて音楽ストップ、そしてライブの緊張感を保ったまま(ライブとしての)1曲目につながっていくという流れです。実際に睡蓮のライブに行った方ならBUNさんの手の動きが脳内再生できたかもしれない。
ゲーム中でもよく聞いた楽曲ですが、やはり睡蓮の活動とともに再び注目されるようになった楽曲なので、せっかくリクエスト来たならこんな感じのこともやっちゃおうということで睡蓮再現アレンジしてみました。今年(2022年)は5/3に久々に睡蓮のライブも開催されるので、それに向けたワクワクも込めて作らせていただきました。SOUND CANVAS使ったらかなり原曲に近い音色で作れて耳コピの再現度がなかなか高いんじゃないかと思います。

*2: 睡蓮…高原ショート/ロングやクネクネ峠、Low D、ワンダフォー、HG2、HG3等の作曲をした田辺文雄さん(通称BUNさん)が率いるギター×二胡・キーボードのユニット。BUNさんの相方は奥さんでもありPink SardineのバンドメンバーでもあるSoukoさん。ライブではPink SardineやBUNさんのチョロQ曲がたっぷり演奏されるので会場にはチョロQファンが一堂に会する。

20. 上級サーキット (チョロQ)

ブラック・マリアはこのコースだと失速しがち

静まり返ったあとはドラムのカウントともに上級サーキットに繋ぎました。これは当時その場にいた人はわかったかもしれませんが、2019年の睡蓮ライブ(この記事を書いている時点では最後の睡蓮ライブ)のときの流れを完全に踏襲しました。あの時の初っ端から上級サーキットで飛ばすのは予想外でかなり印象的でしたね。これもライブの音響を想定してリバーブをちょっと強めにしています。
アレンジでは、当時とは違いAメロは二胡を想定した音色にしてみました。二湖の音源は流石に持っていなかったので、バイオリン音源で代用しています。ここから思い出したかのようにバイオリンがメロディを取るのが増えますが、実際に「そう言えば去年のブラックフライデーで良いバイオリン音源買ったんだった」と思い出して多用してます。Bメロはシンセのメロディにして、サビはギターと二胡(バイオリン)のユニゾンで睡蓮としての演奏をだいぶイメージしています。流石にメドレーということで各メロディの尺は半分以下にリフレッシュはしているんですが。
上級サーキットはよくリクエストされる定番曲の1つなんですが、この曲はテンポがかなり速く、毎回他の曲から繋げる際に苦労しますね。前回リクエストされたときはシャッフルビートアレンジという暴挙に出ています。今回はミュージックでQのリクエストに助けられてファンサービス的な繋げ方ができてよかったです。今年の睡蓮のライブも楽しみですね。
2022/05/05 追記: 今年の睡蓮のライブめちゃくちゃ良かったです、アップダウン峠が最高だった…

21. チョロQモーターズ (チョロQ!)

キッズルームの定規橋で落下して悲しい気持ちになった記憶が一番強い

睡蓮ゾーンの次はGC版チョロQことチョロQ!のガレージの曲につないでます。上級サーキットのサビのあとそのままイントロにつないでいます。ドラムが一旦止まってリズムが有耶無耶になるので大きく違和感はないかなと。いや、リズム感強い人は発狂してるかもしれない。私はリズム感もたいして無いから分からん。
アレンジも特に原曲から大きく変えることはせず、上級サーキットからの盛り上げをそのまま受け継いでガッツリ盛り上げています。Bメロを1ループやったあとは次の曲へつなぐためにちょっと独自の展開として半音下降を使って「ん?」と思わせてる感じにしてます。
曲としては、ドラムが倍テンでギターも唸る曲なのでめちゃくちゃかっこいいですね。でもこれがガレージとかチョロQずかんの曲らしい。普通にレースBGMとしても使えそう。アレンジの際はイントロのエレピソロ部分だけ音を大きくしないと目立ってくれなかったのでわざわざ別トラックを用意してボリュームをガン上げして無理やり目立たせています。普段の楽曲作りでは別トラックに分けてもコンプレッサーとかEQとか使って前後調整を行うんですが、メドレーの場合は作業スピードも大事になってくるので、細かいミックスは一切行わずにかなり脳筋な手法を使いまくっています。ミックスにうるさい人が見たら「あ~~~!!引き算しろ~~~!!!!」ってめっちゃ怒るかも。すいません。でもこっちは普段の仕事もこなしつつ3週間で33曲作らねばならんのだ、脳筋で行くしかない。

22. ダートコース (チョロQワークス)

スプラッシュガーデンは曲と風景のマッチ度が高くて大変良い雰囲気です

チョロQワークスの名曲ダートコースに繋いでます。今回最も無理のある繋ぎだったかもしれません。この曲への繋ぎ方のメモもたいして有益なことを書いておらず、原曲はテンポもビートも前の曲と比べてかなりゆっくりになってスピード感が失われるので、普通にバチッと切り替えたりするともったり感が出てだらしなくなるのでさてどうしようかなと。
一回、ハイテンポにしてアニソン風のバッチバチなポップスアレンジにしようかなとちょっと試みたんですが、これはあんまりうまくいかず。じゃあ原曲を活かすアレンジにするしか無いので、原曲よりテンポは上げるけど基本は原曲基準のアレンジにすることに(テンポ上げ過ぎると早送り再生感が出てダサいので程々に)。とすると、一旦バッサリと曲の流れをぶった切ってこっちに引き込むしか思いつかなかったので、あのような繋ぎ方になりました。具体的に文字に起こすと、前の曲のフレーズを途中で切り上げて半音下降のフレーズを作って「ん?なんだなんだ」という状況を作り出す。その後ダートコースのイントロのブラスをブレイクとして利用、ディスクスクラッチの音を合いの手に挟んで無駄にかっこよくして一気にシフトしました。大昔に初めてのDAWとしてAcid Studioを買った際についてきたサンプルライブラリが久々に役に立った。やたらとかっこいい繋ぎ方になりましたが冷静に見てかなり強引な苦しい繋ぎでした。
繋いだあとのアレンジとしては先述の通り原曲よりテンポが早いけど原曲基準なアレンジにしてます。前回もダートコースのリクエストがあり、このときはAメロをピアノソロ+バッキング隊にしたので今回はBメロをピアノソロ+バッキング隊のアレンジにしてみました。その後原曲同様ベルを鳴らして次の曲へ。いつもは冬の山と同様にこの曲も間奏で静かになるので、そこを使ってマッシュアップして次に繋いでいましたが今回は静かになる直前の「テッテー」のフレーズをトリガーにして繋げてみました。

23. アイスグランプリ (パーフェクトチョロQ)

ゲームボーイのチョロQ作品、しかしその中身はおはじきレースという異色作品

お次はパーフェクトチョロQのアイスグランプリに繋いでいます。ちょっとマニアックな作品なので知らない方も多いかと、原曲はこちら。私もまだ履修していないゲームなので教えていただきました。ゲームボーイの作品のため原曲はチップチューンなんですが、今回はガッツリバンドサウンドに落とし込んでいます。この曲をバンドサウンドに落とし込むならイントロはブラスで華やかにするのが筋だろうと思ったので、ダートコースの「テッテー」部分をブラスで行って、アイスグランプリのイントロの合いの手を挟んでこっちに持ってきています。個人的になかなか鮮やかに繋げられたかなと。
アレンジは先述の通りバンドサウンドに落とし込んで原曲と比べてだいぶリッチにしました。ここから数曲はエレキギターとバイオリンがメロディをとります。Aメロはギターが担当して周りの音も相まって楽しげな感じに、Bメロはバイオリンが担当してちょっと冬感出しつつで、いい感じにイメージを落とし込めて満足の行くアレンジができました。こういう元がチップの曲はアレンジの幅が広くてアレンジしていて楽しいです。

24. ワインドデザート (チョロQアドバンス), 
25. ファステストラップ (チョロQ3)

アドバンスは地味に良曲づくし、レースも程よい難易度で普通に楽しい

同じチップチューン原曲からワインドデザートに繋ぎました。アイスグランプリのループ前のフレーズをワインドデザートのイントロの間のフレーズにちょっと改変してそのまま突入してます。このイントロもバイオリンが映える良いメロディですね。
アレンジとしてはイントロはバイオリンに任せて、その後のメロディは全編ギターでロックな感じにしてみました。Aメロは半分サイズにしましたがBメロはカットせず全部分を採用してアレンジしました(切りどころも特に見つからなかったので)。この曲だけ特徴的なAメロを補強するためにシンセパッドの音を追加でもう一種類重ねているんですが、音色調整がうまくできてなくてちょっとパツパツした音が入っちゃったのが反省点ですね…。一度気になるとめちゃくちゃ気になりますね。ドラムの音と倍音で重なっちゃってるのかな。アレンジとしてはギターのメロディと親和していてなかなかいい感じのバンドサウンドに落とし込めたんじゃないかなと思います。砂漠の曲はちょっと熱い感じにしたくなっちゃいますね。

また、チョロQ3のファステストラップの効果音のリクエストはここで消化しました。チョロQ3のファステストラップ音は実はチョロQアドバンスでもアレンジして使われていて、今回はアドバンス版の効果音を耳コピしてぶち込んでみました。本当はこのあとのチャイナ峠あたりで差し込もうかなと思っていたんですが、アドバンス版の効果音なら音色含めてコピーできるなと思ったのでこっちで行いましいた。Magical 8bit Plug 2を使って矩形波を異なるDuty比で重ねただけであっという間に完コピ。
いつも自分でこんな一発ネタをリクエストしてるんですが、こんなことしてると他の人も真似してきて効果音メドレーにされてしまわないか。みんなは楽曲をリクエストしてね。

26. チョロ砂漠とオアシス (チョロQHG)

画像はチョロQ Wikiより、
オアシスのど真ん中に突っ込むと普通に失速が大きいからプロは端っこを通る

砂漠曲を続けて繋いでみました、チョロQHGの爽やかな砂漠ナンバーのチョロ砂漠とオアシスです。ワインドデザートのループ前のフレーズが一旦ドロップしていたので、そのままチョロ砂漠とオアシスのAメロにつなげています。楽器構成も前の曲から特に変えていないのでスムーズではあるんですが、ちょっと強引だったかも。
アレンジは前の曲がギターメインだったので今度はバイオリンメインにしてみました。意外とバイオリンが合うメロディでカッコよくなったのが嬉しい誤算。Aメロのあとは少々強引にサビにつなげて倍テンにしてギターもユニゾンさせて勢いを増してみました。原曲だとサビはタンバリンを細かく鳴らして爽快感を作っているんですが、今回はスネアを多く刻んでスピード感を出しかったのでこんな感じに。カッコよくなったのでこの出来にはかなり満足してます。強いて言うならサビへの繋ぎがちょっと強引で5拍になっちゃったのがちょっと微妙だったなーとも。曲内での繋ぎ方とかもうまくなりたいですね。

27. ぶらっとコンビニ (チョロQ Wii)

チョロQHG4で見かけた路面でコンビニを駆け巡るコース、
身の回りの場所がコースになるのはチョロQらしい解釈で好き

チョロ砂漠とオアシスのサビ終わりのブラス部分を使ってチョロQ Wiiのぶらっとコンビニに繋ぎました。もうちょっとガラリと雰囲気を変えずにシームレスに変えたかったんですがちょっとうまくいかず。ドラムのフレーズをうまく共通化させたらよかったな。
原曲と同じ流れでイントロ~Aメロ~A'メロ~一瞬Bメロまで行っています。テクノと言うほど電子音楽でもないですが、ちょっと変わった雰囲気を持った打ち込み音楽チックな楽曲なのでほぼ雰囲気はそのまま、音色もそれっぽくしてアレンジしました、葛岡さんの曲にしては随分素直な楽曲で音取りもしやすかったです。前後の流れを揃えるためにドラムは原曲よりは静かにしてます。
チョロQ WiiのレースBGMってなぜかフェードインして始まるので最初のフレーズが聞こえないんですよね。今回は有志の方が上げてくださっているBGM音源を使ってイントロから音を取っていたんですが、ゲームで聴いていた人はイントロってこんなフレーズだったんだってなっていたかもしれません(BHEのチョロQシリーズは効果音が大きくてBGMが小さい傾向にあるのであんまり音楽の印象が残っていない方もいるかも)。BGMというくらいですからバックグラウンドに徹するのは理にかなっていますが、やっぱりしっかり音楽も感じながらゲームやりたい。

28. Beijing Square (チャイナ峠, チョロQ3)

画像はチョロQ Wikiより、プロレベルの人は初期装備で1位になれるらしい
(私はできなかったのでアマチュア)

ぶらっとコンビニのBメロを1小節だけバイオリンで行ったあとに1小節かけて駆け上がりフレーズを行ってチャイナ峠に繋げました。Bメロ使わずにそのまま繋げても良かったんですが、Bメロの勢いある冒頭フレーズを使って展開したほうが流れをぶった切らなさそうだったのでこうしました。
アレンジは再びバイオリンをフューチャーしたアレンジにしてみました。女子十二楽坊の影響か弦楽器をメロディに持ってくると優雅なチャイナ感とマッチして映えますね。メインフレーズ部分を主に採用しているのですが、原曲ラストの転調後に出てくるハモリフレーズもチェロを使って鳴らしてみました。あのハモリフレーズかなり好きだったので入れちゃいましたが、フレーズの途中でハモり止めちゃったので違和感あったかも、無理やりフレーズの最後までやったほうが良かったな。メインフレーズ部分が終わったらオルガンのブレイクを挟んで次の曲とマッシュアップしてます。
この曲は2,3年ぶりにリクエストが来たような気がする。メインメロディのあとのパートはいろんな音がなっていて、特にバッキングをしっかり取らないとかなり物足りない楽曲になっちゃうので、効率も考えてメインメロディ部分を軸にしてアレンジしました。

29. ふじやまガイシャ (チョロQHG4)

画像はチョロQ Wikiより、エセJAPANな感じが逆にコミカルでチョロQにあってる良コース

チャイナ峠のリフパターン部分のメロディは流しつつ、三味線も入れてオリエンタルチャレンジコースのBGMでおなじみ「ふじやまガイシャ」に繋ぎました。チョロQのBGM全体で見てもかなり異質な曲で繋ぎ方は悩んだんですが、いい具合に聴いている人をぶん殴れるような唐突さと期待感を煽る繋ぎになったんじゃないかなと。
原曲は結構いろんな音や和楽器が鳴っていたんですが、今回はメドレー通しての質感の統一のためやはりバンドサウンドにアレンジ。曲の入りのところ(三味線がソーラン節みたいにジャカジャカ言ってる部分)は、原曲では太鼓がドコドコ鳴っているんですが、メドレーではタムをドコドコさせてそれっぽくしてます。そもそも原曲にはドラムは鳴っておらず太鼓や小鼓でリズム隊を補っていましたが、メドレーでは普通にドラムでビートを鳴らしています。メロディはしっかりしている曲なのでバンドアレンジしてもしっかりいい曲になりますね。
三味線は今まで全く使う機会がなく、良い音源も持っていなくてどうしようかなと思ったんですが、せっかくなのでKontakt用の三味線音源を調達して使ってみました。なかなかいい音でベンベンしてくれたのでおすすめです。

30. グランプリン (チョロQHG4)

「このシーンで流れるのはバラートのテーマでは?」と気づいたあなたはするどい

ふじやまガイシャのBメロが終わって一瞬一区切りついた瞬間を狙ってバッサリこっちに繋ぎました。メドレーらしいシンプルな繋ぎ方で無難です。本当は冒頭のバスドラム4つ打ちを使って切り替えようかなとも思ったんですが、それはそれで一旦ドラムソロにする必要があって「なに?」と印象与えてしまうかなと思い無難な方に。
原曲と同様にパンフルートもメロディを取っていますが、同時にバイオリンもメロディを取らせて優雅な感じにしてます。グランプリ後の勝利時のBGM的な印象が強いので、勝者の威厳的な感じ?をイメージしてのバイオリンの起用です。チョロQタウンと同様にイントロのあとはサビに直行してサビをそのまま一周して次の曲に繋いでます。ポップな楽曲でアレンジもしやすい良曲でした。
ゲーム内で印象的なシーンの直前・直後で使われる楽曲ということもあり記憶に残っている方も多い楽曲だと思います。ほかのリクエスト楽曲とのシナジーが見込めたらそういう展開も考えたのですが、今回は特に見込めず。なので楽曲単体で明るい感じを全面に出して、そのまま明るい楽曲につなぐ流れにしました。ちょうど去年のメドレーのHG表彰台のテーマからの流れはまさにこのシナジーを狙った繋ぎでした。
あと、この曲からHGエンディングまでへの流れをスムーズにするために意図的にチューブラーベルを鳴らして雰囲気を出しているんですが、音を打ち込んでるときに「これQボートの撃たれた時の音じゃん」と気づいてしまってこの音やっぱり消そうかなと葛藤してました。

31. 未来への約束 (グリーンパーク, チョロQワンダフォー!)

画像はチョロQ Wikiより、
住民のエンジンパワーが異様に強いのはトイレの宝箱の対策のためらしい

グランプリンのサビが終わったらこちらも一瞬静かになる瞬間があるので、すかさずグリーンパークの曲へチェンジして繋ぎました。これも無難なパターンの繋ぎ方ですね。
チョロQワンダフォーの楽曲はゲーム内でもサウンドトラックでもピッチが実はずれていて、普通に音を取ると絶対に音が合うことはないんですが、今回は原曲側を再生周波数を少し下げてピッチがドレミファソラシドでピッタリ合うようにして音を取っています。多分ほかのワンダフォー!の楽曲をアレンジしたり耳コピしたりしている人も大半はこのやり方を行っているんじゃないかなと。ワンダフォー!に限らず、ゲーム音楽でもピッチがずれているものはたまにありますね。
イントロはバイオリンにメロディを任せて、その後サビにワープして、シンセとバイオリンの掛け合いでアレンジを行っています。この曲も基本白鍵の曲なんですが、うまく黒鍵も絡めている気持ちのいい曲ですね。また、前述の通りグランプリンと同様にチューブラーベルを合いの手のように鳴らしていますが、バイオリンと親和のある音なのでいい感じに優雅な感じが出ていますね。撃たれた時の音ですが。
サビはいつもだったらハーフサイズで手短にまとめちゃってるところだったんですが、それではメドレー内でのグリーンパークの尺が短くなっちゃうし「今更別に短くしなくてもいいか」ということでサビはフル尺で行っています。サビ後半でハーフテンポにしてテンポ感を遅くしていい感じにしっとりさせつつ次の曲に繋いでいます。リズム隊を使ってテンポ感の演出を切り替えるのは単調さも解消できるし「おっ」と思わせられるしでやはり良い。

32. エンディング (チョロQHG)

実は海外版のエンディングの映像を使ってました

グリーンパークのサビ終わりでハーフテンポにしてゆっくりにして、そのままテンポも落としてチョロQHGのエンディングに繋ぎました。流れを崩さないために原曲で使われていないバイオリンもそれっぽくフレーズを鳴らしつつ、エンディング特有の雰囲気をそのまま出しています。繋ぎ方は特に個人的にも文句はないんですが、つなぐ際に入れたシュワァァァっていうSweep Upしてる音については「もうちょっといい音を探したほうが良かったな」とあとになって思ってます。
アレンジも原曲をリスペクトしたアレンジとして、イントロ、Bメロ後半、サビと続けています。この曲はサビが本当に気持ちいい。また原曲では曲が進むにつれてどんどん音数も増えて豪華になっていってるんですが、このメドレー内のアレンジでもサビの前半はシンプルな楽器構成にしていますが後半ではストリングス(オーケストラ)の音を追加してどんどん豪華にしています。実際はそれほど変化はないですが。また、サビの前半は1回目のサビのフレーズで、後半は2回目のラスサビのフレーズにしてどんどん盛り上げています。そして最後のフレーズ前では原曲と展開を変えて、一気に音をなくしてピアノだけでラストフレーズを鳴らしてかなりしっとりとさせて曲を終わらせています。まさにメドレーとしてもエンディングの役割を担わせてキレイに締めくくらせてみました。盛り上げたあとにピアノだけでオクターブ上げてメロディをしっとり演奏するのはたまに使うグッとこさせる手法です。

33. Emort (チョロQシティ昼, チョロQ3)

一枚絵に見せかけて実は動画でした

HGエンディングでものすごくきれいに締めくくったので「もう終わり」と見せかけて、最後の最後に昼のチョロQシティでもう一発盛り上げました。この曲への繋ぎ方はダートコースの次くらいに悩みました。HGエンディングでかなりきれいにまとめちゃったので、ここからもう1展開作るのは少し間違えたら蛇足になってしまいかねないため、最後の最後に頭を抱えてしまう羽目に。今回はHGエンディングの最後のフレーズ(ターラーラー)の部分を鼻歌で歌いながら、更にEmortに繋げるメロディパターンを数パターン鼻歌で歌ってみて、個人的にしっくり来たのを繋ぎとして採用して繋いでみました。一応、カーテンコール的な最後のもうひと盛り上がりへの繋ぎとして蛇足を感じずにいてくださったのなら幸い。
アレンジは基本原曲の通りなんですが、最後ということもありドラムはちょっと暴れ気味にして盛り上げてもらってます。もうちょっと暴れさせても良かったかもしれない。ただこの曲、メロディの譜割りがなかなか単純なものではなく、同期再生で音を取っていたら上手くリズムが合ってくれなかったので苦労しました。この曲も三連符を駆使した譜割りだったとは。
今までこの企画ではParty Room(チョロQシティ(グランプリ), チョロQ3) の方はたびたびリクエストは来ていたんですが、Emortの方は今回はじめてリクエストが来ました。YouTubeやTwitterで検索してもあんまりアレンジもされていない楽曲なので、今回しっかりとアレンジさせていただきました。ラスサビからシンセソロ、その後のアウトロをほぼ原曲のとおりに採譜して流しています。アウトロだけ原曲と比べてハーフサイズです。

また、一番最後に「チョロQシティといえば」ということでアウトロでキレイに曲が終わったあとはチョロQコインを手に入れた時の効果音でファンサービスしてメドレーを締めくくりました。このチョロQコインの効果音を入れる演出は曲順決めてるときは全く考えておらず、Emortを打ち込み終わったあとに思いつきで入れた演出でした。今までのメドレーの中でもかなりキレイに終わったんじゃないでしょうか。
(オリジナル楽曲を)作曲する際はあまりこういうことはしないんですが、アレンジを作る場合は基本的にそのコンテンツが好きな人をターゲットにして作ります。なので、ゲームプレイを彷彿とさせる要素を曲に入れたりすることで、そのターゲットに対してアレンジの印象・インパクトを残させに行く戦略をよくやります。単純に私がそういうのが好きというのもあるんですが。

最後に

気づいたら2万字超えるくらい書いてしまった、ちょっと短い論文レベル。
ここまで考えてメドレーを作られるようになったのは結構最近のことで、始めた当初は採譜するのに精一杯でした。自分でも圧倒的成長を感じますね。また全体的に「原曲のとおりにアレンジした」と書いてはいるんですが、実際には原曲にはないArp(うっすらとなってるピコピコ音)などを重ねて伴奏に重圧を出したりしているので、原曲をまんま耳コピしているものはかなり少ないです。たぶん今回でいうとミュージックでQとファステストラップだけ。
初めてこの企画を行ったときは12曲くらいのリクエスト数でしたが、最近は30曲を超えるリクエストをしていただいてありがたい限りです(毎回ヒーヒー言ってますが)。次のチョロQリプライメドレー企画は私の忙しさにもよるとは思うんですが、2023年の3/22に向けてまた作るかなと思います。もしリクエストしてみたいという方がいらっしゃったら2023年の2月頃から私のTwitterで告知すると思うので、覚えていたらチェックしてみるといいと思います。

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