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激突!イシハライダーVS仮面ライダーS/L~イシハライダー10周年記念作品~


・円谷高校。とある教室では歴史の授業が行われていた。
「え~このように鎌倉幕府は例年1192年開始だとされていたのですが最近になって1185年説が出てきています。皆さんも間違えて覚えないようにしてくださいね」
坪倉先生が教卓であらかじめメモしたとおりの言葉を喋れば教室の生徒達はごく一部を除いてノートに書き記す。
「それでは、次のページを……」
「この歴史修正主義者め!!」
「!?」
突然廊下からバイクに乗った全裸のボディビルダーが飛び込んできた。教卓前で教科書読むふりしてマガジン読んでた松下君からマガジンをひったくり、
「ふむふむ。あのクソゲーマニアの漫画が書籍化よりも前に漫画化か。珍しいものだな」
一瞬で読破してから週刊少年マガジンの代わりにメガミマガジンを松下君に返してから教卓の上に立ち上がる。
「な、何なんですかあなたは!?」
「そんなことはどうでもいい!!貴様、ショッカーだな!!」
突然坪倉先生の胸ぐらをつかみ上げて高低差も兼ねて天井すれすれまで持ち上げる。
「ネタは上がっているのだぞ!」
「ね、ネタ……!?」
「この通りだ!」
全裸のボディビルダーがリモコンを操作すると教室に備えられたテレビが起動して奥様は生徒会長のアニメ無修正版が再生される。
「おっと間違えた。こっちだ」
チャンネルを操作すると、どこかの満員電車の風景が映し出される。
「はあ……はあ……」
その中で坪倉先生が息を荒くしながらスマホでFGOのリセマラをやっていた。しかもそれをしているのは事実だが自分の学校の女子生徒の胸元にスマホを持つ手を当てていた。
「これが貴様がショッカーであるという証拠だ!!」
「い、いや、これはその……」
「正体を現せ!」
ボディビルダーが坪倉先生のスーツをはぐ。と、
「ちっ!」
そこにいたのはアライグマ怪人のフータイガーだった。
「出たな、ショッカー!!」
「貴様、何者だ!?ただの変態ではないな!?」
「私に興味がおありかな?ならお見せしよう!!」
ボディビルダーはどこからか手鏡を取り出した。その鏡面に写る自身の顔を見て突然エクスタシーを感じ始める。
「嗚呼美しい!!これぞ邪馬台国の国宝!」
意味不明なことをほざき始めるとボディビルダーの腰にベルトが召喚される。
「いつでもマッスルハッスルsuperbeatifulイシハライダー!!!」
そして次の瞬間には股間のモザイク以外は仮面ライダー1号に酷似した姿に変身していた。
「イシハライダーだと!?10年前にショッカー体育館支部を滅ぼしたというあの……!?」
「さあ、貴様の終わりの時間だ!!」
イシハライダーがジャンプし、空中で二人に分裂する。片方が普通に着地してフータイガーの背後に回り込んで羽交い絞め、もう片方は着地と同時に魔王ケイブリスに変身する。
「!?」
「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
魔王ケイブリスの町をもたやすく破壊するパンチの一撃でフータイガーはイシハライダーもろとも天井をぶち抜いて空高く吹き飛ばされる。
「ライダージェミニドリーマー!!」
そして空中でさらに二人に分裂したイシハライダーがフータイガーを左右から組体操の扇に近い形で左右に引き裂いた。
「ぎゃあああ!!」
「……正義と筋肉と自己愛は勝つ」
それだけ言って全裸のボディビルダーはバイクに乗って去っていった。
「……で、どうすんのこいつ?」
教室には魔王ケイブリスが残ったままだった。


大手町。檀コーポレーション。社長室。
西武将碁、喜屋武の二人は檀黎斗社長に呼び出されてやってきた。
「君達を突然呼んだのは他でもない」
「バグスターですか?」
「いや、ただおかしな反応があってね。目撃者によるとバグスター怪人のような人型の怪物だったらしい」
「バグスターではない人型の怪物か……」
「報酬ならいつも通り出すし、椎名会長にも許可は取ってある。……瑠璃君」
「はい。お連れします」
「いつも済まないね」
「いいえ、お仕事ですから」
そこから二人は駐車場に赴き、瑠璃が運転する車に乗って現場へと向かう。
「瑠璃さんは相手がどんなのか知っているのか?」
「いえ。ただお父さんは……嵐山本部長は映像を見た途端に変な顔をしてどこか走り去っていきました」
「……何じゃそりゃ」
「……あ!」
瑠璃が急ブレーキを踏む。
「どうした!?」
「出ました!怪物です!!」
瑠璃が言い、二人が車から降りる。と、車道のど真ん中でドレッドヘアーのようにイカの足を頭から生やした狛犬っぽい姿の怪人が暴れていた。
「バグスターじゃないのか……!?」
「あぁん!?俺様は偉大なるショッカー怪人コマデビルだ!俺様と会話をした記念にぶっ殺してやる!!」
「……武」
「ああ!」
二人同時に懐からガシャットを取り出す。
「ジャンクセーバー!!」
「ガンガンリボルバー!!」
「「変身!!」」
「「レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ホワッチャネーム!?アイムア仮面ライダー!!」」
二人同時に変身し、将碁は仮面ライダーセーブレベル1スタンバイゲーマーに、武は仮面ライダーリボルバーレベル1スタンバイゲーマーに変身した。
「「行くぞ!!」」
セーブがタブレットを構え、リボルバーがハンドガンを出して発砲。
「ウェポンスライド!」
セーブがタブレットの画面から玩具のような銃を出すと引き金を引いて掌大の石を発射する。しかし、
「がははは!!そんなものがこの俺様にクソ程度でも通用すると思ったか!?」
コマデビルは余裕で払いのけて突進。二人をまとめて吹っ飛ばす。
「ぐっ!!グラファイト並みのパワーだ……!!」
「正面から相手にしちゃいけないな」
「「だったら!!」」
二人して新たなガシャットを手に取る。
「「スターライトドラグーン!!」」
「「レベルアップ!!」」
「「スタァァァァライトォォォォスタアアゲイザァァァァァァ!!!アイムアレベル10ドラグーンゲーマー!!」」
二人して翼を生やした青い姿・レベル10ドラグーンゲーマーに変身。飛翔してどちらもが空中から射撃を繰り出す。
「ぐおっ!?」
先程の数倍以上の威力を受けてコマデビルが後ずさる。しかし、再び突進してくる。
「少しは面白いな!!」
跳躍して空にいる二人にボディプレス。しかもきっちりと翼を握ることで回避を封じる。
「ぐっ!」
二人は逃げる事も出来ずに30メートルの高さから地面に叩き落される。さらにコマデビルの頭から生えたイカの足が二人の右足同士を絡みあわせて圧力をかける。
「レベル10でもきついか……!?」
二人が激痛に耐える。と、
「エアリアルウィング!!」
「……変身」
「win!wind!wing!勝利の風を吹き果たせ!!アイムアレベル4ウィングゲーマー!!」
そこへ瑠璃が変身した仮面ライダーアイジスレベル4ウィングゲーマーが飛来してコマデビルを引きはがす。
「すまない!」
「いえ、これくらい……!」
改めて立ち上がった3人。正面で立ち上がったコマデビルは高笑いを止めずピンピンしている。
「がははははは!!行くぞ!!」
馬のように足で土を数度蹴ってから突進を再開。3人はそれを真っ向から受け止めてから飛翔。
「「「ライダートリオマッチグラビティ!!」」」
空中でセーブとアイジスがコマデビルの両腕を掴み無理矢理大文字に開けてからリボルバーがハンドガンでのチャージショットを無防備の胴体に叩き込む。
「やったか!?」
3人が着地する。しかし、その時にはコマデビルの姿はなかった。
「……逃げたのか……?」
3人は周囲を数分見まわしてから変身を解除した。それから黎斗から連絡があり、3人は一度檀コーポレーションに帰ってきた。
「やあ、お帰り」
そこには黎斗、椎名のほかに見慣れない少女が二人いた。
「椎名、その子達は?」
「協力者だよ。まあ正確に言えば僕達が協力者になるのかな?」
「え?」
「紹介しよう。赤原紅葉さんと赤原詩吹さんだ」
「初めまして、赤原紅葉です。宝子山経済大学で経営学の講師をしています」
「初めまして、赤原詩吹です。紅葉先生が教授をしている大学の生徒です」
「「え!?大学教授!?」」
将碁と武が同時に紅葉を見る。どう見ても中学生くらいの少女だ。最初見たときは詩吹が姉の姉妹かと思ったほどだのに。
「あはは……。そう言う反応は慣れてます。ちなみに苗字は一緒ですけど詩吹ちゃんとの血縁関係はありません。それでですね。私達が来たのはあなた方が仮面ライダーだと聞いたからです」
「仮面ライダーをご存じなんですか?」
「実は私達も似たような力を持っているので。で、今回は私達やその先輩……にあたる人達が戦ってきたショッカーと言う組織の改造人間が何体かこの近くにやってきたと報告があってやってきたんです」
「……マジでショッカーなのかよ」
小声の将碁。その間に瑠璃が先ほど戦ったコマデビルの映像をその場の全員に見せる。
「ショッカー怪人コマデビルか。レベル10が二人でもかなり苦戦を強いられるようだ」
「……少しだけスマッシュに似ている部分もあるが全くの別物か」
椎名、黎斗がそれぞれ小さく呟く。
「かなりの強敵だった。前に戦ったレベル30のグラファイト並みかそれ以上……」
「ですが、そのコマデビルも決して幹部級と言うわけではありません。確かに従来のショッカー怪人よりかは大幅に強化されていますがそれはバグスターが感染した人間を改造したためです」
「厄介なクロスオーバーもあったものだよ」
「と言うか、紅葉先生。さっき何体かって言ってたけど……」
「はい。先程ここへ来る途中に私達が1体倒しましたがそれを除いて少なくともあと2体は残っていると思われます」
「……あんなのが3体いるのか……」
「本来なら私達だけで対処するはずだったんですけど、巻き込んでしまったようで申し訳ございません」
「い、いえそんな……!」
「おや将碁。照れてるのか?こりゃおじさんも喜ぶ」
「おい椎名何言ってんだよ」
「そうですよ。将碁君ほど若い子が私なんかに」
「……え、紅葉さんいくt……」
将碁は軽く聞こうとしたつもりだった。直後、詩吹が将碁、武、椎名、瑠璃をものすごい速さで部屋の外まで連れていく。
「いいですか?あの人に年齢ネタは駄目です。本気で怒ります。キレます。絶対に歳とか聞いちゃいけません。いいですね?」
「……あんたの方が怖いよ」
「必死だからです!!」
「詩吹ちゃん?どうかしましたか?」
「い、いえ何でもないです」
何でもない顔して社長室に戻る。よく見れば黎斗が白目向いてた。ものっそいネクタイ締められてた。年齢を聞いたのかもしれない。椎名が割と本気で恐怖してる。
「1つ質問いいですか?」
恐る恐る将碁が挙手。詩吹が警戒して椎名と黎斗が後ずさる。
「はい、何ですか?」
「さっき先輩達って言ってましたけど。その先輩の方々はここに来るんですか?」
「う~ん。そのあたりよく分からないんですよねあの人達、言葉を選んで言えば頭おかしい集団ですから」
「……は、はぁ……?」
「とりあえず、警戒を……」
そこで黎斗の携帯が鳴った。
「失礼。……私だ。……了解した」
「どうしました?」
「ショッカーが現れたそうだ。数は2つで場所は高津。瑠璃君」
「はい。将碁さん武さん椎名会長、紅葉さん、詩吹さんをお連れします」


高津。ボウリング場。
「ボウリングってのは楽しいものだなぁ?」
ショッカー怪人ガメエレオンが殴り倒した人間を投げ飛ばして逃げ惑う人々を転倒させていく。さらにコマデビルが突進して一気に十数人を吹っ飛ばす。
「わしゃもう少し壊しがいのある奴がいいがな。……あいつらみたいに!!」
コマデビルが見やると、将碁達6人がやってきた。
「2体いる……!!」
「将碁君達は無茶しないでください。あの映像を見る限りやや劣勢でしたから……!」
「いや、俺達もまだまだやれます!」
「ちょうどよく開発も完了したからね」
椎名が言い、将碁、武、椎名が両手にスターライトドラグーンのガシャットを出す。
「「「スーパーブースト!!ブラスタァァァァライトドラグウウウゥゥゥゥン!!!」」」
「スカイフォールイカロス!!」4人がそれぞれレベル20のガシャットを起動させ、ベルトに入れる。
「「「「変身!!!!」」」」
「「「胸に秘めた熱い思いはブラスターライトフリーダム!!アイムアレベル20!ブラスターライトゲーマー!!!」」」
「最初で最後の空からクイーンオブザスカイ!アイムアレベル20イカロスゲーマー!!」
変身が完了し、ボウリング場に立つ4人の姿。セーブ、リボルバー、ローズはレベル20のブラスターライトゲーマー。アイジスのレベル20はイカロスゲーマー。4人のレベル20が一斉に集う。
「……この世界の仮面ライダーの変身はずいぶんと賑やかだね」
「まあ、私達の変身も普通ではないと思いますし」
「それもそっか。……じゃあやろう、詩吹ちゃん!」
「はい!!」
紅葉がどこからか脱臭炭を取り出し、詩吹がブレスレットを光らせる。
「「あかはら・めもはら・らりろれらりぴょ~ん(棒)」」
不思議な呪文を言うと、脱臭炭を髪に巻いた紅葉と詩吹が同時に赤い輝きに包まれる。
「「経営幼女戦士アカハライダーズ!!先輩と後輩の特番でありながら空気読まずに只今参上!!」」
「おお、」
変身を完了したアカハライダー紅葉とアカハライダージャック。ガシャットで変身する仮面ライダーともフルボトルで変身する仮面ライダーとも違った姿だった。
「……脱臭炭で変身するのか。ゲームガシャットで変身する俺達が言うのもなんだけど、変わってるなぁ……」
「そんな事よりも敵を倒すのが優先です。行きましょう!」
紅葉の先ほどまでとは打って変わったきりっとした号令に6人が構え、前方のショッカー怪人2体に向かっていく。
「スピードなら俺が一番!!」
一番先に接敵したセーブ。コマデビルの突進を加速前に受け止め、しかしそれを利用した膝蹴りを腹に叩き込む。
「スペックは一緒だっての!!」
「タイミング合わせるよ!!」
続いてリボルバーとローズが同時にコマデビルの顔面にドロップキックを叩き込む。
「ぐうううう……!!」
「たぁっ!」
アイジスが飛来してコマデビルの脳天にニードロップを叩き込む。
「あれ瑠璃さん女子組じゃなくていいの?」
「いえ、ガシャット組ですし……。それに向こうは足りてそうですし……」
アイジスがちらりと見る。
「たぁぁぁぁぁっ!!!」
紅葉が猛烈な勢いでチョップやキック、パンチを繰り出してガメエレオンをどんどん後ろに下げていく。それに合わせてジャックがブレスレットを変形させた槍でガメエレオンの頭部を集中攻撃する。
「くっ!こいつら強いぞ……!?」
「言っておきますが私達も5周年なんですよ!!」
紅葉はどこからかシュールストレミングを取り出して脱臭炭と同じように髪にはさむ。すると紅葉の姿がまた新たに変わる。
「輝神殻醒バルトフォーム!!」
生成したメイスでガメエレオンを殴り飛ばす。
「ジャックオン!!」
ジャックがブレスレットから重装甲を取り出すと装備する。
「フルメタルジャック!!」
変身を終えたジャックが背中からエンジンを起動させて飛翔。空中で仰け反っているガメエレオンを殴り飛ばす。
「ぐべええあああ!!!」
「さらにもっと行きますよ!!」
紅葉がどこからかカボチャの帽子を出す。
「げっ!!」
それを見たジャックが大慌てで離れる。
「ブラドフォーム……」
カボチャの帽子をかぶった瞬間にまるで女吸血鬼のような姿となった紅葉。
「うわ、セクシー」
呟いたセーブ達3人の顔面にアイジスの廻し蹴りが炸裂する。が、次の瞬間。
「ねえ、みんな。もみじとあそぼ?」
たどたどしい声で紅葉が言葉を発すると、マントで飛翔し、
「ヴェノムインヒューズ……」
天井ギリギリの高さで止まった紅葉の全身から1000万ボルトの電撃が縦横無尽に発射。ジャック以外の全員が被弾して感電する。
「し、詩吹さん……」
「ごめんなさい、言い忘れてました!!あの姿の紅葉先生は見境ありません!」
戻ってきたジャックが感電したままの4人を起こす。
と、正面。
「くっ、この中で一番やばいぞあいつ……!!」
2体の怪人が痙攣と吐血しながら立ち上がる。
「仕方ない、合体するぞ!」
「やむを得ないな!!」
「「合体!!」」
閃光瞬き、次の瞬間には2体の怪人は合体した姿になっていた。
「合体ショッカー怪人デビレオス!!」
「!あぶない……!!」
咄嗟に身構えたジャックが次の瞬間には宙を舞っていた。
「な、何……!?」
セーブにはかろうじて見えた。デビレオスが超スピードで突進してジャックをぶっ飛ばしたのだ。さらに、
「ほう、合体状態を披露したとは相手は侮れないようだな」
そこへ一人の大男がやってきた。
「あれは……!?」
「我が名はショッカーの改造魔人テクスチャー。見よ、我が真の姿を!!」
大男がスーツを脱ぐと次の瞬間には木製ゴーレムと表現できそうな姿となっていた。
「改造魔人って……」
「ただのショッカー怪人とは一味も二味も違うという事だ!」
テクスチャーが走り、何とか立ち上がったばかりのセーブを蹴り飛ばし、続いてリボルバー、ローズ、アイジスをもリズムよくスピーディに蹴り倒していく。
「はぁっ!!」
さらにキックの衝撃波で宙に浮いていた紅葉をも撃墜する。
「あうううう……」
カボチャの帽子もシュールストレミングも落ちて通常の姿に戻ってしまう紅葉。
「こ、こんなに強いのはしばらくぶりかも……」
「敢えてここに宣言しよう!!ショッカーの全盛期は今であると!!」
テクスチャーが叫ぶと、その体が輝き、やがて10体のデビレオスとなる。
「コピーした!?」
「このくらい造作もない。さあ、デビレオス軍団よ!上級バグスターを攻め立てろ!仮面ライダークロニクルプレイヤーを鹵獲せよ!!両方を混ぜ合わせてさらなる進化したショッカー怪人を作り上げるのだ!!」
「キキィィーッ!!」
11体のデビレオスがボウリング場の外へと走り去っていく。
「……ま、待て……!!」
セーブとリボルバーが立ち上がり、追いかけようとするが
「させるか!」
テクスチャーのスピンキック、その衝撃波を受けて吹き飛ばされてしまう。
「くっ、俺達仮面ライダーがここで膝を折ったまま怪人をのさばらせるなんて……」
「だ、誰か……!誰でもいい、奴を止めてくれ……!!」
変身が解除され、それでも何とか立ち上がろうとする将碁と武。段々淡くなっていく視界の先で、しかし異変は起きた。
「イイイィイイリイィィィィィィィィイイイィャアァァァァァァッホゥゥゥゥゥゥゥゥゥイ!!!!!!」
「!?」
突然の奇声とバイク音。それらが聞こえたかと思えばデビレオス達がこぞってこちら側に吹き飛ばされてきた。
「何奴……!?」
テクスチャーがにらみを利かせ、衝撃波を放つ。が、
「おいおい、寂しい事を言うな。10年ぶりじゃないか」
その衝撃波を片手でかき消しながら全裸のボディビルダーがやってきた。
「きゃあああああああああああ!!!!!」
アイジスが悲鳴を上げ、ローズが尻もちをつく。将碁と武がゲロを吐く。が、
「き、来てくれたんですか!!」
紅葉が視線をそらしながら喜びの声を上げた。それを見て将碁達4人が無表情を紅葉と詩吹に向ける。
「そうです。あの人こそ我らが先輩です!」
紅葉の前でボディビルダーが向かってきたデビレオスの1体をアイアンクローで掴み上げ、伸ばしたベロでそのこめかみを貫き、爆砕する。
「き、貴様……!!」
「さあ、やろうか」
ボディビルダーが手鏡を取り出し己を恋する乙女の表情で見つめた。
「いつでもマッスルハッスルsuperbeautiful!!イシハライダー!!!」
変身を終えたイシハライダーはその衝撃だけで近くに転がっていたデビレオス2体を粉砕する。
「貴様……石原狂ォォォォォォッ!!!!!!」
「Let’s go fevertime……!」
イシハライダーが走り出し、テクスチャーが迎え撃つ。手四つでの激突はしかし一瞬でイシハライダーが制しテクスチャーを真上に投げ飛ばす。
「くっ!変態馬鹿力めが!!」
「ふっ、褒め言葉さ」
小さく笑ったイシハライダーが跳躍すると空中でボルシャックドラゴンに変身して天井を突き破り、テクスチャーを場外まで殴り飛ばし、
「ボルシャックファイアー!!」
背中のキャノンから発射した火炎の塊。それらが二人のイシハライダーとなってテクスチャーにドロップキックをぶち込む。
「ごぶがぁぁあっはぁぁぁぁあ!!!」
「そこそこ強くなったようだが所詮貴様は私と言う伝説の最初の1ページを飾る第一ボスに過ぎん!!」
地面に叩きつけられるテクスチャーとその前にSF2のGB版プレイしながら着地するイシハライダー。
「く、くくくっ!だがもう遅い。貴様が倒し損ねたデビレオスのコピーは既に無限分裂を開始した!!秒速5体ずつ増えていく我が部下を貴様一人でどう料理するつもりかな?」
「私一人?ふん、相変わらず12話時点で刻が止まっているようだな」
「何!?」
「とっくの昔に私には仲間がいるのだよ」


高津駅前・居酒屋。
「生いっちょう!!」
ビールを注文するデビレオス。すると、
「生ひとぉぉぉぉつ!!!」
透明ジャージのジョギングマンが走ってきて顔面に飛び膝蹴りを叩き込む。
「がばっ!!」
「久々の戦場だ。心行くまで数式を堪能しよう」
ジョギングマンはどこからか数学の参考書を取り出す。書かれている数式を見てエクスタシーすると、
「いつでもレッスンマスティックsupermathman!カタブライダー!!」
全身が微妙に透明になっている仮面ライダー2号に酷似した姿に変身。
「ええい!!ここにも変態ライダーがいるのか!!」
デビレオスが突進。しかし、それをはるかに超えるスピードでカタブライダーが突進し、ハグ。
「カタブールキック!!」
直後カタブライダーの腹から足が出現してデビレオスの腹をぶち抜く。
「がばばばっ!!」
「正義と数学と数式は勝つ」
デビレオスの爆発を背にカタブライダーが分度器を薔薇のように咥えた。
高津駅前・弁当屋。
「いらっしゃいませ」
「銀鮭よこせやぁぁぁっ!!あ、大盛で」
1体のデビレオスが入店する。数分後に出された銀鮭弁当をその場で食おうとした瞬間。弁当の中に入っていた銀鮭が動き出す。なんと、銀鮭ではなくカンディルだった。
「!?」
「キキキキィィィィィッッ!!!」
そしてそのカンディルの腹を突き破って露出民族少年が出現して頭突きの一撃でデビレオスをぶっ飛ばす。
「久々の出番ですね。心躍ります。今の感情を一句にしてみましょう」
言いながら露出民族少年は自分の尿道にカンディルをぶち込む。
「!?」
「いつでもアクティブライティング!!タイライダー!!」
今度はアマゾンライダーに酷似した姿の変人ライダーが出現した。
「キキキァァァァァァァァッ!!!」
跳躍し、デビレオスの頭上に飛び乗るとその両目を爪で引き裂く。
「こいつガチか!」
「きしゃぁぁぁぁぁっ!!!」
くりぬいた眼孔にカンディルを突っ込み、自分と同じエクスタシーの住人にしてから空高く投げ飛ばす。
「大車輪!!」
そして自身は縦に高速回転し、突進。鋭い背びれを使って空中でデビレオスを真っ二つに両断した。
「……正義と文学は勝つ。……そろそろV2変身が欲しい」
血しぶきを背にタイライダーはちょっとだけしょんぼりした。


東急田園都市線・中央林間行き電車内。デビレオスがクリアマインドを歌いながら乗車していると、
「悪いがもうその歌は聞きたくない」
「何奴だ!?」
「……貴様に名乗る名前はない」
一人の青年がゆっくりとデビレオスに近付いていき、
「発動・悪魔の居城ォォォォォォッ!!!」
そう宣言すると同時、電車の中だった空間が暴風雨が吹き荒れる洪水した港町に変わる。
「な、何だ!?」
「ゴジラ!ゴジラ!ゴジラがやってきた!!」
歌うと突然地中からミレニアム版ゴジラが出現して放射熱線を吐き散らす。
「モスラーヤモスラー!ドゥンガンガサクヤンインドゥム!!」
今度はモスラが飛来して突風を起こしてデビレオスを巻き上げる。
「機龍発進!目的位置・前方!アブソリュート・ゼロ発射!!」
コマンドを入力すると機龍三式が胸から絶対零度光線を発射してデビレオスを空中で凍結。
「宇宙龍・キングギドラよ!我に徒成す全ての敵を焼き尽くせ!!ギドラブレイク!!」
空から飛来したキングギドラが引力光線を吐いて氷砕。
「隣のガメラ!ガメラ!!」
最後にガメラが飛来してそのままデビレオスの残骸を完全に消し飛ばした。
「……まさかまだこんなことするとは思わなかった」
青年は頭を抱えて特殊空間を解除した。

渋谷駅。デビレオスが降車して近くの住民に襲い掛かる。と、
「させない」
雷王院が姿を見せてその攻撃を薙ぎ払いつつ、ライトニングフルボトルを振る。
「トリニティセレクト!!」
出現したトリニティドライバーにライトニングフルボトルをセット。
「ライトニング!!Are you Ready!?」
「変身!!」
「孤高のサンダーボルト!!ライトニング!!イイイエェェェェェイ!!!」
仮面ライダーライトニングに変身するとデビレオスの突進を受け止め、
「ぐおおりゃあああああああああ!!!!」
鉄拳の一撃でその胸をぶち抜く。
「こいつだけシリアスだぁぁぁっ!!」
断末魔を挙げながらライトニングの胸の中で大爆発した。
「……はぁ」
嘆息してからライトニングはバイクに乗って次の敵へと向かっていった。

高津駅前・消防署。2体のデビレオスが消防隊員たちを襲っている。と、
「させません!!」
そこに二人のアカハライダーがやってきてそれぞれ応対する。
「かぎゃかぎゃか!!貴様達は先ほど既に倒している。敵ではない!!」
「さっきは油断しましたが今度は負けません!!詩吹ちゃん!!」
「はい!!」
二人が新たなアイテムを発動させた。
「「ハイパープラズマー!!」」
「何!?」
二人のアカハライダーはハイパープラズマーフォームに変身した。
「インフレを見せてあげますよ!!」
紅葉のパンチ。ただそれだけで2体のデビレオスは大気圏外まで吹っ飛び、そのまま太陽に突っ込んでいった。
「な、何だ……!?」
外で暴れていた無数のデビレオスがしかしジャックの放った一撃で一気に2桁消し飛んでいく。


高津駅前・ボウリング場。
「馬鹿な……!?恐ろしい速さでデビレオスが破壊されていくだと!?」
テクスチャーが驚きの悲鳴を上げる。
「テクスチャー!貴様と戦った時、確かに私は一人だった!だがあれから10年がたった今、私は一人ではないのだよ!!
「小癪なことを……ならばこうするまでだ!!」
テクスチャーが2体のデビレオスを吸収し始める。
「合体する気か!」
イシハライダーはキックの一撃でデビレオス2体を弾き飛ばす。そのデビレオスが将碁達の前に倒れる。
「現代のライダーよ!君達の力を示したまえ!!」
「な、なんだって……!?」
「受け取れ!!」
イシハライダーが手鏡を見せる。と、そこから2つのガシャットが出現して二人の前に射出される。
「こ、これは……!?」
「私もたまには後輩のために役に立ちたいものなのだよ」
「隙あり!」
「そんなものはない!!」
迫ってきたテクスチャーを振り向きざまに後ろ廻し蹴りで吹っ飛ばす。それを見てから将碁と武は立ち上がり、ガシャットを起動させた。
「ネオジャンクセーバー!!」
「ネオガンガンリボルバー!!」
「「変身!!」」
「いつでもジャンジャンジャンクセーバー!!アイムアレベルXネオジャンクゲーマー!!」
「いつでもガンガンガンバズギャット!!アイムアレベルXネオガンバズゲーマー!!」
変身を完了した二人。姿かたちはレベル2のそれと大差ない。だが、溢れる力が感じ取れた。
「こざかしい!!」
2体のデビレオスが迫りくる。が、二人はそれを真っ向から受け止め、殴り飛ばす。
「行くぞ!」
セーブはタブレットを操作。これまでとは格段に性能が上がっていた。そして1つのアイコンをタッチする。
「ガガガ!!ガガガ!!ガオガイガー!!ガガガ!ガガガガ!!ガオガイガー!!」
電子音と言うか歌が響くとセーブの姿がスターガオガイガーのような姿に変わる。それを隣で見たリボルバーは3度見しながら腰を抜かす。
「え、ええええ!?」
「行くぞ!!」
しかし気にせずセーブが加速して、
「ドリルニィィィィィッ!!!」
デビれオスの顔面にドリルの膝蹴りを叩き込む。
「……お、俺にもあんな力があるのか?」
リボルバーはふと左足のホルダーを見た。中をごそごそ荒らすと
「あ、あったわ」
青と白いカラーのマガジンをハンドガンにセットする。と、
「早すぎる時の瞬きに晒されて!一人では届かない!!」
またもや歌が流れ、リボルバーの姿がフリーダムガンダムに酷似したものに変わり空を舞う。
「マジか!!」
そうして両手で持った2丁のビームライフルを発射してデビレオスを弾き飛ばす。もはやそれだけで致死の2体のデビレオス。その前にセーブとリボルバーがやってきてガシャットのスイッチを押す。
「キメワザ・ゴルディオンハンマァァァァァァァッ!!!!」
「キメワザ・ハイマットフルバースト!!!」
「てやーりゃあああああああああああああ!!!!!!」
「FIRE!!!」
セーブが右腕の黄金に光るハンマーをたたきつけ、リボルバーが全身の砲門から一斉にビームを発射。
「「デビゴギャァァァァァァッ!!!」」
2体のデビレオスが爆発し、光となって消えていく。
「馬鹿な……あの二人ですらデビレオスを!?」
テクスチャーが驚き、後ずさる。と、
「この程度、造作もない!!」
テクスチャーの腹からイシハライダーが生えて来て頭突き。全身をテクスチャーから出すと、テクスチャーの異変を見る。
「こうなったら仕方がない!!元の姿には戻れなくなるが貴様を潰すためショッカーの再興のため!!」
テクスチャーが大量生産したすべてのデビレオスを吸収して無限合体する。
「gぶっごgほうっほうおうおごお!!」
全長52メートル。両腕と下半身がケルベロスのような形状となった巨大なテクスチャーが高津の町に降臨する。
「い、いやぁ、あれは流石に無理じゃね?」
セーブ達がドン引きする。しかし、
「イイイィイイリイィィィィィィィィイイイィャアァァァァァァッホゥゥゥゥゥゥゥゥゥイ!!!!!!」
イシハライダーは跳躍、嬉々としてその巨体に襲い掛かり飛び蹴りの一撃で下半身を構成していたケルベロスの首を3つ全て吹き飛ばす。
「……もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな?」
遠い目のセーブ達。しかし理性を失ったテクスチャーが両腕のケルベロス6本首を一気にイシハライダーに叩きつけた。
「ふっ、流石にやるか」
地面に叩きつけられたイシハライダー。何故かその胸にあったカラータイマーが点滅していた。すると、
「手こずってるようじゃないか、狂!」
「らしくないな!」
そこへカタブライダーとタイライダーがやってきた。
「お前達……」
「久々にあれをやるぞ!」
「三位一体邪神合体だ!」
「分かった!!」
3人の狂人ライダーが跳躍し、上空で1つに重なる。と、
「邪神合体イシハラスボス!!」
全長60メートル、3人すべての意匠が合わさったしかし禍々しい巨人(全裸)が降臨した。
「……合体までしたんだけど」
セーブ達の小声はもはやどうにもならない。
「ぶるぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
イシハラスボスのパンチが空気摩擦により赤熱化。凄まじい威力が炸裂し、テクスチャーの巨体が軽々と宙を舞う。
「誰かの力を借りよう!!」
イシハラスボスが腕時計のようなものを取り出し何かをセットする。と、別世界からフェイト・T・ハラオウン、ズバババン、日向ヒナタ、コレット、南冬馬、アンジュwithヴィルキス、ケイサル・エフェスが出現して一斉攻撃を放つ。
「……最後だけみずきちがいじゃねえか」
セーブの突っ込み。しかし強烈なダメージを受けてテクスチャーが後ずさり吐血。
「これで最後だ!!」
イシハラスボスが跳躍。一瞬で6000万光年先の惑星まで行きつき、未開文明の原始人達にルイズのコピペを教えてからまた一瞬で戻ってくる。
「イシハラスボス滅デス!!!」
大気圏を突破し、普通に着地してから元の3人に分裂し、3人同時にライダーキックをテクスチャーの額に叩き込んだ。
「ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁっ!!!」
打点を中心にテクスチャーの全身が崩壊していき、10秒と待たずに完全に消滅した。
「「「……正義と筋肉は勝つ」」」
それだけ言い残して3人はバイクに乗って去っていった。
「……よくわからなかったが、すごい体験だったな」
「……そうだな」
取り残されたセーブ達は高津の復旧作業に着手した。

とあるトリミングショップ。
「いらっしゃいませ」
とある青年が戦いを終えたその足で店に戻り、レジ番をしていた。トリミングの予約だろうと思って開かれた自動ドアの方を見る。と、
「出たな、ショッカー!!」
「げっ!!ボディビルダー!?」
「やあ、久しぶりだね。再会記念にリアルスマブラを開始しよう!!」
「こ、こっち来るな!!今仕事中……」
「んなの関係あるかぁぁぁぁぁぁっ!!!」
突然キレたボディビルダーがイシハライダーに変身。
「イシハライダァァァァァァァキイイィィィィィック!!!」
店の天井をぶち抜き、火星でドンザウサーに捕まりそうになってた破嵐万丈を救助してから地球に戻ってきて普通に着地してから青年の右足にソバットを叩き込む。
「ぎゃあああああああああああああ!!!」
高速回転ゲッダンしながら吹き飛んでいった先は新宿。
「今日のライブは久々にあの子と共演ですね」
ライブ用衣装に着替えるため下着姿になっていた巫女さんの足元に転がってきた。
「……げっ!」
「……お兄様?」
「ご、誤解だ!!高校時代によくあったアレ……ぎ、ぎゃあああああああああああ!!!」
この世は所詮因果応報。夕暮れ時に男が挙げた悲鳴を背にイシハライダーはバイクで走り去った。
「……正義と筋肉と自己愛は勝つ」