タイトルなし

キラッとプリチャンVSアイドルタイムプリパラ!!~友情!!ダイヤモンドタッグマッチ!!~プロローグ

「プリチャンパラポーン」

プリパラタウンに響くめが姉ぇの声。

「これより、ダイヤモンドタッグマッチを始めます。参加を希望の方はスタッフへとお声掛けください。プリチャンパラポーン」

「ユメタッグマッチ?」

ライスをおかずにコメを食っていた夢川ゆいが放送に耳を傾けた。

「タッグって二人と二人が戦う奴っすよね。プリパラは基本3人チームだから誰か余ることになるっす」

「見よ」

サンドイッチを食べてるにのにラーメンを食べながらミーチルがチラシを見せた。そこにはこの大会のルールが記載されていた。

「えっと、参加する場合にはタッグを組んでいることが条件で、そのタッグもチーム内で組んではいけない……っす!?」

「ユメ完全にチームバラバラになってタッグマッチをするってことなのかな?」

「これなら皆条件は平等ぞ。妾は出るぞもちろん」

「にのも楽しみっす!!」

「……ユメそうだね。あたしも出る。そろそろタイトルの1つもユメ取らないとパパラ宿を去ったらぁら達が安心できないもんね」

「なら!」

「うむ!」

「ユメ!!」

3人はそれぞれ食べ終わると、目くばせをしてから3方向へと散っていった。代金はプニコンとチュッペとピツジが払った。

「と言う企画があるのよ」

プリズムストーンショップ。めが姉ぇから召集と説明を受けるミラクルキラッツ、メルティックスター、リングマリィ、そして虹ノ咲さん。

「ほええ、チームバラバラでのタッグマッチをやるんだ……」

「みらいと離れちゃうのはさみしいけど、やってやろうじゃないの!」

「あ~ら、黄色いのは誰と組むおつもりなんですの?」

「あぁん!?」

「頼みの綱のチーム内のお友達とも今回は組めないんですのよ?ま、どうしてもと言うのでしたらこの前オメガグロリアスを破ったパートナーであるわたくしがもう一度組んであげてもよろしくてよ?」

「……確かにえもちゃんとあんなちゃんは違うチームだからタッグを組めるわ……」

「むむむ……」

考えるえも。やがて、

「あたしの足引っ張ったら承知しないんだから!」

「こっちのセリフですわよ!黄色いの!!」

顔を突き合わせる二人。それを無視してめが姉ぇは続ける。

「それと白鳥アンジュも今回の大会には参加するそうよ。まだパートナーは決まってないみたい」

「アンジュさんが……!?」

「大会は三日後だからそれまでにパートナーを決めてね」

・キラ宿。裏アスリートタウン。スピードを極める激走超人達が覇を競い合うサーキット。

「ポップンビットスクランブル!!」

にのが巨大化させたリボンの上に載って飛翔。大空から巨大なリボンごと落下してサーキットにいた激走超人達を薙ぎ払う。

「どうしちゃったんすか?もうにのとまともに渡り合える激走超人はどこにもいないんすか?こんなんじゃまだシオン先輩達の足元にも及ばないというのに」

にのが再び飛翔する。そしてその高度が最大に達した時だ。

「なら、すずが相手になってもいいけど?」

「っす!?」

リボンの上。にのの後ろ。そこにすずがいた。

「スイングスケートスパイラループ!!」

そしてにのを羽交い絞めにしながらスケボーで空を大爆走。亜音速に迫るスピードで何度もカーブをしてソニックブームを発生させながらコンクリートの地面ににのをたたきつける。しかし、

「え!?」

「にひひ」

すずが地面にたたきつけたのはにののジャケットだけ。すずの背後にはスク水姿のにのがいた。そしてすずを抱え込んでバックドロップ。が、手ごたえがない。

「っす!?」

「すずの体はよく浮くんだ!!」

すずは地面にたたきつけられていなかった。ばかりかにのに抱き着かれた状態のまま逆立ちで高速回転を始める。そうしてにのが体から離れた瞬間に互いのキックが激突した。

「……」

「……」

お互いに着地して背を向け、やがて振り向く。

「虹色にのっす!!」

「黒川すずだよ!!」

そうして二人は握手をした。

・キラ宿のはずれにある墓場。超人になろうとして人間をやめたがしかし結局超人になれずに死んでいった者たちが眠る場所。

「……ここね」

りんかが足を運ぶ。すると、地面を突き破って完璧超人マーリンマンが姿を見せた。しかしその姿はゾンビのようだ。

「たっ!!」

素早くりんかはマーリンマンの突進を回避してその背後に回り込み、

「ゾンビ・ルールド・パニッシュ!!」

背中合わせになるやマーリンマンの右腕を肩越しに吊り上げ、さらに墓土の下からユヅルの姿をしたゾンビを召還してマーリンマンの両足を止める。

「ぞまー!」

「ええい!!」

りんかが力を込めるとマーリンマンの右腕と腰が切断され、背負い投げの要領でりんかはマーリンマンの右腕と胴体を手前に投げ飛ばす。

「……駄目ね。いくら完璧超人と言ってもゾンビじゃタッグパートナー相手にはあまりにも不足だわ」

そう言ってりんかが別のところへ足を運ぼうとした時だ。

「え、地震!?」

突如墓全体が大きく震え上がる。そしてりんかごと墓が大地から浮かび上がり、無数の超人ゾンビたちが復活を遂げる。

「な、なに!?何なの!?」

「ゾンビをパートナーにしようとは面白い」

声。振り向くとゾンビガンマンの角の上にミーチルが座っていた。

「汝、妾と組んでみないか?妾の名はぷー大陸の巫女・ミーチルじゃ」

「わ、私は青葉りんか!」

「りんかか。よい、まずはその力を見せてもらおうか」

ミーチルが顎をくいっと前に出すと、ゾンビペインマンが呻きながらりんかへと向かう。

・米牧場。毎日600トンもの米俵が獲れる牧場。

「ユメメッ!!!」

次々と地面から出現した米俵に向かってゆいが突進し、粉砕された米俵の中身の米をコンマ数秒でタッキーの中にかき集め、

「タキアガリマシタ」

着地した瞬間にバカでかいおにぎりにして丸のみにする。

「ユメピリカおいしい!!でもパートナーどこにいるんだろう?」

言いながらゆいが次の米俵にタックルをかました瞬間。

「ここにいるだがね!!」

「え」

ゆいの体が米俵に触れた瞬間にその米俵が逆側から粉砕され、池のようにたまった米粒の中にゆいが沈む。起き上がったゆいが見るとそこにはしゅうかがいた。

「しゅうか!!私のユメパートナーになってくれるの!?」

「本来ならガァララやミミ子と組みたかったのですけれども同チーム禁止なら仕方がありませんわ。ゆい!あんたと組んでやるぎゃ!!」

「ユメありがとう!!あ、おにぎりいる?」

「わたくしにはフレンチフライがあるからいらなくてよ!」

・白鳥レスリングジム総本山「ブラックフォレスト」。

「……これは意外ね」

外国から帰国してそこに足を運んだアンジュ。今日はこれからジムに来てもらっていたアイドル超人200人との組手が待っている筈だった。しかしそこに立っていたアイドル超人は一人だけ。足元には無数の倒された超人達。

「めるちゃん……」

「めるめる、アンジュと組むためにやってきたの」

「……あなたにはほかにパートナーがいたのではなくて?」

「あんあんもさららも自分の限界に挑んでる。だからめるめるも最強のアイドル超人になりたくて、そのためにアンジュとパートナーを組みたいの!」

「……そうね。今から私とスパーリングして200人分程度になれたら考えてみるわ」

「……うん!!よろしくね!!」

そしてリングの上でアンジュとめるが激突した。

・ウサギのお店。

「いいんですか?さらちゃん。あんなちゃんもめるちゃんもどっか行っちゃいましたけど」

まりあがウサギを抱いて撫でている。正面ではさらがその姿を3D立体式でスケッチしている。

「ああ、あんなはえもくんとタッグを組んで宇宙超人最強のオメガグロリアスを破った。でもまだわだかまりがある。あの時放った双極必殺技(ツープラトンフィニッシュホールド)のレヴォリューションコンビエモンは決してあんなだけの力では出せなかったからね。めるもああ見えて普段は僕達に気を使ってるからソロでの本気が出せずにいる。自分を見直すいいきっかけになると思うんだ。まりあくんこそいいのかい?みらいくんと組みたかったみたいだけれども」

「それはさらちゃんも一緒ですよね?」

「……まあね。みらいくんには今必要な相手がいる」

・虹ノ咲邸。

「何でこんなことになってるのぉ~っ!?」

虹ノ咲の叫び声が響く。正面には立体映像のだいあ。

「だいあ!私確かにデュオ大会をやってみたいって言ったけど何でプロレスなの!?超人って何!?私普通の女子中学生だよ!?何でシャッフルデュオ大会がプロレスのタッグマッチになってるの!?」

「う~ん、だいあにもよくわかってないんだもん。パパラ宿に行って時の精霊たちに話をした時には普通にアイドルとしてのシャッフルデュオ選手権だった気がするんだけれども、何かあの双子プロレスにはまってるみたいで、一時的に歴史を書き直しちゃったんだもん。だいあはまだプリズムのきらめきを受けてないから歴史の改ざんを受けていないだけでみらいちゃん達は既にアイドル超人としてベテランなんだもん」

「い、いや、でも私普通の女子中学生だし。プロレスなんてできないし」

「そこは大丈夫だもん。だいあが代わりにやるから。だいあは既に時の精霊達さらには女神たちの力で今回の歴史上に限ってアイドル超人として活動できるように調整されたんだもん。それにだいあも望めば一応この超人ドリンクを飲むことで一時的に超人になれるんだもん」

「え、ええ~?でも、私普通の女の子だし、あまりプロレスに興味は……」

「一応言っとくと、タッグも調整してるから今みらいちゃんはフリー。つまりだいあがみらいちゃんとタッグを組めるんだもん」

「……私、やってみる」

「だもん♪」

・そして三日後。ついにダイヤモンドタッグマッチが開催される。

「出場選手の紹介をします!!」

全身タイツのめが姉ぇがマイクを片手に叫ぶ。

「黒川すずちゃんと虹色にのちゃんのタッグ・ブレイキンスクランブル!!青葉りんかちゃんとミーチルさんのタッグ・ファンタジスタプリンセス!!夢川ゆいさんと華園しゅうかさんのタッグ・マネードリーマーズ!!緑川さらさんと金森まりあちゃんのタッグ・クールヒーツ!!萌黄えもちゃんと赤城あんなちゃんのタッグ・ツインテールズ!!紫藤めるちゃんと白鳥アンジュのタッグ・パープルプライド!!桃山みらいちゃんとだいあちゃんのタッグ・ダイヤモンドスマイル!!そして緊急飛び入りゲストはファララ・ア・ラームさんとガァララ・ス・リープさんのタッグ・時の精霊!!以上16人8チームでトーナメントが行われることに決定いたしましたー!!!」

めが姉ぇのコールに伴い、16人がそれぞれファイティングスーツに身を包んでリングの上に上がる。

「うわあ、とっても夢可愛い女の子ですねえ!!」

「うわあ、本当にユメ可愛い女の子!!でもなんかどっかで聞き覚えのある声」

「へえ、すずくんのパートナーは見たことない子だね。僕は緑川さら。よろしく、にのくん」

「よ、よろしくっす!……何かいろいろ混じってるような感覚っす」

それぞれが邂逅を済ませていると、ついにトーナメント表が公開された。

1回戦目 ブレイキンスクランブル VS クールヒーツ

2回戦目 時の精霊 VS マネードリーマーズ

3回戦目 ツインテールズ VS パープルプライド

4回戦目 ダイヤモンドスマイル VS ファンタジスタプリンセス