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キラッとプリチャンVSアイドルタイムプリパラ~友情!ダイヤモンドタッグマッチ!!~2話「アイドル極める時間だよ!」

・時の神殿。ゆい、しゅうか、ミーチルは6体の時間超人を倒してついに精霊の間に到着した。

「ファララ!ガァララ!!」

「あれ、ゆい。みんなどうしたの?」

「どうしたのじゃありませんわ!どうしてまたあなた達と戦わなくてはいけませんの!?」

「ユメもしかしてまだサタンの影響が残ってるとか?」

「むむむ、サタンの力を受けたパック。パックがバックにいることで時の精霊たちもその影響を受けた事により起きたアイドルタイム事変。ゴッドアイドルになったドレッシングパフェによって最強の時間超人となったパックは倒され、ソラミスマイルによってサタンは滅ぼされたはずじゃ。しかし時の精霊二人には何の対処もしていない、それが原因になっていると?」

「そんなことないよ」

「めが姉ぇとかに聞いてない?女神が今プロレスにハマってるの。時々ガァララ達も女神姉妹と戦ってるんだけど流石にいつも同じ顔ぶれじゃつまらなくて」

「だからファララ達下界に降りてゆい達と戦ってみたかったの。そのために今回のダイヤモンドタッグマッチを開催したんだよ?」

「じゃ、じゃあ、ユメサタンの影響が残ってるわけじゃないんだよね……?」

「うん。もちろん」

「けどしゅうか達ここに来るまでにボロボロになりすぎちゃってるみたい。いま、回復してあげるね」

ガァララの時戻りの力によってゆいたちの傷が回復していく。

「ゆい、しゅうか。それにミーチル。全力で戦いましょ?」

「……うん。精霊としての格はファララたちの方が上だけれども実力は女神の方が上。あのらぁら達は女神ジュリィにも勝ってる。だからあたし達もらぁらに追いつくためにまずはファララとガァララを倒さないといけないんだよね」

「……そうでもしないと神アイドル超人なんてとてもおこがましくてめざせないぎゃ。言っときますけども、ファララ、それにガァララも。手加減なんてしたら承知しませんわよ」

「もちろん」

「しゅうかも夢川っ子も手加減しちゃだめだからね!ガァララ達も本気でやる。しゅうか達も本気でやる。だからこそ意味があるんだから」

「うん!!」

そうして時の神殿を去り、パパキラ宿。特製リング。

「にの、ユメ大丈夫?」

一回戦目を終えたにのと廊下でばったりと遭遇。

「もちろんっす!それよりゆい!しゅうか!!にのは勝ったっすよ!!だから2回戦で待ってるっす。絶対に勝つっすよ!!」

「うん!」

廊下でゆいとにのが握手、しゅうかともまた目くばせをする。そしてゆいとしゅうかがリングの上に上がる。

「ゆい、緊張するがね?」

「……うん。ユメとても。でも、わくわくもしてる。ファララと戦ったことはないけどもガァララとはある。あの時は確かにサタンの力も加わっていたとはいえ負けちゃった。勝てない勝負だったけれども、あの時隣にいたらぁらなら大丈夫だとそう思ってあたしは自分で妥協しちゃったんだ。結局それが原因でらぁらはあんな目に遭っちゃった。……もう、あたしは自分にもらぁらにも甘えない。誰にだって勝つつもりでいるよ!」

「……それでいいわ。わたくしも以前ガァララには勝てなかった。あそこまでコテンパンに負けたのはお姉さま相手以来。わたくしはいつか絶対必ずお姉さまをも超えて一番になってみせる。そのためにわたくしはガァララを超えないといけませんわ。……ゆい、行きましょう」

「うん!」

二人がリングに上がると同時、正面。天空を切り裂き、時計のような魔法陣が形成。それが大爆発すると同時にファララとガァララが姿を見せた。

「さあ!!いよいよ第2回戦を始めたいと思います!!身長150センチ、体重44キロ、超人強度は93万パワーの夢川ゆいちゃんと身長159センチ、体重52キロ、超人強度は140万パワーの華園しゅうかちゃんのペア・ドリームマネー!!そして、身長153センチ、体重40キロ、超人強度は5000万パワーのファララ・ア・ラームちゃんと身長体重、超人強度同じのガァララ・ス・リープちゃんのペア・時の精霊によるタッグマッチを開始したいと思います!!!」

「時の精霊……。女神を作り出し、神アイドルを生み出したプリズムのきらめきの擬人化ともいわれる存在。私達も直接会うのは初めてだよね」

「そうなんですよね。でも、私にとっては素敵な出会いをくれた人達ですからとても感謝しています」

「ドリームマネーの先鋒は、個人戦では大きな成果をあげられてはいませんがチーム戦で最近成果を上げてきています夢川ゆいちゃん!!対して時の精霊からはこれまで一度も公式戦に参加したことのないファララさんが先鋒として出ます!!」

「……ユメ行くよ、ファララ」

「思い切りだよ?ゆい」

「では、第2回戦、ドリームマネーVS時の精霊!!それでは、見合って見合って……はじめっ!!!」

試合開始のゴングが鳴る。同時にゆいが走り出す。

「おおっと!!ゆいちゃん速攻!!全力ダッシュでこれはショルダータックルか!?」

「いつも大きな米俵を背負ってますからね。鍛え上げられたゆいちゃんの肩はあの子の最大の武器でしょう」

「やあああっ!!」

全力疾走のショルダータックル。しかし、ファララはそれを片手で受け止めた。

「え……?」

「ゆい、思い切りやって。ね?」

そのまま片手でゆいの肩を掴みその体を持ち上げてワンハンドプレーンバスター。仰向けに倒れたゆいに素早く接近してSTF(ステップ・オーバー・トゥ・ウィズ・フェイスロック)を仕掛けるファララ。

「おおっと!!さすがは時の精霊!!ゆいちゃんの攻撃をものともせずに連続攻撃!!華奢な体からは想像もつかないパワフルな戦術です!!」

「ファララちゃん、絶対に気付いてないパターンだよね、これ」

「……はい。プリズムの使者は普通の超人の何倍もの超人強度を持っています。だから正面切ってのパワーは超人全体を見渡してもなお最高クラスです」

「ただのストレッチ技でも並の超人だったら筋肉が使い物にならなくなってしまいかねない。……残念ながら並の超人と言う領域を決して超え切れていないゆいちゃんでは……」

「ううううううう!!!」

苦痛に耐えるだけで精一杯のゆい。ファララは不思議な顔をしたまま足と首を決めて微動だにしない。

「ゆい!!」

そこでしゅうかが鉄柱にのぼり、そこからフライングボディプレスをファララに叩き込む。サインなしでの特攻。ゆえにファララを倒したとしてもダウンカウントは取れない。しかし、

「う~ん、どういうことなのかな?」

「そ、そんな……!?」

「おおっと!!!ファララさん、しゅうかちゃんのフライングボディプレスを寝たまま片手で受け止めた!!」

「よいしょ」

「そのまま二人まとめて持ち上げてWのカナディアンバックブリーカーだ!!これが超人強度5000万パワーのタフネスか!?」

「ゆ、ユメ強すぎる……!!」

「ゆ、ゆい!!この程度で何音を上げていますの!!」

「おおっと!!しゅうかちゃん、締め上げられながらその体が紫色に光り出しました!これは見覚えがあります!」

「……みあちゃんの力だね。どんな壁が現れても絶対にそれを超えようとする力、不屈の力……!!」

「ってことはやっぱりあの子がみあちゃんの妹さんなんだ」

輝いたしゅうかはファララのバックブリーカーを振りほどき、逆にファララをカナディアンバックブリーカーにかける。が、突如、しゅうかの体もまた宙を舞った。

「!?」

「そろそろガァラ混ぜてよ」

「おおっと!!!これはすごいことになりました!!!ゆいちゃんをカナディアンバックブリーカーで締め上げるファララさんをカナディアンバックブリーカーで締め上げたしゅうかちゃんを、さらにガァララさんがカナディアンバックブリーカーで締め上げましたぁぁぁっ!!!!」

「ガァララ……!!」

「ファララは夢川っ子と遊んでてよ。ガァララはしゅうかと遊ぶんだから!」

「……遊びじゃ終わらせません事よ!!」

「やってみる?」

ガァララが3人まとめて鉄柱向けて投げ飛ばす。と、しゅうかは空中でファララを振りほどき、振りほどかれたゆいの背中に飛び乗る。

「ユメ!?」

「これがツープラトンでしか出せないわたくしの本丸・VIP(バーチカル・インフィニティ・プレーン)インフェルノですわ!!!」

「おおっと!!しゅうかちゃん、ゆいちゃんをサーフボードのようにして空中を疾走開始!!体勢を立て直し中のファララさんの背中に激突!!」

「だけじゃないぎゃ!!」

「ユメ!!」

「う、」

「あぁぁぁっと!!ゆいちゃん頭突きだけじゃない!!背後からクレーンゲームのようにファララさんを抱きしめ、そしてそのまま空中疾走を再開しました!」

「ゆい!!加速が足りてないわよ!!もっと妄想なさい!!」

「そんなこと言われたって、今だってあたし……あたし……あっ!!ウサギさんが見える!!」

「や、やめてゆい。それわたしのお胸……」

「あぁぁぁっと!!!ゆいちゃん、放送禁止フェイスでファララさんのお胸をもみ始めました!!それに伴い、飛行速度ガガンガンに上がっていきます!!現在飛行速度は時速220キロ!!超人強度は350万パワーほどです!!」

「ちょっと夢川っ子!!ファララのおっぱいに何してるのよ!!それはガァララだけのものなんだから!!ガァラプンプン!!」

「今度はガァララさんが空中を疾走!!VIPで飛んでいる3人に追いつき、ゆいさんの後頭部にかかと落とし!!」

「させないぎゃ!!」

「を、しゅうかちゃんがカット!!ばかりかその足を掴んでもろともに空中旅行へと連れて行きます!!!」

「ゆい!!たりないぎゃ!!もっともっとだがね!!でもその顔はやめなさい!!」

「ユメげへへへへ……。ウサギさん可愛い可愛い」

「はうううう!やめてゆい、それ以上はお嫁さんに行けなくなっちゃう……」

「こらー!!夢川っ子!!何服を脱がそうとしてるのよ!!」

「……何あの戦い」

控室に戻ってからすずがつぶやく。

「ひょっとしてにのが言ってた意味不明に慣れてるってあの子の事?」

「……そうっす。すみません。身内の恥っす。でも許してくださいっす。まりあ先輩と同じようにゆいはあの意味不明な夢妄想パワーこそが最大の武器っすから」

「……あれとは戦いたくないなぁ……」

モニタ。とんでもない顔で空を飛び回りながらゆいがファララの服を脱がし始める。それをガァララが一生懸命に防ごうとしては見せた隙にしゅうかが空中キャメルクラッチを仕掛ける。

「わたくしのVIPは止められなくてよ!!」

「しゅうかちゃん!!ゆいちゃんとガァララさん両方にまたがってさらに加速していきます!!一方でゆいちゃんは完全にファララさんの上着を脱がしてそれを使ってファララさんの両手を縛ってホールド!!しゅうかちゃんも同時に跨りながら自身の右手足でガァララさんの両腕をホールド!!これはそろそろ決まる頃合いでしょうか!?」

「だがね!!これがわたくしのフィニッシュ!!VIPフィニッシャーだがね!!」

そうして飛行速度が時速500キロに達したところでファララとガァララを両腕ホールドしたまま壁にたたきつける。

「……どう……!?」

リングに戻ってきたゆいとしゅうかが対戦相手の様子をうかがう。が、その時にはすでに二人とも浮遊してリングまで戻る途中だった。

「そんな……!!大してダメージを受けていない!?」

「しゅうか!なかなかいい技だったと思うけれどもガァララ達相手には不足だと思うんだよね!」

「しくしく……。お気に入りのブラまで破けてる……しくしく」

ファララが鉄柱の上に座り、ガァララがゆいとしゅうかに向かって突進する。と、

「ウサギさんがかわいそうに泣いているよ!!!」

「ぎひっ!?」

「おおっと!!ゆいちゃん!!もっととんでもない顔になってガァララさんのタックルを逆にタックルで打ち破り、弾き飛ばしました!!現在の超人強度は2300万パワーです!!」

「ひっ!!」

「ウサギさんだぁぁぁぁっ!!!」

鉄柱の上に座っているファララに飛びついたゆいは軟体動物のように体を伸ばしてたすき掛けするようにファララの上半身に巻き付いては締め上げる。

「夢川っ子!!いい加減離れなさいよ!!」

ガァララがゆいを引きはがそうとするが中々離れない。すると、

「隙ありぎゃ!!」

ガァララの背後にしゅうかが迫り、ガァララ、ファララ、ゆいをまとめてジャーマンスープレックスで背後に投げつける。

「ううう!!」

「ガァララさん、ついにダメージカウントが入りました!!」

「……いける……いけるぎゃ……!!このまま一気呵成に突き進みますわよ!!」

しゅうかのオーラが激しく燃え上がり、立ち上がったばかりのガァララにラリアット。後ずさったガァララにスライディングで右脛を蹴りつけながら股下を通り抜けて背後に回り込む。そして、

「愛と高貴と努力の関節技(サブミッション)・スパンコールアウシュビッツ!!!」

「あああああっと!!!しゅうかちゃん、ガァララさんの両手をパロ・スペシャル風に背後に決め、その状態でしゃがみ込み、両足で相手の両足をがっちりとホールドしたぁぁぁぁっ!!!!!これによりガァララさんは強制的にブリッジに近い体勢にさせられて両腕と両肩、両足と腰を同時に責められるぅぅぅぅぅ!!!!」

「変形のロメロ・スペシャルとも言えますね。自身は座ったままのため姿勢は楽で、でも相手には通常のロメロ以上に無理な体勢で仰け反らせて固定」

「前振りの時点で洗練されていましたからしゅうかちゃんはあれを死に物狂いで編み出して洗練したのでしょう。あれではさしもの5000万パワーの精霊であっても脱出は困難を極めます。ファララさんの助力は必須でしょうね」

「……そのファララさんは……」

あいらとなるが若干消極的に様子をうかがう。

「ユメメメメメメメ……ウサギさん可愛い……ウサギさん……ユメゲヘヘヘヘヘヘ」

「ゆ、ゆい……怖い、怖いよ……ひっく!!」

「おおおっと!!ゆいちゃん、完全にその体を液体にしてファララさんの服の下から全身を埋め尽くしては謎の圧力をかけて全身の筋肉を締め上げています!!これは極めて特殊なストレッチ技と言えるんじゃないでしょうか!?」

「特殊性を極めすぎだよね、あれ」

「ギミック重視の悪魔超人でもあれを真似出来る人いないんじゃないかな?」

あいらとなるが遠い目をしている。

「ゆい!!そろそろ決めるだがね!!」

「しゅうか!?……あ、うん。ユメ分かった!!」

「ゆいさん!!固形へと姿を戻し、ファララさんを抱え上げて跳躍!!これは正義超人の基本技・キン肉バスターの体勢です!!しかもその視線はしゅうかちゃんにがっちり決められているガァララさんの真上に向かっています!!!」

「でも、ただのキン肉バスターじゃないんだよね」

「な、な、な、なんと!!!ゆいちゃん、キン肉バスターの体勢のまま、両足を使ってクレーンゲームのようにガァララさんの腰を持ち上げてしゅうかちゃんごと空高く飛んでいく!!!」

「出ますね、」

「あの二人の双極必殺技(ツープラトンフィニッシュホールド)が!!」

高度200メートルまで上昇したゆいは急旋回して開脚しているファララを下にして急速落下を開始。

「これが!!!」

「わたくしたちの!!!」

「「双極必殺技(ツープラトンフィニッシュホールド)!!!ユメイジング・スパンコールバスター!!!!」」

時速700キロで落下したゆい達。真っ先にマットの上にたたきつけられたのはファララの開脚された両足。

「うううううっ!!!」

落下の衝撃と4人分の体重とで真っ先にファララの両足と股関節は破壊、さらに衝撃が腰、背骨を貫通して吐血。さらにしゅうかによって両手足と腰を決められ、さらにゆいによって胴体をがっちりと絞めつけられているガァララにも強烈なダメージが震撼。

「炸裂ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅう!!!!!強烈と意味不明を極めし必殺のツープラトンが今、時の精霊姉妹に完膚なきまでに叩き込まれました!!!!」

「……あの技、一歩間違えたらゆいちゃんの背骨が粉々になってますね」

「どうせ液状化で無効にすると思いますけどね」

三者三葉に言葉を紡ぎ、ゆいとしゅうかが二人から飛び降りる。そして、ゆっくりと抱き合うように向かい合うようにファララとガァララは倒れた。めが姉ぇは左右の二人を見る。二人は同時に首を横に振った。

「決まったぁぁぁぁぁっ!!!!22分56秒の試合を制したのはゆいちゃんしゅうかちゃんからなるドリームマネーです!!!」

「はあ、はあ、勝ったね、しゅうか」

「そうですわね……でも相手がまだレスリング初心者だったからよかったものの、これではまだお姉さまたちには程遠いですわ」

「……もう!!ガァラプンプン!!ガァラプンプンだよ!!!」

「……レスリング怖いレスリング怖いレスリング怖い……」

ガタガタ震えながら死んだ目のファララが手足砕けて動けないガァララを抱えて時の神殿へと飛び去って行った。