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「うんまあ」の言葉と字幕と解釈と。

今回はYouTubeで見た「とある動画の字幕」の話。

 とある動画でMC的な立ち位置の人物が食レポをしていたのだが、そのMCが食べ物を食べた時に表示された「うんまあ」という字幕について気になる事があった。

 その動画においては、MCの声色を聞けば「うんまあ」が「旨いうんまあ」であることは明白なのだが、いかんせん物書きセンサーが字幕での表現に反応してしまったのである。

「(あれ。これって反対の意味にも取れる気がする……!)」

 私はその字幕を見て思わず、そう感じた。
 「うんまあ」という表記はイマイチな味の感想の字幕(表現)にも使えると思ったのだ。わかりやすく表記するとしたら「うん、まあ……」と読点&三点リーダを入れるのが良いだろうか。

 例えば小説の文中で料理を振る舞った人物がいたとしよう。
 そして、その人物が料理の感想を求めているとする。

「どう? 私の肉じゃが美味しい?」
「うんまあ」

 この会話は先述した視点から分析するなら、「どっちとも取れる表現」と言えるだろう。(「旨い」or「うん、まあ……」?)

 この「どっちとも取れる表現」は基本的には避けるべき――意味が一意に定まるような表現を心がけるべき――だとは思うが、その一方で表現したい内容によっては「あえて不明瞭さを残す」意味もあると思う。

 ここで、いわゆる「ダブルミーニング」的な使い方を考えてみよう。

「うんまあ」
「お口にあって良かった!」
「(あ……イマイチってつもりで言ったんだけどな……)」

 どことなくアンジャッシュのコント的な雰囲気を感じる。

 小説においては会話をしている二人の性格や関係性を垣間見せる手法として、むしろこのような「ダブルミーニング」的な手法を使った方が適切に描ける場面もあるだろう。
 ふーむ。表現の分類としては、こういうのもレトリックの一種だと言えるのだろうか……。

 ではでは、今回の記事はここらで。
 最後になるが、今回の私の分析はどうだったろうか?

(そう、こういう場面でも「これ」は使えるのだ。では、ご一緒に!)

「うんまあ!」

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