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親友と初恋とNTRと【コラム】

(注・そこまでNTR成分は強くないので、文句言わないでくださいw)

ハッピーバースデー俺。
8/1は牌の日でもあり、私の誕生日だ。
8/1が(パイ)の日…つまり麻雀の日と知った学生時代の自分は
(やはり俺は麻雀の申し子なのか…)
と増長したものだ。

今日はそんな学生時代の話。

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先週の話。
とある知人と、栄のBARで待ち合わせた。
…カラン
ドアを開けると、このご時世だからか、お客さんは1人もいない。

ほどなくして、そいつはやってきた。

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こいつだこいつ。
高木洋一郎。

高校時代の同級生。福地先生風に言うと「ダチ」だ。

プロフィールに書いてある通り、彼はシンガーソングライターであり、JUJUやYUKI、TOKIOや華原朋美といった錚々たる相手に楽曲を提供している。

なかでも、JUJUに提供した「つよがり」という曲…もう10年前の曲なのだが、この一発がでかかったと彼は語る。

例えばカラオケで私がこの曲を歌ったとしたら、数円か数十円かわからないけど高木のもとにもお金が入るし、ベストアルバムなどで取り上げられるたびに印税が発生するという。

構造的には麻雀戦術書にも近い。
ZERO本も、未だに電子書籍の印税が何ヶ月かおきに入ってくるからだ。

さて、この高木から突然LINEがあった。
「飲もう~」と誘われたわけだ。
お前は往年の森高千里かと、ツッコみたくなる。

なんせ高校時代から25年は経っている。カッコいい言い方をすると四半世紀だ。
その間、同窓会的なやつで1度は会っているものの、深く話し込んだわけでもない。

少し、嫌な予感がした。
25年もろくに話していない相手からの突然の連絡。

「金貸して」

なんて相談じゃねーだろうなと身構えてしまう。

そうなったらそうなったで、悲しいけど、もともと希薄になりかけていた友人関係が0になるだけ。そう思って私は栄にやってきたのだ。

違った。
よかった。
実は待ち合わせしたBARのオーナーも同級生で、そいつがZEROを連れてこい!と何度も言っていたらしい。

このオーナーはかなりのイケメンだ。
新栄のBar OWL (バーオウル)という店なので、お近くの方はコロナ騒動がおとなしくなったタイミングで、是非お店にてイケメン判定をしてやってほしい。
彼はイケメンだが、人見知りしがちで、高校1年生の時に席が前後ろだった私が話しかけてリラックスさせてあげたものよ。(偉そう)

あらためて3人で近況を語り合っていると「そういえば…」と、ふいにイケメンが1冊の本を取り出した。
真紅に包まれた仰々しく、大きな1冊。そう、卒業アルバムだ。

ZERO「なんで店にあるの…w」
イケメン「こういうときのためだよ」

「うほー!このコ好きだった!」
「この英語の先生に絞られたわー」

など、ありありと高校時代の風景が蘇ってくる。

しかし、その卒業アルバムに、私の写真は写っていなかった。

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舞台は小室ミュージックが席巻する1990年代。

高木は当時から快活なやつだった。
勉強も運動もできるし、放課になると音楽室にいって何人かでセッションしている。高木はよくギターをひいていた。
実に憎たらしいやつだ。

ちなみにそのセッションしている相手の1人に、スキマスイッチの片割れ(常田真太郎→アフロ・ヒゲの方)がいた。
俺もカスタネットとかで参戦すればよかった。

当然その即席バンドグループみたいのは女が寄ってきた。
高木や常田は女にもて、入学して早々に、私は人間力の違いをまざまざとみせつけられるようだった。

…しかし、そんな高木は、なぜか私になついていたのだ。
金魚のフンみたいにくっついてくる。

高木「よし、ZEROがバレー部なら、俺もバレー部に入ろっと」
ZERO「おまえ中学のとき野球部って言ってたなかった?バレー部、全国からすげーやつ集まってるからやめとけって」
高木「うん、バレーはやったこともない。でも楽しそうだしZEROいるし、やってみたい」

試しにパスすると、動きがまるで素人。
こちとら、小・中学校でバレー部のキャプテンを務めている。

邪悪ZERO(ククク…甘い、甘いね高木くん。ソースイートだ。まぁいい。勉強や「みてくれ」で負けていても、バレーでアドバンテージをとっておけばバランスは取れる。バレーは一朝一夕では身につかないものよ。俺には6年の歴史がある!)

ZERO「よし、俺とバレーやるか!しっかりついてこいよ!(キラキラ」
高木「おう!一緒に頑張ろうぜ!」

バレーのなんたるかがわかってないなぁ…wと思っていたのだが、そんな思いに反し、高木は素人ながら、持ち前の体格を活かしていった。
メキメキと実力をつけていっただの。
いつの間にか当時強豪であった昭和高校のユニフォームを手にしていた。
厳しかった監督も、お気に入りの存在になったのだ。

一方で、私は急に上がったネットの高さに対応できず、補欠に入ることもできなかった。

2年になる頃には
(くそっ!バレーは身長ゲーだぜ!)
と言いながら、麻雀に逃げていた。
俺の6年の歴史とは一体。

こんなこともあった。
私はクラスメートのサリーちゃんという子が好きだった。
小柄でかわいい子だった。とにかくかわいい、そしてかわいい。

あまりに好きすぎて、サリーちゃんを好きだということを、常にどこかしらで公言・発信しており、生徒の誰もが校則よりも知っている事実にまでなっていたのだ。

ただ、当時の私はいわゆる「奥手」だった。男相手なら無限に話せるが、女の子とは全く話せなかった。まず目を見ることができない。

サリーちゃんという尊い存在となると、遠くから眺めているのが精一杯だった。俺かわいい。

そういや、卒業して何年か経った後に手紙を送ったこともあった。
返事が返ってきて歓喜したものだ。
誰もが持っているであろう、そんな甘酸っぱい思い出。

俺がそんな奥ゆかしい恋の悩みに陥っているのに、高木の野郎は違う。

クラスメート(女)の胸をペロ~ンと触ったり、授業中に前の席の子のブラを外したりしていた。今の言葉でウェイ系っていうの?
そして、女子も女子で、それをなぜか許しているのだ。

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現代に戻る

ZERO「お前はJKの胸をなんだと思ってるんだ!聖域だぞ、せ・い・い・き!」
イケメン「今なら凄い問題になるかもね」
高木「いやいや、挨拶みたいなもんじゃん。あと俺も許される相手を選んでやってたよ、多分」
ZERO「当時、俺が…俺が…どれだけ羨ましかったかわかるか!おぉん?!(真顔)」
イケメン「高木しかやってなかったよね」

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再び1990年代へ。
私がサリーちゃんと最も接近したのは、高原スクールのときだ。

高原スクールとは、修学旅行みたいなやつで、たしか長野県の上高地に行った記憶がある。

その夜だ。
男女10数人くらいが集まって、王様ゲームをやることになった。
まぁ王様ゲーム言うても高校生だし、酒が入っているわけでもないので内容はかわいいものだ。

トランプを配りK(キング)を引いた王様が
「3と9が手を繋ぐ」
などと命令。しばらくはこんなかわいいオーダーが続いた。
ただ、これでも奥手の私にとっては十分刺激的だった。
サリーちゃんと手をつなげたら、向こう10年は手を洗わないだろう。

そこへ高木がキングを引いた。
その高木、いや高木様が一晩でやってくれた!
「抱きついて20秒間」
を音速でオーダーする。

さすがエロの権化!
今宵もキング高木様のキルオーダーが上高地の闇を一閃!

とはいえ、問題は、いかに俺とサリーちゃんが選ばれるか…だ。

もうクラスどころか学年の垣根を越えて、私がサリーちゃんを好きだという事実は広まっているくらいなので、男子のみんなはあの手この手を使って、私とサリーちゃんをくっつけようとしてくれてたのだ。
男の友情は熱い。

まずは、チラッと俺のカードを見せる。「4」だった。

高木「じゃあ番号は、4と…」

高木はなんとかしてサリーちゃんの番号を盗み見ようと試みるが、サリーちゃんは既にカードを確認した後に伏せておいてある。
いくらキング高木様でも、伏せてあるカードはみることができない。
イタリア代表の堅守、カテナチオを思わせる鉄壁の防御。

高木は意を決して野生の勘を働かせる

高木「4とエース!これでどうだ!」

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