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【無料】ラス目は安手を目指すべきか【麻雀】★★

ラス目の立ち回り

「ラス目で安手をアガるくらいなら親に連チャンされたほうがマシ」
は強者がよく言うセオリーである。

しかしそれは本当に正しいのか?
今回はラス目の立ち回りについて、データを織り交ぜながら解説していく。

例えばこんな点棒状況。↓

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8600点のダンラス目。2枚目の発を鳴くべきか。

私には、この発をポンして1000点をアガったところで、苦しい状況を加速させているだけにしか思えない。

果たしてこの感覚は正しいのだろうか?

麻雀順位予想計算機、というサイトがある。

麻雀順位予想計算機(critterの学習帳)

このサイトを開くとこんな画面が表示される。↓

画像2

上の4つのスペースに点棒をぶちこんで局を指定するだけで、順位率が表示されるという優れモノだ。

試しに、先ほどの点棒&南1局と入力し「計算実行」をクリックしてみよう。するとこんな計算結果が出た。↓

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8600点持ちのBさん(私)に注目。

トップ 0.006 2着 0.035 3着 0.182 ラス 0.777

と計算結果が出ている。
えー!トップ率0.006、こんなに低い?親が残っているからまだトップとる気満々なんだけど。
0.006って0.6%ってことだから100回に1回もトップは取れないってことだ。

次に77.7%がラス。
ラス率は体感通りかな。
この計算機は鳳凰卓からサンプルを取っているので、ラス目に辛いことが推測される。

問題はここから。
南1局に発をポンして自分が300500をツモって親番を迎えた(南2局)という想定で入力してみる。

すると計算結果はこうなった。↓

南1局
トップ 0.006 2着 0.035 3着 0.182 ラス 0.777
↓(300500・ツモ)
南2局
トップ 0.004 2着 0.027 3着 0.155 ラス 0.814

全ての数値が悪化していることが分かる。
やはり、ラス目での安アガりはご法度なのか。

いや違う。比較すべきは南1局と南2局ではない。
300500をアガった南2局と、他の人がアガった場面である。

例えば、さきほどの点棒状況で親が2600オールをツモったとしよう。
1本場はこうなる。

南1局1本場(2600オールツモられ)
トップ 0.002 2着 0.030 3着 0.197 ラス 0.771

お、少しだけラス率が下がっている。
少なくとも300500をツモるよりは親の2600オールのツモのほうが良さそう。
それだけラス目にとっては「残り局数」が大切であるということだろう。

トップ率も下がっているが、ラスの負担が大きいことを考慮すると期待ポイントも2600オールツモられの方が良い(マシ)ことが推測される。

なお、期待ポイントは計算結果で出た順位率にそのまま段位ポイントを掛けて合計すれば算出できる。

例えばさっきの2600オールツモられの状況だったら…

0.002✕90→0.18
0.030✕45→1.35
0.197✕0→0
0.771✕-150→-115.65  合計で-114.12
(八段配分)

-114.12と出た。
この状況を繰り返す度に114.12pt失い続けるということだ。嫌だ…。

同様に南1局開始時と、300500のツモの期待ポイントも計算してみると↓

南1局開始時     → -114.435
300500ツモ        →   -120.525
2600オール被ツモ  → -114.12

結果、2600オール被ツモが一番マシとなった。
南1局の開始時とそう変わらないので、親のツモアガリはまさにリセットと言える。
自分の300500は1局のチャンスを失った分、状況は悪いという感覚と一致している。

じゃあラス目で安手は絶対アガりません!

とはならない。
局の決着は親の2600オールだけではないからだ。

さきほどの局面をもう一度挙げてみると

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下家がカン5mをチーしている。
ここがタンヤオ赤1の5001000くらいでアガることだってある。

3着目の西家のツモアガリは、さきほどの自分の300500のアガリよりも数字が悪くなることは、計算しなくても分かる。
総じて西家・北家のアガリは都合が悪い。
(北家が西家から8000をロン、というような3着目が近づくアガリだけは都合がよい)

逆に親のアガリは放銃さえしなければ、概ね都合が良い。
(驚くのは、2600オールよりも4000オールや6000オールの8000オールの方がラス回避率が高まるということだ。8000オールツモはリーチ棒が無くなってしまうので流石に不利になると思う。飛びが計算に入っていないのかもしれない。)


親が他家からマンガンと言ってくれることだってある。
その際は当然ラス回避率が大幅にアップする。↓

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(西家が東家に12000を放銃した局面)

こうやって複数ある決着をまとめて、平均しないと答えは出せない。
親がアガってくれるならオリていたほうがいいし、西家北家がアガるくらいなら自分が300500でもアガったほうがマシだ。

これを理解した上で実戦に活かす。
またまた同じ場面。まずは相手の動向に注目してみよう。

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下家はカン5mをチーしているが、捨て牌を見る限り字牌と端牌しか切っていないので、まだ時間はかかりそう。
対面の捨て牌も平凡であり、決して速そうではない。
親がストレートに組んでいて、8m→7sと一番最初に中張牌を余らせている。普通に考えると親から先制リーチが飛んできそうだ。

それならば発を鳴いて親のツモを飛ばすことなく、親にどうぞアガってくださいと道を譲ったほうがよさそうだ。

続いて自分の手牌。
「300500のアガりは西家・北家にアガられるよりはマシ」程度なら、積極的に狙うほどではないだろう。

特にこの手牌からのポンは放銃の危険が付いて回る。
また西家のツモ番を増やすこと、西家に甘い牌を降ろすことは、西家のアガリ率が上昇してしまい、自分にとっては損である。

さらに言うと、この手牌は明確にメンタンピンが見える。
親の進行を阻害しないまま、西家に絞りながら、自分もあわよくばのメンタンピンを目指すのはあらゆる面でデータに沿った戦略だ。

仮に13002600をツモった時の順位率を見てみよう。

画像10

ラス率が0.706。
0.814だった300500と比較すると、結構下がることがわかる。

安手にしかならない手牌なら仕方ないが、高いルートが残されているのなら積極的に狙うべきだろう。
これらの結果をふまえて、この局の進行をもう少し巻き戻って考えてみる。まずは2巡目。ここから何を切るか。かなり難しい。↓

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この手牌から5mを切ったのが良くない。
とはいえ何を切ればいいのか。
1pはドラだし、他に4p・9p…いっそ発、という打牌候補が挙げられる。

ええいライフライン!
オーディエンスだオーディエンス!

孤立牌の打5mが多いけど、点棒状況を加味すると良くないと思うんだ。

私は打9p推し。
理由は9pを持っていて高打点になるパターンが少ないからである。

この牌譜主は5mを切った。
その5mが鳴かれた後にこんな手牌。↓

画像7

ここで打9p。
この25pツモの時に4pは残っていたほうがいいし、5mもそうだよね。さっきもここも打9pがいいわ。

安い受け入れを拒否していけば自然と高くなるもの。
この感覚って、赤なしの麻雀を打つと養える。

先日のプロアマで

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こんな手から、8mを切った。(9mは2枚切れ、ドラ字牌)

5mを切るとイーペーコーやチートイツを逃してしまう。
これが安い受け入れ(9m)を拒否しとけば高くなる、の法則。

天鳳もさっきのようにダンラス目だったり、オーラスの条件戦などでは、この安い受け入れを拒否する能力が必要になる。
牌理に逆らうのが苦手な人が多いのではないか。


結論

ダンラス目での安手は、次の条件を満たした時にマシになる。

・自分の手牌が高くなりそうにない
・ほっとくと子(特に3着目)がアガる可能性が高い

この2つの条件を満たし、かつ自分の安全度が最低限担保されているならば仕掛けての安手アガリを目指したほうがマシ。

子が明らかホンイツ仕掛け→親がオリている→自分の手が高くなりそうにない

こんなときはササッとアガリにいく手はある。

逆に言うとそのような状況でなければ、なるべく安いルートを拒否し高い手を目指したほうがラス回避率はアップする。

子が仕掛けていても、親がダマテンで狙撃してくれるかもしれない。
「子のアガリを阻止した方がマシ」程度では、親の狙撃を含めた連チャンに期待したほうが良いだろう。

本日の結論
「ラス目で安手をアガるくらいなら親に連チャンされたほうがマシ」
は正しく、多くの局面で安手は目指すべきではない。

状況に打ち分けることが考慮に入っていないということですね。
納得。
たしかに、トップ率だけがやたら低いんですよね。
6000オールでほぼ並びというのに。

そういうことです!
ただ初心者はまずは牌理を覚えてから、対応…ですね!

天鳳位様!

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