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【緊急差し替え②】降段戦

11/11 250/3200pt

ゼロマガ終了の危機を書き終え、1戦打つことにした。
正直、まだ楽観的だった。
八段の段位配分は(+90・+45・+-0・-150)というもの。

つまり現状の250ptから2ラスを引くと降段する。
しかしそれは次の半荘で降段しないとも言える。

プレッシャーは大きいけれども、平常心を失うことはないだろう。

ターニングポイントは東4局だった。↓

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仕掛けが入り乱れる中、全員に通っていない8sを掴んだ。
58sは、特に対面の親の仕掛けに対して厳しい。(切るなら5sだが)

前巡、私自身が8pを通しており、もうまともな筋は58sしか残っていない。

愚形の可能性も十分あるものの、2000点のテンパイでは押せない…とみて5pを切った。
5pは3pのワンチャンスである。

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これが11600の放銃。

もしも対面から親リーチが入っているとしたら、現物の6sを中抜きしてベタオリしただろう。
今局の親は、1sのトイツ落としから中張牌を切り飛ばしており、ほぼテンパイと見て良い。つまりリーチと同様に扱うべきだった。

ワンチャンスなどというものに頼って形を維持した打5pは、私の心の甘さに他ならない。

失意を念を振り払いながら闘牌を繰り返すものの、ラス目のまま迎えたオーラス。
私はラス回避(3着)まで下家と2700点差に肉薄していた。↓

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これはかなりチャンスだ。

まず上家のホンイツ仕掛けを受け、対面とライバルの下家は明らかに回っている。そして私は1m→北→9mと好き放題切っている。
ラス目だからというのもあるが、ハネ満だったら私からはアガらないのでは?
という期待もあった。
上家の条件はハネツモトップで、おそらく赤5mを持っているなどして跳満が見えているからこそ強引に染めていると思われる。

私はテンパイさえ入れれば、下家とノーテン罰符のやり取りで逆転することができる。

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その状況でこの8mをチーするか。
8mをチーして6→8pと切っていくと、36m受けができる。
食い延ばしというやつだ。
上家から36mはチーしづらい状況ではあるものの、2枚残りの7pも心もとない。
しかし貴重なツモ番を1回飛ばしてしまうことになる…。

私は時間をフルに使って考えた。

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そして鳴いた。
まずこういう終盤の鳴き判断で考えるのはハイテイがどこか?である。
現状のハイテイは上家であり、チーすると自分に回ってくる。
つまり、チーしてもツモ番ロスはないどころか、チー1回分得する。

訳・上家がハイテイの場合、ハイテイの打牌に対してポンチーすることができないが、私にハイテイを持ってくれば上家の最終打牌にポンチーすることができる。その1回分得ということ。

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きたー執念の形式テンパイ!
あとはなるべく下家に鳴かれないように打って、ノーテンを祈るだけだ。

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「ツモ」という電子音が部屋に鳴り響いた。

11/12 降段戦

こうしてポイントは100ptになってしまった。

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状況はかなり厳しくなる。
1回2着をとっても次もまた降段戦だからだ。

この苦しいままの状況がすごく嫌で、私は起きてすぐに予約ボタンを押した。起きてゼロマガを書かなかったのはこの半年で初めてのことである。

ラスを引いてもまだOK!だった昨日の半荘とはまるで景色が変わった。

後悔が残らないよう、相手の河の情報を見落とさないように凝視し、1つ1つの選択に慎重になる。胃がキリキリと締め付けられるようなプレッシャーだ。
中盤過ぎにはもう誰かが高いダマテンを入れているんじゃないかと疑心暗鬼になる。しかし幻想に怯えないように普段通り打つことを心がける。

ここで安牌を持つのは適切な判断なのか、それとも臆病風に吹かれちまっているのか。いつもの俺はどっちだった?

しかし過去の自分はこのときのように麻雀に対して真剣に取り組めていたのであろうか。
降段戦になってから必死の形相で卓にかじりついている自分の姿勢に自己嫌悪に陥る。

そんなことを考えていると…

「リーチ」
の声に目が覚めた。

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上家(親)と対面からリーチが入っている。
私は現状役無しのテンパイだが、どこまで粘ることができるか。
一応234の手替わりがある。
4sをツモったらスライドできる。
2sをツモったらどうしようか…あらかじめ準備していると…

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ひょっこり!
おーい、誰かみーにん本持ってきてー!
東発の1000点のアガリの順位変動が載ってたから!
たしか平均順位2.4になるとか、それくらい良かったから!
今回は2人のリーチ棒付きだから!

統計学通り、リードを保ったまま終盤戦へ突入した。

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2着目で迎えたラス前。
ピンフのテンパイをダマテンしているところに、三色の手替わりとなる8sをツモった。5sを切れば8mでピンフ三色になる。8mの場況はいい。

跳満をツモればトップとほぼ並び。
しかし高めツモ裏と、条件はやや厳しい。

普段ならダマだ。
ドラの5mが見えていない状況でここでのリーチはややデンジャラス。
見返りの低い(+45pt)トップ率にこだわるより、リスクの大きい(-150pt)ラス率にこだわったほうが得である。

しかし今回はできればトップが欲しい。
2着では次も降段戦。
また事故にビクビクしながら打つのは願い下げだ。

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このリーチは攻めか、守りか。

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こんなすぐに追っかけが入るとは。
このリーチが敗着になってしまうのか…

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セーフ。

オーラス。
この半荘は2着か。安堵の空気が流れなかったといえば嘘になる。
私はここから6sを切った。↓

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普段なら5mを切る。
受け入れ枚数よりも、形の良さと2次変化を優先するからだ。

しかしこのときはなるべくリーチを打ちたくなかった。
ラス目の親(対面)がドラの東を切っていていかにも煮詰まっていそう。

よってダイレクト受け、特にツモ6mのピンフを重く見て6sを切ったのだ。

「ロン」

視覚より聴覚が先だった。
(下家に放銃したか。これで2着終了。もしドラがあって8000あったら3着になる。)

すぐに視覚が追いつく。

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ロンの声の主は対面の親だった。
瞬間、背筋に寒いものが襲う。
この状況、ほとんどの手牌で対面はリーチを打ってくるハズだ。
もしダマテンのケースがあるとしたら…

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ほぼ打点十分のケースだろう。

急転直下。
点棒状況はどうなった?

17700点同士で下家と並びだ。
上家なので座順という髪の毛1本で私が上である。

とにかく、落ち着け。

次の局は生きた心地がしなかった。
自分の打牌がラグる度に、降段を覚悟する。
もし「ロン」という電子音が流れた時はそこでゲームエンド=ゼロマガ終了になってしまう。

下家の打牌がラグる度に「刺さって!」という不純な祈りを捧げる。

オーラスはダマテンが横行する。
地雷原でフットサルをしているようなものだ。

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