嘘の日記「スカート」

初めてスカートを佩いたとき、私は風になった

中学生までずっと佩けなかったスカート
この街ではスカートは似合わないから、私は17で家を出た

白いリネンのスカートと、海の見えるこの街
あの人の顔は寂しいけど、海街での生活に憧れていた

生糸とミシンとアイロンをスーツケースに詰め込んで、この街でスカートを作る

君のかわいさを知らせたくて、風の心地を知らせたくて
夏を生きる君のために今日も白いスカートを織る


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