嘘の日記「感情、創作、ピカチュウ」

朝はもつ鍋のあまり。昼はセブンイレブンのリングビスケット。食べすぎていると思う。
同僚から「聴くと元気が出る音楽なんてありますか?」
とチャットが飛んできた。
「気晴らしにしかならないかも」
と返した。音楽を聴いて元気が出る、と思うのは、それは気のせいなんじゃないかという気がする。
それからちょっとして、私から「創作物って感情で遊ぶためのものだけど、そうやって遊んで感情を増幅させたら生きていくうえで余計なものになるから、あまり創作物に触れすぎないほうがいい気がするんだよね」
と送った。
突然どうしたことか、キモいなと思われたかもしれない。
同僚からは「感情の外出しだから、それは大丈夫なのでは?」
と返事があった。なるほどな、それなら納得いくかも、と思った。
それからニーチェの『悲劇の誕生』の話とか、自分の人生をコンテンツ化して切り売りする人はどうなんだ、という話をした。
私自身がそういったことをしているような気もするが……

以前、悩み苦しんでいた時期に人格者とされる人に「また相変わらず映画ばかり観ているのか」
と言われたことを、私はずっと気にしている。友達いないの?みたいなことを言いたかったんだと思う。感受性が強すぎると言われたこともあった。
私は感情を外出しする能力はあまり高くない気がする。けれども創作物にすがっている。自意識から、精神と肉体から離れたいとき、小さく死にたいときに創作物にすがる。
同僚とは、元気になる曲教えてという人にはORANGE RANGEをすすめればいい、という話で合意形成にすがる。
5キロ走る。なんだかまともな料理を作る気にならなくて、メヒカリの刺身と冷奴でビールを飲む。仕事は板挟みになり、にっちもさっちもいかない。もともと好きな仕事ではないから、人並みに暮らすためにこんな嫌な気持ちにならなければならないのかとげんなりする。

金曜ロードショーで「名探偵ピカチュウ」を見る。昔、すすめたけど見てくれなかった友人から「ぬれたピカチュウ、雑巾みたいな臭いしそうだけどかわいい」
と連絡がある。その臭そうなのがいいじゃん、と思った。

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