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東洋医学的「汗」の考え方

みなさん、こんにちは。

運動したら汗かきますよね?
汗をかく量は人それぞれですが、この発汗量が運動パフォーマンスに関わることがあるのです。
さて、今回は「汗」に関するトピックです。

実際にこんな相談がありました。

春に入学したばかりの1年生。
パフォーマンス能力が高く、次期エースと期待されていました。

実際に練習や試合をしてみるのですが、
なぜか良い状態でのパフォーマンスが続きません。
もちろん、ずっと良い状態が続く選手はいません。
しかし、この選手は他と比べても続く時間が短いのです。

実はこの選手、「多汗症」の傾向があり、それがパフォーマンスに関わっているのではないかと考えました。
多汗症の場合、他の選手より大量の汗をかくため、運動量を保つために必要な水分や栄養が余計に体外に排出されやすく、
それが運動パフォーマンスの低下につながっているのです。

パフォーマンスを低下させないためにできることを考えてみましょう。

簡単なところから考えてみると…

①運動量が落ちる前に栄養補給をする
②細かく水分補給をする
③まだ1年生なので走り込みなどで体力アップをはかる

これらは多汗症の特徴を考慮すれば、思いつくようなアイディアだと思います。

では、ラボ式ならではの考え方はどうでしょう。

東洋医学の観点から「汗」を考える

汗は体内の水分調節を行う「三焦」と関連が深いと言われてます。

この三焦の機能が低下すると、汗を排出する量がコントロールできず、
大量の汗をかくこともあれば、その一方で全く汗をかかないケースもあります。

三焦をコントロールするには「骨間膜」の柔軟性が必要です。

その骨間膜は「肘から手首」の【前腕部】と「膝から足首」の【下腿】の部分に存在します。

骨間膜が硬くなってしまうと、三焦の機能が低下してしまいます。

このような場合、【前腕部】は「手根筋群」や「母子屈筋群」が、
【下腿】は「前脛骨筋」や「下腿三頭筋」が硬くなっていることが予想できます。

これら2か所の骨間膜の柔軟性を上げ、
序章でお伝えした3つの対策を行えば、
多汗症によるパフォーマンス低下は防げることができるでしょう。

まとめると…

「多汗症」による過度の栄養の排出には、
体内の水分調節の役割を担う「三焦」の状態が鍵を握ります。
そのため、「骨幹膜」を柔らかくするのが効果的です。

その骨幹膜は上半身と下半身にそれぞれひとつずつ存在します。

【前腕部】 → 手根筋群・母子屈筋群
【下腿】 → 前脛骨筋・下腿三頭筋

柔軟性を上げることで、骨に締めつけられたカラダの水路が開かれます。

多汗症により、「余計に水分を排出してしまうヒト」は適量になり、
逆に「水分を体内に溜め込むヒト」はむくみの改善などの効果が期待できます。

「三焦」の機能をアップさせる季節がある!?

三焦の機能である「体内の水分調整」を整えるためには、
「梅雨」と「夏」の季節が大きく関わってきます。

暦の上で、夏は5月~8月初旬とされており、その中の6/11~7/11頃が梅雨です。

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「変わらないことは変わり続けることだけ」それはトレーニングも同じです。常に変化を恐れず、現場で試行錯誤を繰り返し、近い将来、日本発信のメソッドがグロバルスタンダードになる日がくるでしょう。その根幹となるものを創作し公開します。(毎週月曜日にお届けします)

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