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【SC Cambuur vs NEC 1-2】佐野航大の初ゴールから学ぶサッカー観戦のコツ

どうも、ゼロファジです!

今回はオランダKNVBカップ準決勝の試合を題材に、サッカー観戦に役に立つ基礎的な知識について紹介していきます。

自分の応援するファジアーノ岡山からNECナイメヘンへと移籍していった佐野航大でしたが、なんとカップ戦の準決勝で移籍後初ゴールを決めました!ポジションを獲得してスタメンが続いていましたし、直前のリーグ戦ではMOMに選ばれるなど充実さをうかがわせていましたが・・・

まさか、こんな大事な試合で決勝ゴールを決めるとは。岡山にいるときも高校の後輩がチームで観戦に訪れたホームゲームで得点を決めたりと、とにかくそういう舞台に強い選手ではありましたがほんとマンガみたいな男だなと。とてもうれしいです!

今回は佐野航大選手の一連のゴールシーンから「目線」のお話をしたいと思います。こちらのESPNのポストから動画が見れますので、ぜひチェックしてみてください。


ゴールまでの流れを図にしてみます。



まずはNECの27番イヴァンドロ選手が切れのあるドリブルでマークをはがし、サイドの奥へと侵入します。ちなみに、この選手はルクセンブルク出身の19歳だそうですよ!ナイスアシストありがとうなイヴァンドロ!!

佐野航大はピッチ中央に位置しており、ボックス付近に小川航基がいます。位置関係はこのような形でした。


27番イヴァンドロが完全に抜け出してクロスが上げられる態勢になりそうなので、NECのFW陣はクロスを受けようとボックスに殺到します。ちなみに、9番チェリー選手がニアといってボールに近い方へ抜け、小川航基とクロスするような形で走り込んでいました。


佐野航大はいったんファー(ボールから遠い方)へ行くそぶりを見せてマークを外すと、一気にスピードアップしてボックスに侵入。NECのFW陣が相手の最終ラインをゴールライン際に引っ張った分ぽっかりスペースが空きました。そこに佐野航大が入ってきて見事にゴールを決めた、と。一連のゴールシーンはこのような流れでしたね。


さて、今回話題にしたいのは「目線」の話です。よくサッカーで言われるのが「なにを見たらいいのかわからない!」ということです。確かにサッカーは目まぐるしく展開が変わるし、リスタート以外でぴたっと止まるシーンはまずありません。したがって、ボールを追いかけていくしかないわけですが、どういうわけだかボールだけ見ててもイマイチおもしろくない。こういう経験をしている観戦初心者は少なくないと思います。

では、シーンを巻き戻して「目線」をどうもっていくか?を考えながら同じシーンを再生してみます。


まずは、27番イヴァンドロが右サイドを抜け出しそうなとき。初心者にとっていろいろ見ようとするのは難しいので、まず目線はボールに固定しておいていいです。この場合イヴァンドロ周辺でなにが起きそうか?を見つめていてOK。

で。この次が大事です。


イヴァンドロが完全に抜け出しました。そうするとこの時点でイヴァンドロがボールを奪われる可能性はほぼゼロなので、ここでいったんボールから目線を切って中の状況へと目線を移します。そうすると、NECの前線の選手の位置、佐野航大の位置、相手の守備の位置などがザっと目に入ります。

こうやって見ておくと、イヴァンドロがドリブルで切れ込んでシュートにいかない場合クロスが上がることが想定されるので、「じゃ、誰に合わせて来るかな?」と予想を楽しむことができます。

基本ときにはボール周辺に目線をロックしつつ、適時目線を外してそのほかのエリアの情報を取りにくんですね。これがサッカー観戦における一番ベーシックな目線の動かし方です。それをやっておくから、次を予想できる。期待できるってわけですね。

このように「次に何が起きそうか?」と予想することはスポーツ観戦のめちゃくちゃ大きな楽しみなんですね。それはなぜか?というと、観戦体験が受動的から能動的に変わるからです。能動的に見る方が圧倒的に楽しいんですよ。


ちなみに、イヴァンドロが佐野航大に出したように進行方向とは逆向きに出すパスのことをマイナスのパスと呼びます。このマイナスのパスは後ろから飛び込んでくる選手が前向きにプレーしやすいので大きなチャンスになる場合があります。


また、このようにサイドの深い位置に侵入されると相手の守備者の視線がボールホルダー(ボールを持ってる人)に集中します。相手の守備者は小川航基や、9番のシェリー選手のことは認識しているので対応することは可能です。


しかし、佐野航大は彼らの視野の外からボックスに入ってくるのでどうしても認識しにくくなってしまいます。小川航基やシェリーのことも気にしながら後ろから飛び込んでくる選手もケアするのは大変です。もし、ボールから目線を切ってるスキに小川航基にドンピシャのクロスがあってしまえばそっちで失点しかねないですしね。このシーンのように相手コートの深い位置で折り返されると、非常に守りづらいので似たようなシーンをみかけたら参考にしてみてください。


こんな風にサッカーを言葉にできるとすごく楽しくなってきます。そのために必要なベーシックな知識を、YouTubeのメンバーシップでやっているサッカー観戦入門講座『やわらかフットボール』でお伝えしています。

第2期は5月9日から開講しますので興味のある方のご参加をお待ちしております。以下に、講座の概要と第1期の初回無料ライブの動画を貼り付けておきますので、ぜひチェックしてみてください!



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