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アニメは声優だけじゃないらしいが注目されてるアニメーターはSNSに居る【月間ニュータイプ,アニメイベント】

声優がイベントやインタビューで目立つのは製品やIPの宣伝目的だと思われる。作風やキャラクターが広く知られているアニメーターはSNSで個人発信し知名度もあるため、宣伝担当者によっては目立つ機会が今後増える可能性が有る。

声優ばかり目立って現場のアニメーターは注目されていないらしい

という意見が最近Twitterトレンドに乗っていました。

そこで、本当に声優だけが目立っているのか確かめるため、最新のアニメ雑誌を読んでみました(月刊ニュータイプ2023年4月号)

本誌の内容は大部分がアニメのピンナップ&インタビューですが、インタビューされる対象は声優が一番多く、次いで監督とキャラクターデザインが多かった印象です。グリッドマンの映画記事のインタビューが監督とキャラクターデザインの方でした。

その一方で、ヴィンランド・サガの記事はプロデューサーとアニメーションプロデューサーで、インタビューの内容で海外展開についても触れていました。

アニメのスタッフは他にも大勢居ますが、イベントやインタビューでの人選が上記のようになるのは何故でしょうか。

アニメの宣伝が目的だからじゃないの

イベントやインタビューはアニメ配給側が行う宣伝だから、声優が呼ばれているのではないでしょうか。ニュータイプもアニメを見て貰うために記事を出しているのであれば、ピンナップと声優インタビューが多い事も頷けます。これは「声優が気になるからアニメ見てみよう」という人向けの情報発信です。

また、監督とキャラクターデザインの方がインタビューされているグリッドマンの新作映画の記事ですが、「内容が気になる」という読者を対象にしているので声優ではなくディレクター職の方々が出てきているのでしょう。

作品の海外展開を主軸としたヴィンランド・サガのインタビューでは「海外展開を含めた作品作りが、どういう物か気になる」という人に向けた内容だったため、プロデューサーが出てきたのだと思います。

まとめると、内容や配給方法について聞きたいなら担当者を呼び、それ以外は声優インタビューが超安牌なのだと思います。だから声優が目立つのでは無いでしょうか。

例外として、昔読んだことがある「グレートメカニックG」という雑誌では、メカのデザイナーのインタビューが多く掲載されていました。
アニメ雑誌、アニメ専門ニュースといえど、切り口によって注目される対象は様々になるので、ニュータイプ以外のメディアでは他の役職も注目されている筈です。

そういう訳でアニメーターがアニメ雑誌で全然出てきてねぇじゃんという意見も分かるには分かります。合っている気はします。
その一方で、最近SNS上ではアニメーター個人が、自身の仕事や製作物について情報発信する様子が見られます。

作風が広く知られているアニメーター

最近はアニメーターがSNS上で情報発信やイラストを掲載しているので、作風やキャラクターが広く知られている「知名度の高いアニメーター」は存在します。数人例を挙げてみます。

大張正己

日本のロボットアニメに「大張」という一つの作風を打ち立てた人です。

けろりら

大流行したアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の原画(アニメを動かすキーになる絵)を大体ぜんぶ一人で描いた人です。

はなぶし

誰でも一度は聞いた事あるぐらい有名な曲のMVを何個も作ってる人です。

こうしたSNS上の活動は全てアニメーターの自己発信であり、掲載許可は得ていると思いますがメディアを通しての発信ではありません。

自分が主導しているプロジェクトについての発信や、関わっているヒット中の作品に参加しているという報告、定期的に投稿されるイラストなど、アニメーター自身が個人で投稿する様子が多く見られます。

まとめ

そういう訳で「SNS上などで活動している、有名所のアニメーター」はそこそこ居ます。

ただ、アニメーターの制作物や個人発信が広く知られているのはSNS上の事であって、配給会社や情報雑誌が主催しているイベントやインタビューとは、情報を受け取る客層も、注目を集める度合いも変わってくると思います。

従って「注目されている事」と「イベントやインタビューの対象になる事」を分けて考えた方が良いと思います。

声優ばかり注目されているように見えてしまうのは、配給側の都合でイベントやインタビューをやっている事が原因であって、規模は小さくとも個人発信を行っているアニメーターやスタジオが注目されていないわけでは無いでしょう(規模がかなり違いますが)
つまり、イベントやインタビューと分けてアニメーターが注目されているorされていないという話をする方が、現状のメデイア露出の少なさを正しく捉える事ができるだろう、という考えです。

「ネット等でのリアルタイムな反応が、アニメ制作現場のモチベーションにも繋がっている」と、押井守監督が言ってた気がするので、クリエイターや現場が注目される事はアニメ製作者にとってもプラスになるでしょう。
海外みたいにアニメーター呼んでイベントとか開けば注目も集まる、という意見がSNSでも多く見られましたので、実現するならやった方が良いかもしれません(日本でやるなら誰が主催するんだ?)

もっと注目されたい、という方へ

一応、ご意見漫画やオリジナルのキャラクターでバズる漫画家みたいに、インターネットコンテンツの一部になれば、アニメーター個人がキャラクター化されてイベントやインタビューでの露出が増えるかもしれません。
参考にしてみて下さい。

そうでも無い方へ

そこまで注目されたくなくても、個人の制作物をSNSで公開する意味は結構あると思います。アニメーターの職業自体は過酷でも、Twitterには軽く何か作って見せてみる用のハッシュタグもあるようなので、気軽に何か出してみるのもいいかもしれません。
参考にしてみて下さい。

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