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住宅ローンの繰上げ返済はすべき?

住宅ローンは一般的な返済方法である「元利均等返済」の場合、元金と利息の割合は、借入当初が最も利息割合が多く、返済が進むにつれて段々と元金の割合が多くなってきます。そのため、繰上げ返済を行う時期が早いほど,
その効果は大きくなります。
 
住宅ローンを早く終わらせるために、早めに繰上げ返済をするべきか?
正しい答えはありませんが、ご自身にあった答えが見つかるように整理しながらお話したいと思います。

期間短縮と返済額軽減 

繰上げ返済を行う際、「期間短縮」と「返済額軽減」の2つの方法があり、どちらかを選ぶことが出来ます
 
期間短縮は、返済期間が短くなりますが、毎月の返済額は変わりません。返済額軽減は逆に返済額は減りますが、返済期間は変わらない方法です。

どちらが最終的な返済額を減らせるか、下記条件で借入をし、5年後に100万円繰上げ返済をした場合を比べてみました。

「返済額軽減」を選ぶと、毎月の返済額が2,987円減り、完済時の利息を108,247円軽減できます。返済期間は変わらず35年です。

「期間短縮」を選ぶと、毎月の返済額は変わりませんが、返済期間が11ヶ月短縮され、利息が218,847円軽減できます。
 
この条件でのシミュレーションですと、「返済額軽減よりも期間短縮の方が利息軽減の効果がある」ということが分かります。

繰上げ返済のメリット

繰上げ返済をすることで、得られるメリットとは何でしょうか?

返済額を減らしたり、期間を短くしたりすることで、将来に対しての安心感が増えると答える方が多いと思います。
 
定年前までに住宅ローンを完済したいという方も多いでしょうし、気持ちの安定は大切なポイントです。
 
次は、視点を変えて、繰上げ返済に使うお金について、投資的な視点、経済合理性の観点からも考えてみましょう。

投資商品として考える

経済合理性で考えると、支払うはずだった利息分が得をしますね。先程のグラフ条件と同様に、借入から5年後100万円繰上げ返済(期間短縮)したとすると、残りの30年で支払うはずだった利息分、218,847円を減らすことができます。
 
言い換えると100万円支払って、年間約7,295円得をします。利回りでいうと年利約0.73%の投資商品に投資したことになります。
 
借入金利や繰上げ返済を行うタイミングが異なると、利回りも異なってきますが、利回りとしては低いと思った方も多いのではないでしょうか?

お金の使い道を考える

余剰資金の使い道として旅行、教育資金、車、衣服、貯金、投資、など色々ありますが、考えて欲しいのは、年利0.72%に投資するよりも、今後の生活を考えて、より唯意義な使い道があるか?ということです。
 
繰上げ返済をしたお金は、手元には戻ってきません。今後、車の買い替えや、お子さんの教育資金、不測の事態等でローンを組む可能性があるのであれば、住宅ローンよりも金利が高く、借入期間も短いため、繰上げ返済をするお金を手元に残しておいた方が得です。
 
また定年までに完済したいという方の場合、老後の生活を考えてのことでしょうから、繰上げ返済よりも、積立型の財形や投資信託、生命保険などに投資をした方が、資産が増え、より豊かな生活が送れるかもしれません。また人によっては、今を楽しむために使いたいという方もいると思います。
 
もちろん、繰上げ返済をすると支払うはずだった利息分が減るため、繰上げ返済自体を否定するものではありません。また経済合理性以上に、返済額や返済期間を減らすことで、今後の暮らしに安心感が持てるという方には有効な手段だと思います。
 
ただ住宅ローンは、私が知る限り、最も低金利で長期間融資を受けることが出来ます。繰上げ返済をする前に、その現金が、他にもっとご自身に合った使い道があるかどうかを考えてから決めても遅くないのではと思います。
 
正解は人それぞれ、現在や将来を考えた上で、ご自身が一番安心できる使い道を選んで頂ければと思います。
 
ゼロアパでは、ライフプランニング(無料)や無料相談会も行っております。

不動産に対してのお金の使い方、住宅ローンの金利が上がった時の対策など、考え方の整理をされたいという方は、ご相談ください。

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