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UN外科内科病院

UN外科内科病院

先代の
時の話ですが

今は
老人の
リハビリ社交場と
化した
病院は
もう二十年にも
なりますか

その前
先代の
医者が死んで
しばらく
古いまま
放置されてた

つまり建て替える前
今の
医者の
親父の時なんですね

胃の調子が
悪くて
何故か
行ってみたんですね
ちょっと大きいし
小さいころから
知ってたんで

でも
何十年も
行ってなくて


空いてた

すぐ呼ばれて
もう
バリウム
何が何でも
って感じで

すぐさま
バリウム検査

準備
ちょっと
ここで待っててください


長椅子に
座ったら
大きな
模造紙に
夏休みの
研究発表みたくに

突然死の
症例について
写真交じりに
貼り出してある

帰宅して
パンツ一丁で
ソファに
両肘を預けたまま
床に腰を下ろして
死亡

目に黒線
いれて
遺体写真
貼ってある

何で

死後硬直
その姿勢のまま
仰向けに
されて

子供を
上げない
たかいたかい
のようなかっこで

死んでる

それも
模造紙に
貼ってある

現場の説明
状況
死因

何で

胃が悪くて
どうして
このようなものを
見る羽目に
なるのか

しかし
見入ってしまった

医師の
意図
わからぬ

台に乗り
バリウム
一気
よこたてななめ
左右
動いて
なんで
あんなものが
貼り出してあるのか
聞きたくて

聞いたなら
多分 書いてない

おふくろが
地域の
地獄耳
何でも知ってる
あそこは

警察病院に
いた医者
だから

推理としては
患者も少なく
暇だったから
なんとなく
作ってしまったのだろう
かなどと
わざわざ写真で
わかりやすくして
注意喚起するでもなく
単なる
検視報告のような

医者としての
本職は
こっちだ

とでも言いたげに
痩せた
男の死は
貼られた

確か
癌だった
その頃には先代
誰の
主治医でも
なかったのでは
ないでしょうか


病院の
住居階と
うちの窓
同じ高さ

子の
代では
我が家
そこには
通院しない
近くても
ワクチンも
打ちに
行かない



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